ゲームプログラマーとは
ゲームプログラマーとは、ディレクターやゲームプランナーがが構想したシナリオや演出などの仕様に沿って、実際にゲームが作動するようプログラミングするエンジニアを指します。
現在は家庭用ゲームだけでなく、PCやスマートフォンゲームなどで動くゲームが豊富にあるため、ゲームプログラマーの需要は増加傾向にあるといえるでしょう。ここからはゲームプログラマーの仕事内容や年収相場について紹介します。
参考記事:ゲームプログラマーとは - 仕事内容をわかりやすく紹介します
ゲームプログラマーの仕事内容
ゲームプログラマーの主な仕事はゲームの設計や企画に合わせてプログラミングしていくことです。また、企画の内容が実現できないような場合には代替案を提案することも仕事の1つです。構築したプログラミングでの不具合やバグを見つけ、修正するデバッグを繰り返しゲームの完成度を高めていきます。
開発するゲームの分野や企業によって詳しい仕事内容は異なりますが、ここでは4つに大分類してゲームプログラマーの仕事内容を解説します。
ミーティングを行い企画を練る
ミーティングではプロジェクトの方向性や具体的な手法を決定します。中にはディレクターやプランナーの企画が実現不可能な場合もあり、しっかりとできないことを伝え、できることの中から代替案を提案するのもプログラマーの仕事です。企画は立ち上げ段階である程度話を詰めておく必要があり、論理的思考や正しく意見を相手に伝えるソフト面のスキルも重要になります。
仕様を決定する
どのようなゲームを作るのかの企画が決まったら仕様を決めていきます。
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・どのようなハードウェアで動かすのか(ゲーム機、PC、スマホなど)
・動かすことに必要なハードウェア環境(CPU、ストレージ、メモリなど)
・動かすことに必要なソフトウェア環境(OS、ゲームエンジンなど)
・ゲームの詳細仕様(操作方法、画面UIなど)
ゲームエンジンや使用するミドルウェアを選定したら、プログラミングの開発環境も構築します。環境は円滑に進められるようなツールを用意し、ゲーム制作がいかにスムーズに行えるかが重要です。
プログラム開発をする
プログラミング言語を用いて企画されたゲームをプログラミングしていきます。ゲームの種類によって必要となるプログラミング言語が違うため、多様なプログラミング言語の理解が必要です。
開発シーンでは複数のプログラマーが分業で行うことが一般的で、それぞれのメンバーが担当する役割を決定します。プログラマーだけでなく、デザイナーやサウンド・3Dなど各クリエイターと協力することも多いです。
デバッグの作業を行う
デバッグとは、ゲーム内のプログラムやシステムなどのリリース前にテストプレイを行い、バグ(欠陥)を特定し修正する作業を指します。デバッガーと呼ばれるデバッグ作業を専門的に行うエンジニアを雇う場合もありますが、ゲームプログラマーがこの作業を担当するケースも多いです。
ゲームは設計通りにプログラミングして完成というわけではありません。ゲームを遊ぶユーザーが快適に不具合なく楽しめるようにする必要があります。そのため、細かい表現の違いや操作性をチェックして、不具合やバグの修正をすることも重要です。
ゲームプログラマーの年収相場
レバテックキャリアのゲームプログラマーの求人から算出すると、ゲームプログラマーの平均年収は約618万円です。国内平均年収よりもやや高い傾向にあり、雇用形態や企業、経験や任せられる業務範囲などによって年収は異なります。
求人からみた年収傾向には「上下差が大きい」ことがあげられます。求人例を見てみましょう。
【想定年収】
400〜850万円
【業務内容】
グラフィックスシステムの設計・開発
・各プログラムの設計および開発(レンダリングシステム、VFX、シェーダー、描画、ポストエフェクトなど)
【必須条件】
・C++を使用した実務経験
・描画システムの開発経験
・国際色豊かな環境で働くことに抵抗ない方 など
求人から見るとボリュームが多いのは年収約420~500万の水準ですが、勤務先や経験、求められるスキルによって収入のアップも狙える職種といえるでしょう。
ゲームプログラマーの求人・転職情報>
ゲームプログラマーにおすすめの資格一覧
ゲームプログラマーになるには、必須資格はありません。しかし、プログラマーに就職する際に知識やスキルの証明をすることは難しく、資格がわかりやすい指標となるのは確かです。
ここからはゲームプログラマーを始めとするプログラマーに関連した資格を紹介するため、これからプログラミングを始める人やIT業界への参入を考えている人は参考にしてください。取得を目指す際は、希望する企業や狙う分野によって必要なものを選択することが大切です。
