Android技術者認定試験とは?難易度、試験対策のポイントなどを解説

最終更新日:2023年11月2日

スマートフォン向けOSとして普及したAndroidは、今やさまざまなデバイスに搭載されています。Android上での開発スキルを身に着けることで、アプリケーション開発者としてのキャリアパスが広がっていくこと可能性が高いです。そこで、Android向けアプリ開発の基礎を身に着けるために、資格取得を目指してみてはいかがでしょうか。

ここでは、Android技術者認定試験を受験するか考えているアプリケーションエンジニアに向けて、Android技術者認定試験について解説しています。

この記事のまとめ

  • Android技術者認定試験はAndroidアプリ開発における知識、スキルを問う試験
  • Android技術者認定試験に合格することでアプリ開発に必要な基礎知識、スキルが身に付き就職、転職市場での一定の評価にもつながる
  • Android技術者認定試験の難易度は経済産業省が認定するITスキル標準でレベル2に該当する
  • 高難易度ではないがすごく易しいわけでもないというレベル

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Android技術者認定試験とは?

まず、Android技術者認定試験の概要や実際の試験について解説します。

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Android技術者認定試験の概要

Android技術者認定試験は、Android OS上でのアプリケーション開発における知識・スキルを証明するための試験です。

Android技術者認定試験は、2010年に「一般社団法人Open Embedded Software Foundation」によって開始されました。ただし、現在は「一般社団法人 IT職業能力支援機構 Android技術者認定試験制度委員会」に運営が移管され、同団体が試験を開催しています。

Android向けアプリケーション開発に関する資格としては、2023年時点で唯一かつスタンダードなものと言って良いでしょう。

ちなみにAndroid技術者認定試験は、IPA(独立行政法人 情報処理推進機構)が定めるITスキル標準(ITSS)にも記載されています。ITSS内では「レベル2(初級~中級者向け)」に該当しており、どちらかと言えば実務家寄りの資格と言えるかもしれません。

また、組込みスキル標準(ETSS)に準拠した組込み技術者試験制度(ETEC)とも連動しており、組込みエンジニアとしてのスキルを証明することも可能です。

ITSSやETSSに組み込まれることで、他のIT系国家資格と同様に知識・スキルのレベルを証明しやすくなっています。

Android技術者認定試験の構成要素

Android認定技術者試験は「アプリケーション技術者認定試験」と「プラットフォーム技術者認定試験」2つの試験のいずれかに合格することで認定が受けられます。どちらの試験も概要は以下のようになっています。

試験時間:90分
問題形式:四肢択一のCBT方式
費用:税込16,500円

アプリケーション技術者認定試験

Androidアプリケーション開発の基礎知識、スキルをチェックするための試験です。日本国内向けとしては「アプリケーション技術者認定試験ベーシック」がリリースされています。また、同試験ではより実務者向けの「プロフェッショナル」も提供予定となっており、こちらは技術的な内容の比率が高くなり、難易度もあがります。

主な内容は「Androidプログラミング」「Javaプログラミング」「スクリプト言語」「オブジェクト指向」「Androidアプリ基礎知識」などです。また、後述のプラットフォーム技術者試験と共通する試験項目として「開発環境」「デバッグ技術」「デバッグ手法」なども設けられています。Androidのみならず、Javaやスクリプト言語全体の知識も問われるため、汎用的なアプリケーション開発の知識が必要になるでしょう。

試験時間は90分で、四肢択一のCBT方式(コンピュータ上での試験)で受験することになります。試験費用は税込16,500円です。

プラットフォーム技術者認定試験

アプリケーションよりもプラットフォーム開発関連の知識に重きを置いた試験です。前述のアプリケーション技術者認定試験と同様に、基礎レベルの「ベーシック」と実務者向けの「プロフェッショナル」がありますが、2023年10月時点で受験可能なのはベーシックのみです。

主な内容は「Linuxの知識」「ライブラリ」「Bionic(Androidで使用されるC言語の標準ライブラリ)」「HAL」「起動シーケンス」「Androidプラットフォーム基礎知識」などです。また、開発環境やデバッグに関する問題も出題されます。内容を見てわかるように、開発用のプラットフォーム構築・運用・移植などを担うエンジニアが対象です。

こちらも試験時間は90分で、四肢択一のCBT方式、試験費用は税込16,500円です。

Android技術者認定試験の申し込み方法

Android技術者認定試験はインターネットのオンライン予約をすることで受験できます。試験は全国にあるプロメトリック社の試験会場で毎日実施されているので、予約後は受験会場に行きます。受験結果は試験後2日以内にメールで案内が通知されます。

Android技術者認定試験を受験するメリット

Android技術者認定試験を受験することで複数のメリットを得られます。

Androidを含むアプリ開発の知識・スキルが定着する

Android技術者認定試験を受験すると、Androidを含むアプリ開発の知識とスキルが身に付きます。実際にアプリを開発するためには手を動かして実践していく必要がありますが、試験を通して基礎知識が網羅的に身に付きます。受験後にアプリ開発を始めれば、予備知識がない人よりもスムーズに進むでしょう。

IT・Web系企業の就職・転職に役立つ

Android技術者認定試験に合格することで、IT・Web系企業から一定の評価を得られます。そのため、就職・転職に役立ちます。Android技術者認定試験は国際的に評価されているので、海外企業への転職にも役立つでしょう。

