サーバーエンジニアの仕事内容
サーバーとは情報が格納された大きなコンピューターおよびサービスを提供するソフトウェアのことです。サーバーは名称の通り、他のコンピューターからの要求に対しサービスを提供する(Serve)することが役割です。サーバーはITインフラの一種のため、サーバーエンジニアはインフラエンジニアの一種にあたります。
サーバーエンジニアは、パソコンやスマホからインターネットを介してアクセスするWebサーバーや組織内でファイルを共有するための保存場所となるファイルサーバー、メールの送受信を管理するメールサーバーなどの設計、構築、保守・運用などを行います。担当する工程はサーバーエンジニアが在籍している企業、プロジェクト、スキル、経験などによって異なりますが、下流工程の業務から始めて上流工程にステップアップしていくケースが多いです。
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ネットワークエンジニアとの違い
ネットワークエンジニアは、インフラエンジニアの一種で、コンピュータネットワークの設計、構築、運用を主な仕事内容としています。ネットワーク構築は、サーバー間をルーターやスイッチでつなぐ作業や、ネットワークセキュリティ機器での接続の許可/拒否設定、セグメントごとの接続管理などが中心です。
サーバーエンジニアは、メールサーバーやWebサーバーといったサーバーの構築を主な仕事としています。このような業務担当範囲の違いが、サーバーエンジニアとネットワークエンジニアとの違いとされる場合が多いです。
ただし、ネットワークエンジニアとサーバーエンジニアの明確な区分けはありません。そのため、どちらの名称で呼ばれていても、両方の業務を兼ねることも多くあります。
企業によってはインフラエンジニアとして定義されることも
サーバーエンジニアやネットワークエンジニア、インフラエンジニアには、明確な定義はありません。所属組織やプロジェクトなどで業務範囲などは異なります。インフラエンジニアは、一般的にはサーバーエンジニアとネットワークエンジニアの業務をあわせて、所属組織のITインフラ全般に対応するエンジニアを意味します。企業によっては、サーバーやネットワーク関連の業務を担当するエンジニアを、インフラエンジニアとして募集しているケースもあります。
サーバーエンジニアとネットワークエンジニアも、明確な区分けはありません。すなわち、サーバーエンジニア、ネットワークエンジニア、インフラエンジニアのすべてが境界があいまいな職務です。
転職で応募する際には、職務の名称より実際の業務内容に注目をしたほうが良いでしょう。
サーバーエンジニアの転職市場
多くの企業が、DXの推進を重要な課題としています。そのため、デジタル技術の利用は必須です。DXの推進を課題とする企業にとって、デジタルインフラおよびサーバーは必要な設備です。それに伴い、サーバーエンジニアの需要は今後も高まると予測されています。
一方で、サーバーエンジニアを取り巻く環境には大きな変化が訪れています。サーバー形態がオンプレミス型からクラウドサービスへ、主流技術が移り変わってきています。この変化に対応できるスキルの保有や習得ができる、サーバーエンジニアの需要が高まっていくでしょう。
関連記事:サーバーエンジニアのキャリアパス・キャリアアップ・キャリアプランを解説
サーバーエンジニアの現在の市場需要
レバテックキャリアにて、2024年11月21日時点で職種「サーバーエンジニア」「ネットワークエンジニア」「インフラエンジニア」で検索したところ、下記の件数の求人・転職情報を取得することができました。
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・サーバーエンジニア 1,741件
・ネットワークエンジニア 970件
・インフラエンジニア 1,535件
検索結果より、サーバーエンジニアは特に高い需要があるとわかります。また、インフラエンジニアはサーバーエンジニア、ネットワークエンジニアを含めたインフラに関するエンジニアの総称です。インフラ分野で総合的なスキルを持つエンジニアは、さらなる需要が見込めます。
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サーバーエンジニアの将来性
今後も組織のIT活用、DX推進に向けて、アプリケーションの稼働環境やデジタルデータの格納先として、サーバーは必要です。サーバーが無くなることはなく、ITの需要も増加し続けています。