資格 | 難易度 | 受験料 | 出題形式 |
---|---|---|---|
基本情報技術者試験 | やや高め | 7,500円 (税込) | 多肢選択式 |
CGIエンジニア検定 | やや高め | ベーシック: 5,600円 (税込) エキスパート: 6,700円 (税込) |
マークシート式 |
TOEIC® | 目標するレベルによって 異なる |
6,490円 (税込) | マークシート式 |
Unity認定試験 | 目標するレベルによって 異なる |
34,055円〜 | さまざま、複数選択やPCを使う ドラックアンドドロップ作業など |
Oracle認定Java プログラマ |
中上級者向け、難易度は高め | オンライン試験: 13,600円 会場受験: 26,600円 |
CBTによる選択問題 |
C言語プログラミング 能力認定試験 |
2級以上で転職に活用できる、 やや高め |
1級 : 7,800円 2級 : 6,400円 3級 : 5,200円 ※全て税込 |
多肢選択式および 実技試験 |
Java™プログラミング 能力認定試験 |
2級以上で転職に活用できる、 やや高め |
1級 : 7,800円 2級 : 6,400円 3級 : 5,200円 ※全て税込 |
多肢選択式および 実技試験 |
基本情報技術者試験
基本情報技術者試験とは、IT技術者の基本的かつ包括的な知識を問われる試験です。コンピュータの仕組みやシステム開発手法など、ゲームプログラマー以前にIT技術者として習得すべき知識が出題されます。
ゲームはサーバーやネットワーク、データベースなどさまざまなテクノロジーを活用して作るものです。この資格を取得することで、土台となる基礎知識を身につけられます。
試験日程 | 基本情報技術者試験は上期と下期と呼ばれる一定の期間、 CBT試験での受験 |
受験料 | 7,500円(税込) |
試験形式・問題数 | 科目A:四肢択一式、60問 科目B:多肢選択式、20問 |
出題範囲 | IT分野の基本的な内容から、システム設計および開発に関わる 専門的な内容まで幅広く、一部ではプログラミング(C言語・ Javaなどから選択)に関する問題も出題される |
難易度はやや高め
基本情報技術者の試験は試験制度の変更、CBT方式の導入によって大幅に向上しています。ただし、2023年5月は54.7%、2023年4月は56.4%、2024年6月は42.8%と合格率が50%を切ることもあり、ITに触れたことのない未経験者にとっては難しい試験です。
関連資格の中でも難易度はやや高いといえるでしょう。前提知識のある人でも、十分な勉強時間と勉強方法の確保が必要です。
基本情報技術者試験を受けるメリット
企業からITに関する基礎知識ができている社員として資格手当などの費用を出してくれることがあります。会社としても情報技術者試験の合格者が所属しているといった技術力の高さを示せるためです。
また、ITの現場で活躍する専門家などが問題を作成しているため、常に時代にあった学習に役立ちます。
独学する方法・おすすめの書籍
『キタミ式イラストIT塾 応用情報技術者 令和06年』(技術評論社、きたみりゅうじ)
試験対策本として、イラスト付きで解説している参考書籍です。かなりのボリュームがある参考書ですが、午前試験の出題範囲を網羅しています。
『うかる! 基本情報技術者 [午後・アルゴリズム編] 2024年版 福嶋先生の集中ゼミ』 (日経BP 日本経済新聞出版、福嶋 宏訓)
午後問題の最難関といわれるアルゴリズムに関する知識と対策ができる参考書籍です。アルゴリズムの概念に関する解説から過去問の解説までが網羅されています。
CGエンジニア検定
CGエンジニア検定とは、ゲームプログラマーはもちろんのこと、アニメーションやモデリング、AR・VRアプリの開発者にとって求められるCGスキルを問う試験です。CGエンジニア検定のスキルが役立つ業種はゲームやアニメーションといったエンタメ分野から産業分野まで幅広く、テクノロジーの進化とともに注目が高まっています。
試験日程 | 毎年7月と11月の2回 |
受験料 | ベーシック:5,600円(税込) エキスパート:6,700円(税込) |
試験形式・問題数 | マークシート式、10問 |
出題範囲 | CGの歴史や知覚といった基礎知識から、座標変換、CG理論、画像処理、 CGシステムと幅広く、知的財産権といった法律的な問題も範囲に含まれる |
エキスパートはやや難易度が高め
CGエンジニア検定には難易度に応じてエキスパートとベーシックの2種類が存在します。ベーシックは基礎知識、エキスパートはより専門的な知識と基礎知識の応用が求められるため、エキスパートのほうが難易度が高いといえるでしょう。まずはベーシックから挑戦し、スキルの習得や実務経験に応じてエキスパートに挑戦するのがおすすめです。
