Kotlinの勉強方法!勉強するメリットや注意点、資格を解説

最終更新日:2024年7月10日

スマートフォンの活用は拡大の一途を辿っており、多くのスマートフォンアプリが開発されています。スマートフォンアプリ開発に興味があり、これからプログラミングの勉強を考えている方も多いでしょう。なかでもAndroidアプリの開発を目指すのであれば、Kotlinの習得がおすすめです。

本記事では、Kotlinの特徴やできること、勉強するメリットなどについて解説します。またプログラミング経験者と未経験者それぞれにおすすめの勉強方法もまとめましたので、ぜひ参考にしてください。

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この記事のまとめ

  • KotlinはAndroidアプリ開発に最適化された言語で、Javaとも連携が可能
  • Kotlinはコードがシンプルで、Googleのサポートも充実しているため学習しやすい
  • Kotlinの学習を始める場合は、日本語の情報が少ないことと現状はJavaよりも利用場面が少ないことに注意する
  • Kotlinの学習方法としてAndroid Developerのドキュメントを読ことや学習サイトを利用することなどがある

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Kotlinとは

まずはKotlinの成り立ちや特徴について解説します。

Kotlinは、主にAndroidアプリを開発するためのプログラミング言語として2011年に登場しました。それ以前のAndroidアプリ開発にはJavaが多く使われており、Javaを改良して開発された言語がKotlinです。そして2017年にはGoogleが、KotlinをAndroidの正式な開発言語として採用することを発表しました。

関連記事:
Kotlinでできることは?特徴や事例を中心に徹底解説
Kotlinとは?Javaとの違いや将来性、年収について解説

Kotlinの主な特徴

Kotlinの主な特徴を5つ紹介します。

Androidアプリの開発に最適化されている

KotlinはAndroidのランタイムと完全互換性があるなど、Androidアプリの開発に最適化されています。またコードの記述量も少ないため、スピーディな開発が可能です。アプリをいち早く開発し、市場へ投入したい場合に向いているでしょう。

Javaとの連携がしやすい

KotlinはJava仮想マシンで(JVM)動作するため、Javaとの連携が可能です。そのためJavaで作られている既存のアプリに、Kotlinで新たな機能を追加できます。

Javaに比べるとコードの記述量が少ない

Kotlinは、Javaよりもシンプルにコードを記述できます。たとえばJavaは行の末尾にセミコロンが必要ですが、Kotlinは改行することで行末であると判断するため、セミコロンの省略が可能です。コードの記述量が減ると、記述ミスやバグも起こりにくくなるため、アプリの品質向上につながります。

Androidアプリの開発実績が多い

Kotlinは、世界的に有名なAndroidアプリの開発に多く採用されています。オフィシャルサイトのAndroid developersではさまざまな事例が紹介されており、有名なアプリでは「Yahoo!」「LINE」「NETFLIX」「X(旧Twitter)」などがあります。GoogleがAndroid開発の公式言語に指定したことにより、開発実績が大幅に増加しました。

Androidアプリ以外にもさまざまな開発ができる

KotlinはAndroidアプリだけではなく、以下のような開発にも使われています。

・サーバーサイドの開発
サーバーサイドの開発にはJavaが広く使われていますが、機能追加や修正の際にKotlinが使用されるケースが増えています。また、最初からサーバーサイドをKotlinで開発すると、フロントエンドのAndroidアプリの言語と同じにでき、エンジニアのスキル統一を図れます。今後サーバーサイドでKotlinが使われる事例はますます増えるでしょう。

・Webアプリケーションの開発
フレームワーク(システム開発をサポートするツールや仕組み)を使用することで、Webやデスクトップなどのアプリ開発も可能となります。

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Kotlinを勉強するメリット

Kotlinを習得するか検討するにあたって、Kotlinを勉強するメリットについて把握しておくと良いでしょう。Kotlinを勉強するメリットは、学習のハードルが比較的低いことや公式のサポートが充実していること、需要が高いことなどが挙げられます。

以下でこれらについて詳しく解説していきます。

学習のハードルが低く勉強しやすい

Kotlinは、学習のハードルが比較的低い言語です。コードがシンプルで読みやすいため、初心者にもおすすめです。もともとJavaを扱いやすく改良して開発されたため、Kotlinを身につけると将来Javaを習得しやすくなります。同時にJavaの経験がある方はKotolinを習得しやすいでしょう。

Googleのサポートが充実している

Kotlinは、2017年にGoogleがAndroid開発の公式言語として採用したことで、GoogleからAndroid開発者向けの強力なサポートを受けられるようになりました。Android StudioというAndroidアプリ開発用の統合開発環境やオンライン学習コースなどを提供しており、サポートが充実しています。

