SIとは?事業や仕事内容。工程ごとの業務をわかりやすく解説

最終更新日:2024年6月26日

SI(システムインテグレーション)は、銀行システム、工場の生産管理システム、店舗の在庫管理システムなどさまざまなシステムの要件定義・設計・開発・運用を行うサービスです。SIサービスを提供している企業をSIer(エスアイヤー)またはシステムインテグレーターと呼び、SIerは顧客からシステム開発の依頼を受け、設計、開発、運用・保守を請け負います。

この記事では、SIに興味を持っているエンジニアに向けて、SIの概要、仕事内容、求められる知識・スキルについて解説します。

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この記事のまとめ

  • SIはシステムインテグレーションの略で、システムの要件定義から開発、運用まで請け負うサービスのことを指す
  • SI事業を提供する企業はSIerと呼ばれ、一次請けの大手SIerは上流工程を、二次請けの中堅・中小SIerは下流工程を担当するのが一般的
  • SI事業が対象とするサービスは、特に金融分野、製造分野、医療・ヘルスケア分野におけるシステム開発需要が高まっている

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SI(システムインテグレーション)とは

SIは、システムの要件定義から開発、運用まで請け負うサービスのことです。システムインテグレーション(System Integration)の略称です。社員数1万人以上の大企業から数人の中小企業までさまざまな規模のSI企業があります。

ハードウェアからソフトウェアまで、幅広い製品を持っているSI企業であれば1社でSIが完結してしまうこともありますが、多くの場合はハードウェアメーカー、ソフトウェア会社、通信キャリア、システム運用支援会社などさまざまな企業と協力して開発を行います。

SIと類似する名称が複数あり、意味合いを混同している人も多いでしょう。それぞれ詳しくは後述しますが、まずは以下の表で大まかな違いをご確認ください。

表記 読み方 意味
SI エスアイ
(システムインテグレーション)
システム開発を請け負うサービス
SIer エスアイヤー システム開発を請け負う企業
SE エスイー システムエンジニアの略称

SIを提供している企業がSIerで、SIerに在籍しているのがSE、というイメージです。

SI業界の構造

SI業界は、プロジェクトの規模に応じて、大手から中小まで多くの企業が連携し、階層構造を形成しています。一次請けの大手SIerは上流工程を、二次請けの中堅・中小SIerは下流工程を担当するのが一般的です。

下位層になるほどコーディングやテストなど、下流工程を主に担当します。このような構造になっているのは、大手SIer企業が一次請けとなり、中小SIer企業にノウハウの提供や技術支援などを行うことで、全体としてのシステム開発力を高めていくためです。

SIer(システムインテグレーター/エスアイヤー)とは

SIerとは、SI事業を行う企業のことです。SIerは大きくわけると、メーカー系、ユーザー系、独立系があります

メーカー系とは、日立製作所、富士通などのメーカーから派生したSIer。ユーザー系とは、金融機関などから派生して、親会社のシステム開発をメインに行うSIer。

独立系とは、メーカー系にもユーザー系にも該当しないSIerです。これにプラスして外資系も含まれる場合があります。詳しくは後述します。

SEはシステムを開発する職種なのがSIとの違い

SIと混同しやすい言葉として「SE」があります。SEはシステムエンジニア(System Engineer)の略称です。SIがサービスを指す言葉であるのに対し、SEは職種を指す言葉となっています。

SEはシステム開発において、要件定義、設計、開発、運用・保守を担います。つまり、SIはサービスの種類を、SEは職種や役割を表す言葉と理解できます。

関連記事:SE(システムエンジニア)とは?仕事内容・年収・役立つ資格などをわかりやすく解説

SI業界の市場規模

総務省が2022年3月に公表した2021年情報通信業基本調査SI業界が属する情報サービス業の市場規模は着実に拡大していることが分かります。2016年には16.7兆円だった売上高が、2020年には18.8兆円へと増加傾向です。

この成長の背景には、企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)の進展によるシステム開発需要の高まりがあります。このような理由から、今後もSI業界の市場規模は拡大を続けると予測されています。

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SIの分類

SI業界は、主にメーカー系、ユーザー系、独立系、外資系の4つに分類されます。メーカー系SIerは、大手電機メーカーに属する子会社や関連会社から成り立っています。

ユーザー系SIerは、大企業のシステム部門から独立して設立された企業です。独立系SIerは、どの企業グループにも属さない自立した企業を指し、外資系SIerは、外国の企業が日本に設立した子会社や支社などです。