CGエンジニア検定を受けるメリット
CGを制作する職場で普段使用しないような周辺知識を網羅的に習得できます。 エンジニアとしての全般的なスキルアップにもつながるため、ITエンジニアとして能力を向上させたい方にもおすすめです。
CGエンジニア検定は取得していることを履歴書に記載すると、戦力として評価されやすくなる資格です。ただし、資格を持っているだけでは即採用になったり、すぐにフリーランスとして活躍できるわけではありません。資格を活かした上でどのような仕事がしたいか、どのような仕事ができるかをアピールする必要があります。
独学する方法・おすすめの書籍
『ビジュアル情報処理 -CG・画像処理入門- [改訂新版]』(公益財団法人画像情報教育振興協会、ビジュアル情報処理編集委員会)
CGエンジニア検定を主催している公益財団法人画像情報教育振興協会(CG-ARTS)が2004年に出版した『ビジュアル情報処理 -CG・画像処理入門-』の改訂版です。モデリングやレンダリング、画像解析といったCG技術の基礎を学ぶことができ、CGの入門書として最適な1冊です。
『CGエンジニア検定エキスパート・ベーシック公式問題集[改訂第三版] 』(画像情報教育振興協会、ビジュアル情報処理編集委員会)
CGに関連する基礎知識を身につけた後には、『CGエンジニア検定エキスパート・ベーシック公式問題集』で試験対策をしておきましょう。出題領域やテーマ、回答に対する詳細な解説もされており、この問題集を網羅的に学習しておくことで自分にとっての苦手な領域を把握でき、重点的に対策できるようになります。
TOEIC®
TOEIC®は英語スキルを客観的に証明できる資格として有名です。1979年から認定が開始された民間資格で、ビジネス業界では英語スキルを図る指標としてTOEIC®の点数が用いられることもあります。プログラミング言語は英語を用いるものが多く、ゲーム業界は海外向け製品の開発なども行います。ゲームプログラマーに限らず、英語のスキルは身につけておくと大きな武器になりやすいです。
試験日程 | 基本毎月1回、会場によって異なる |
受験料 | 7,810円(税込) リピート受験割引:7,150円(税込) |
試験形式・問題数 | 分野によって異なる 「Listening & Reading Test」の場合はマークシート式、 リスニング100問、リーディング100問 |
出題範囲 | レベルに応じたリスニング問題、リーディング問題、 和訳や英訳は含まれない 合計最高点はなく、990満点 に対しでスコアで評価される |
目指すレベルによっては難易度は高め
目標とするスコアによって TOEIC を勉強する難易度は変わります。一般社団法人 国際ビジネスコミュニケーション協会が発表したTOEIC Program DATA & ANALYSIS 2024によると社会人の平均は2023年のスコアでおよそ638点、学生は581点、全体の平均は608点でした。
また、技術職の平均は576点です。700点を取得できれば全体の上位35%に位置します。700点以上を目指そうとすれば、難易度は少し高めです。しかし、取得できれば英語力のアピールにつながります。
TOEIC®を受けるメリット
TOEIC®を受けるメリットとして考慮すべきポイントは2つあります。まず、さまざまなプログラミング言語のコードは全て英語で書かれているという点です。中学や高校レベルの英単語は理解できても、専門的なプログラミング技術を学ぶ上ではTOEIC® のような資格をもっていると理解が早いはずです。
また、もうひとつ重要なポイントとしては、IT分野に関する専門的な技術やトレンドを把握する際に英語力が役立つことが挙げられます。ITやCGといったゲームプログラマーに関連性の高い分野は、欧米から最新の技術やトレンド動向に関する情報が発信されるケースが多く、より正確かつ迅速に情報を収集するためには、英語の読解力が不可欠といえるのです。
独学する方法・おすすめの書籍
『TOEIC Bridge Listening & Reading 公式ワークブック 2』(国際ビジネスコミュニケーション協会、ETS)
TOEIC Bridge Listening & Reading 公式ワークブック 2はTOEIC®が推奨している学習教材の1つで、ワーク形式のチャプター1と本番テスト形式のチャプター2に分かれています。いずれもTOEIC®スコアが350〜700程度の方を対象にしており、なかなかスコアが伸びない、学習方法が分からないという方におすすめの書籍です。