ただし、サーバーの形態は、オンプレミス型からクラウドやコンテナなどの仮想環境への移行が進んでいます。そのため、クラウドやコンテナの構築、利用スキルの習得は、サーバーエンジニアのキャリアアップへの重要な要素です。これらの変化に対応できるサーバーエンジニアの将来性は高いといえます。
関連記事:サーバーエンジニアの将来性と現状について
サーバーエンジニアの転職における4つのポイント
サーバーエンジニアの転職における4つのポイントを挙げます。いずれも基本的なポイントですが、見落としてしまわないよう確認しておきましょう。
複数のポイントがありますが、ある程度細かく情報をリサーチし、最適な方法を選択することが重要です。転職活動はとにかく積極的に進めることが重要といった意見もありますが、サーバーエンジニアの場合は以下のようなポイントを押さえてじっくり進めるのがおすすめです。
1. 職種だけで判断せず業務内容をしっかり確認する
サーバーエンジニアの業務範囲は、企業によって異なります。IT業界では、資格が必須の業務はなく、職務の区分も絶対的なルールは存在しません。すなわち、サーバーエンジニアの業務内容には、絶対的な業務がないということです。
ネットワークの構築がメイン業務の企業もあれば、保守・運用がメインの企業もあるでしょう。またオンプレミスでサーバーの搬入など物理的作業がメインの企業もあれば、クラウドが基本でリモートも可能な場合もあります。そのため、サーバーエンジニアへの転職の際には、必ず業務内容をよく確認しておきましょう。確認が不十分な場合は、業務のミスマッチが起きる可能性があります。
2. 未経験の場合は運用・保守の業務を探すのがおすすめ
サーバーエンジニアの仕事が未経験の場合、運用・保守の業務を探すのがおすすめです。運用・保守を担当するサーバーエンジニアは求められるスキルが比較的低いため、未経験者の採用も多い傾向があります。
サーバー設計や構築の経験を積むほうが、スキルアップには効率的です。しかし未経験の場合は、運用・保守の業務から経験を積むことから始めるのが現実的な選択です。
可能であれば、プロジェクトとしてサーバー構築の案件がある企業を、選ぶと良いでしょう。そのような企業であれば、運用・保守の業務に慣れた後に、構築の業務に携われます。
関連記事:未経験からサーバーエンジニアを目指す方法!求められるスキルも解説
3. 転職理由は明確かつ納得感があるかが重要
サーバーエンジニアの転職だけでなく一般的な転職でも、転職理由は明確かつ納得感があるかが重要です。転職理由が不明確だと、なぜ転職をするのか、志望先企業を選んだのか相手に伝わりません。また転職理由について、自分が納得できているかも確認しておくと良いでしょう。
関連記事:サーバーエンジニアの志望動機を例文つきで解説
4. 転職エージェントを活用する
自分自身で企業の募集要項を読んで、転職の判断をすることは大切です。しかし募集要項に記載されている内容は限定的です。その結果、同じような募集要項ばかりで、選びきれないという問題が起こります。
そのような場合におすすめなのが、転職エージェントの活用です。転職エージェントは、スキルや希望に合わせて適切な企業を紹介してくれます。また転職のサポートは無料で利用できるため、アドバイスを受けるためのハードルも低いです。転職エージェントの活用は、転職の成功への近道ともいえます。
【年収帯別】サーバーエンジニアの転職で求められるスキルレベル
ここでは、サーバーエンジニアの転職において求められるスキルレベルについて、年収帯別に紹介します。
レバテックキャリアにおいて職種がサーバーエンジニアで登録されている求人・転職情報より、傾向を抽出してまとめています。スキルレベルに応じた年収を把握したうえで、スキル習得や転職活動に取り組むことがおすすめです。
年収300万円~400万円
年収300万円〜400万円の求人では、未経験からの転職で目指すことができる年収です。もちろん、ITに関する素養があることが前提となります。対象となる年齢層は、スキル習得にかかる期間を考慮しても20〜30代前半です。
最低限の条件は、PCの利用やコンピュータの構成などのITの基礎レベルの知識・スキルがあることです。また実務経験を問わない求人・転職情報も多数あります。OSのセットアップ経験などがあれば、明確なスキルのアピールにつながり、転職を有利にできます。
年収400万円~500万円
年収400万円〜500万円の求人では、サーバーエンジニアやインフラエンジニアとして1〜2年の実務経験を求められます。運用・保守の実務経験が最低限の条件とされる場合が多く、設計・構築の経験は問われない場合が多いようです。実務経験が必要となるため、20代後半からがメインの年齢層です。
サーバーに関する知識、スキルに加え、クラウド環境の利用・構築、仮想化技術などのスキルや知識がある人材が優遇されます。
