カスタマージャーニーマップとは?基本知識や作り方をわかりやすく解説

最終更新日:2024年6月25日

顧客のニーズや行動が多様化した結果、これらをいかに分析してサービスそのものや販路を改善するかが重要と言われています。そして顧客の思考や行動を分析して課題を解決するのに役立つのがカスタマージャーニーマップです。

カスタマージャーニーマップの存在自体は知っているが作成したことはない、何から始めるべきか迷っている、といったケースは多いでしょう。そこでカスタマージャーニーマップの概要や作成方法について解説します。

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この記事のまとめ

  • カスタマージャーニーマップとは顧客がサービスや商品について認知し、そこから購入に至るまでの流れを時系列でまとめた図のこと
  • カスタマージャーニーマップを作成することで、顧客の思考や行動を明確化することができる
  • カスタマージャーニーマップによって設定した課題を解決していくことで、最終的な目的を達成できる

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カスタマージャーニーマップとは

カスタマージャーニーマップとは、顧客がサービスや商品について認知し、そこから購入に至るまでの流れを時系列でまとめた図のことです。顧客は必ず一定のプロセスを経てサービス・商品を購入していて、サービスや商品の種類に関わらずカスタマージャーニーマップを作成することができます。ではなぜカスタマージャーニーマップを作成するのか、どのように活用するのかなどについて解説します。

カスタマージャーニーマップの目的

カスタマージャーニーマップの目的は、顧客目線で考えることや、チームで共通認識を持つことです。まずカスタマージャーニーマップは顧客の思考や行動を時系列で明確化するものなので、顧客のことが客観的にわかります。当然すべてを明確化できるわけではありませんが、少なくとも顧客を細分化したり、購入までの一連の流れの中で不明点を明確化したりすることはできます。

次にカスタマージャーニーマップを共有すれば、チーム全体で認識を共有することが可能です。それぞれ自身の担当に合わせたプロの目線を持つことは重要ですが、他のメンバーや顧客の目線を理解したうえでサービスや商品の改良に取り組むことは必須でしょう。

カスタマージャーニーマップが求められる理由

カスタマージャーニーマップは以前から有効なツールでしたが、今の時代はより重要度が増しています。顧客がサービス、商品購入までに至るルートが増えていて、その分顧客の思考や行動が多様化しているからです。

販売者側が把握していないうちにSNSなどで話題になっていて、よくわからないままに急激に売り上げが伸びて発注が追い付かない、といったケースもあります。カスタマージャーニーマップによって消費者心理、行動を理解すれば利益拡大や、顧客満足度向上につながるでしょう。

カスタマージャーニーマップの活用方法

カスタマージャーニーマップを最終的にどのように活用するかはケースバイケースですが、ざっくりとまとめると、マーケティング、商品・サービスの改良、発注や在庫数の最適化などに活用するのが一般的でしょう。カスタマージャーニーマップから新たなビジネス、サービス、商品の考案などにつながる可能性もあります。

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カスタマージャーニーマップの作成するためのステップ

カスタマージャーニーマップの作成方法が明確に決まっているわけではありませんが、以下のようなステップを踏むと比較的スムーズに作成できるでしょう。

  • ・ペルソナを設定する

    ・購入に至るまでのステップを設定する

    ・タッチポイントを整理する

    ・顧客の行動を整理する

    ・現状の課題および改善施策を検討する

    ・マップとして書き出し、整理する

具体的な状況は企業によって異なるので、一部省略したり順番を入れ替えても問題ありません。一般的には上記のような流れで進めると良いです。

ペルソナを設定する

ペルソナの設定はカスタマージャーニーマップだけでなく、マーケティングにおいて基本的なものです。ペルソナの設定方法はカスタマージャーニーマップ特有のものはなく、他のマーケティング手法でのペルソナ設定と同じです。

ペルソナは顧客ターゲットと似ていますが、より詳細に絞り込むという点が大きな特徴になります。どのような人が顧客になるかだけでなく、具体的な人物を作り上げるようなイメージです。年齢、職業、趣味、年収、性別なども具体的に設定していきます。

当然顧客の属性は多種多様なのでペルソナに限定されるわけではありませんが、ペルソナを具体的に設定することで分析を掘り下げることが可能です。その結果、漠然とターゲットだけを設定するよりも、ペルソナから外れる顧客層にも強力にアプローチできるようになります。

購入に至るまでのステップを設定する

ペルソナを作成したら、その人がどのような流れで購入までに至るのか、ステップを設定します。具体的には、認知、情報収集、購入、使用、といったステップです。ここではまずは大枠のステップを設定し、詳細は後の工程で詰めていきます。ペルソナによっては情報収集を行わないケースもあるため、ステップを設定する段階でもペルソナ設定が影響してきます。

タッチポイントを整理する

タッチポイントとは顧客が商品やサービスに触れる媒体です。具体的には、ECサイト、SNS、実店舗などがタッチポイントになります。そしてタッチポイントは単に列記するだけでなく、購入に至るまでのどのステップでどのタッチポイントを使用しているのかも整理していく必要があります。