『公式TOEIC Listening & Reading 問題集 11』(国際ビジネスコミュニケーション協会、ETS)
公式TOEIC® Listening & Reading 問題集 11は、TOEIC®が推奨している問題集です。練習テスト問題が計400問収録されており、実際の試験問題に近い内容のため本番の感覚を身につけるにはおすすめの1冊といえるでしょう。
Unity認定試験
Unity認定試験は、ゲームエンジンであるUnityに関する知識と技術力を証明する資格です。Unityが必須スキルとなっている企業もあるため、スキル証明として取得しておくと活用の場が広がります。
それぞれの試験の学習教材がUnityからWeb上で提供されており、これらを使った学習が主な勉強方法です。不定期ですが、公開研修も実施されています。
試験日程 | ピアソンVUEから確認後、最寄りの会場の試験日程に合わせて受験 |
受験料 | 難易度によって異なる、34,055円〜 |
試験形式・問題数 | 試験形式はさまざま、100問 |
出題範囲 | アニメーションやアセット管理、ゲームデザインの原則や ゲームプログラミングなど、ゲーム開発やUnityについての問題 |
4つの難易度から自分に合う内容を選べる
Unity認定資格には「ユーザー」「アソシエイト」「プロフェッショナル」「エキスパート」の4種類があり、実務経験のある方はアソシエイトから挑戦するのがおすすめです。プロフェッショナルは2年から4年の実務経験、エキスパートは5年以上の実務経験を有する熟練エンジニアを対象としています。
独学する方法・おすすめの書籍
Unity認定資格の公式Webサイトでは、試験対策に役立つコースウェアが提供されています。動画を中心としたコンテンツとなっており、これをベースに繰り返し学習することが合格への近道といえるでしょう。
『Unityの教科書 Unity 2023完全対応版』(SBクリエイティブ、北村愛実)
イラストとわかりやすい解説によって、Unityを用いたゲーム作成方法を解説しています。C#についても基礎から解説があるため、プログラミング初心者にとっても活用しやすい入門的な参考書です。
『作って学べる Unity本格入門 [Unity 2023対応版]』(技術評論社、賀好昭仁)
Unityの経験者の中でも中級者向けの書籍です。実際のゲームを作成しながらUnityの使い方が学べるため、実践的な技術を身につけたい人に向いています。応用的な内容も含まれており、上級試験に挑戦する場合にも活用できます。
Oracle認定Javaプログラマ
Oracle認定Javaプログラマとは、Javaを使ったプログラミング知識とスキルを証明する資格です。Javaを扱うゲームプログラマーだけでなく、Javaエンジニアにとっても役立つ資格といえるでしょう。
学習は書籍を使った独学かスクールでの勉強となります。スクールの場合、プログラミングスキルを身につけた後、試験対策として知識を補填していくという流れが多いでしょう。未経験者を対象に、プログラミングスキルの習得から資格取得までサポートしている講座が多く、比較的学習しやすい資格です。
試験日程 | ピアソンVUEから確認後、最寄りの会場の試験日程に合わせて受験 Bronzeランクのみ自宅でのオンライン受験が可能 |
受験料 | オンライン試験:13,600円 会場受験:26,600円 |
試験形式・問題数 | CBT形式、Bronze60問、Silver80問、Gold80問 |
出題範囲 | Bronzeは完全なJava初心者向けの内容、Silverでは例外処理や クラスといったオブジェクト指向、Goldではクラスの設計や 並列処理、ラムダ式の理解など |
中上級者向けで難易度は高め
Javaの概念や基礎知識(メソッドとカプセル化や継承の操作など)、応用的なプログラミングスキルを問う内容となっており、Bronze/Silver/Goldの3つのランクが用意されています。中でも中級者・上級者向けのSilver/Goldランクの資格は難易度が高く、実務経験者であっても入念な試験対策が求められます。
独学する方法・おすすめの書籍
『スッキリわかるJava入門 第3版(スッキリシリーズ)』(インプレス、中山 清喬・国本大悟)
Javaの基礎知識やオブジェクト指向の概念についてまとめられている入門書籍です。Javaプログラミング初学者でも理解しやすいようにイラスト付きでまとめられています。練習問題が各章に用意されており、アウトプットとインプットのバランスが良い1冊です。
『徹底攻略 Java SE 7/8 Bronze 問題集』(インプレス、志賀 澄人・山岡敏夫)