年収500万円以上
「サーバーエンジニアとして設計・構築の実務経験3年以上」といった形で、サーバー構築の実務経験が問われる年収帯です。対象年齢層も30代からがメインです。
サーバーの構築、クラウド環境の設定、構築ができることに加え、技術面ではIaC(Infrastructure as Code)などのトレンドにも詳しいことも求められるでしょう。また、プロジェクトリーダーやプロジェクトマネージャーとしての経験、要件定義などの上流工程の経験などが、より好条件の求人では必要となります。
サーバーエンジニアの求人例
転職する前に求人を確認することで、どのような準備が必要かが明確になります。
ここからはレバテックキャリアに掲載された実際の求人例を紹介します。以下で紹介する求人は一例ですが、類似する求人が複数あるため、概要をつかめたら実際の求人情報を確認してみることをおすすめします。求人によってスキルに対する年収設定などが異なりますが、ほとんどの求人は概ね相場程度に集約されるでしょう。
サーバーエンジニアの求人・転職情報>
構築作業中心のサーバーエンジニアの求人例
サーバーの構築を業務の中心とするサーバーエンジニアの求人例です。
【業界】
IT・通信
【業務内容】
・クライアント企業のサーバーの再構築
・クライアント企業のサーバー増設に伴うサーバー構築
・スキルに応じて要件定義などの上流工程から運用保守までを担当
【求められるスキル・経験】
・サーバー構築経験(Windows、Unix、Linuxのいずれか)
・他のメンバーとのコミュニケーションができる
【想定年収】
300~600万円
クラウド基盤を扱うサーバーエンジニアの求人例
クラウド基盤を主に扱うサーバーエンジニアの求人例です。
【業界】
IT・通信
【業務内容】
・サーバーの要件定義・設計・構築
・サーバー運用・保守
【求められるスキル・経験】
・サーバー構築、運用保守の業務経験(Windows、Unix、Linuxのいずれか)
・クラウド環境(AWS、Azure)に関する構築業務、運用保守業務
【想定年収】
300~500万円
未経験可のサーバーエンジニアの求人例
未経験者歓迎のサーバーエンジニアの求人例です。
【業界】
IT・通信
【業務内容】
・大規模データ処理基盤の設計、開発
・広告運用、計測を行う自社サービスの開発、運用
【求められるスキル・経験】
・社会人経験
・コミュニケーション力がある
・ITに興味を持ち学習できる
【想定年収】
270~330万円
未経験からサーバーエンジニアに転職する方法
未経験からサーバーエンジニアを目指す場合、OSやネットワーク、セキュリティについての勉強から始めましょう。関連する資格を取得するのもおすすめです。
現状、サーバーエンジニアは人手不足の状況なので、素養があれば実務未経験でも採用される可能性は高いです。募集条件で「未経験歓迎」としている求人情報をチェックしてみましょう。
具体的な例として、2024年11月21日時点でレバテックキャリアにて職種「サーバーエンジニア」フリーワード「未経験歓迎」に該当する求人・転職情報は11件が存在しています。
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サーバーエンジニアへの転職に役立つ知識やスキル
サーバーエンジニアへの転職に役立つ知識やスキルは複数あります。サーバーエンジニアならではの知識やスキルもあれば、ほかの職種でも一般的に求められるようなスキルまで幅広いです。
まずはサーバーエンジニアの業務に直接必要な知識やスキルを身につけましょう。また、並行して社会人全般に求められるようなスキルも身につけていくことが重要です。
クラウド、コンテナなどの新たなサーバー環境構築のスキル
オンプレミスからクラウドに、サーバー形態の移り変わりが進んでいます。今後サーバーエンジニアにとって、各ベンダーの提供するクラウドサービス上へのサーバー構築スキルは必須です。またDockerをはじめとするコンテナの普及も今後は見込まれます。これら新たなサーバー環境の構築スキルは、習得が望まれるスキルです。
ITインフラ全般の知識
ネットワーク、セキュリティ、ミドルウェアなどを含むインフラエンジニア分野の、ジェネラリストとしてのスキルアップもスキルアップ転職に必要になります。理由としては、サーバーだけでなくインフラ全般の知識を持つエンジニアは、需要が高い傾向にあるからです。
コミュニケーションスキル
サーバー環境は、アプリケーションの稼働環境として利用されています。最適なサーバー環境を提供するには、顧客やアプリケーション担当のエンジニアとのコミュニケーションが重要です。またほかのサーバーエンジニアと、円滑なコミュニケーションを取ることも業務上欠かせません。
