ネットワークエンジニアの夜勤について!手当や辛いところを紹介

最終更新日:2024年7月18日

ネットワークエンジニアは、企業や組織のインフラを担う重要な存在です。24時間365日稼働することを前提に構築されているネットワークインフラも多いので、運用保守のために夜勤を行うケースも珍しくありません。

今回の記事では、ネットワークエンジニアへの転職を考えていて、ネットワークエンジニアの夜勤について知りたい人に向けて、夜間にどのような業務を行うのかご紹介します。またあわせて、夜勤がないネットワークエンジニアは存在するのかということもご紹介します。

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この記事のまとめ

  • ネットワークエンジニアとして業務を遂行する中で、夜勤を経験することが多い
  • 企業や従事している現場によっては夜勤が無い場合もある
  • 夜勤には、業務そのものの負担が少なかったり夜勤手当によって収入アップにつながったりというメリットもある
  • 夜勤の辛いところは、障害発生時の急な呼び出しや不規則な勤務で生活リズムが安定しないこと

ネットワークエンジニア(インフラエンジニア)に夜勤が多い理由

ネットワークエンジニアの業務のひとつであるインフラ監視には、人が監視する場合と、無人で監視する場合の2パターンが存在します。

無人監視はエンジニアの人件費が抑制できることから、一時的にシステムダウンが発生しても大きな影響が出にくいシステムに採用されるケースが多いです。また、中には何か障害やトラブルが発生した際に、監視サーバーがエンジニアにその旨を告知するといった仕組みの導入が可能な場合もあります。

一方で、金融系をはじめとしたインフラの場合は有人監視が一般的です。たった一瞬でもインフラが止まることが許されない環境のため、24時間体制の有人監視が必須であり、ネットワークエンジニアの夜勤が発生します。

このように、企業におけるインフラは極めて重要で、システムダウンが発生すると深刻な損害が生じる可能性があります。こういった事情により、ネットワークエンジニアには夜勤業務が避けられない場合があるのです。

他にも、ネットワークエンジニアには残業をせざるを得ない場合もあります。ネットワークエンジニアの残業について知りたい方は、こちらの記事もご覧ください。

関連記事:
ネットワークエンジニアの残業時間や休日事情について
ネットワークエンジニアのキャリアパス|キャリアアップするためのポイントも解説
ネットワークエンジニアになるには?必要なスキルや資格も紹介

ネットワークエンジニアの夜勤で発生する業務

ネットワークエンジニアの夜勤で発生する業務


ネットワークエンジニアの夜勤業務では具体的にどのような作業を行うのでしょうか。今回は、大きく分けて「監視」「保守」「運用」「構築」の4つのパターンに分けて紹介します。

監視

監視とは、その名の通りネットワークインフラに不具合やエラー、不正アクセスなどが発生していないかを常に監視する業務です。また、現場によってはネットワーク上を流れるトラフィック量を監視する場合もあります。

多くのネットワークインフラでは、万が一不具合やエラーなどが発生した場合、何らかのアラートが出てすぐに認識できるようになっています。そのため、単に監視のみを行うというよりは、緊急時の駆けつけやトラブル対応もセットで行うケースがほとんどです。

ネットワークエンジニアの監視業務についてさらに詳しく知りたい方は、こちらの記事もあわせてご覧ください。

関連記事:
ネットワークエンジニアの監視業務について
ネットワークエンジニアの構築業務とは?流れや必要スキル・資格を解説
ネットワークエンジニアの監視業務とは?仕事内容や役立つ資格を紹介

保守運用

保守運用とは、システムが安定稼働しつづけるための管理業務のことです。基本的に、異常が発生した場合に行う設定変更や故障対応を行う「保守」、正常稼働を維持するための「運用」に分かれます。ネットワークエンジニアが行う中で、一部作業は夜間に行わなければいけないものが存在します。

ソフトウェア、ハードウェアのアップデート

動作しているソフトウェアやハードウェアに不具合があり障害が発生する場合や、対象バージョンのメーカーサポート期限が切れる場合は、対象機器のアップデートを行わないといけません。アップデート作業はほとんどの場合、その機器を停止させる必要があります。

