C#エンジニアの将来性が高い8つの理由!Javaとの比較や平均年収も解説

最終更新日:2024年6月27日

C#はMicrosoft社によって開発された汎用的なプログラミング言語です。Webやデスクトップ、モバイルなど幅広い領域のアプリ開発で採用されています。ゲームエンジンUnityの開発言語にも採用され、さらに利用範囲を広げています。

一方で、流行り廃りの激しいIT業界では、プログラミング言語としての将来性を懸念する声も存在します。実際、C#の将来性は高いのでしょうか。

本記事では、C#エンジニアとして活躍を続けたい方や習得検討中の方に向けて、近年のC#エンジニアの需要や転職市場、年収、将来性について解説します。C#エンジニアに求められる人材像を把握し、キャリア形成に役立てていただければ幸いです。

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この記事のまとめ

  • C#はMicrosoftが開発したプログラミング言語で、Windows、Web、スマホのアプリやゲーム開発で活躍中です
  • C#はMicrosoft社のバックアップ、マルチプラットフォーム対応、Unityでの採用などを理由に将来性が高いです
  • C#の記述はC言語、C++、Javaなどと似ており、実務経験あるエンジニアはこれら他言語への転職は比較的容易です
  • C#エンジニアが将来性を高めるには、実務経験を積む、開発スキルやマネジメントスキル向上、関連資格取得などが有効です

C#の将来性が高いと言える8つの理由

 

C#の将来性が高い8つの理由


C#はWeb、Windowsアプリ、スマホアプリ、ゲーム開発など、幅広い分野で利用されており、将来性は高いと考えられます。このプログラミング言語はMicrosoft社によって支援されており、エンジニアにも人気があります。また、AR・VR開発や機械学習などの分野もサポートしているため、今後の需要の拡大が期待されます。

世界最大級のIT技術者コミュニティナレッジサイトStack Overflowが2023年5月に発表した「Stack Overflow Developer Survey 2023」では、C#は開発者向けの「人気な言語」で2022年から順位を一つ落とし8位にランクインしました。また、過去1年間にC#を利用した開発者の62.87%がC#を賞賛し来年も使いたいと回答しています。開発者から安定した人気を得ており、プログラミング言語として有用と考えられていることが分かります。さらには、利用者数が多いことから市場にC#の需要が存在していることの裏付けともいえるでしょう。
 

プログラミング言語のシェア率

以下では、C#の市場需要をさらに細かく分析した上で、他言語との比較も踏まえながら、その将来性を確認していきます。

関連記事:C#でできることとは?C#習得者の転職のポイントについても解説

 

1:OS最大手のMicrosoft社が開発

C#はPC向けOSの最大手であるMicrosoft社が開発した言語です。2000年の公開から随時バージョンアップされており、2023年11月にはバージョン12.0が公開されました。

2023年で公開開始から23年が経過し、現在でも年1〜2回程度新バージョンが定期的にリリースされています。C#が現在もMicrosoft社が開発に力を入れているプログラミング言語であることがうかがえます。

また、Windowsの根強い人気もC#の需要を支えています。特にデスクトップ環境では、Windowsは依然として圧倒的なシェアを持つOSです。StatCounterの「Desktop Operating System Market Share Worldwide」によれば、WindowsOSは2023年12月時点でデスクトップOSの市場シェアのうち72.72%を占めています。Windows向けの既存のシステムを撤廃し、一から構築し直すには膨大なコストと時間を要するため、企業としても開発しやすい言語としてC#を選ぶ傾向があります。

C#は言語の開発元であるMicrosoftによって、さまざまな機能が提供されており、ほかのプログラミング言語と比較しても開発しやすいという特徴も持ちます。そのため、新規でのシステム開発はもちろん、すでに使用されているシステムやソフトウェアの改修という面でもC#の需要は極めて安定しており、将来性も期待される言語といえるでしょう。

2:アプリ開発に強い言語

アプリ開発は大きく分けると下記の4種類があります。それぞれに使用できる言語の種類を見てみると、C#の汎用性が高いことがわかります。各種開発における使い勝手のよさから、今後もC#を採用する企業が増えるとされています。