Java SE 7/8 Bronze の問題集です。Webからダウンロードできる模擬問題60問が用意されています。基礎知識を身につけた後、このような問題集で試験対策をすると良いでしょう。
C言語プログラミング能力認定試験
C言語プログラミング能力認定試験は、株式会社サーティファイが運営するC言語を利用したプログラミング能力を証明するための資格検定です。これからプログラミングを始める方に向けた3級から、より実務を意識した2級、実技試験を通して本格的なプログラマーとしての技能を見る1級と、三段階のレベルに分かれています。
C言語は数多くのゲームプログラムで活用されている言語であり、資格を取得してC言語を自在に操れると証明することは、ゲームプログラマーとしてのキャリアに大きなプラスとなるでしょう。
試験日程 | 1級・2級は年2回、3級は年3回 |
受験料 | 1級:7,800円 2級:6,400円 3級:5,200円 ※全て税込 |
試験形式・問題数 | 2級、3級は多肢選択式、1級は実技試験も含まれる |
出題範囲 | 定数、演算子、ライブラリ関数など、C言語の比較的基礎的な分野 |
転職に活用するなら2級以上を目指そう
C言語プログラミング能力認定試験は、保有者がC言語を利用したプログラミングができることを証明する比較的信頼性が高い試験です。しかし、3級はプログラム入門者向けに平易な問題が出題されるため、取得していても即戦力とはみなされにくい傾向があります。
C言語プログラミング能力認定試験の合格を履歴書に書いてアピールするのであれば、2級以上を目指すことが望ましいです。実技試験で求められる1級が取得できれば、企業からの評価もより確実なものになるでしょう。
独学する方法・おすすめの書籍
『C言語プログラミング能力認定試験2級 過去問題集』(株式会社サーティファイ)
試験実施団体である株式会社サーティファイが刊行している、本検定試験の過去問題集です。過去問題からの出題が多めの試験のようで、しっかり過去問題集に取り組むことが合格への近道といえるでしょう。
『スッキリわかるC言語入門 第2版 (スッキリわかる入門シリーズ)』(インプレス、中山 清喬)
もし過去問題集を解いてみて理解が難しいところがある場合は、こうした入門書に目を通してみることをおすすめします。このシリーズは、プログラミング言語をわかりやすく解説してくれることで評判のシリーズで、難しい専門用語を使わずに平易な説明をしているので初学者であっても理解しやすいです。
Java™プログラミング能力認定試験
Java™プログラミング能力認定試験は、C言語プログラミング能力検定と同様に株式会社サーティファイが運営する資格検定試験です。こちらも難易度別に、1級~3級までのレベルが用意されています。
Javaについては、ゲームプログラミング業界でも多く使われているだけでなく、IT業界全般で汎用的に活用されているプログラミング言語のため、習得しておけば将来的にゲームプログラミング以外の分野での活躍が見込めます。
試験日程 | 1級・2級は年2回、3級は年3回 |
受験料 | 1級:7,800円 2級:6,400円 3級:5,200円 ※全て税込 |
試験形式・問題数 | 2級、3級は多肢選択式、1級は実技試験も含まれる |
出題範囲 | 演算子、制御文、パッケージなどのJavaの基本事項 から出題、Java SE8とテキストエディタTeraPadを利用 対応するバージョンはJava SE 8 |
実務を意識するなら2級以上を目指す
C言語プログラミング能力認定試験と同様に、こちらもJavaを活用したプログラミングができることを証明する資格として、一定以上の評価を得ている検定資格です。ただし3級については基本的な出題が多い傾向があり難易度としても不十分なため、履歴書に書いてアピールするのであれば2級以上を目指したいところです。
独学する方法・おすすめの書籍
『Java(TM)プログラミング能力認定試験 2級過去問題集』(株式会社サーティファイ)
Java™プログラミング能力認定試験は比較的過去問からの出題が多いため、過去問題集を中心にした学習をおすすめします。まずは過去問題集を解いてみて、難しいようであればそのほかの解説書を利用して知識や理解を補完していくという方法がよいでしょう。
『スッキリわかるJava入門 第4版 (スッキリわかる入門シリーズ)』(インプレス、中山 清喬・国本大悟・株式会社フレアリンク)
C言語プログラミング能力認定試験の項でも紹介したスッキリわかるシリーズのJava版になります。初心者にとってもわかりやすい書き方で、取り掛かりやすい内容です。特に全体像を把握するのに適しており、この書籍を読んだ後に過去問題集に取り組めばより理解が深まるでしょう。
参考記事:ゲームプログラマーのキャリアパスとは?年収や将来性も解説!