スイッチやルーターなどのネットワーク機器を停止させるとシステム全体に大きな影響が及ぶため、一般的にシステムの利用者が少ない夜間に実施します。

設定変更

スイッチやルーターなどの設定変更を行う場合も、システムの利用者が少ない夜間に実施することがあります。設定変更するパラメータによっては機器の再起動を必要とするものもあるからです。また、万が一設定変更を行った結果予期せぬ動作をしてシステム全体が不安定になった場合を考え、影響が少ない夜間に実施することがあります。

電話・問い合わせ対応

稼働中のネットワーク機器はいつ障害が起きてもおかしくありません。監視担当者によって24時間監視されている場合、夜間ネットワーク機器に異常が発生すると監視担当者から問い合わせの連絡がくることがあります。

ネットワーク機器に障害が発生するとシステム全体への影響が大きいため、速やかな対応が必要になります。障害の影響や対応作業によっては、そのまま夜勤で対応する場合もあります。

上記以外にもネットワークエンジニアの運用・保守業務について詳しい内容、業務を行う上で必要なスキルについて知りたい方は、こちらの記事もご覧ください。

関連記事: ネットワークエンジニアの運用・保守業務とは?必要なスキルも解説

構築

ネットワークインフラの構築作業と夜勤は結びつかないイメージを持っている方も多いと思いますが、企業によっては日中の時間帯は業務に支障が出ることから、あえて夜間作業を希望するケースも少なくありません。ただし、構築の作業は、監視や保守、運用とは全く異なるレイヤーの仕事であり、上流工程を担当できるベテランのネットワークエンジニアがアサインされるケースがほとんどです。

関連記事:
ネットワークエンジニアの構築の仕事について
ネットワークエンジニアとは|役割や仕事内容、未経験から目指す方法
ネットワークエンジニアが習得すべきプログラミングスキルは?おすすめ言語や学習法も解説

ネットワークエンジニアの夜勤のほうが楽?メリットとは

夜勤と聞くとあまり良いイメージを持たない方が多いと思いますが、実はネットワークエンジニアにとって夜勤はデメリットばかりではありません。どのような点がメリットとして考えられるのか、今回は3つのポイントに分けて解説します。

業務内容が比較的楽である

ネットワークインフラの夜勤は、監視や保守、運用といった日常業務がほとんどです。日中も同様の業務はありますが、社内のさまざまな部署から問い合わせがくることも多く、ヘルプデスクのような役割も同時並行で進めなくてはなりません。しかし、夜勤であれば問い合わせが来ることも少なく、日中に比べると業務そのものの負担は少ない傾向があります。

夜勤手当により給料が比較的高い

労働基準法により、22時から翌朝5時までの間は深夜割増賃金が支払われることが規定されています。そのため、日中に同じ時間働いた場合と比較しても、夜勤のほうが多くの給料を得ることが可能です。深夜割増賃金として法律で定められているのは1.25倍の賃金ですが、これはあくまでも最低ラインなので企業によってはそれ以上の手当を設けている場合もあります。

関連記事:ネットワークエンジニアの年収相場は?クラウド時代に起こる変化

勤務時間中に資格取得などに向けて勉強できる場合がある

夜勤はあくまでも通常業務を最優先で行うことが大前提ですが、企業によっては勤務時間中に資格取得などの勉強時間に充てることを認めているところもあります。比較的業務負担が少ない夜勤ならではのメリットといえるでしょう。

ただし、勉強に夢中になるあまり、監視や保守などの通常業務がおろそかにならないよう注意が必要です。

早起きがない

夜勤であれば昼から夕方まで寝ていることができるので、早起きする必要がありません。そのため、早起きが苦手な方には夜勤が合っている可能性があります。夜勤と日勤が混ざっている場合は早起きが必要で生活リズムも崩れるかもしれませんが、夜勤で統一すれば生活リズムとしては整います。
夜型の方は、あえて夜勤に絞って転職先を探すのも一つの選択肢です。

関連記事:
ネットワークエンジニアに必要な勉強内容とその学習方法
ネットワークエンジニアに転職するには?キャリアパスも紹介
ネットワークエンジニアの志望動機の書き方は?例文も交えて解説

