Kotlinエンジニアの資格とは?必要なスキルや勉強法を解説

最終更新日:2023年3月22日

Kotlinはモバイルアプリ開発に広く用いられています。Javaを改良した言語であり、比較的簡潔に記述できることが利点です。Kotlinエンジニアに役立つ資格としては、Android関連、Java関連、システム開発全般に関するものが挙げられます。本記事では、Kotlinのスキルを向上させたいエンジニアに向けて、Kotlinに関連する資格を紹介します。また、Kotlinの勉強法やKotlinエンジニアに求められるスキル、キャリアパスについてもまとめました。

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Kotlinとは?

まず、Kotlinの特徴やできること、メリットについて解説します。

Kotlinの概要と特徴

Kotlinは、2011年にJetBrains社からリリースされた比較的新しいプログラミング言語です。GoogleがAndroidアプリ開発の公式言語として採用したことから注目を集め、多くのモバイルアプリ開発現場で採用が進んでいます。開発の生産性が上がるよう、Javaを改良して作られました。また、Kotlinのコンパイルされたコードは、Java仮想マシン上で動作するため、Javaで開発されたシステムにKotlinを組み合わせることも可能です。親和性の高さから、Javaを扱うエンジニアにとってKotlinは比較的習得しやすい言語といえます。

関連記事:Kotlinとは?Javaとの違いや年収、学習方法について解説

Kotlinでできること

多数のAndroidアプリ開発でKotlinが用いられています。大手IT企業が開発した有名なアプリにも、Kotlinで実装されているものが多くあります。また近年では、Kotlinの仕様が進化しており、Webアプリケーションの開発にも利用できるようになりました。さらに、Javaのフレームワークを使ってKotlinのサーバーサイド開発を実施するケースも見受けられます。

関連記事:Kotlinでできることは?特徴や事例を中心に徹底解説

Kotlinの利点

KotlinのプログラムからJavaのプログラムを呼び出すことや、その逆も可能であるため、それぞれの過去のIT資産を有効活用できます。また、同じ処理でもJavaに比べて少ない文字数で実装できるなど、文法がシンプルな点もメリットの一つです。

以上のような利点からKotlinの人気は年々上がっており、今後の将来性にも期待できます。TIOBE Software社の調査(※)では、2022年のTIOBEプログラミング言語ランキングで23位まで上昇しました。

※参考:「C++」が「Java」を抜いて3位に--12月のTIOBEプログラミング言語ランキング
関連記事:Kotlinの将来性が高いと考えられる3つの理由|学習するメリット・デメリット

Kotlinに関連する資格

Kotlinに関連した資格としては、大きく分けて、Android関連・Java関連・アプリケーション開発全般に関連したものが挙げられます。それぞれの分野について、資格の情報を以下にまとめました。

Android関連の資格

KotlinはAndroidアプリ開発に用いられるケースが多いため、Androidについての理解を深めておくとキャリアを形成するうえで役立ちます。Androidに関する資格は、Android技術者認定試験が代表的です。

アプリ開発に関するスキルを問う「アプリケーション技術者認定試験」と、プラットフォーム開発者としての技術力を試す「プラットフォーム技術者認定試験」に分かれており、習熟度に応じて「ベーシック」と「プロフェッショナル」の2段階があります。

「アプリケーション技術者認定試験」には、UIやストレージ、通信、マルチメディア、開発環境、デバッグ技術など広範な内容が含まれます。

関連記事:Android技術者認定試験とは?難易度、試験対策のポイントなどを解説

Java関連の資格

Kotlinと似た言語であるJavaについて学び、双方の言語について理解を深めることもエンジニアとしてのスキルアップにつながります。Java関連の資格として有名なのがJavaプログラミング能力認定試験、Oracle認定Javaプログラマーです。どちらも、Javaを用いて設計・開発を行う知識が問われます。

Javaプログラミング能力認定試験

情報処理や関連するスキルについて複数の資格試験を開発するサーティファイ社がJavaプログラミング能力認定試験を運営しています。Javaの基本的な知識、オブジェクト指向に基づいたプログラミングなどが試験内容です。

Oracle認定Javaプログラマー

Oracle認定Javaプログラマーは、Javaの提供元でもあるOracle社が開催している試験です。習熟度に応じて、Bronze、Silver、Goldの3段階に分かれています。Bronzeはプログラミング未経験者向けであり、Javaを使用したアプリケーション開発の基礎知識が求められます。

アプリケーション開発全般の資格

Kotlinに限らず、アプリケーション開発全般について学ぶこともキャリアアップに役立ちます。IPA(情報処理推進機構)が開催する資格試験は、キャリアパスや習熟度によって分類されており、広範な知識を対象とするため、多くのエンジニアに親しまれています。

