フロントエンドエンジニアのキャリアパス例は?身につけるべきスキルや将来性も紹介

最終更新日:2024年6月24日

フロントエンドエンジニアは、Webサイトやアプリケーションのユーザーインターフェース(UI)を構築する職種です。フロントエンドエンジニアがその先のキャリアパスを考えるときは、必要なスキルを把握し、計画的にスキルを習得していく必要があります。

この記事では、フロントエンドエンジニアの方に向けて、目指せるキャリアパスとそれぞれの仕事内容や適性、必要なスキル、スキルアップに有効な資格などについて詳しく解説します。

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この記事のまとめ

  • フロントエンドエンジニアは、Webサービスやアプリケーションの開発を担当する職種
  • フロントエンドエンジニアのキャリアパスは、ほかのエンジニア職種やフリーランスなど選択肢が豊富
  • フロントエンドエンジニアからのキャリアパスは豊富だが、フロントエンドエンジニアとしてスキルを極めていく選択肢もある

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フロントエンドエンジニアのキャリアパスが豊富な理由

フロントエンドエンジニアはWeb制作の現場において、HTMLやCSS、JavaScriptなどを駆使してWebサイトを実際に動作するように作り上げる仕事を担っています。WebデザイナーやWebディレクター、サーバーサイドのプログラマーなどとチームを組んで仕事を進めることもあります

このように多くのクリエイターやエンジニアとコミュニケーションをとりながら仕事を進めていくため、仕事を通じてWeb制作に関する幅広い知識を身につけることができます。また、フロントエンドエンジニアとの関係性が近い職種は多く、ほかのキャリアの仕事内容がイメージしやすいです。このことから、フロントエンドエンジニアは幅広いキャリアパスを描きやすいといえるでしょう。

ほかのエンジニアと仕事をする機会が多いため

フロントエンドエンジニアは、サーバーサイドやネットワーク、データベースなどの分野を担当するエンジニアなどと協力しながら業務を進める機会が多くあります。ほかのエンジニアの実際の業務を身近で確認できるため、キャリアパスの候補として検討しやすい環境にあるといえるでしょう。

業務の中で幅広いスキルを獲得できるため

フロントエンドエンジニアは、ほかのエンジニア職の業務でも応用可能な幅広いスキルをもっています。フロントエンドエンジニアの業務では、複数のプログラミング言語が扱えるだけでなく、サーバーやネットワーク、データベースなどの知識が必要です。これらのスキルに一層磨きをかけたり専門性を高めたりするだけで、キャリアパスが広がります。

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フロントエンドエンジニアのキャリアパスと必要なスキル

フロントエンドエンジニアのキャリアパス

Webサイトの複雑化や高機能化に伴い、フロントエンドエンジニアが担当する業務は広がり続けています。そのような状況のため、フロントエンドエンジニアにはさまざまなキャリアパスが考えられます。フロントエンドエンジニアからはどのような職種が目指せるのか、9つの種類とキャリアパス実現に向けて磨くべきスキルを詳しく解説します。

関連記事:フロントエンドエンジニアの転職のポイント|必要なスキルも解説

1. フロントエンドエンジニアとしてスペシャリストを目指す

HTMLコーダーやマークアップエンジニアの上位職であるフロントエンドエンジニアとして、さらに技術を磨くことでスペシャリストとして活躍できます。フロントエンドエンジニアのスペシャリストとなるためには、現在のスキルを高めるための努力を惜しまず、新しい知識や技術を積極的に身につける努力が必要です。

求められるスキル

フロントエンドエンジニアに求められる具体的なスキルとしては、HTML・CSS・JavaScriptを用いたコーディング・設計スキルなどです。詳細はプロジェクトによって異なりますが、少なくとも仕様に従ってWebサービスのフロントエンド側を一人で作れる必要があるでしょう。