それぞれの分類によって、得意とする業界や技術、企業文化などに特徴があります。ここでは、これらのSIの分類について解説します。

メーカー系

メーカー系は、主に製造メーカーから派生したSIerです。ハードウェアの開発、ソフトウェア開発、システム開発まで幅広いサービスを提供しているSI企業をメーカー系と言います。

代表的な企業として、日立、NEC、富士通などがあります。メーカー系は大企業が多く、1次請けした案件(プライム案件)を自社もしくは自社の子会社で開発するケースが多いです。系列企業の製品を使った開発が中心となります。

ユーザー系

ユーザー系は主に親会社のシステムを開発するために存在するSIerです。情報システム部門が独立し、親会社からの案件だけでなく、ときにはほかの企業からの案件も請け負う場合もあります。

具体的な企業としては、NTTデータ、野村総合研究所などが該当します。ユーザー系も大企業が多いSI企業です。

独立系

独立系は、親会社を持たず独立してSI事業を行う形態のSI企業です。代表的な企業は、富士ソフトや大塚商会、日本ユニシスなどがあります。独立系は、関連企業の製品に縛られない開発が行える点に強みを持っています。そのため、独立系は幅広い案件を請け負っている傾向があります。

外資系

外資系はグローバルマーケットでSI事業を行う企業です。具体的な企業としては、マイクロソフト、IBM、オラクルなどが代表的です。

これらの企業のサービスを使って開発するにはライセンスが必要なケースが多くあり、ライセンスの取得・維持にはお金が掛かります。外資系SIerが直接システム開発を行うケースは少なく、多くの場合はライセンスを持つ企業が開発を担当します。

関連記事:外資系SIerの企業例9選!年収、メリットやデメリットも解説

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SI事業が対象とする具体的なサービス例

SI事業が対象とするサービスは、さまざまな分野があります。特に金融分野、製造分野、医療・ヘルスケア分野におけるシステム開発需要が高まっています。

金融分野では、オンラインバンキングやモバイル決済など、利便性の高いサービスを提供するためのシステム開発が活発です。製造分野では、ロボットや制御管理システムなどの導入が進んでいます。

医療・ヘルスケア分野では、患者の利便性向上と医療の効率化を図るシステム開発が増加傾向です。ここでは、これらのSI事業が対象とする具体的なサービス例について解説します。

金融分野

金融分野では、銀行のオンライン取引、キャッシュレス決済、ATMなどはSI事業が対象とするシステムです。初期開発だけでなく、システムの改修プロジェクトなどもあります。金融システムは法改正や技術の変化によって改修頻度が高いため、SI事業の中でもシェアが大きいです。

製造分野

製造分野では、制御システム、ロボット、データ解析システムなどが挙げられます。製造分野ではパソコンで使用するシステムだけでなく、その業界、企業ならではのハードウェアもあります。そのため、ハードウェアもソフトウェアも開発する機会が多いという点が大きな特徴です。

医療・ヘルスケア分野

医療・ヘルスケア分野では、オンライン診療システムや電子カルテ、電子お薬手帳などのシステム開発が進んでいます。また、近年では医療分野におけるAI活用が急速に進んでおり、診断支援システムや医療画像分析ツールなどの開発にも注目が集まっています。そのため、医療・ヘルスケア分野は、SI事業において重要です。

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SI事業での仕事内容

システム開発において、要件定義、設計、開発、運用と工程を分け、順を追って開発を進める手法を「ウォーターフォール型」と呼びます。ウォーターフォール型の前半で行う要件定義と設計工程を「上流工程」と呼び、後半で行う開発・運用工程を「下流工程」と呼びます。

上流工程は顧客のヒアリングを行って要件定義書や設計書を作成し、下流工程ではプログラミングやテスト、運用実務などを行います。SI業界では大手SIerが上流工程を担当し、下流工程を中小SIerに外注するケースが多く、企業規模によって仕事内容が異なります。

以下では、各工程について解説を行います。

要件定義

顧客がどのような目的でシステムを必要としているかヒアリングを行い、システムに必要な機能や性能などを定義する工程です。システム化の対象業務を洗い出し、業務処理の手順やシステムの操作、入出力要件などを整理して要件定義書としてまとめていきます。

ウォーターフォール型の開発では後戻りすることが難しいため、非常に重要なフェーズです。経験豊富なSEやコンサルタントが主に担当します。

設計

要件定義書を元にシステムの設計を行う工程です。設計といっても幅広く、ハードウェア設計やデータベース設計、業務設計、プログラミング設計(詳細設計)などさまざまな設計を行います。SEが主に担当します。