サーバーアプリ(web他)

サーバーと呼ばれるサービス提供を行うコンピュータ上で動作するアプリです。Webの場合、ブラウザとサーバーのアプリが通信して動作します。OSはWindowsやLinuxなどがあります。近年では、マイクロサービスやAPIなど機能を切り出して提供する形も増えています。
使用言語: C#、Java、PHP、Ruby、Python、VisualBasic.NETなど

クライアント系(PC)

パソコン上で動くアプリです。Windows用、Mac用があります。
使用言語:WindowsはC#、Visualbasic.NET、C++、Delphiなど、MacはSwift、C#など

クライアント系(スマートフォン)

スマートフォンやタブレット端末上で動くアプリです。Android用、iOS用があります。
使用言語:AndroidはJava、Kotlin、JavaScript、C#など、iOSはSwift、C#など

組み込み系

車載器などのハードウェア上の小型コンピュータ上に組み込むアプリです。インターネットと接続しデータをやり取りするIoT分野も組み込み系に含まれます。
使用言語:C、C++、Javaなど

3:マルチプラットフォームに対応できる

もともとC#はWindows上での動作を前提として開発されましたが、その後Linux上での動作環境も提供されるようになりました。これにより、サーバーOSのトップ2のWindows、Linuxの両者に向けてアプリケーションの開発が可能となりました。現在ではMacにも対応しています。

また、詳しくは後述しますが、Xamarinというオープンソースの統合開発環境を利用することによりAndroid、iOS向けのアプリケーション開発も可能です。スマートフォンやタブレット端末までを含めたマルチプラットフォーム、クロスプラットフォームのアプリケーション作成に対応します。

4: .NET Frameworkを利用することができる

.NET Frameworkはマイクロソフトによって開発されたアプリケーション開発・実行環境であり、C#は、.NET Frameworkを利用することができます。

.NET FrameworkはWindows向けのアプリケーション用の多くのソフトウェアライブラリを提供しているため。WindowsアプリケーションやWebアプリケーションの開発に高い生産性と利便性をもたらします。

2024年1月現在では、.NET と.NET Frameworkとしてより幅広くアプリケーション開発、実行環境を提供しています。

5:Visual Studioという強力な開発環境がある

Microsoft社の提供する統合開発環境Visual Studioにて強力にサポートされていることも、C#の将来性が高い要因の一つです。コーディングと実行モジュール作成、デバッグが行え、生産性と品質の高いソフトウェア開発を支えてくれます。

6:ゲーム開発分野でも需要が増加

ゲーム開発におけるプラットフォームは、据え置き型のゲーム機のほかにもPCやスマートフォンなどに拡大しています。複数のプラットフォームに対応できるゲームエンジン「Unity」でも、C#を用いたゲームプログラム開発が採用されています。

さらに、3D製作プラットフォームであるアンリアルエンジンには、C#でプログラミングが可能なプラグインが用意されています。ゲーム開発分野で活躍したい方にとって、C#は不可欠なスキルであり、今後も高い需要が見込まれます。

7:VR開発において注目されている

VR(仮想現実)の分野でも、C#の需要が期待されています。VRはゲーム開発と同様に「Unity」が利用されることが多く、複雑な処理が必要な場合にはC#を用いて開発する必要があります。特に、ゲームやスマートフォン向けのエンタメコンテンツ、さらにはビジネス用途でもVRは注目度の高い技術であり、C#の需要も今後ますます高まることでしょう。

8:AIやロボット先端技術にも適応

C#は最先端の技術であるロボットの制御やAIにも活用可能なプログラミング言語です。特にAIの用途においては、Microsoftが提供する「ML.NET」などのライブラリを活用できます。AIの開発と聞くと真っ先に思い浮かぶのがPythonですが、C#でも多彩なライブラリを活用できるため、今後需要が高まることが予測されます。