設計スキルは、繰り返しコーディング側の作業をしていると身についていきます。設計書に従ってコーディングを行うので、設計書に触れる機会も多いからです。ただし、上流工程をどれだけ意識するかによってスキルアップのスピードが変わってきます。そのため、設計や、可能であれば要件定義まで意識してコーディングするのが良いです。

フロントエンド全体への理解を深めるのに必要なスキル

フロントエンド全体への理解を深めるためには、まず基本となるHTML・CSS・JavaScriptの習熟が必須です。これらは基本的かつ古い技術ですが、現在でもバージョンアップが続けられており、数年おきに新しい仕様が策定されています。

特にJavaScriptはHTMLやCSSとは異なり、高度な知識が求められるプログラミング言語です。これまでもjQueryやReact.jsなどのライブラリやフレームワークが流行したことから分かるように、今後も新しい技術が誕生する可能性があります。特にJavaScriptの周辺技術の動向には目が離せません。

関連記事:フロントエンドエンジニアに必要なスキル|勉強法も一挙紹介

適性

フロントエンドに向いている人、サーバーサイドに向いている人、というのは特にありません。どちらかというと、サーバーサイドはロジックが複雑な分、苦手意識がある人もいるでしょう。フロントエンドに特化するよりも、サーバーサイドとフロントエンドの両方ができるようになるのがおすすめです。

肩書きがフロントエンドエンジニアであっても、サーバーサイドのスキルも有することでエンジニアとしての需要が高まります。

2. Webデザイナーに転職する

フロントエンドエンジニアからWebデザイナーに転職するのも、キャリアパスの一つでしょう。フロントエンドエンジニアの仕事は、Webデザイナーが制作したデザインデータをもとにHTMLやCSSを記述することです。関わっていく中で「自分もデザインの仕事をやりたい」とWebデザイナーに興味を示すケースは少なくありません。

関連記事:Webデザイナーとは?仕事内容や他職種との違い、未経験からの目指し方も紹介

求められるスキル

Webデザイナーに求められるのは、Photoshop®やIllustrator®のようなグラフィックソフトの操作スキルとデザインに関する一般的な知識です。2020年ごろからAdobe XDやFigmaという新しいグラフィックソフトを使うことも増えてきました。

Webサイトの目的や業種によって、デザインに取り入れる傾向はある程度決まっています。たとえば、女性向きのWebサイトであれば女性らしさを感じるデザイン、少し堅い業種のWebサイトであればしっかりとしたレイアウトでスッキリとまとまったデザインなどです。

Webデザイナーとしてのセンスはもちろん重要ですが、クライアントのニーズや業種にふさわしいデザインを制作するために、常にデザインの引き出しを増やす努力も必要です。

適性

Webデザイナーに必要な適性の一つに、ほかのWebデザイナーが制作した豊富なデザインを見て、新しいことを積極的に取り入れる柔軟さが挙げられます。

WebデザインはWebサイトの訪問者が最初に見る部分です。訪問者は自分が制作したWebサイトだけでなく、さまざまなWebサイトを見ています。訪問者に違和感を覚えさせたり、使いづらい印象を与えたりすると、訪問者はすぐにそのWebサイトから離脱するでしょう。

流行りのデザインや使いやすいデザインを追求して、自分の仕事に取り入れることで、Webデザイナーとしての感性が磨かれて良い仕事ができるようになります。

3. UI・UXエンジニアに転職する

UI・UXエンジニアはWeb制作業界の中でも比較的新しい職種です。UIとはユーザーインターフェースのことです。人とWebサイトをつなぐ接点を表しています。Webデザインの見た目のデザインだけでなく、ボタンやテキストなどさまざまな要素を含めた情報をUIと表現するのが一般的です。

UXとはユーザーエクスペリエンスのことです。Webサイトの訪問者がWebサイトを操作して得られる経験や体験を表している言葉です。使いやすいWebサイトを訪問した時に、「使いやすい」と感じることや、必要な情報を得られた時に「分かりやすい」と感じる体験をUXという言葉で表しています。

