- 組み込みエンジニアとは
- 組み込みエンジニアに英語が必要と言われる理由
- 英語を使えることで得られるメリットとは?
- 組み込みエンジニアに必要な英語レベル
- 組み込みエンジニアが英語を学ぶのにおすすめの勉強方法
- 組み込みエンジニアに関するよくある質問
- まとめ
組み込みエンジニアとは
組み込みエンジニアは、機械を動かしたり制御したりするシステムを開発するエンジニアです。具体的には、家電、車、自動販売機などに組み込まれています。組み込みエンジニアが開発する組み込みシステムは昔からあるものですが、最近はスマート家電などに代表されるように組み込みシステムのインターネット接続やAI活用が活発化しています。そういった意味で、今は組み込みエンジニアの過渡期と言える時代になっています。
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組み込みエンジニアの仕事内容
組み込みエンジニアは組み込みシステムを開発しますが、開発と言ってもプログラミングだけを行うわけではありません。以下のような仕事を行います。
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・要件定義
・設計
・プログラミング
・テスト
上流工程から下流工程に流れるように開発を進めていくという点では、組み込みエンジニアも他のエンジニアと同様です。最初にシステムの要件を決め、要件に基づいて設計を行い、設計に基づいてプログラミングし、完成したシステムをテストする、という流れです。
厳密にはプロジェクトによって工程の流れが変わったり、プロジェクト独自の作業があったりといったことはあります。しかし、一連の流れは他のエンジニアと同じで、開発対象が組み込みシステムになるということです。
関連記事:組み込みエンジニアとは?仕事内容や年収・将来性などを徹底解説
組み込みエンジニアに英語が必要と言われる理由
組み込みエンジニアの仕事内容の流れは他のエンジニアとそれほど変わらないということでしたが、ではなぜ英語が必要と言われるのでしょう。
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海外拠点のメンバーとともにプロジェクトを円滑に進めるため
組み込みエンジニアとして国内企業に勤めていても、海外拠点のスタッフとリモートコミュニケーションが求められることがあります。海外と連携してプロジェクトを円滑に進めるためには、ある程度の英語力があった方が便利です。現在はさまざまな方法でリモートコミュニケーションが可能で、英語は世界共通の言語として使用されることが多いです。
海外赴任の可能性があるため
組み込みエンジニアは海外赴任の可能性もあります。赴任先では、英語が苦手であったとしても、英語でのコミュニケーションが必要です。組み込みエンジニアが開発するハードウェアは海外で生産されていることもあるので、海外赴任の可能性も考慮して英語力を身に付けておくと良いでしょう。
海外製の部品を正しく理解したうえで使用する必要があるため
組み込みシステムの部品には海外製のものが多く、日本語で書かれた仕様書が存在しないことがあります。そのため英語で書かれたドキュメントを読み解かなければ、海外製の部品を正しく理解して使用できない場合があります。
技術書や最新のニュースは英語であることが多いため
組み込みエンジニアを対象とした技術書には、日本語化されておらず、英語のまま理解しなければならないものも多いのです。また組み込みエンジニアをターゲットとした最新のニュースも、海外のWebサイトやフォーラムでしか入手できないことがあり、それらの多くは英語です。そのため英語力があれば、海外の情報をスムーズに入手でき、仕事にも役立てられるでしょう。
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英語を使えることで得られるメリットとは?