ゲームプログラマーになるには
ゲームプログラマーの仕事内容からみると、専門知識やスキルが必須です。加えて適正もある職業であるため、未経験の場合はまずは経験を積むことから始めましょう。
求人数に限りはありますが、未経験可の求人もあります。ゲームプログラマーを直接目指すのではなく類似分野のエンジニアから経験を積みキャリアアップするなど、ゲームプログラマーになるための具体的な方法を紹介します。
参考記事:未経験からゲームプログラマーになるには?業界別採用傾向も紹介
スクールや専門学校に通う
まずは専門のスクールに通うという手段があります。ゲームプログラマーになるためには、プログラミングやコンピュータの知識など幅広い知識を学ぶ必要があるため、体系的に学べる学校に通うことで効率よく目標に近づけます。
独学では続かず挫折してしまった、初心者ゆえに何から手をつけたら良いのか分からないと悩む人におすすめの勉強法です。
求められる知識・スキルを身につける
ゲームプログラマーに求められるのは、現状のゲーム業界のトレンド動向を把握し応じた知識とスキルです。またコミュニケーションスキルなど社会人として基本的な資質も問われるため、今一度自分のスキルセットが正確かどうかチェックしておきましょう。
求められる知識とスキルをいくつか紹介します。
参考記事:ゲームプログラマーの志望動機作成のポイントや例文を紹介
プログラミングスキル
ゲームプログラマーになるためには切っても切れないスキルです。家庭用ゲームではC言語やC++、C#などのC系統の技術がよく使われるので、習熟しておくと良いでしょう。スマートフォン向けのゲームであればJavaやSwift、Objective-Cなどがよく使われます。
ゲームエンジンの知識・スキル
ゲームエンジンとはゲームに必要なグラフィックや入出力、サウンドの管理などをまとめて提供するプログラムのことです。代表的なものとしてはUnityやUnreal Engine 4が挙げられます。
ゲームエンジンによって利用できるプログラミング言語が変わるため、ゲームエンジンに合わせたプログラミングスキルを使えると活躍できるでしょう。
参考記事:ゲームプログラマーの仕事はきつい?その理由やメリットも解説
論理的思考力
プログラマーはもちろん、エンジニア全般にいえることですが、論理的思考力が必要です。筋道を立ててゲームを組み立てていくときや、思わぬ不具合などのトラブルが発生したときの原因究明などの際に役に立ちます。
コミュニケーションスキル
ゲーム制作のプロジェクトはたった一人で行うことはまずありません。チーム単位やグループで制作を進めていくため、周りのスタッフと意思疎通を図るスキルは重視されます。また、周囲とコミュニケーションを取りながら業務をするのが苦にならない人はゲームプログラマー向きです。
未経験可の求人に応募する
ゲームプログラマーの求人には「未経験可」と記載のあるものも見られます。未経験といっても最低限のプログラミングの基礎・業界知識は必要ですが、経験をあまり重視しない求人を中心に応募することがおすすめです。
プログラミング知識がない場合や学習途中の場合は、デバッカーという職業も選択できます。デバッガーとは開発中のゲームに対してテストプレイの中でバグや問題点を洗い出す作業を指しますが、実務経験はさほど問われません。このような実務の中でプログラミングの勉強を進めつつ、求職活動をする人も多いです。
アプリを作成し成果物をアピールする
就職の際には自分がどんなものを作ることができるのかをアピールする必要があります。この自己開発したものをまとめた制作物をポートフォリオと呼び、経歴に自信がない人や未経験からの転職では独学した内容や持っているスキルの証明として活用できるため、必ず準備しておきましょう。
過去に就業経験がなくても、実際にアプリなどを開発して成果物を見せることで、開発に関するスキルや熱意が伝わりやすくなります。