Java・VB.netとの比較から見るC#の将来性

C#と並んで人気の高いプログラミング言語として、JavaやVB.netが挙げられます。Javaは長く開発で用いられる言語で、VB.netもアプリケーション開発で活躍する言語です。それぞれの将来性を比較したとき、どのような違いがあるのでしょうか。ここでは、Java・VB.netとの比較から見るC#の将来性について解説します。

関連記事:C#とは?特徴やメリット、C言語やC++との違いを解説

安定した需要が期待できるJava

Javaのプログラミングスキルを求める企業は多く、転職市場においてもアドバンテージは高いといえるでしょう。特にJavaが多く利用される用途としては、企業の基幹システムなどの大規模開発です。モジュール分割のしやすさ、マルチプラットフォームといったJavaの特性がその理由となっています。

新規でのシステム開発はもちろん既存システムの改修や要件の追加なども多いため、今後安定した需要が期待できます。ただし、Javaのスキルを持つエンジニアは数多くおり、そのため年収面では高くない傾向があります。

UI開発などで一定の需要が見込めるVB.net

VB.netはC#やJavaに比べると自然言語に近いため、プログラミング言語としては習得しやすいメリットがあります。

また、VB.netは既存で稼働している業務システムのアップデートや改修などで一定の需要が見込めます。VB6のプログラムのリプレース先としてVB.netが多く採用されたためです。C#に移行することも可能ではありますが、一からシステムを構築し直すよりもはるかに安価で済むため、VB.netの需要がすぐに完全になくなる可能性は低いといえるでしょう。

関連記事:VB.NETとはどんな言語?概要や将来性、特徴をわかりやすく解説

ゲーム開発やVR業界での伸びが注目されるC#

C#が注目されているのは、プログラミング言語のなかでも比較的新しい分野での活用が見込まれるためです。前述のとおり、特にゲームやVRといったエンタメ業界では、C#のプログラミングスキルは極めて重宝されており、スマートフォンや据え置き型ゲーム機などのデバイスを問わず高い需要を誇ります。

リアルタイム3DプラットフォームUnityはゲームやVR、ARなどの開発で人気を獲得しています。このUnityではコード部分にC#を採用しており、ゲーム、VR、AR分野での必須言語と言えます。

WindowsOS用のアプリケーション開発という安定性もさることながら、コンシューマー向けのエンタメにも対応できる幅広い魅力があります。これは、他のプログラミング言語にはない特徴です。

C#の将来を危惧する意見も

さまざまなシーンで利用できるC#ですが、開発環境の構築のために「Visual Studio」を購入するコストが高いことから、将来性を危惧する意見もあります。この点については、無償で利用できる「Visual Studio Code」でのC#開発環境としてのサポートが強化されており、今後のMicrosoftの動向にも注目の集まるところです。

C#は名称こそC言語やC++と似ているものの、言語間に互換性はありません。このため、C言語やC++のシェアを言語の互換性によりC#がスムーズに獲得することは難しいと考えられます。

また、世界的に俯瞰したとき、開発者のあいだでは、JavaやPythonの人気は依然として高く、今後これらのプログラミング言語に徐々にシェアを奪われていく可能性も囁かれています。流行と衰退の変化が早いIT業界では、エンジニアとして時代に取り残されないためにも、常に最新情報を収集しアップデートしておくことが大切です。

C#エンジニアの転職市場状況

C#のプログラミングスキルがあるITエンジニアの場合、転職市場ではどの程度有利になるのでしょうか。また、実務経験がある場合とエンジニア経験が未経験であった場合とで、転職事情はどれくらい変わってくるのでしょうか。ここでは、C#エンジニアの転職市場状況を実務経験がある場合と未経験の場合とで詳しく解説していきます。

実務経験があれば他言語にも転職しやすい

C#は条件分岐や繰り返し、関数の定義などの基礎文法はC言語やC++、Javaに類似しています。したがって、転職活動においてJavaやC言語、C++などを扱う求人には、比較的応募しやすい傾向があります。また、C#の開発で要件定義やシステム構築など上流工程に携わった経験があれば、さらに転職活動が有利に進められる可能性が高くなります。