組み込みエンジニアが英語を使えることで得られるメリットは複数あります。
スキルアップに役立つ
英語が使えることで、組み込みエンジニアとしてのスキルアップに役立ちます。例えば、システムの開発中にバグやエラーが発生した場合、日本語で書かれているWebサイトでは原因を特定できないこともしばしばあります。
しかし英語ができれば、海外の技術サイトやフォーラムの投稿を読み解けるため、得られる情報量が格段に増えます。中には日本語化されていない情報もあり、そこから原因を特定でき解決できることもあるでしょう。
このように海外のWebサイトからの情報収集ができれば、豊富な知識を得られるようになり、組み込みエンジニアとしてのスキルアップに役立つでしょう。
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情報収集をスムーズに行うことができる
英語ができれば、組み込みエンジニアの仕事で必要な情報収集もスムーズに行えます。プログラム開発時に発生した英語のエラーメッセージもそのまま理解できますし、そのエラーメッセージで検索したWebサイトが英語のサイトであっても、いちいち翻訳ソフトを使うことなく英語の状態で理解できるでしょう。
組み込みエンジニアは世界中にいますし、多くの情報は世界共通語とも言える英語で公開されています。そのため、英語ができる組み込みエンジニアであれば、トラブル発生時の解決手段の発見の時間も短縮可能であり、情報収集の効率も向上します。アメリカなどのIT先進国の最新情報も日本語化される前に入手して理解できるため、最先端の情報もスムーズに得られます。
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職務領域が広がりキャリアアップしやすくなる
英語ができれば職務領域が広がりキャリアアップにもつながります。例えば英語でしか公開されていない情報を得られれば、英語ができない組み込みエンジニアとの差別化もでき、英語が必要とされる仕事にアサインされることもあるでしょう。
例えば海外のエンジニアとのコミュニケーションが求められるオフショア開発は代表的なものです。ほかにも英語でしか使えないサービスやツールが必要な仕事もこなせるようになるなど、仕事の選択肢は格段に広がります。
コミュニケーションコストが低くなる
英語を扱えると意思疎通がスムーズになり、コミュニケーションコストが低くなります。英語でのやり取りが多いプロジェクトでは、特に英語力の有無が生産性に大きく影響してくるでしょう。英語ができることで時間と労力の削減になり、他の業務に集中できるというメリットにもつながります。
転職時に採用条件に英語力を求める企業も視野に入れられる
英語ができれば、転職時に英語力が求められる企業も視野に入れられます。例えば海外に本社があるIT企業や、オフショア開発をしているIT企業などでは、社内で使われている言語が英語であることもあります。
転職活動時に転職候補先企業の選択肢が増えれば、日本企業よりも年収が高い企業が視野に入れられる可能性もあります。そうでなくても、転職候補先企業が増えれば、転職活動の成功率も上がるでしょう。
組み込みエンジニアに必要な英語レベル
組み込みエンジニアに求められる英語レベルは、実務に使える英語レベルです。ではどのような業務に英語を使用するのか、ご説明していきます。
海外エンジニアとコミュニケーションできる程度の英語力
組み込みエンジニアに求められる英語力として、まず海外のエンジニアとコミュニケーションが取れる程度の英語力が必要です。日常会話レベルの英語力に加え、エンジニア特有の専門用語などを英語で理解する力が求められます。
企業によっては海外赴任する可能性も踏まえて学んでおくと良い
会社によっては、いきなり海外への赴任が命じられることもあります。そのようなケースでも必要最低限の英語力は欠かせません。一般的に海外への赴任期間は数年ですが、帰国後に赴任中の成果が認められて、社内でのポジションが上がるケースもあります。
そのため英語力を身に付けるだけでなく、キャリアアップのためと思い積極的に海外赴任に応じたいところです。
英語で書かれている資料を読み取れる英語力
読解では、英語で書かれているドキュメントなどを読み取れる程度の英語力が求められます。また、企業によっては昇進や昇格の条件として、一定以上のTOEICのスコアを課していることもあります。
TOEICのスコアと実務で必要な英語力が直接結び付くかどうかは考え方次第ですが、もし昇進や昇格のためにTOEICのスコアが必要であれば、勉強と割り切って必要なスコアを取る努力も必要でしょう。
組み込みエンジニアが英語を学ぶのにおすすめの勉強方法
英語を学ぶための方法はいくつもありますが、「習うより慣れよ」の気持ちで学習するのが効率的です。「聞く」「読む」「書く」「話す」の4つの技能をバランス良く身に付けるのがコツですが、日本人は特に「話す」と「聞く」が苦手と言われています。しかし、この2つは、英語を使った直接的なコミュニケーションには欠かせないものです。