ネットワークエンジニアの夜勤の辛いところ

夜勤と聞くと、日勤に比べて大変、辛いと想像する人も多いのではないでしょうか。ネットワークエンジニアはいつも夜勤しているわけではありませんが、実際に夜勤で働くと辛い部分が出てきます。ここではどういう場合に夜勤が発生し、どのような点が辛いのか、解説します。

急な呼び出しで夜勤が発生する場合がある

ネットワークエンジニアに限らず、サーバーやデータベースを保守運用するインフラエンジニアは、夜間になんらかのトラブルが起きた時に呼び出しを受けるので夜勤が発生します。逆に言うと、トラブルが発生しなければ呼び出されることはありません。

ネットワークエンジニアであれば、呼び出しが発生するのは機器の故障か、ハードウェアの不具合のどちらかのケースがほとんどであるため、呼び出しの可能性はそれほど多くありません。また、夜間のトラブル時に機器のメーカーサポートに直接問い合わせるなど、対応内容を明確にして監視担当者に依頼しておくと呼び出しを避けることもできます。

生活リズムが安定しない

夜勤が発生すると通常の生活リズムとは昼夜が逆転します。リリース直後でトラブルが頻発し、複数日に渡る保守業務などで夜勤が長期化すると、生活リズムが不安定になり体調に影響を及ぼすことも少なくなりません。シフト体制を組むなど夜勤を行う日を明確にし、夜勤がない日はしっかり体調を整えることが大切です。

ネットワークエンジニアの夜勤シフト例

夜勤シフトを組む場合、対応メンバーの人数にもよりますが基本的に「2交替制」「3交替制」のどちらかになります。実際に夜勤シフトにはいるとどのような時間帯での勤務になるか、それぞれのシフトの例を紹介します。

2交替制

2交替制では、例えば9:00〜21:30、21:00〜9:30に分けて、1回の勤務時間は12時間です。開始30分(9:00〜9:30、21:00〜21:30)は、その時間帯に発生した内容や引継ぎ内容に関するミーティングを行います。

3交替制

3交替制では、例えば8:00〜16:30、16:00〜0:30、00:00〜8:30に分け、1回の勤務時間は8時間です。開始30分(0:00〜0:30、8:00〜8:30、16:00〜16:30)は、その時間帯に発生した内容や引継ぎ内容に関するミーティングを行います。2交替制に比べ1回の勤務時間が短い分楽ですが、その分対応メンバーを確保する必要があります。

夜勤なしのネットワークエンジニアとして働くことは可能か?

ネットワークエンジニアの多くは、一度は夜勤を経験しており、現在も日常的に夜勤を行っている方も少なくありません。では、ネットワークエンジニアが働く現場の中で、そもそも夜勤が存在しないケースはあるのでしょうか。

自社ネットワークを管理する社内エンジニアは夜勤がないことも

ネットワークインフラといっても、日常業務で利用する社内ネットワークを管理している現場では夜勤が存在しないケースもあります。社内ネットワークは、あくまでも業務上の運用が前提であり、オフィスに社員がいない夜間はネットワークインフラを管理する必要がなくなります。そのため、必然的に自社ネットワークを管理する現場ではネットワークエンジニアの夜勤も不要になるのです。

ただし、社内ネットワークを管理しているからといって、全ての現場で夜勤が存在しないわけではありません。

上流工程の担当者は夜勤がない場合が多い

ネットワークシステムの設計や構築などを担う上流工程のネットワークエンジニアは、夜勤のないケースがほとんどです。夜勤のメイン業務は監視や保守、運用であり、これらは上流工程の業務に含まれないことが多いためです。

ただし、上記でも紹介したとおり、ネットワーク構築の作業を夜間に行わなければならない場合などは、突発的な夜勤が入ることもありえます。

ここまでの内容で「ネットワークエンジニアエンジニアに転職したい」と思った人には、ネットワークエンジニアへの転職について以下の記事で詳しく解説しています。こちらもあわせてご覧ください。