ただし、C#とJava、C言語、C++は基本文法が同じようでも、コードの設計の仕方などが異なっているため、設計思想の違いを理解し、違う言語として捉え、学習することが重要です。

関連記事:C言語とは|特徴やC++やC#との違いを分かりやすく解説

未経験から転職できる可能性は低め

C#エンジニアの求人に限ったことではありませんが、プログラマーやSEの転職市場では「実務経験者に限る」という条件が添えられているケースも多いです。さらに、C#はコンパイラ型言語であり、プログラミング初心者にとって学習難易度はPythonなどのインタプリタ型言語に比べて高いとされています。このため、プログラミング完全未経験でC#エンジニアに転職する難易度は高いといえるでしょう。

ただし、入社後に研修制度のある企業であれば、未経験であっても採用される可能性があります。未経験で転職した場合、既存ソースの簡単な更新や保守から始めるケースが一般的です。

将来性のあるC#エンジニアになるためには

C#エンジニアとして将来性を高めるには、長期間にわたる実務経験を積み技術スキル、マネジメントスキルを磨くことが最も重要です。また、キャリアアップのための転職を行う際には、C#エンジニアの仕事に役立つ資格の取得も有効な選択肢となります。

ここでは、将来性のあるC#エンジニアになるために必要なことについて解説していきます。

長期間にわたって実務経験を積む

ITエンジニアとして、C#やその周辺技術に関する知識やスキルを高めるためには、開発や運用・保守業務に携わり、実務経験を積むことが大切です。

エンジニア業務では設計、プログラミング、テストなど多くの工程がありますが、全体像を把握するには実務経験を積むことが最も確実です。C#エンジニアとして経験を積み、業務を知り、より多くの成果を出すことが、将来に向けた着実な方法と言えます。

また、転職をキャリアプランに考えている場合でも、求人案件では実務経験が求められることが多いです。より良い職場やプロジェクトを求める場合でも、実務経験を積んでいることで一定のスキルを示せるようになります。

上流工程の経験を積む

特に携わって経験を積んでおきたいのが上流工程の業務です。

上流工程とは、アプリケーション開発の初期の工程である「要件定義」や「基本設計」などを示しています。上流工程の業務は以降の工程に与える影響が大きく、システム開発全体の流れを知らなければ難しいことからスキルの高いエンジニアが担当することが多いです。そのため、上流工程を担当するようになればキャリアアップや年収向上も望みやすいといえます。

開発者としてプログラミングやその周辺の業務だけを行っていては、上流工程の業務に携わるまでには多くの年数を要する場合もあります。積極的に機会を見計らい、上流工程の業務に携われるよう上司やプロジェクトメンバーにはたらきかけることも一つの手段です。

マネジメント業務を経験する

ITエンジニアとして多くの成果を出すことを考えた場合、自分一人で開発できる範囲には限界があります。大きな成果を出すためには、必然的に多数のエンジニアの力をあわせる必要があるためです。

エンジニアとしてのキャリアを高める場合には、複数のエンジニアを取りまとめる立場につくため、マネジメントスキルが必要となります。小さなチーム単位からマネジメント業務に携わり、スキルを高めることが将来性につながります。

資格を取得する

C#エンジニアとして転職をしてキャリアアップを図る場合には、スキル保有を明確に示せる資格の取得もひとつの有効な選択肢です。また資格を取得するメリットは、資格取得の勉強によってキャリアアップに必要な知識を体系的に学ぶことができることなどもあります。ここでは、将来性のあるC#エンジニアになるために役立つ資格を紹介します。

関連記事:C#エンジニアにおすすめの資格10選

Foundational C# with Microsoft

Foundational C# with Microsoftはアメリカの非営利団体FreeCodeCampによって提供されるC#でのアプリケーション開発に関するスキルを認定する資格です。2023年8月から提供が開始した新しい資格試験であり、長らく存在しなかったC#のスキルを直接示す資格となっています。

受験にはMicrosoft Learn プラットフォームが無料で提供する学習コンテンツをクリアする必要があります。また、2024年1月21日時点では英語のみでの提供です。