技術書の英語の原書を読み込む
エンジニアが英語を扱う場合、技術関連の単語、言い回しを把握しておくことが重要です。そのため、技術書の英語原書を読み込むことは直接的に役立つ英語力につながります。技術書だけでなく、IT関連の情報をインターネットで検索して読み込むことも直接役立つ英語力につながるでしょう。
知っている小説の英語版を読む
知っている小説であれば、英語版を読む際のハードルが下がります。すでに内容を把握していれば英語でも何が書かれているのか推測しやすいからです。知っている小説の英語版を読む学習方法は、英語学習における一般的な手法です。
英語のニュースを日頃から聞く
日頃から英語のニュースを聞くことで、楽しみながら英語力習得につながります。今はインターネットやアプリで気軽に英語ニュースを聞けるので、試してみると良いです。聞いているうちに理解できるようになるでしょう。ただしもともと一定の英語力が備わっている前提です。基礎的な英語がわからない場合、読むことから始めた方が視覚的に整理して理解しやすいでしょう。
英語で映画や動画を見る
英語で映画や動画を見るのも王道の英語学習方法です。日常的な言い回しを把握できるので、実戦的な英会話に役立ちやすいでしょう。字幕を付けるかどうかや、字幕を日本語にするか英語にするかといった疑問があるかもしれません。これに関しては人それぞれ意見が異なり、自分がやりやすい方法で継続すると良いです。
海外の方と交流できる場に参加する
海外の方との交流会などの機会があれば、積極的に参加しましょう。ネイティブスピーカーの生の英語に触れる機会があれば、英語を学習するモチベーションも向上しますし、海外の人との人脈形成にも役立つでしょう。
英会話スクールに通う
コミュニケーションとしての英語力を身に付けるための手っ取り早い方法は、英会話スクールに通う事です。組み込みエンジニアとしての英語力向上が目的でしたら、日常会話よりもビジネスを目的としたコースに入学すると良いでしょう。
オンライン学習サービスを活用する
英語のオンライン学習サービスは充実しています。たとえばオンラインで講師からレッスンを受けられるサービスもあれば、動画の学習コンテンツが用意されているサービスなどもあります。自分だけで利用できるものから手厚いサービスを受けられるものもあるので、合いそうなものを選ぶと良いです。
TOEICや英検などの資格取得に向けて取り組む
オーソドックスな方法ですが、TOEICや英検の勉強も英語力向上にはおすすめです。これらの資格で英語力をアピールできれば、海外赴任やオフショア開発のスタッフになる機会が得られるかもしれません。英語が使われている企業への転職も望めるでしょう。
関連記事:組み込みエンジニアに役立つおすすめ資格6選|参考書籍や求められるスキルも解説
組み込みエンジニアに関するよくある質問
組み込みエンジニアに関するよくある質問と回答を紹介します。
Q1. 組み込みエンジニアとは何ですか?
組み込みエンジニアとは、機械に組み込む制御システムを開発するエンジニアです。機械の種類は多種多様で、家電や車にも組み込まれています。組み込み技術はAIとの相性が良く、スマート家電のように新しい技術とミックスされたものもあります。
Q2. 組み込みエンジニアにはどのような人が向いていますか?
組み込みエンジニアに向いている人の特徴は、ものづくりが好き、地道な作業が得意、新しいものに関心がある、といったものが挙げられます。好奇心も地道な継続性も求められ、向き不向きのある仕事と言えるでしょう。
Q3. 組み込みエンジニアに必要なスキルは何ですか?
組み込みエンジニアに必要なスキルとして以下が挙げられます。
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・プログラミングスキル・ハードウェアの知識
・AIの知識
・情報収集力
・電子基盤の知識
・英語力
他のエンジニアと共通する部分も多いですが、大きな特徴としてはハードウェアの理解が求められる点です。組み込みエンジニアは物理的な機器に組み込むシステムを開発しているので、ハードウェアの特性を考慮してプログラミング、組み込みを行う必要があります。
まとめ
組み込みエンジニアに英語が求められる背景と、英語を使えることのメリットなどを解説しました。オフショア開発へのアサインや海外赴任などで活躍するには、英語力を身に付けていることが必要不可欠です。
組み込みエンジニアとしてのスキルアップだけでなく、ほかの企業への転職活動時にも有利になります。これからも組み込みエンジニアとして活躍するためには、英語力を身に付けるのも効果的です。
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