応用情報技術者試験

ITエンジニアとして数年の実務経験を積んだ人を対象としているのが応用情報処理技術者試験です。情報システム、組み込みシステムなどの設計・開発・運用・保守に関する幅広い領域が出題範囲です。

システムアーキテクト試験

技術者としてのステップアップを目指すなら、システムアーキテクト試験に挑戦してもよいでしょう。上流工程の経験が豊富なエンジニアを対象とした、難易度の高い試験です。全体最適の観点から情報システムの構造を設計し、要件の分析・整理を行うスキルが問われます。また、セキュリティや品質といった技術領域にも精通している必要があります。

Kotlinエンジニアが身につけるべきスキル

Kotlinエンジニアとしてキャリアを形成するには、Kotlinに関連した資格を取得し、Android開発やシステム開発のスキルを身につけることが推奨されます。Kotlinエンジニアに求められるスキルに関しては、前述したAndroid技術者認定試験も準拠しているIPAの組込みスキル標準が参考になるでしょう。

技術要素

Androidアプリを開発するにあたり、マルチメディアの扱いには習熟する必要があります。今やほとんどのアプリに音声・画像・動画が組み込まれているため、データ圧縮・伸張を含めた統合技術が求められるでしょう。また、それを保存するためのストレージとして、モバイル機器のファイルシステムに関する知識も欠かせません。

さらに、近年の組込みシステムは、データ通信を介して豊富な機能を提供するものが多くあります。資格試験への対策を考えるうえでも、主に無線通信を介したデータ転送に関する基本的な知識を身につけておくべきです。そのほか、UI(ユーザーインターフェース)や信号処理、プロセッサやOS(オペレーティングシステム)といった技術要素もあります。

開発技術

開発技術とは、システム開発における各局面で求められるスキルのことです。要求分析・設計・開発・テストといったライフサイクルを通じて、知識・経験が発揮できるエンジニアが求められています。

例えば、要求分析であれば、ユーザーや関係者に対するインタビューを通じてシステムに求められる要件を引き出し、モデリング手法などを活用して情報を整理します。設計局面で求められるのは、機能・非機能面の設計に加えて、性能の見積もりや信頼性を担保する仕組みの検討です。開発局面では、生産性や保守性を向上させるプログラミング手法やツールの知識が問われるでしょう。そして、結合テストや回帰テストといった異なる範囲でのテストに関するスキルも必要です。

管理技術

管理技術は主にプロジェクトマネジメントに関する知識・経験が求められます。プロジェクトマネージャーのキャリアを歩む人はもちろん、プロジェクトの一員として参加する場合でも、プロジェクト管理の考え方を身につけておくことは、チーム作業を円滑に進めるうえで重要です。

プロジェクト管理の技法については、品質・コスト・スコープといったプロジェクトの成否につながる要素を管理する方法論が提案されています。また、開発プロセス自体を標準化・高度化するために、開発環境の整備や構成管理・変更管理の手順を整備していくことが求められます。

Kotlinの資格試験のための勉強方法

資格を取得したあとに、昇進・転職を含めたキャリアアップにつなげていくためには、プログラミングだけにとどまらない広範なスキルを身につける必要があります。そのため、実務を通じて経験を積みながら、足りない知識を補えるよう試験対策を行うとよいでしょう。

実務経験

スキルを向上させるには、システム開発の実務経験を積むことが一番の近道です。開発・テストで数年のキャリアを積んだら、要件分析・設計といった上流工程に携わることも検討するとよいでしょう。また、Kotlinエンジニアとしてのキャリア形成を望んでいるにも関わらず、現在の仕事でKotlinを扱うプロジェクトに入れなければ、別のプロジェクトへの異動や転職を検討するのも一案です。

関連記事:Kotlinの転職事情とは?求められるスキルや将来性を求人例とともに解説

書籍

前述したAndroid認定技術者試験や応用情報技術者試験・システムアーキテクト試験は、参考書が出版されています。実務で扱わなかった領域の知識を補ったり、過去に触れた知識を定着させたりするのに、書籍での学習は効果的です。

過去問、模擬試験、体験談

応用情報技術者試験やシステムアーキテクト試験など、公式サイトで過去問が公表されている資格試験もあります。また、模擬試験を受験したり、受験者の体験談を読んだりして、試験対策を進めてもよいでしょう。

未経験からのKotlin勉強方法

Androidアプリ開発に興味があり、はじめに学ぶプログラミング言語としてKotlinを選択する人もいるでしょう。プログラミングの基礎を身につければ、資格取得や就職へつながる可能性もあります。以下では、プログラミング未経験の人がKotlinを勉強するための方法を紹介します。

独学

書籍やWebサイトの情報を活用する方法は、手軽に学習を始められるメリットがあります。ただし、経験者向けの内容では難易度が高く挫折してしまうおそれがあるため、未経験者を対象にした入門書を手に入れましょう。Kotlinの基礎文法、データ構造や基本的なアルゴリズムについて理解を深めることが第一のステップとなります。