UI・UXエンジニアとは、Webサイトの視覚的な表現に加えて、情報へのアクセスや使い勝手を実装するエンジニアを指します。

求められるスキル

UI・UXエンジニアは、WebデザイナーのようにPhotoshop®やIllustrator®といった定番のグラフィックソフトに加えて、Adobe XDやSketchなどのプロトタイピングツールを使用することもあります。さらに、これらの操作方法だけでなく、優れたUIを設計し、リッチなUXを実現するためのスキルが求められます。

WebサイトのUI・UXは静的なデザインだけでなく、アニメーションなどの動的なデザインにも関わります。Webサイト上でキーボードやマウスを操作したときに、要素がどのように変化するのか、小さな動き一つでも重要です。

またUI・UXの改善により、コンバージョンにどのように影響したのか測定するのもUI・UXエンジニアの業務です。ツールとしてGoogle Analyticsを使いユーザーの行動分析を行うため、セグメント抽出やカスタムレポートなどを扱う高度なスキルも求められるでしょう。

一つひとつの改善は地道な仕事ですが、それを積み重ねることで大きな成果を上げられます。

適性

UI・UXエンジニアには、Webサイトのパーツに過ぎない一つのボタンに対しても、「よりクリックされるにはどうするべきか」を考えて改善を続ける根気強さが必要です。きれいなデザインやかっこいいデザインのWebサイトと、目的を達成して高い成果を上げるWebサイトは少し異なることを意識しなければなりません。

4. Webディレクターに転職する

Webサイト制作全体の進行管理を行うWebディレクターへ転職する道もあります。Webディレクターは、プロジェクト計画の立案・提案、顧客との折衝、マネジメントなどの業務を行う責任者です。フロントエンドエンジニアのスキルを活かせる業務に従事するだけでなく、Webディレクターとして新しいスキルを身につける必要があります。

関連記事:Webディレクターとは?仕事内容や求められるスキルについて

求められるスキル

Webディレクターは、Webサイト制作における多くのスタッフを取りまとめてプロジェクトを推進する仕事です。スケジュール管理、品質管理、人員管理などのプロジェクトマネジメントスキルに加えて、Web開発の技術動向やデザイン動向の知識や提案力、交渉力なども求められるでしょう。

適性

Webディレクターには、Webサイト制作に関わるクライアントやクリエイターとの円滑なコミュニケーションが必要なので、人付き合いを苦痛に感じないことが適性として挙げられます。

多くのWeb制作者がパソコンに向かってHTMLを書いたりグラフィックソフトを操作したりしているので、中には人付き合いが苦手な方もいるでしょう。そのような相手とでも、仕事を進めていくにはコミュニケーションが必須です。

これからWebディレクターを目指すのであれば、Webサイトの技術面だけでなく、ほかのクリエイターやクライアントとのコミュニケーションを大切にする姿勢が求められる点を意識しなければなりません。

5. Webマーケター

WebマーケターはSEO対策や市場のニーズを探る業務を行います。Webマーケターによって、どのように業務を進めるかは異なります。技術力があってエンジニア寄りの分析手法を用いるWebマーケターもいれば、技術的にはツールを使用する程度で、あとはコンテンツを見て提案する、といった手法のWebマーケターもいます。

求められるスキル

Webマーケターに求められるスキルは幅広いですが、いずれも必須ではありません。たとえば、エンジニアとしての技術力があればより良い、多くのコンテンツを日頃見ていて消費者ニーズをよく分かっているほうがより良い、といったことがあります。

しかしどのスキルをどのように役立ててマーケティングを行うかは人や状況によって異なるため、最終的に必要なスキルは環境によって変わってきます。エンジニア出身のWebマーケターであれば、技術力を活かす場合が多いでしょう。