C言語プログラミング能力認定試験

C言語プログラミング能力認定試験はサーティファイの運営、認定するスキル認定資格です。直接的にC#の試験があるわけではないものの、関連性の高いC言語に関するスキルを示すのに役立ちます。

プログラミング初心者向けの3級からITエンジニアの実務レベルのスキルを問う1級まで、段階的に試験が用意されています。1級では事前に公開されているプログラムに対し仕様変更を行う実践的な内容となっています。

応用情報技術者試験(AP)

応用情報技術者試験は独立行政法人情報処理推進機構(IPA)の運営する国家資格試験です。国内IT企業では知名度が高いため、転職の際にも役立ちます。

C#に限らず、ITエンジニアとして応用的なレベルの知識・スキルが問われます。試験範囲は広く、一部記述式の問題も存在します。

データベーススペシャリスト試験

C#エンジニアのなかでもWebアプリケーションなどのサーバーサイドのプログラミングで欠かせないのが、データベースとの連携です。マルチプラットフォームに対応しているC#のプログラミング言語としての特性を活かすうえでも、データベースに関連する知識とスキルは有用です。

データベーススペシャリスト試験は独立行政法人情報処理推進機構の運営する高度技術者向けの国家資格です。データベースに関する専門的な知識、スキルが示せるため、C#エンジニアにとっても高いスキルを示せる資格となります。

Unity認定資格

Unity認定資格はゲームエンジンUnityの開発元Unity Technologiesによる、UnityのスキルおよびC#での開発スキルを認定する資格試験です。

初心者向けのユーザーからアソシエイト、プロフェッショナル、実務経験5年以上に向けたエキスパートまでの4段階のレベルに分けられています。プログラマー、ゲーム開発者、VR開発者などを対象としており、C#でのプログラミングスキルも問われます。C#エンジニアのスキルを示すのに役立ち、特にゲーム開発やVR開発などの領域では有用な資格です。

C#に関する最新の情報をキャッチアップし続ける

C#エンジニアとして活躍し続けるには、常にC#の最新情報をキャッチアップし続けることが重要です。一度技術を習得しただけでは終わりではなく、学習意欲を持って最新情報をキャッチアップすることで、仕事の幅が広がります。また、高収入に繋がる可能性があります。

関連記事:C#の効率的な勉強方法|学習時間の目安やおすすめのサイトも紹介

C#以外のプログラミング言語を身につける

C#以外のプログラミング言語を身につけることも重要です。JavaやJavaScript、C++、C言語、Pythonなどのプログラミング言語についても習得しておくと、仕事の幅が広がります。

特に高単価案件では、多くは複数の開発スキルが求められます。そのため、多くの開発スキルを習得することは有利になります。

C#エンジニアのスキル別年収

C#エンジニアの年収は、どのような状況なのでしょうか。世界市場と日本市場とで、C#エンジニアの年収にどれほど違いがあるか気になる方も多いでしょう。また、スキル別で年収はどれくらい変わるのでしょうか。ここでは、世界市場と日本市場、レバテックキャリアを利用して転職に成功したC#エンジニアのスキル別の年収について紹介します。

C#エンジニアの世界と日本での平均年収

転職活動において大きな基準となるのが年収です。C#を扱うプログラマーやSEといったエンジニアは、どの程度の平均年収を得ているのでしょうか。海外におけるC#エンジニアの平均年収と、日本国内における平均年収を比較してみましょう。

世界市場における平均年収

カナダのソフトウェア開発およびIT人材マネジメント企業Qubit Labsによる調査Average Software Developer Salaries: Rates Comparison by Countryの「C# Developer Rates in the US, Europe and Australia」にて、C#エンジニアの世界市場での給与データを参照することができます。2023年5月の発表では、アメリカのC#エンジニアの平均年収は、ミドルクラスの技術者で93,000ドル程度と極めて高額な年収であることが分かります。イギリスやスイス、スウェーデンといったヨーロッパの国々でも、その前後の7万〜11.5万ドル前後となっており、比較的高年収であることが分かります。