マネジメントスキル
エンジニアとしてキャリアアップしていくための手段として、プロジェクトリーダー、プロジェクトマネージャーなどのポジションにつき、プロジェクトチームを率いて成果をあげることがあります。したがって、プロジェクトリーダーやプロジェクトマネージャーというポジションは、サーバーエンジニアのキャリアアップ先の一つです。これらの業務を行うためには、マネジメントスキルが必要となります。
サーバーエンジニアへの転職時に役立つ資格
構築・運用の経験以外で、サーバーエンジニアがスキルをアピールする方法には資格の取得があります。特に転職先の業務内容に合った資格を持つことは、転職を有利に導く可能性が高まります。
ここでは、サーバーエンジニアへの転職時に役立つ資格を紹介します。実践的なスキル習得と同時に、資格取得にも力を入れると良いでしょう。
ITIL®認定資格
ITIL®認定資格は、イギリス政府が作成した「ITIL®」という書籍をベースにした認定資格で、現在はPeopleCert社により運営されています。「ITIL®」は、特定のベンダーに特化した内容ではなく、世界共通の標準的なITサービスマネジメントの優れた手法をまとめています。この内容は、サーバー運用も含めてITサービスの品質向上に大きく役立ちます。2024年11月21日時点で認定資格提供中のITILの最新バージョンはITIL®4です
資格の区分は、基礎資格としてFoundationがあり、上位試験としてSpecialist(6種)、Strategist、Leaderというグレードに分かれています。上位の資格認定は試験の合格などが条件です。試験は、日本国内では複数のテストセンターで実施されています。
LinuC
LinuCは、サーバーOSとして大きなシェアを持つLinuxサーバーの知識とスキルを証明する民間資格です。LPI-JapanというNPO法人によって試験が実施されています。LinuCは難易度によってレベル1から3とシステムアーキテクトに分かれています。
難易度が最も低いレベル1は、初学者で1〜3カ月程度の学習時間が想定されています。レベル2は3カ月から半年程度、レベル3は半年から1年程度の学習時間が必要とされています。
LPIC
LPICは、Linux技術者としての技術力を認定するIT資格です。世界的な非営利法人Linux Professional Instituteが運営しています。LPICを取得するメリットは、Linuxサーバーの知識や技術を国際的な基準で証明できることです。
試験の区分は、易しい順に「LPIC-1」「LPIC-2」「LPIC-3」の三種類があります。上位の試験を受験するには下位の試験に合格している必要があります。
クラウドベンダーの認定資格
各クラウドベンダーが行っている認定資格を取得することで、クラウドに関する知識やスキルがあることを証明できます。これから取得する場合は、転職先の環境に合わせて取得するのが良いでしょう。
基本情報技術者試験
基本情報技術者試験は、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が実施する国家資格です。ITエンジニアのエントリレベルを対象としており、ITエンジニアを目指す学生や若手エンジニアがITの基本的な知識があることを証明するために役立ちます。試験では、インフラも含め、ソフトウェア、プログラミング、システム開発技法まで幅広い知識が問われます。
シスコ認定試験
シスコ認定試験はネットワーク機器大手のCISCO社が実施しているネットワーク技術者試験です。シスコ認定試験を取得することで、サーバーエンジニアとして関連のあるネットワークのスキル・知識があることを証明できます。
シスコ認定試験は、4段階のレベルに分かれています。基礎から上級までステップアップしながら受験することで、体系的にネットワークの知識やスキルが身につきます。
シスコ認定試験で代表的なものは、CCNA、CCNPがあります。これらは4段階のグレードの下から2番目と3番目に位置しています。世界共通で行われているため、世界中で通用するネットワーク技術があることの証明となります。
サーバーエンジニアの平均年収
2024年11月21日時点でレバテックキャリアに登録されている職種「サーバーエンジニア」の求人情報から30件を抽出し、年収の下限と上限から平均年収を算出しました。この計算方法では、サーバーエンジニアの平均年収は約618万円となります。
最低年収は300万円台から最高年収は1,200万円台と年収の幅は大きく、求められるスキルや経験はさまざまです。運用保守や監視業務の求人は年収が低く、マネジメント業務や上流工程、大規模なサーバー構築などの技術レベルが必要な求人は年収が高い傾向があります。