適性

Webマーケターには幅広い視野と細かい分析能力の両方が適性として求められます。消費者ニーズや市場動向を大枠で把握するには、幅広い視野、視点が必要です。マーケティングを行う際には、まずはこの大局的な見方が重要になります。

ただし大局的な見方だけで終わると、サービスをよく見ている一般消費者などとあまり変わりません。そこで重要になるのが細かい分析です。大局的な見方で全体を捉えたら、そこからは根気強く細かい分析を行い、最終的に収益に結びつくような提案を行えるのが望ましいです。

6. プログラマー(PG)に転職する

フロントエンドエンジニアは、JavaScriptなどのプログラミング言語やフレームワークをこなす仕事であることから、プログラマーへの転職も視野に入れられます。

フロントエンドエンジニアはWebサイトのフロントエンドを担当する仕事ですが、PHPやRubyなどのサーバーサイドのプログラミング言語に触れることもあります。フロントエンドエンジニアがサーバーサイドのスキルも習得すれば、どちらの領域でも活躍できるプログラマーになれるでしょう。

関連記事:プログラマーとは?仕事内容や必要なスキルをわかりやすく解説

求められるスキル

プログラマーへのキャリアパスを検討するにあたり、よく重視されるのがプログラミング言語やアルゴリズムなどの知識です。加えて、Gitなどのソースコード管理ツールやサーバーサイド言語であるPHPやRubyの知識、MySQLなどのデータベース、各種フレームワークなど幅広いスキルが必要です。これらを身につけることで、市場価値の高いプログラマーへと成長できます。

適性

物事を論理的に考えられる方や、新しい技術に対して興味を持てる方が向いています。積極的に新しい技術やスキルを学び、仕事に活かそうとする姿勢がなければ、進化の早いWeb制作業界で取り残されるでしょう。

また、WebデザイナーやWebディレクターなど、ほかの職種との円滑なコミュニケーション能力も必要です。より良いWebサイトを制作するために、プログラミングの専門家として自主的に提案したり意見を述べたりしましょう。

7. システムエンジニア(SE)に転職する

キャリアパスとして、プログラマーよりも一段階上流の工程を担う、システムエンジニアを目指すのも可能です。SEはシステム開発の担当者であることから、サーバーサイドのエンジニアから目指すことが一般的ですが、フロントエンドエンジニアからの転職も十分に可能です。

求められるスキル

SEはクライアントが希望するWebサイトの機能を直接ヒアリングし、システム部分の要件定義や設計、開発などのディレクションを担当します。そのため、フロントエンドとバックエンドの両方のプログラミングスキルが求められます。加えて、仕様書を作成するためのドキュメント作成やクライアント・制作関係者と円滑にコミュニケーションできる能力も重要です。

適性

フロントエンドエンジニアやプログラマーにはWebサイト制作の技術面が強く求められます。しかし、さらに上流工程のポジションであるSEには、クライアントのニーズをヒアリングするスキルや、課題を解決する術を分かりやすく説明するコミュニケーション能力も重要です。

技術を学び続ける学習意欲の高さや、予期せぬトラブル、膨大な仕事量に対応できるタフさを持ち合わせていることも、SEを目指す上で必要な適性です。

8. フルスタックエンジニアに転職する

フルスタックエンジニアとは、Webサイト制作の全工程を任されるほどの広い範囲の技術と知識を持った職種です。Webサイトのデザインからコーディング、プログラミング、ディレクション、マーケティングなど幅広く担当するため、非常に希少価値の高いエンジニアといえるでしょう。

関連記事:未経験からフルスタックエンジニアになるには?1年間でやったこと【インタビュー】

求められるスキル

フロントエンドエンジニアからフルスタックエンジニアを目指す場合、Web制作に必要なスキルは必須です。また、複数のプログラミング言語を扱えるほか、多くの分野の知識が求められます。