日本市場における平均年収

日本市場でのC#エンジニアの平均年収を、レバテックキャリアの求人・転職情報より算出しました。2024年1月21日時点での言語「C#」の求人・転職情報より30件を抽出し、年収の中間値の平均を算出したところ約582万円でした。ほかの言語のエンジニアと同等かそれ以上の年収が見込めます。

個別に求人・転職情報をみると、多言語(またはフルスタック)の中の一言語としてC#スキルを持っている、実務経験があり一定上のスキルが見込める、マネジメント経験があるエンジニアが高い年収につながっています。

C#エンジニアの求人・転職情報

年収300万円~400万円のC#エンジニア像

年収300万円~400万円のC#エンジニアは、プログラミング未経験やC#の経験がなく他の言語経験があるエンジニアが当てはまります。以下では、年収300万円~400万円のC#エンジニアの経験年数と年齢層、求められるスキルを紹介します。

経験年数と年齢層

プログラミング未経験からの転職の場合は、年収300万円程度からの求人・転職情報が多いです。C#の経験はなくともJavaやC++の経験がある場合には、300〜500万程度の年収が見込めます。C#との互換性のない言語の経験しかない場合は、年収レンジもやや下がって約350万となります。平均的な年齢層は20代前半〜後半が中心です。

求められるスキル

求められるスキルレベルはあまり高くありません。リーダーから指示を受け、フォローを受けながらもプログラミングできるレベルが求められます。

年収400万円~500万円のC#エンジニア像

年収400万円~500万円のC#エンジニアの経験年数と年齢層、求められるスキルはどのようになっているのでしょうか。以下では、年収400万円~500万円のC#エンジニアの経験年数と年齢層、求められるスキルを紹介します。

経験年数と年齢層

年収400万円~500万円のC#エンジニアは、C#の経験年数は2年以上で設計や開発を担当するポジションです。開発現場で即戦力として活躍できるエンジニアであり、平均的な年齢層は20代後半から30代前半です。

求められるスキル

自分ひとりで設計からプログラミングまで一通りの開発ができるスキルや、小規模な開発プロジェクトにおけるチームリーダー経験などが求められます。

年収500万円以上のC#エンジニア像

年収500万円以上のC#エンジニアの経験年数と年齢層、求められるスキルはどのようになっているのでしょうか。以下では、年収500万円以上のC#エンジニアの経験年数と年齢層、求められるスキルを紹介します。

経験年数と年齢層

チームリーダーとして数年以上の経験がある場合は、年収500万円以上で採用されるケースがあります。C#は業務系システムの開発に利用されることも多く、これらの開発プロジェクトは大規模であるケースが多いため、マネジメント経験が求められる傾向にあります。マネジメント経験が豊富な人材は評価が高くなります。平均的な年齢層は30代前半以降が中心です。

求められるスキル

チームリーダーの経験やチームマネジメントスキルは必須となります。また、要件定義や設計スキル、協力会社をはじめとしたステークホルダーの管理スキルなども求められます。

C#エンジニアの求人例をチェック

プログラミング言語のなかでも比較的需要が安定しており、将来性も高いC#を扱うC#エンジニアですが、実際の求人例はどのようになっているのでしょうか。ここでは、レバテックキャリアの公開求人情報より、C#エンジニアの求人例を紹介します。C#エンジニアへの転職を検討している方は、是非とも参考にしてみてください。