開発

開発工程では、設計工程で作成した設計書をもとにプログラミングを行います。コーディング基準に従い、採用したプログラミング言語でコードを書きます。

コードを書いた後はコードレビューを行い、必要に応じてデバッグを行います。主にプログラマーが担当する工程ですが、企業によっては設計者が開発も担当することがあります。

テスト

プログラムのバグを発見し、設計書通りに動作するか確認する工程です。テストには、プログラムコードを1行ずつテストする単体テスト、クラスやモジュールをつなげて行う結合テスト、UIからユーザーが利用するケースを実行して行う総合テスト、性能を検証するパフォーマンステストなどがあります。

テストを専門に行うテストエンジニアという職種がありますが、多くの場合はプログラマーとSEが担当します。案件によっては、性能やセキュリティ性のテストを専門会社に依頼するケースもあります。

運用・保守

顧客が問題なくシステムを利用できるよう、稼働状況の監視や利用状況に応じたチューニングを行う工程です。システムに問題が生じた場合には、応急対応・恒久対応を行います。システムリリース直後は開発会社が担当するケースが多いですが、安定稼動後はBPO企業が担うことも多くあります。

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SI企業で働く際に求められる知識とスキル

SI企業で働く際に求められる知識とスキルには、システム開発やテクノロジーに関するものが挙げられます。また、リーダーなどの役職を目指すのであれば、プロジェクトマネジメントスキルも求められます。

さらに、さまざまな人と関わるためコミュニケーションスキルも欠かせません。そして、SI企業で働くには論理的思考力も必要です。ここでは、SI企業で働く際に求められる知識とスキルについて解説します。

システム開発に関する知識・スキル

SIの業務を行うためには、要件定義から開発、運用・保守と幅広い工程の知識・スキルが必要です。要件定義では、顧客のヒアリングと提案を行うため、コミュニケーションスキルや提案力、顧客の業務に関する知識が必要です。

設計では、業務の流れを示すデータフロー図や、データベースの構造を示すER図などを作成するので、設計手法に精通している必要があります。開発・テスト工程では、プログラミング言語やフレームワークを使用するスキル、テストツールの利用、開発フローを構築するといったことが求められます。

運用・保守では、サーバーやネットワークに関する知識や、障害を検知してシステムを改善するスキルなどが必要になります。

このように幅広い知識とスキルが求められますが、基礎知識は国家資格である基本情報技術者試験が網羅していますので、この資格を通して習得すると良いでしょう。スキルは書籍やスクールでの学習 に加え、OJTで身につけるのが一般的です。

テクノロジーに関する知識・スキル

システムを開発するには、テクノロジー全般に関する知識が必要です。具体的にはメモリやプロセッサなどコンピューターに関する知識、OSやミドルウェアなどソフトウェアに関する知識が欠かせません。また、サーバーや、ネットワーク、データベース、セキュリティに関する知識とスキルも求められます。

これらすべてのスキルを求められることはありませんが、基礎知識は求められます。これらについても基本情報技術者試験で学習することができます。

プロジェクトマネジメントスキル

プロジェクトマネジメントとは、システム開発の各工程における作業を円滑に遂行するための管理手法です。スケジュール管理、予算管理、リソース管理、品質管理、リスク管理などさまざまな管理対象があります。

プログラマーや若手エンジニアには必須のスキルではありませんが、リーダー職以上を目指すのであれば必須スキルと言えるでしょう。

コミュニケーションスキル

コミュニケーションスキルは表情や会話などを使って意思の疎通や情報の共有を円滑に行う能力のことです。ただ、話し好きであればいいというわけではなく、聞く力も求められます。

また、能力と行っても後天的に身につけることが可能です。SI業務の中ではクライアントへの説明や進捗管理などで発揮されます。

論理的思考力

ビジネスでは必須と言われている論理的思考ですが、これは「物事を体系的に捉え、筋道を立てて考える力のこと」と言われています。システムや開発においては「どのような目的のためのシステムなのか」から論理的に考える必要があり、ここがズレてしまうとその後の開発に大きく影響してしまいます。

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SI企業で働くメリット・デメリット

SI企業で働くことには、さまざまなメリットやデメリットがあります。SI企業で働く際は、メリットやデメリットを見極め、自分自身の能力を最大限に活かせる環境を選ぶことが重要です。