具体的には、Photoshop®やIllustrator®のようなグラフィックソフトの操作ができ、Webデザインのスキル、PHPやRubyなどのプログラミング言語を扱うスキルがあると望ましいです。

サーバーサイドのスキルもフルスタックエンジニアには必要です。サーバーサイドで動作するOS(特にLinux)に関するスキルが重要です。NginxやApacheなどのサーバーソフトウェア、MySQL、RDSなどのデータベースを扱うスキルも求められるでしょう。

さらに、PHP、Ruby、Javaなど、サーバーサイドで使用する言語を習得する必要もあります。近年では、クラウドサービスを使ってサーバーを構築するケースが多いため、AWSやAzureのスキルがあるとさらに高い評価を得ることができます。

ほかにも、WebマーケティングやWeb制作の上流工程を担当するWebディレクターに必要なスキルなどがあると良いです。

適性

フルスタックエンジニアになるために必要な適性の一つは、Web制作業界の全体を俯瞰できる視点を持てるかどうかです。Web制作に関する技術は、自分が好き、あるいは身につけたい分野をやみくもに学習するのは効率が悪くおすすめできません。

Web制作業界を冷静に捉えて、現在の市場や将来に流行しそうな技術動向を見極めて、市場ニーズの高い技術から優先して身につけましょう。Web制作に関する技術は多数あるため、それらのスキルを幅広く身につけるための勤勉さも求められます。

9. フリーランスとして独立する

フロントエンドエンジニアは独立しやすい職種です。IT人材は不足しているため、エンジニア全般に独立しやすいといえますが、フロントエンドの開発は特にフリーランス向けの案件が豊富です。ただし、その分経験やスキルが評価されるレベルでなければ、案件獲得が難航する可能性があります。その点をクリアできるのであれば、フリーランスとしてのキャリアパスが拓けるでしょう。

求められるスキル

フリーランスのフロントエンドエンジニアに求められるスキルは、会社員としての同職種に求められるスキルとほぼ同じです。強いていうなら、自分で仕事を獲得していく必要があるので、実績をアピールする力や営業力は求められます。また、最初はフリーランスとして仕事をもらう流れに慣れる必要があるでしょう。

しかし、フリーランス用の案件紹介サイトなどを使えば、プラットフォームに従って実績をアピールできます。また、半自動的にマッチングが成立するため、営業スキルに自信がない方でも営業活動が効率的に行えます。

フリーランスとして自身の価値をより魅力的にアピールするためにも、専門性の高さやスキルの豊富さなど、強みとなる要素が必要です。

適性

フリーランスと会社員とでは、適性に違いがあります。フリーランスの場合は案件の獲得からスケジュール管理、作業の進め方まですべてが自由なため、自己管理能力が必要です。一方で、会社員の場合はきちんと時間通りに出勤することや、作業手順通りに進めることが求められるため、指示に従う姿勢が求められます。

どちらが難しいというわけではなく、フリーランスのほうが合っている人もいれば、会社員のほうが合っている人もいるでしょう。フリーランスは自己責任を受け入れる覚悟があり、自分で仕事を選びたい人に向いているといえるでしょう。

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キャリアパスを描く際の3ステップ

フロントエンドエンジニアがキャリアパスを描く際には、段階的に進めていくのがおすすめです。一歩ずつ確実にステップアップしていくことで、効率の良いルートでキャリアパスを実現できます。具体的に以下の3つのステップについて解説していきます。

ステップ1. 目標を明確にする

エンジニアは、つねにスキルアップする必要があります。しかし、ひとことにスキルアップといっても方向性はさまざまです。自分がどのようなスキルアップすべきか知るためには、キャリアパスの目標を明確にする必要があります。

目標を明確にすることで、効率的にスキルアップができます。ただし、目標は一度決めたら変えてはいけないわけではありません。市場の変化に合わせて紆余曲折することもありますが、身につけたスキルは無駄にはならないでしょう。