顧客の行動を整理する

顧客の行動の整理では、上で設定したステップごとに顧客が具体的にどのような行動を取っているのかを整理していきます。顧客の行動を整理する際は、自分が実際にペルソナで設定した顧客になったと想定して考えていくことが重要です。たとえば最初にSNSで商品を認知し、その後どのようなことが気になって、どのような検索で情報収集するのかなどを顧客目線で考えます。

顧客の行動を整理すれば顧客にとってわかりにくいポイント、気になるポイントなどが見えてきて、商品や商品説明の改良につながる場合もあるでしょう。

現状の課題および改善施策を検討する

ペルソナの設定、タッチポイントの整理、顧客の行動の整理、などの工程を経ることで現状の課題が見えてきます。代表的なものとして、たとえば情報収集の手間が大きくなっているため離脱していたり、サービスを購入したいと思っても体験のハードルが高くて離脱していたりといったことが挙げられるでしょう。

課題が見つかったら改善施策を検討し、優先度を決めていきます。簡単に改善できるものもあれば改善が困難なものもあるはずです。また改善の効果も課題の内容によって変わってくるので、すべての課題解決を並列で考えるのではなく、コストパフォーマンスの観点などから優先度を決めていくということです。

マップとして書き出し、整理する

課題の改善施策まである程度固まったら、マップとして書き出して整理していきます。これにより全体フローの中のどこに課題があり、改善することでどのような効果が得られるのか明確になってくるでしょう。また一部を改善することで、別の改善も必要になる場合があります。

たとえば認知度が上がればその分体験する人の数も増え、対応するスタッフやスペースが足りないといったこともあるでしょう。マップとして書き出して整理することで、全体として何をすべきか決めていきます。

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カスタマージャーニーマップを作成するメリット

カスタマージャーニーマップを作成することで複数のメリットを得られます。メリットについては上でも断片的に触れてきましたが、ここでは改めてカスタマージャーニーマップを作成するメリットをまとめます。カスタマージャーニーマップの作り方はケースバイケースなので、メリットを意識することでより良いものになりやすいでしょう。

顧客目線の施策が打てる

カスタマージャーニーマップは基本的に顧客目線で作るものです。解決策などは当然サービス提供者側の考え方も重要になりますが、最初にカスタマージャーニーマップを作る際はペルソナとして設定した人物の思考や行動をトレースするような意識で進めることが重要です。サービス提供者側の目線と顧客目線を合わせることで、最適な施策を打てるようになります。

顧客像の認識を社内で統一できる

カスタマージャーニーマップを共有することで、社内で顧客増の認識を統一できます。具体的にどのようなアプローチが必要かも記載するので、認識のズレから商品やサービスを改悪してしまうような事態も防げるでしょう。さらにカスタマージャーニーマップを各担当者が深掘りすることで、より良いアイデアが生まれる場合もあります。

解決すべき課題を明確にできる

カスタマージャーニーマップでは購買までの流れと各フェーズでの課題が明確になります。各課題の優先順位やスケジュールを決めていくことで、各担当者が取り組むべきこともわかってきます。

マーケティング施策の効果検証を適切に行える

カスタマージャーニーマップはマーケティング施策の策定や実行時に有効ですが、効果検証の段階でも有効です。カスタマージャーニーマップとマーケティング施策の結果を照らし合わせることで、当初の計画通りに実行できているか、全体の中でどの部分をどれだけ解決し、その結果どのような効果を得られたのかなどが明確になります。

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カスタマージャーニーマップ作成の注意点

カスタマージャーニーマップは作成すればすべてうまくいくというわけではありません。どのように作成するかによって効果が大幅に変わってきます。そこで、カスタマージャーニーマップ作成の注意点について解説していきます。注意点を把握したうえで、自社に合ったカスタマージャーニーマップを作成してください。

複数名で意見を出し合って作成する

カスタマージャーニーマップを作成する際には客観性が重要です。自分ではなくペルソナとして設定した人物が主軸になります。一人でカスタマージャーニーマップを作成すると主観が入ってしまう可能性が高いので、複数名で意見を出し合ってより中立の視点に立ったカスタマージャーニーマップを作成することが重要です。

願望・要望は入れず、事実(ファクト)ベースで作成する

カスタマージャーニーマップは現実的に問題を解決し、目的を達成するために存在します。最終的には問題解決、目的達成のための手段なので、事実ベースで作成することが重要です。願望や要望を入れても実現できない可能性が高く、またカスタマージャーニーマップの情報量が無駄に多くなってしまうので書かない方が良いということです。

細部まで作りこまず、シンプルな内容にする

カスタマージャーニーマップは問題や解決策を具体化していく必要がありますが、同時にシンプルさも重要です。細部まで作り込みすぎるとカスタマージャーニーマップが見にくくなり、また臨機応変な対応をしにくくなります。カスタマージャーニーマップはシンプルで見やすく、柔軟な対応ができるように作ると良いです。