ここでは、 SI企業で働くメリットとデメリットを解説し、それぞれの要素がどのように自分のキャリアや職場での日々に影響を与えるかを掘り下げます。

メリット

SI企業で働くことで、さまざまなメリットを得られます。SI企業ではBtoB向けに安定した仕事が多く、IT系の業務以外の汎用性の高い業務スキルを磨くことが可能です。

さらに、多くの分野でのプロジェクトに参加することで、幅広い経験を積むことができます。これらの経験は、将来的に独立や起業を考える際にも役立つでしょう。ここでは、これらのSI企業で働くメリットについて解説します。

BtoBで安定して仕事がある場合が多い

SI業界は法人向けにビジネスをしている企業(BtoB企業)との取引が多く、1つのプロジェクトの規模が大きい特徴があります。規模が大きいプロジェクトを受注できる企業は売上も安定しているため、勤務していく上でも安定していると言えるでしょう。

IT系の業務以外の汎用性の高い業務スキルを磨ける

SIではIT系の業務はもちろんですが、進捗管理やトラブル対応、資料作成、マネジメントなども経験することができます。また、クライアントへのヒアリングなどの折衝があるためコミュニケーションスキルなどを身につけることも可能です。

多くの分野でのプロジェクトを経験できる

SI企業は分野にこだわらずにシステム開発することが多いため、さまざまな分野のしごとに携わることができます。官公庁や医療現場、学校などさまざまな業種の仕事を知ることができ、多くのことを学べるでしょう。

知識・スキルを活かして独立・起業しやすい

SI企業で働くメリットとして、専門的なITスキルや幅広いビジネススキルを習得できます。多くのプロジェクトに携わることで、さまざまな経験を積むことが可能です。

このような経験と実績は、将来の独立や起業への道を切り拓く貴重な財産となります。そのため、独立・起業を視野に入れるなら、SI業界で着実にキャリアを積み、自らの可能性を広げていくことをおすすめします

デメリット

SI企業で働くことでメリットが得られる一方で、いくつかのデメリットも存在します。主なデメリットとしては、対応する業務範囲が狭く、同じ業務の繰り返しになる場合がある点です。

また、プログラミングスキルを活かしにくい場合もあります。さらに、下流のSI事業だと給料が上がりにくいこともデメリットです。ここでは、SI企業で働くデメリットについて解説します。

対応する業務範囲が狭く、同じ業務の繰り返しになる場合もある

プロジェクトの業務が細かく分担されているため、自分が担当する業務が決まってしまい、その業務をずっと続けることになりがちです。たとえば、セキュリティ担当者はセキュリティのみをさまざまなプロジェクトを通して担当することになります。

関連記事:SIerからの転職先|転職したい理由や転職する際のポイントを解説

プログラミングスキルを活かしにくい場合もある

SI企業では上流工程を担当し、プログラミングなどは外部に委託する場合が多いのが実情です。
そのため、プログラミングスキルを活かして活躍したいと思っても活かしにくい場合があります。
プログラミングよりもマネジメント業務がしたい人には向いているかもしれません。

関連記事:SIerの将来性は?なくなると言われる理由と対策、市場価値を解説

下流のSI事業だと給料が上がりにくいことがある

SI業界は問題視されることも多いです。多重請負自体が法律的にグレーゾーンなのですが、特に下流工程だと仲介で搾取されるためなかなか給料が上がらないというデメリットも生じます。

お金は元請けに近い企業が取得し、仕事は下請けに流れていくという仕組みになっています。結果的に、下請け企業は激務薄給になりやすいです。

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SI事業の将来性が高い理由

SI事業は慢性的に人手不足です。またDXの促進により、ますます人手が必要な状況になっています。需給バランスから考えて、SI事業の人材の市場価値は高まると予想されます。

またSI事業でスキルを身につければ、別業界への転職やフリーランスエンジニアとしての独立なども可能です。ここでは、SI事業の将来性が高い理由について解説します。

IT業界全体の市場規模が拡大している

IT業界は、年々全体の市場規模が拡大しています。経済産業省が公表している特定サービス産業動態統計調査のデータを見ると、情報サービス業の市場規模は着実に拡大傾向にあることが分かります。

2015年には10.7兆円だった売上高は、2022年には15.9兆円へと大きく成長しました。特に2021年以降、その増加ペースが加速しています。この背景には、これまでデジタル化に消極的だった企業も、DXの重要性を認識し、積極的にIT投資を行うようになったことが挙げられます。