仕事・求人が多く、需要が高い

KotlinはJavaとの連携が可能なため、KotlinとJavaはお互いに呼び出せます。Javaで開発されたプログラムの既存コードはそのままで、新規機能をKotlinで開発することもできます。Javaで開発されたプログラム資産は非常に多いため、Kotlinが使われる機会は今後も増えるでしょう。

実際にKotlinの求人は増加傾向にあり、レバテックキャリアに掲載されている求人は、1,533件の募集があります(※2024年5月現在)。ただし、多くはKotlinだけではなくJavaやほかの言語と共に募集されています。

関連記事:Kotlinの将来性が高い理由とは?できることやメリット・デメリットも紹介

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Kotlinの勉強方法

Kotlinは勉強のハードルが比較的低く、初心者にもおすすめの言語です。Kotlinのスキルを身につければ、Javaも習得しやすくなり、すでにJavaのスキルがある人にとっては、Kotlinは容易に習得できるでしょう。ここでは、おすすめの勉強方法を紹介します。Kotlinを習得するには、継続的な学習が重要です。自分に合った勉強方法を見つけるため、参考にしてみてください。

公式サイトや書籍を活用する

すでに何らかのプログラミング言語をマスターしている経験者であれば、Google公式サイトや書籍の活用がおすすめです。公式サイトには、さまざまなKotlinの技術情報、Q&A、事例が紹介されているほか、Kotlinのプレイグラウンドという、実際のコードを入力・実行できる画面も用意されているため、すぐに実践できます。

Kotlinの書籍としては以下がおすすめです。

『やさしいKotlin入門』(カットシステム、野崎 英一)
書籍名の通り、Kotlinの基礎的な内容を丁寧に解説しています。プログラミング初心者やこれからKotlin初学者に特におすすめの書籍です。

『Kotlinスタートブック 新しいAndroidプログラミング』(リックテレコム、長澤 太郎)
KotlinとAndroidアプリ開発の基礎から応用まで学べる書籍です。網羅的で上記の書籍よりもステップアップした内容になっています。プログラミング経験者やKotlinを詳しく勉強したい人におすすめです。

Android Developerのドキュメントを読む

Androidアプリ開発をしたいのであれば、Android Daveloperのドキュメントを読むこともKotlinの勉強には最適です。Androidアプリの開発にKotlinが推奨されているため、実践的なサンプルも豊富に揃っています。すでにある程度Kotlinの知識を身につけているのであれば、繰り返しドキュメントを読むだけでもより深い知識を習得できるでしょう。

学習サイトを活用する

Web上にはKotlinを学べる学習サイトが多くあります。学習サイトの中には自分のレベルを測定できるサイトもあるため、そういったサイトを利用して学習を進めることで自分のレベルに合った教材で学習でき、より効率的にスキルアップが可能です。以下でおすすめの学習サイトをいくつか紹介します。

paizaラーニング

paizaラーニングでは、ナレーションに合わせて動画でプログラミングを学習する形式になっています。講座ごとの演習課題を解くことによって、初心者でも確実に自分でコードが書けるようになって、次に進むことができます。

Kotlinの入門講座ではプログラミングで間違いやすいポイントなども解説してくれるため、初心者でもKotlinの学習を進めることができます。

ドットインストール

ドットインストールは動画形式での学習で、講師からの説明を聞きながら実際の実行画面を見て進められるので、挫折しにくいです。

環境構築から、Kotlinの基礎、初心者に必要なプログラミングスキルまで一貫して学習できるので、初心者にもおすすめのサイトです。

Udemy

UdemyではKotlinだけでも多数のコースが提供されており、自分のレベルに合わせて学習できるサイトです。

Udemyではエンジニアになったら必要なビジネススキルやほかのプログラミングスキルを学習できるようなコースも提供されています。

勉強会を活用して勉強する

法人や個人の主催によりプログラミングの勉強会が開催されています。connpassTECH PLAYといったサービスではイベント募集されているため、自分に適したイベントがあればぜひ参加してみてください。勉強会ではプログラミングに詳しいエンジニアがコツを教えてくれたり、一緒に作業して勉強したりする機会もあります。

コミュニティを活用する

GoogleやKotlinの公式サイトには、複数のデベロッパーコミュニティがあります。英語にはなりますが自動翻訳などを活用して、ぜひ参加してみましょう。ほかの技術者の意見交換をすることで、疑問が解消されたり、新たに知見が広がったりすることがあります。