作成後も定期的に見直しを行う

カスタマージャーニーマップは商品、サービス改善のための指針になります。しかし顧客の購買プロセスやニーズは日々変化するものなので、カスタマージャーニーマップも定期的に見直すことが重要です。

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カスタマージャーニーマップの作成ツール

カスタマージャーニーマップはツールで作成するのがおすすめです。Excelなどでゼロから作成することも可能ですが、テンプレートがあるのでツールを使用すると良いでしょう。またツールには無料のものと有料のものがあり、シンプルなカスタマージャーニーマップを作成するなら無料のツールでも最初は十分のはずです。

無料で使えるツール

まずは無料で使えるツールを紹介します。無料で使えるツールはシンプルなので、まずは無料ツールで簡易的なカスタマージャーニーマップを作成してみるのがおすすめです。

HubSpot

HubSpotは無料でカスタマージャーニーマップのテンプレートを提供しています。簡単にダウンロードして使えるので手軽です。またカスタマージャーニーマップの作成手順や注意点の解説も用意されているので、ざっと確認してから作成に取り組むと良いでしょう。テンプレートは7種類あるので、好みのものを選べる点もメリットです。

15VISION

15VISIONも無料でカスタマージャーニーマップのテンプレートをダウンロードできます。ただし15VISIONはUI設計やプロダクト開発のためのツールなので、カスタマージャーニーマップに特化しているわけではありません。

またテンプレートはKeynoteで作成されているので、Apple製品に特化しています。WindowsでもiCloudを使えば問題ありませんが、利便性を考えるとあえてWindowsで15VISIONを選ぶべきかは微妙です。サービスや環境が合致する場合は15VISIONは良いツールということです。

有料で使えるツール

次に有料のツールを紹介します。まずは無料のツールから試してみて、より機能性にこだわる場合は有料ツールを利用すると良いです。有料ツールでできることはツールによって異なりますが、解析機能や外部ツールとの連携などがメリットです。

KARTE

KARTEは顧客データの分析ツールや接客ツールなど、顧客データを活用するための複数のツールを提供しています。カスタマージャーニーマップもそのうちの一つなので、カスタマージャーニーマップを含めて複数のツールを使用したい場合におすすめのサービスです。逆に言えば手軽にカスタマージャーニーマップを試してみたいという場合、別のツールから試した方が良いでしょう。

Lucidchat

Lucidchatはカスタマージャーニーマップに特化したツールで、直感的な操作でカスタマージャーニーマップを作成することが可能です。フローチャートのような形状になっているので、フローチャートを使いなれている人にとってはより良いでしょう。

ツールの特性上ある程度情報量を増やして複雑なカスタマージャーニーマップを作成することも可能です。まずは無料から試すことができるので、簡易的に始めていずれ複雑なカスタマージャーニーマップを作成したい場合には合っているツールでしょう。

Marketing Cloud

Marketing Cloudは営業支援ツールです。顧客ニーズを分析して最適なコンテンツを配信したり、コミュニケーションを自動化したりすることができます。そしてそれらの機能の中の一環として、カスタマージャーニーマップを提供しています。カスタマージャーニーマップがメインではなく、他のツールも含めて営業を最適化、効率化したい場合に便利なツールということです。

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カスタマージャーニーマップに関するよくある質問

カスタマージャーニーマップに関する質問と回答を紹介します。カスタマージャーニーマップの存在は知っているものの、実際に作るところまで落とし込めていないケースは多いはずです。カスタマージャーニーマップを作成するためには、カスタマージャーニーマップの目的や作成方法を把握しておく必要があります。

Q1. カスタマージャーニーマップとは何ですか?

カスタマージャーニーマップとは、顧客がサービスや商品について認知し、そこから購入に至るまでの流れを時系列でまとめた図のことです。時系列ごとに課題や解決策を書き込み、あらかじめ設定した目的達成のための指針にします。

Q2. カスタマージャーニーマップは何に使いますか?

カスタマージャーニーマップの目的は企業によって異なりますが、顧客の満足度向上やそれによる売上向上などが目的になる場合が多いでしょう。そしてそのための課題と解決策を複数設定していくので、複数の目的があって、それらを達成することで最終的な目的を達成できる構造になります。

Q3. カスタマージャーニーとはどういう意味ですか?

カスタマージャーニーとは顧客が商品やサービスを知り、そこから購入に至るまでの一連の流れのことです。カスタマーは顧客、ジャーニーは旅という意味なので、カスタマージャーニーを直訳すると顧客の旅ということになります。認知から購入までの流れを旅にたとえているということです。

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まとめ

カスタマージャーニーマップとは、顧客がサービスや商品について認知し、そこから購入に至るまでの流れを時系列でまとめた図のことです。時系列ごとに課題や解決策を書き込み、社内での共通認識にするのが一般的です。

カスタマージャーニーマップは情報の整理や課題の解決時にも使用しますが、後から振り返る際の指標にもなります。つまり一時的に使用するものではなく、長い付き合いになるということです。そのため、顧客ニーズの変化や事業の変化などに合わせてカスタマージャーニーマップは定期的に更新することが重要です。

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この記事の監修

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