サーバーエンジニアの求人・転職情報 >
関連記事:サーバーエンジニアの平均年収は?年収を上げる方法やキャリアパスも解説
サーバーエンジニアのやりがいと大変さ
ここでは、サーバーエンジニアのやりがいと大変さについて解説します。
サーバーエンジニアは、自身の仕事がユーザーや所属組織の事業、サービスに与える影響が大きいため、やりがいも大きい一方で、責任も重い仕事です。やりがいも大変さもどちらも把握したうえで、サーバーエンジニアを目指すかどうか検討するのが良いでしょう。
やりがい
サーバーエンジニアが大きなやりがいを感じられるのは、自分が構築したサーバーが正常に稼働したときです。サーバーが稼働するまでには、設計、実装、テストなど多くの工程を要するため、サービスがカットオーバーしたときの喜びはひとしおです。
また、トラブルを未然に防ぐための設計を行うことは、エンジニアとしてのやりがいにもつながります。たとえば、急速にユーザー数が増加し、サーバーに大きな負荷がかかった場合でも、事前に予測し対策を講じていれば、安定した運用を継続できます。
サーバーエンジニアは、このような技術的な挑戦や問題解決に取り組むことで、自己成長と達成感を得られます。
大変さ
サーバーエンジニアの大変さは、サーバーを絶対に停止させてはならないというプレッシャーにあります。サーバーはITインフラとして位置づけられており、24時間365日の稼働が当然とされています。企業の重要な情報資産がサーバーに保存されているため、サーバーエンジニアの仕事は大きな責任を伴うものです。
また、サーバーエンジニアがキャリアアップのために学ぶべき周辺知識の幅が広いのも大変なところです。たとえば、サーバーと密接に関係するネットワークやセキュリティの知識や技術も必要になります。
関連記事:サーバーエンジニアがきついのは本当?きついと言われる理由や対処方法、メリットを紹介
サーバーエンジニアに向いている人とは
サーバーエンジニアに向いている人の特徴を紹介します。以下のような特徴に該当している人はサーバーエンジニアに向いていると考えられますが、現状向いていないから絶対にあきらめなければならないというわけではありません。向いている人の特徴を意識しつつ、普段の考え方や業務に取り組む際の意識を変えていくといったことも可能です。
関連記事:サーバーエンジニアになるには?将来性やキャリアパスも紹介
メカニックな仕事が好きな人
サーバーエンジニアの業務には、サーバーの導入などで物理的な作業があります。そのため、パソコンの自作経験があるような、メカニックなことが好きな人は向いている可能性があります。精密な作業に自信があれば、さらに向いているでしょう。
完璧主義に近い人
サーバーエンジニアの仕事である、サーバー構築はミスが許されない業務です。1つの設定ミスが、大きなトラブルや大規模障害につながることもあります。そのため、サーバーエンジニアには、緻密に計画して実行をする完璧主義に近い人が向いています。
トラブル解消に対する責任感が強い人
サーバーエンジニアは、トラブル対応の業務が主な業務にあります。そのため、トラブルの原因究明や対処に、やりがいを感じる人はサーバーエンジニアの仕事に向いています。またサーバートラブルは、時間や曜日を選びません。休日でもトラブル対応をする可能性もあるため、責任感がある人が向いています。
サーバーエンジニアのキャリアパス
サーバーエンジニアの仕事を長く続けていると、より適性のある分野への進出や年収アップを目的とした、キャリアパスを考えることもあるでしょう。ここでは、サーバーエンジニアとしての経験・スキルを活かせるキャリアパスを4つ紹介します。今後のキャリアを考える際の参考にしてください。キャリアパスの選択肢は正解があるというよりは人それぞれの適性や考え方によって変わってきます。
クラウドエンジニア
インフラエンジニアの中でもクラウドサービスを用いたインフラ構築に特化したエンジニアがクラウドエンジニアです。各種のクラウドサービス製品に関して深い知見を持ち、利用スキルも高いエンジニアは今後も継続的に活躍できると考えられるため、将来性の高いキャリアパスといえます。
サーバーエンジニアとして培ったスキルや知識は、クラウドでもベースとなります。業務経験も活かしやすいキャリアパスです。
ネットワークエンジニア
サーバーエンジニアとネットワークエンジニアは、職種として明確な区分はありません。ここでいうネットワークエンジニアは、上流工程を行うエンジニアを指します。具体的には、業務内容が「保守・運用」から「構築、設計」にステップアップしています。それにより、スキルアップでき、年収アップにもつながります。