資格手当や昇給につながる可能性がある

企業によっては、Android技術者認定試験合格者に対して資格手当や昇給制度を設けています。具体的な条件は企業によって異なります。ただし手当や昇給制度を設けていない企業でも、資格取得によって評価が上がり、間接的に収入アップにつながる可能性はあるでしょう。

Android技術者認定試験の難易度と対策方法

Android認定技術者試験の難易度と対策方法について解説します。

Android技術者認定試験の難易度について

Android認定技術者試験の難易度は、それほど高くありません。もちろん、個々のITリテラシーによって難易度が変わるため、誰でも合格できるという意味ではありません。

Javaなどを用いたアプリケーション開発経験が1年程度あれば、1カ月~3カ月程度の勉強で十分に合格可能です。ちなみに、各試験の合格ラインの目安は正答率7割です。

アプリケーション技術者認定試験ベーシックの難易度

アプリケーション技術者認定試験ベーシックの難易度は、開発に必要となる基本的なレベルです。経済産業省が認定するITスキル標準では、レベル2に該当します。Oracle認定JavaプログラマのGoldや基本情報技術者試験と同程度のレベルということです。

プラットフォーム技術者認定試験ベーシックの難易度

プラットフォーム技術者認定試験ベーシックの難易度も、同様にレベル2です。しかし、プラットフォーム技術者認定試験ベーシックの方がアプリケーション技術者認定試験ベーシックよりも難易度は高いです。2つの試験では、合格率や受験者の声から難易度の違いがうかがえます。

Android技術者認定試験の対策方法

試験対策としては、「参考書の活用」「合格体験記の活用」「模擬試験活用」の3つが挙げられます。

参考書の活用

参考書は試験勉強の王道の方法です。具体的な書籍は、公式サイトで推奨されているものがおすすめです。中でも初心者から資格取得目指すなら以下3冊を推奨します。

Androidアプリケーション技術者認定試験ベーシック対策実践問題集〔改訂版〕
Android技術者認定試験教科書 やさしいアプリケーションベーシック
3週間完全マスター Androidアプリケーション技術者認定試験ベーシック

まず「Androidアプリケーション技術者認定試験ベーシック対策実践問題集」を選ぶのであれば、改訂版が良いでしょう。上記3冊と「Androidアプリケーション技術者認定試験ベーシック対策実践問題集」を除くと、公式サイトで推奨されている参考書は残り2冊です。2冊はアプリ開発経験者にも対応しているので、開発経験のない初学者であれば上記3冊が良いということです。

公式サイトで紹介されている合格体験記の活用

Android認定技術者試験の公式サイトには、合格体験記へのリンクが設置されています。合格体験記では、合格者がどのように勉強し、どれくらいの期間で合格できたかが記されています。また、勉強に用いた書籍の概要や試験後の感想も記載されているため、試験対策の指針として活用してみてください。

公式サイト記載の模擬試験の活用

Android認定技術者試験の公式サイトには10問の模擬試験が設置されています。問題の数は少ないですが、試験のイメージをつかむためには役立つはずです。

Android技術者認定試験の受験が向いている人

Android認定技術者試験の受験が向いている人を、職種別に整理して紹介します。

Androidアプリケーション開発者

Androidアプリケーション開発者であれば、受験自体が知識・スキルの体系化につながるはずです。また、認定を受けることで自身の経歴を補強することができるため、積極的に受験していきましょう。おすすめは「アプリケーション技術者認定試験」です。

インフラ担当者・サーバーサイドエンジニア

開発環境を構築・運用することが多いインフラ担当者ならば、「プラットフォーム技術者認定試験」の受験がおすすめです。また、Android開発環境はLinuxの派生バージョンであるUbuntuをベースすることが多いため、Ubuntuを触る機会が多いエンジニアにもおすすめできます。

Javaエンジニア

アプリケーション技術者認定試験の内容には、Javaプログラミングや「Eclipse」や「SDK」などのJava開発環境といった項目が含まれています。これは、Androidアプリケーション開発でJavaがよく使われるからでしょう。実際にJavaの経験者がAndroidアプリケーション開発者に転身するケースは珍しくありません。今後のキャリアパスを拡げる意味でも、受験を検討してみてはいかがでしょうか。

Android技術者認定試験に関するよくある質問

Android技術者認定試験に関するよくある質問と回答を紹介します。

Q1. Android技術者認定試験の勉強時間を教えてください。

Android技術者認定試験の勉強時間の目安は、1日1時間~2時間、合計1ヶ月~2ヶ月程度です。ただし今までのプログラミング経験や試験勉強の得手不得手、集中力によって大きく差が出てくるでしょう。そのため上記はあくまでも目安とお考えください。

Q2. Android技術者認定試験は難しいですか?

Android技術者認定試験は経済産業省が認定するITスキル標準では、レベル2に該当します。基本情報技術者試験と同程度のレベルなので、IT資格の中では比較的難易度が低いものの、易しいわけではない、といった程度でしょう。

Q3. Android技術者認定試験の受験料はいくらですか?

Android技術者認定試験の受験料は税込で16,500円です。アプリケーション技術者認定試験もプラットフォーム技術者認定試験も同じ受験料になります。

まとめ

Androidはスマートフォン以外のデバイスでも活用されていることから、Android上での開発スキルを身に着けることで、アプリケーション開発者としてのキャリアパスが広がるといえるでしょう。Android技術者認定の資格を取得することで、Androidアプリ開発の基礎を身につけられます。転職活動でも有利に働く可能性が高いので、ぜひ取得を検討してみてください。

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