ステップ2. 必要なスキルや知識を身につける

目標に対して必要なスキルや知識を身につけます。業務をとおしてある程度スキルや知識は得られますが、それだけでは不十分なことが多く、キャリアパスとは関連性が薄い場合もあるでしょう。そのため、自分自身でキャリアパスに応じた勉強をすることが重要です。自ら進んで勉強すれば現在の業務にも役立ち、評価アップにつながる可能性があります。

ステップ3. 思い描くキャリアパスに合った転職先を探す

目標に対して必要なスキル、知識が身についたら、思い描くキャリアパスに合った転職先を探します。計画的かつ段階的に事前準備をしっかり行っていれば、採用される確率が高まります。転職後は働きながら、さらなるキャリアアップを目指しましょう。

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フロントエンドエンジニアの仕事内容

フロントエンドエンジニアは、Webサイトのフロント部分の制作を担当するエンジニアです。フロント部分とは、Webサイトを閲覧した時に、ブラウザ上で動作する機能を指します。具体的な仕事内容は、HTMLやCSSなどのコーディング、JavaScriptなどのプログラミングです。

Webサイトのデザインや機能だけに注目するのではなく、使い勝手を左右するユーザビリティやアクセシビリティに考慮して実装を行います。

フロントエンドエンジニアの業務は、毎日のように新しい技術やツールが誕生しています。たとえば、HTMLやCSSの新機能、JavaScriptの新しいフレームワーク、プログラムのバージョン管理システムなどです。これらのツールの扱い方や新しい技術情報を追いかけることは、もはやフロントエンドエンジニアの業務の一部といえるでしょう。

またWebサイト制作のほかの工程を担当するスタッフと協力するためのコミュニケーションも重要です。Webサイト制作の全体を管理するWebディレクターや、デザインを担当するWebデザイナーなどと連携して、クライアントのために一丸となって取り組む必要があります。

関連記事:フロントエンドエンジニアとは?仕事内容、年収や必要なスキルも解説

マークアップエンジニアとの違い

フロントエンドエンジニアはフロントエンド全体を担当するのに対し、マークアップエンジニアはHTML、CSSを中心に担当します。フロントエンドエンジニアはマークアップエンジニアの上位互換といえるでしょう。

ただし、詳細はプロジェクトによって異なります。マークアップエンジニアという名称でもフロントエンドエンジニアのような業務内容になっている場合もあれば、逆にフロントエンドエンジニアがあまりJavaScriptを使用しない場合もあります。

そもそも、マークアップエンジニアという役職はあまり設定されていない場合が多いでしょう。フロントエンドエンジニアの方が一般的に使われることの多い職種名です。

 

関連記事:未経験からマークアップエンジニアに転職するには?求人例も紹介

バックエンドエンジニアとの違い

フロントエンドエンジニアがWebサービスのフロント側、ユーザーの目に触れる部分の開発を担当するのに対し、バックエンドエンジニアはサーバー側の処理を担当します。使用する言語にも違いがあり、バックエンドエンジニアが扱うのはJava、Ruby、PHP、Pythonなどが多いです。また、バックエンドエンジニアはサーバーサイドエンジニアと呼ばれる場合もありますが、ほぼ同義で認識されています。

フロントエンドエンジニアとバックエンドエンジニアが明確に区分されている場合もあれば、一人で両方を担当する場合もあります。傾向としては、どちらも担当できるエンジニアの需要が伸びています。フロントエンドとバックエンドの両方を担当できるエンジニアは、フルスタックエンジニアと呼ばれることが多いです。

Webデザイナーとの違い

フロントエンドエンジニアはフロントエンドの開発全般を担当するのに対し、Webデザイナーはフロントエンドの視覚的な部分を担当します。そのため、言語としてはJavaScriptよりもHTMLやCSSを使用する機会が多いでしょう。