さらに上流工程の、現場マネジメントや顧客との調整を担う立場を目指せるでしょう。
データベースエンジニア
データベースエンジニアは、データベースの設計、構築、保守・運用を担うエンジニアです。具体的には、サーバーエンジニアが構築したサーバー上に、データベースエンジニアがデータベースを構築します。
サーバーエンジニアとデータベースエンジニアの業務は、重複することはありません。ですがサーバーエンジニアとしての経験は、データベースエンジニアの業務にも役立ちます。理由としては、サーバーに命令するコマンドやバッチ作成のスキルは、データベースエンジニアにとっても必要だからです。
ハードウェアよりもソフトウェア寄りの業務の職種のほうが、収入が高い傾向にあります。ソフトウェア寄りのほうが、スキルの幅も広くなります。サーバーエンジニアからデータベースエンジニアに転職することで、ソフトウェア寄りのスキルを身につけられます。
セキュリティエンジニア
セキュリティエンジニアとは、ネットワーク、サーバー、データベースなどのITシステム上のセキュリティ設計、構築を担うエンジニアです。セキュリティ業務は地味な業務と思われがちですが、需要が伸びている注目の分野です。
セキュリティエンジニアは、IT業界以外にも需要があります。サイバー攻撃が増加している現代では、セキュリティに詳しい人材は重宝されます。セキュリティのプロフェッショナルとして、将来的にコンサルティング業務も目指せます。
サーバーエンジニアに関するよくある質問
サーバーエンジニアに関するよくある質問について、回答をまとめました。
ステップアップ転職に必要なスキル、将来性、ほかの職種のエンジニアとの違いなどがとくによくある質問です。自分自身が疑問に思っていることに近い質問があれば、ぜひ参考にしてみてください。エンジニア職種は種類が多いため、比較検討したうえで進路を決めていくのが得策です。
Q1. サーバーエンジニアの転職に必要なスキルは何?
必要なスキルは、サーバーに付随するネットワークの知識やプログラミングなどの知識などが求められます。クラウドをはじめとした最新技術の知識も、顧客との商談や交渉の場面で必要です。顧客との交渉を円滑に進めるコミュニケーション能力も求められます。
Q2. Web関連のサーバーエンジニアに必要なスキルは何?
多くの企業でオンプレミス型からクラウドサービスへの移行が進んでいます。そのため、AWSやMicrosoft Azureといったクラウド関連の知識や、VMWareなどの仮想化ソフトウェアを扱うスキルが役立ちます。
Q3. サーバーエンジニアに将来性はある?
サーバーエンジニアは将来性のある職種です。その大きな根拠となるのが、デジタル活用が進み、DXの推進もされる状況は、サーバーそのものの需要も高いことです。サーバーの形式の主流がオンプレミスからクラウドに変わるためスキルはあわせて変化させていく必要がありますが、今後も活躍が期待されるエンジニア職種です。
Q4. サーバーエンジニアとサーバーサイドエンジニアの違いは何?
サーバーエンジニアとサーバーサイドエンジニアの違いは、主な業務領域です。サーバーエンジニアはITインフラのひとつであるサーバーの設計や構築、保守・運用を行うエンジニアです。一方、サーバーサイドエンジニアはWebアプリケーションの中のサーバーサイドの開発などに携わります。
Q5. サーバーエンジニアとネットワークエンジニアはどちらが良い?
スキルと本人の志向によっておすすめの職種が異なります。いずれの職種もITインフラを取り扱うため、知識や業務内容は重複する部分も多いです。自分の持つスキルと職務経験や各エンジニアの年収事情、技術的なトレンドなどを考慮して選択するとよいでしょう。
まとめ
サーバーエンジニアは、サーバーの設計・構築・運用・保守を主な業務とするエンジニアです。IT、デジタル技術を支える基盤を担う仕事であり、今後も一定の需要がある職種といえるでしょう。
サーバーエンジニアの転職市場では多くの求人が見られます。未経験者歓迎の求人もあるため、他職種からの転職も可能です。上流工程やマネジメント業務、大規模なインフラの構築求人では高い収入を望むこともできます。
サーバーエンジニアがキャリアアップ転職を目指す場合、クラウドなどの技術知識、インフラ全般の知識、コミュニケーションスキル、マネジメントスキルなどが必要です。スキルをアピールする方法の一つとして資格の取得も有効です。
サーバーエンジニアへの転職を考えている方は、この記事を参考に転職を目指してみてはいかがでしょうか。
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