関連記事:
ネットワークエンジニアとは?どんな仕事かをわかりやすく解説
ネットワークエンジニアへのキャリアアップ転職について
ネットワークエンジニアの志望動機の書き方を徹底解説【例文付き】

ネットワークエンジニアの夜勤を避ける方法

求人内容をよく確認する

求人を探す際は募集要項に夜勤についての記載がないかチェックしてください。夜勤なしの条件で、ネットワークエンジニアを募集している案件もあります。

ただし、一般的にはネットワークエンジニアの仕事には夜間勤務が含まれていることも多いです。
そこで、夜間勤務のない求人を見つけるために、専門のIT転職エージェントの力を借りることをおすすめします。個別の面談で毎回夜勤について確認するのも効率が悪いので、転職エージェントに夜勤のない求人を紹介してもらいましょう。

キャリアアップを目指す

ネットワークエンジニアとして、上流工程に携わることで、夜勤を回避できます。

ネットワークエンジニアの仕事は大きく分けて下流工程と上流工程があります。下流工程はシフト制なので夜勤の仕事があります。一方、上流工程は平日の日勤のみです。未経験者は通常、下流工程からスタートすることが多いです。

まずは下流工程から始めるとしても、早期に上流工程にキャリアアップすれば、夜勤をしなくてもよくなります。

開発エンジニアになる

開発エンジニア(プログラマー)になれば、夜勤の必要がなくなります。

通常、開発エンジニアは平日の日勤のみの勤務が一般的です。そのため、夜勤を回避するための選択肢として、ネットワークエンジニアではなく開発エンジニアを目指すことも一つの方法です。

ただし、開発エンジニアは競争が激しいため、プログラミングスキルを磨いてから転職活動を開始することをおすすめします。

ネットワークエンジニアに関するよくある質問

ここからは、ネットワークエンジニアの夜勤に関するよくある質問とその回答をご紹介します。
自分自身が疑問に思っていることに近い質問があれば、ぜひ参考にしてみてください。

Q1. ネットワークエンジニアは夜勤があるというのは本当ですか?

ネットワークエンジニアは夜勤が多い職種です。夜勤がない場合もありますが、夜勤を含む募集の場合が多いでしょう。また、夜勤専門の募集もあります。

Q2. ネットワークエンジニアは夜勤なしでも働けますか?

夜勤なしで働くことも不可能ではありませんが、スキル要件が高めの場合が多いです。具体的には社内エンジニアや上流工程の担当者であれば、夜勤なしの場合もあります。しかし、これらに応募するネットワークエンジニアの多くは、すでに夜勤のある現場で経験を積んでいることが多いでしょう。夜勤なしの案件は人気が集中しやすく、ハイスキルのネットワークエンジニアが採用される傾向にあります。

Q3. ネットワークエンジニアの夜勤で辛いところはどこですか?

急な呼び出しで夜勤が発生する場合があることや、生活リズムが安定しないことです。日勤と夜勤が混ざった形でシフトを組む場合が多いため、結果的に生活リズムが不規則になります。

Q4. ネットワークエンジニアの夜勤はどのような仕事をしますか?

ネットワークエンジニアの夜勤業務では、ネットワークインフラの「監視」「保守」「運用」「構築」の業務を行います。監視は不具合やエラー、不正アクセスなどが発生していないかを常に監視する業務です。保守運用とは、システムが安定稼働しつづけるための管理業務です。構築では、ハードウェアやソフトウェアを導入し、接続や設定を行います。

まとめ

ネットワークエンジニアとして業務を遂行する中で、運用や保守業務がメインの夜勤は多くのエンジニアが経験する道といえます。もちろん、企業や従事している現場によっては夜勤そのものがないところもあるでしょう。

夜勤と聞くとあまり良いイメージを持たない方も多いと思います。しかし、今回紹介したように業務そのものの負担が少なかったり夜勤手当によって収入アップにつながったりと、決してデメリットばかりではないのも確かです。

もし、「夜勤が多いからネットワークエンジニアを目指すのは諦めよう」と考えている方がいれば、今回紹介した内容を参考に前向きに考えてみるのも良いかもしれません。

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