【業界】
IT・通信
ソフトウェア

【業務内容】
・新規システムの導入開発
・次世代の製品開発
・エンハンス開発

【求められるスキル・経験】
・C#による開発経験
・SQL Serverによる開発経験
・実務経験3年以上

【想定年収】
500~700万円

【勤務地】
東京都

C#エンジニアの求人・転職情報

C#の学習方法

C#に関するスキル習得のための学習手段を紹介します。学習に充てられる期間やコスト、自分のスキルレベルに合わせて楽手方法を選択することが大切です。

プログラミングスクールに通う

プログラミングスクールの利用は、効率的にC#を習得する方法の一つです。

スクールでの学習のメリットとして下記があげられます。


  • ・実績のあるカリキュラムにより体系的かつ網羅的な学習ができる

    ・学習につまった際に講師やメンターに相談して課題を解決できる

    ・学習をともにする仲間がいることで学習モチベーションを保ちやすい


ただし、コストと集中的に学習するための時間が必要となる点にはご注意ください。

C#に関するコースを提供しているスクールには、以下があげられます。


また、Unityに関する学習コースの中でもC#のプログラミングが学べる場合もあります。

独学する

C#は独学で学習することも可能です。

独学のメリットとして、自分のペースで学習できることやスキマ時間を有効利用して学習できることがあげられます。スクールでの学習に比べて学習モチベーションの維持が難しいため、プランをたてて計画的に学習することが重要となります。

書籍で学ぶ

C#学習におすすめの書籍を、プログラミング初心者向けと他の言語経験者向けに2冊紹介します。

確かな力が身につくC#「超」入門 第2版(著:北村愛実、イラスト:ふかざわあゆみ、出版:SBクリエイティブ)
プログラミングが初めてのかたでも学びやすい書籍です。インストールから説明が始まるため、最初の躓きも避けやすいでしょう。イラスト入りの優しい文章で読みやすい一冊です。

独習C# 第5版(著:山田 祥寛、出版:翔泳社)
C#学習のテキストとして定番の教科書ともいえる一冊です。アップデートされてバージョン10.0.0までに対応しています。豊富なサンプルを参考にしながら、独習でスキルを身に着けるのに適しています。

サイトで学ぶ

Web上の学習サイトや学習サービスも豊富に提供されているため、学習に利用できます。

最もおすすめできるのは、Microsoft learnを利用した学習です。オフィシャルな情報かつ、豊富な情報量で充実した学習が可能です。ブラウザー内 .NET チュートリアルなどを利用することでハンズオンで学習を進めることができます。

その他にも、ProgateドットインストールUdemyなどの学習サイトでC#学習用のコンテンツが提供されています。スキルと学習内容を基準にコンテンツを選択するとよいです。

C#に関するよくある質問

C#エンジニアへの転職を検討する方には、C#やC#エンジニアに対する様々な疑問や質問がある方もいるでしょう。プログラミング言語C#の特徴や今後の需要、他言語経験者がC#エンジニアに転職できるかなどは、C#エンジニアへの転職を検討する方からよくある質問です。ここでは、そのようなC#に関する質問や疑問にお答えします。

Q1. C#というプログラミング言語の特徴を教えてください

C#はMicrosoft社によって作られたプログラミング言語で、オブジェクト指向を採用したコンパイラ言語です。

Windows、Mac、Linux、iOSアプリ、AndroidアプリやWebアプリケーションなど、幅広い種別のプログラム開発を行うことが可能です。マルチプラットフォーム、クロスプラットフォーム向けのアプリケーションを開発できる点がC#の大きな魅力です。

Q2. C#はこれからも需要がある見込みですか?

C#はWebサイト、ゲーム開発、AR・VR開発、モバイルアプリ開発、Windowsアプリケーション開発と、複数分野で活用されている言語です。爆発的に需要が増えるとは予測されていませんが、Windows環境での開発がしやすい言語であることから、安定した需要があると考えられます。

Q3. 他言語経験者はC#エンジニアに転職できますか?

C#は、C言語やC++、Javaと構文が類似しているため、これらの言語を学習している場合は学習コストを抑えることができます。C言語やC++、Javaを経験している人は、C#の経験がなくても転職しやすいといえます。

まとめ

本記事では、C#エンジニアとしての活躍を続けたい方やC#の習得を検討するエンジニアに向けて、近年のC#エンジニアの需要や転職市場、年収イメージ、将来性について解説してきました。

C#は業務系アプリケーションやゲーム、スマートフォンアプリなど多様な用途での活用が可能です。C#エンジニアの求人も多く存在し、引き続き需要の高い、将来性のある言語であるといえます。

C#エンジニアは実務経験を積み、技術スキルやマネジメントスキルを高めることがキャリアアップにつながります。C#エンジニアの仕事に興味がある方は、C#エンジニアへの転職を目指してみるといいでしょう。

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