そういう意味では、フロントエンドエンジニアはWebデザイナーの上位互換といえますが、Webデザイナーはほかのエンジニアよりも、見た目の部分に注力しています。フロントエンドエンジニアもフロントエンドのデザインには気を配りますが、デザイン性というよりはユーザビリティを重要視する傾向があるでしょう。

Webデザイナーには、唯一無二のデザインが求められる場合もあります。

関連記事:フロントエンドエンジニアとWebデザイナーの違い|多角的に比較

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フロントエンドエンジニアのスキルを証明できる資格

フロントエンドエンジニアに必須の資格はありませんが、スキルを証明するために取得するのがおすすめです。また、フロントエンドエンジニアからのキャリアパスを考えたとき、関連資格を持っていないよりは持っているほうが優位になれます。キャリアパスに関する分野の一定の知識や専門性の高いスキルがあることを資格によって示せるからです。

ここではフロントエンドエンジニアのスキルを証明できる資格を紹介します。

関連記事:フロントエンドエンジニア向けおすすめ資格11選!難易度順でご紹介

Webクリエイター能力認定試験

Webクリエイター能力認定試験は、サーティファイが運営している、HTMLとCSSを使ったWebサイトの制作能力を証明できる資格です。基本的なHTMLとCSSを使ったWebページの制作スキルが求められるスタンダードと、マルチデバイスへの対応やユーザービリティ・アクセシビリティを考慮したWebページの制作スキルが求められるエキスパートの2つのレベルがあります。

HTML5プロフェッショナル認定試験

HTML5プロフェッショナル認定試験は、特定非営利活動法人エルピーアイジャパンが運営しているHTML5・CSS3・JavaScriptのスキルを認定している資格です。マルチデバイスに応じたWeb制作の基礎力を測るレベル1と、システム間連携やマルチメディア技術に対応したWebアプリケーションや動的なWebサイトを開発できる実力を測るレベル2の2つのレベルがあります。

資格には5年間の有効期限が設けられており、認定日から5年以内に再度「同一レベルの試験」か「上位レベルの試験」を再受験して合格することで、さらに5年間維持されます。

CIW JavaScript Specialist

CIW JavaScript Specialistは、CIW(Certified Internet Web Professional)が運営しているインターネットやWebの知識・技術などに関する国際認定資格のうちの一つです。試験は英語で出題されます。JavaScriptの開発者を対象とした資格であり、DOM操作やフォーム認証、プログラムの制御などJavaScriptに関する幅広いスキルが問われます。

PMP®

PMP®は、PMI(プロジェクトマネジメント協会)が運営しているプロジェクトマネジメントのスキルを認定する資格です。プロジェクトマネジメントの知識体系である「PMBOKガイド」を元に試験が実施されています。国際資格ということもあり、試験合格者は多くの国や企業で高く評価されます。

資格保有者はCCRという更新プログラムに従事しなければならず、3年毎に資格を更新することになります。資格の取得および更新の難易度は高めですが、その分、実践的なプロジェクトマネジメントのスキルを身につけることができます。

Ruby技術者認定試験

Ruby技術者認定試験は、Rubyアソシエーションが実施しているプログラミング言語Rubyのスキルを認定する資格です。SilverとGoldの2つの区分の試験が実施されています。サーバーサイドの開発やCMSの構築など、Rubyの活用範囲は非常に広く、フロントエンドエンジニアがサーバーサイドのプログラミング言語を身につけたい場合に役立つでしょう。

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フロントエンドエンジニアの将来性

IT市場の流行についていけるフロントエンドエンジニアには、将来性があるといえるでしょう。インターネットの発展により、Webサイトの高機能化が進んでいます。HTMLとCSSに加えてJavaScriptによる動的な機能や、サーバープログラムと複雑に連携したWebサイトが続々と登場しています。さらに、ブラウザのバージョンアップやHTMLとCSSの進化も無視できません。