関連記事:ゲームプログラマーに向いてる人とは?求められるスキルや転職のポイントも解説
ゲームプログラマーに関するよくある質問
ゲーム業界は拡大傾向にあり、ゲーム開発に携わるクリエイターであるゲームプログラマーも目指す人の多い人気職です。そのため「ゲームプログラマーに関連する資格、転職に有利になる資格とは?」「資格の取得は必須?」などの質問がよく見られます。
さらに資格以外の必要なスキルや知識、就職方法や適性も気になるポイントです。以下では、これらのゲームプログラマーに関するよくある質問に回答します。
Q1. ゲームプログラマーにおすすめの資格はありますか?
ゲームプログラマーとして活躍するためには、「基本情報技術者試験」などのエンジニアとしての汎用的な知識を習得・証明できるもの、「CGエンジニア検定」「Unity認定資格」「Oracle認定Java資格」などの特定の分野のスキルを習得・証明できるものの双方に取り組むことをおすすめします。
Q2. ゲームプログラマーに資格の取得は必須ですか?
ゲームプログラマーとして仕事をするうえで、資格は必須ではありません。しかし、資格を取得することで、そのプロセスで業務に必要なスキルを身につけられ、転職やキャリアアップの際にわかりやすく自身のスキルを証明できるので、必要に応じて取得を目指すことをおすすめします。
Q3. ゲームプログラマーになるには何が必要?
ゲームプログラマーになるには、プログラミング・コンピュータの知識など基礎的なことからプログラミングスキル・ゲームエンジンの知識やスキルなど幅広い知識が必要です。
ほかにもゲーム制作をする上でのコミュニケーションスキルやロジカルシンキングなど、社会性がないと務まらない仕事といえます。
Q4. ゲームプログラマーになる方法を教えてください
ゲーム制作を行ううえでまったくの未経験からでは就職の成功率は高くなく、まずはオンライン講座やスクールなどで基礎知識を体系的に学ぶことから始めましょう。
最初からゲームプログラマーを目指すのではなく、関連するエンジニアとして就職し経験を積み、キャリアアップを図るのもおすすめです。
Q5. ゲームプログラマーに向いている人は?
以下の人はゲームプログラマー向きといえます。
-
・新しい技術や言語を学ぶ意欲のある人
・英語力のある人
・論理的思考力が身についている人
・一人でコツコツと作業するのが苦にならない人
・チームメンバーとやり取りするのに十分なコミュニケーションスキルがある人
まとめ
ゲーム業界においてなくてはならないゲームプログラマーという存在。必須資格はないとはいえ、未経験からの転職やスキル証明、地力アップには資格が役立ちます。
ゲーム業界の市場は拡大傾向にあり、憧れを持つ人も多い人気の職業です。関連する資格をチェックし、自分のスキルセットに合うものを活用してみましょう。
ITエンジニアの転職ならレバテックキャリア
レバテックキャリアはIT・Web業界のエンジニア職を専門とする転職エージェントです。最新の技術情報や業界動向に精通したキャリアアドバイザーが、年収・技術志向・今後のキャリアパス・ワークライフバランスなど、一人ひとりの希望に寄り添いながら転職活動をサポートします。一般公開されていない大手企業や優良企業の非公開求人も多数保有していますので、まずは一度カウンセリングでお話してみませんか?(オンラインでも可能です)
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また、「初めての転職で、何から始めていいかわからない」「まだ転職するかどうか迷っている」など、転職活動に何らかの不安を抱えている方には、無料の個別相談会も実施しています。キャリアアドバイザーが一対一で、これからのあなたのキャリアを一緒に考えます。お気軽にご相談ください。
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