プログラミングスクール

プログラミング未経験の場合、プログラミングそのものよりも、環境設定などでつまずいてしまうことがあり、独学では難しいと感じる人も多いでしょう。そこで、KotlinあるいはAndroidアプリの開発について学べるプログラミングスクールの活用がおすすめです。カリキュラムに沿って確実に学習を進められるため、効率よくスキルを習得できます。

Androidアプリの作成

基礎的なプログラミング技術を学んだあとは、実際にアプリを作ってみると、さらに理解が深まります。自身の興味に合わせてアプリの機能を考案し、できる範囲で開発を行ってみましょう。ユーザーのデータを書き込む・読み出す、ログインするといったアプリに共通する機能の必要性が理解できるはずです。さらに、アプリストアに公開するプロセスを経験すれば、就職活動でも効果的にスキルや意欲をアピールできます。

関連記事:未経験からKotlinエンジニアを目指すためのポイントとは?仕事内容やスキル、転職について解説

キャリアアップのために学ぶべきKotlin周辺のスキル

Kotlinを学んでモバイルエンジニアとしてのスキルを身につけたあとは、その他のモバイル技術を習得し、技術の幅を広げるのもよいでしょう。以下では、キャリアアップに役立つKotlin周辺の技術を紹介します。

iOS

KotlinはAndroid向けアプリの開発に用いられるため、iOSのアプリも開発できるようになれば、モバイルエンジニアとして対応できる範囲が大きく広がります。Androidと同様に、iPhoneやiPadで動作するiOSアプリの市場は大きいためです。iOSアプリの開発には、一般的にSwiftやObjective-Cといったプログラミング言語が用いられています。Androidアプリ開発の経験があれば、モバイルに共通した考え方が身についているため、未経験の場合よりもスムーズにiOS開発を習得できるでしょう。

関連記事:iOSエンジニアになるには?キャリアチェンジの方法を解説

Flutter

Flutterは、Android、iOS、LinuxといったOSをまたいだ開発に使われるフレームワークです。2018年にGoogleが公開したオープンソースであり、クロスプラットフォーム対応が必要な案件ではFlutterが採用されるケースが見られます。Flutterを使って開発を行うためには、Dartと呼ばれるプログラミング言語を習得する必要があります。

関連記事:Flutterの将来性は?特徴・メリット・React Nativeとの比較を解説

React Native

Flutterと同様、iOS・Androidにまたがったクロスプラットフォーム対応が可能な技術として、React Nativeも人気が高まっています。プログラミング言語にJavaScriptを使用することが特徴です。Kotlinエンジニアとして汎用性を高め、異なる技術領域へ進出する足掛かりとして挑戦してみてもよいでしょう。

Unity

モバイルエンジニアからゲーム開発へ挑戦するキャリアパスも考えられます。近年、Android/iOS用のスマホゲームにはUnityのようなゲームエンジンが活用されるようになりました。Unityは豊富な機能により容易にゲーム開発ができるため、高い人気を誇っています。

関連記事:Unityエンジニアとは?仕事内容や将来性、スキルを解説

Kotlinエンジニアのキャリアパス

上記の資格に関連して、Kotlinエンジニアが検討するべきキャリアパスについて解説します。

モバイルエンジニア

Android技術者認定試験の資格は、モバイルエンジニアとしてのキャリアに有効です。また、KotlinでのAndroid開発経験に加え、iOSやFlutterのスキルを身につけると、キャリアの幅が広がるでしょう。モバイルアプリ固有の設計や開発・テストのスキルを磨いていくと大きな強みとなります。

関連記事:iOSエンジニアになるには?キャリアチェンジの方法を解説

サーバーサイドエンジニア

Javaプログラミング能力認定試験やOracle認定Javaプログラマー試験は、サーバーサイドで広く活用できます。Javaで開発したアプリケーションの一部をKotlinで開発する場合にも、KotlinとJava双方のスキルが有用です。

関連記事:サーバーサイドエンジニアとは?仕事内容や勉強方法を紹介

アプリケーションエンジニア

応用情報処理技術者試験は、広範なスキルを有するアプリケーションエンジニアのキャリアに有用です。アプリケーションエンジニアは、主に業務システムやWebサービスなどの開発を手掛けます。Kotlinエンジニアとして数年のキャリアを積んでから、開発局面の中心的な役割を担う立場へ挑戦してもよいでしょう。

関連記事:アプリケーションエンジニアになるには?必要なスキルや資格について

ITアーキテクト

システムアーキテクト試験は、名称通り、ITアーキテクトのキャリアに役立ちます。ITアーキテクトは、システム全体の設計や、運用・開発プロセスに関する検討を行う職種です。技術的に開発チームをリードしたいと考える人に適しています。

関連記事:ITアーキテクトとは?求められるスキル・資格などをご紹介

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