このような状況に適応できるフロントエンドエンジニアの需要は、これからもますます増えていくでしょう。しかし、適応するといっても一筋縄ではいきません。フロントエンドエンジニアとして経験を積めば積むほど、周囲から求められるスキルが高くなり、新しく参入する若手エンジニアとの競争も避けられません。

将来性があるとはいえ、現在のスキルを維持するだけでは不十分です。続々と登場する新しい技術を身につけ、第一線で活躍し続けるためには、フロントエンドエンジニアとしてスキルアップにのめりこむ姿勢が必要でしょう。

関連記事:
未経験からフロントエンドエンジニアに転職するには?志望動機の書き方も解説
フロントエンドエンジニアの将来性と求められるスキル・資格を解説

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フロントエンドエンジニアに関するよくある質問

フロントエンドエンジニアからキャリアアップしたいと考える方は、ほかの職種に転職するかこのままの道を極めるかキャリアパスの選択に悩むことでしょう。同じような悩みを持つ方からは、目指せるキャリアパスの種類やそれに向けて必要なスキルなどについての質問が届いています。

フロントエンドエンジニアに関するよくある質問をまとめたのでぜひ参考にしてください。

Q1. フロントエンドエンジニアの典型的なキャリアパスは何ですか?

フロントエンドエンジニアのキャリアパスとして、スキルアップ後にスペシャリストを目指すのがスムーズです。そのほか、WebデザイナーやWebディレクター、UI/UXエンジニア、システムエンジニア、フルスタックエンジニアなどに転職するキャリアプランが考えられます。

Q2. キャリアプランを立てる際の注意点はありますか?

キャリアプランを立てる際、目指すキャリアパスに必要なスキルや、職種の将来性について前もって確認すると良いです。また、新しいスキルの習得が必要であれば、勉強時間も確保しなくてはいけません。キャリアパスを実現するために、目標を明確にし着実にステップアップしていける計画を立てましょう。

Q3. フロントエンドエンジニアのキャリアアップに役立つスキルは何ですか?

たとえば、リーダー職(PM)を目指すのであれば、マネジメントスキルは必須です。UI/UXエンジニアへの転職を目指すのであれば、デザイン力、ユーザーデータの分析スキルを身につける必要があるでしょう。目標とするキャリアパスに応じて、求められる要件や役立つスキルは異なります。

Q4. フロントエンドエンジニアの年収レンジはいくら?

2024年4月12日時点でレバテックキャリアに掲載されている求人情報によると、フロントエンドエンジニアの年収は498〜985万円程度となっています。経験とスキルによって年収は変わりますが、プログラミングだけでなく、企画や設計など上流工程に関するスキルがあると、年収が高くなる傾向にあります。

関連記事:フロントエンドエンジニアの年収は?転職方法についても解説

Q5. フロントエンドエンジニアに向いている人の特徴は?

フロントエンドエンジニアはフロントエンド全般を担当するため、Webサイトやアプリケーションなどのサービスの操作性や利便性を考えられる思考を持つ人が向いています。また、求められるスキルの幅が広いため、多くのことに関心を向け仕事に取り入れたり、スキルアップに前向きになったりできる人が適しているでしょう。

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まとめ

この記事では、フロンエンドエンジニアの仕事内容や働く環境、身につく知識・技術から考えられる、9つのキャリアパスと必要なスキルについて解説しました。

フロントエンドエンジニアのキャリアパスは、キャリアチェンジという方法もありますが、既存のスキルを磨いたり専門性を高めたりしてスキルアップするのも選択肢として有効です。フロントエンドエンジニアとして働く中で、高い評価が得られれば年収を上げていけるため、必ずしもキャリアチェンジをする人ばかりではないでしょう。

しかし、フロントエンドエンジニアに限らずITエンジニアのニーズは日々変化しているため、市場動向を確認しながら、定期的にキャリアパスを見直すことをおすすめします。

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