DX導入によりSI業界の需要は拡大している

SI業界は、企業のDX推進を支援する重要な役割を担っています。経済産業省もDX推進を積極的に支援しており、SI業界へのニーズは確実に増加傾向です。

しかしながら、IT人材不足やデジタル化に対する理解不足から、DX導入に踏み切れない企業も少なくありません。また、DXを導入しても、その効果的な活用に苦戦するケースも見受けられます。そのため、SI業界がこれらの課題に対処することを期待されています。

オフショア開発する企業が増えている

SI業界でもグローバル化は進んでおり、オフショア開発を活用する企業が増加傾向にあります。オフショア開発とは、システム開発などの業務を海外の企業や現地法人に委託することです。

主な委託先としては、中国やインド、そして東南アジア諸国が挙げられます。今後、グローバル競争の激化に伴い、オフショア開発の需要はさらに高まっていくと予想されます。グローバル化が進むSI業界で活躍するには、技術力だけでなく、語学スキルも重要です。

IT業界全体の慢性的な人材不足が続いている

SI業界を含むIT企業全体では、慢性的な人材不足が続いています。ITの知識やスキルは、IT業界で働くには必須です。

しかし、それらを備えたIT人材は不足しているため、業界全体で人手不足の状況が生じています。今後もこの傾向は続くと予想され、IT人材の需要は高い水準で推移するでしょう。

そのため、ITの知識とスキルを持つ人にとって、SI業界は転職しやすい環境にあるといえます。新たなキャリアにチャレンジするならば、SI業界は魅力的な選択肢の一つです。

関連記事:SIerからWeb系企業への転職を成功させるには?難易度や成功例

大規模なプロジェクトを任されるようになる見込み

近年の日本におけるDX・IT化の急速な進展に伴い、SI業界は大規模なプロジェクトを任される機会が増えていくと予測されています。大規模なプロジェクトでは、より高度な知識とスキルが求められます。

そのため、大規模プロジェクトに参加することは、エンジニアとしての知識やスキルを飛躍的に向上させるチャンスです。自らのスキルを磨きながらキャリアアップを目指したいと考える人にとって、SI業界は有望な選択肢といえるでしょう。

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SI事業に関するよくある質問

ここでは、SI事業に関するよくある質問と回答を紹介します。SI事業に関するよくある質問には、SIの意味や働くメリット、システム開発の流れについてなどが挙げられます。

さらに、SI業界におけるキャリアパスについても、多くの方が関心を寄せる内容です。これらのよくある質問と回答を、SI業界の転職活動に活用してください。

Q1. SIとは何ですか?

SIはシステムインテグレーションの略称で、システム開発を請け負うサービスのことを指します。SIerはSIを提供する企業のことで、SEはSIerに在籍していることが多いです。

Q2. SIerで働くメリットを教えてください

SIerで働くことで、エンジニアとして必要なスキルが身につきます。また給料などの待遇も良いです。プロジェクトに関わる企業、メンバーが多いため、ITスキル以外のコミュニケーションスキルなどが身につく点もメリットと言えるでしょう。

Q3. SI事業におけるシステム開発の流れを教えてください

SI事業におけるシステム開発の流れは以下です。

  • 1.顧客企業の大枠を分析し、大枠から必要なシステム選定、提案を行う

    2.企業の個別の課題を洗い出し、具体的な改善策に落とし込んでいく

    3.要件定義という形で顧客に提案を行う

    4.要件定義に基づいて設計書を作成する

    5.設計書に基づいて開発を進める

    6.システムのテストを行う

    7.システムをリリースする

    8.リリースしたシステムの改修やアフターフォローを行う

プロジェクトによって詳細は異なりますが、概ね上記のような流れでプロジェクトが進行されます。

Q4. SI業界のキャリアパスを教えてください

SI業界のキャリアパスとしては、プログラマーやシステムエンジニアなどが一般的です。また、プロジェクトリーダーやプロジェクトマネージャーといったマネジメント職に進む方もいます。そのほかにも、ITコンサルタントに転職する方もいます。

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まとめ

本記事では、SIの概要、仕事内容、求められる知識・スキルについて解説しました。一言にSI事業といっても、企業によって携わる工程や求められる知識・スキルは異なります。そのため、どのような業務に携わりたいか明確にした上で働く企業を選ぶことが重要です。

SI事業には幅広い知識とスキルが求められますが、資格制度やスクールを活用することで効率的に身につける事ができるでしょう。

関連記事:
SIerの志望動機の書き方と例文|書く時のポイントと注意点も解説
SESの客先常駐|メリット・デメリットやSIerとの違い

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