プログラミングスクールを活用する

未経験者が確実にスキルを身につけるためには、プログラミングスクールの活用が近道です。提供されたカリキュラムに沿って現役エンジニアなどのプロの講師が実践的なスキルを教えてくれるため、確実かつスピーディに習得できます。基礎ができたら、経験者同様に公式サイトやコミュニティなどの活用にステップアップすると効果的です。

関連記事:未経験からKotlinエンジニアを目指す方法は?仕事内容やスキルも解説

資格を取得する

資格取得のための勉強では体系立てて網羅的に知識を習得できるため、未経験者にはおすすめです。次章で代表的な資格を紹介します。

Associate Android Developer認定試験

Associate Android Developer認定試験は、Androidの開発元であるGoogleが実施している認定試験です。KotlinエンジニアとしてAndroidに関する基本的なスキルを確認する内容で、初心者・未経験者向けです。

この試験に合格し、Associate Android Developer認定資格を取得すると、Android開発の基礎知識に精通していることを証明できます。

Android™技術者認定試験制度

Android™技術者認定試験は、一般社団法人IT職業能力支援機構 Android技術者認定試験制度委員会が運営する試験です。

Android技術者認定試験制度には「アプリケーション技術者認定試験」と「プラットフォーム技術者認定試験」の2種類あり、レベルが「ベーシック」と「プロフェッショナル」に分けられています。自身の専門領域とスキルレベルに応じた受験が可能です。

関連記事:Android™技術者認定試験制度とは?難易度や勉強方法を解説

Java SE 11 認定資格(旧Oracle認定Javaプログラマ)

Java SE 11 認定資格は、日本オラクル社が主催するJavaプログラマー向けのベンダー資格です。
KotlinはJavaの文法を基礎としているため、Javaの学習がスキルアップにもつながります。JavaはAndroidアプリから業務システムなどの大規模な基幹系システムまでさまざまなところで使われており、身につければ仕事の幅が広がるでしょう。

Java SE 11 認定資格は、難易度はBronze(ブロンズ)、Silver(シルバー)、Gold(ゴールド)に区分されており、体系的にステップアップする形で学べます。未経験からではなく、ある程度Kotlinを身につけて自信がついたエンジニアのステップアップ向けの資格と考えておきましょう。

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Kotlinを勉強する上で認識しておきたい注意点

Kotlinを勉強する上で認識しておきたい注意点を紹介します。KotlinはAndroid開発では主流言語になっていますが、まだ新しい言語で、Javaに比べると歴史は浅いです。そのため、勉強の際に日本語の情報が少なく、調べるのに時間がかかってしまったり、選べる案件がAndroidのアプリ開発に偏ったりするといったことがあります。これらについてはあらかじめ把握しておいたほうが良いでしょう。

日本語の情報が少ない

Kotlinは2011年に登場した比較的新しい言語です。Javaに比べると日本語で参照できるサイトやドキュメントが少なく、多くが英語で記述されています。そのため、学習でつまずいた際に検索しても解決できなかったり、解決に時間がかかったりすることが考えられます。

しかし、今後KotlinはAndroidアプリ開発で主流となり、スマートフォンアプリの活用もさらに広がると考えられるため、日本語の情報リソースも増えていくでしょう。

Javaに比べると利用場面がまだ少なくこれから

KotlinはAndroidアプリの開発が主であり、まだほかの用途はJavaなどに比べると少ないです。またAndroidのシェアが日本では海外に比べると低いこともあり、Kotlinを扱えるエンジニアも少ないのが現状です。

しかし、今後Androidのシェアが高まったり、Android以外への活用が増えたりする可能性は十分にあり、将来性が期待できるプログラミング言語といえます。

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Kotlinと合わせて勉強したいスキルセット

Kotlinと合わせて周辺スキルも習得することで、より市場価値の高い人材に成長できます。Kotlinは開発対象がほぼ決まっているからこそ、その開発で使用するスキルをセットで勉強すると良いでしょう。具体的には、デザインやAndroidのフレームワークの知識があると開発に役立ちます。プログラミングはコードを書くだけでなく、周辺知識の有無によって生産性に大きく影響します。

UI/UXデザイン

KotlinはAndroidアプリの開発に使用することが多いプログラミング言語であるため、AndroidアプリのUI/UXデザインの知識があると、よりアプリ全体のクオリティ向上に役立ちます。Kotlinで開発するのはシステムですが、そのシステムを利用するのは人間です。そのため、人間が使いやすい、面白いと感じるデザイン設計が重要になります。

Androidフレームワーク

フレームワークはプログラミングの土台となるものです。フレームワーク上でプログラミングを行い、必要に応じてフレームワークのツールを使うことで複雑な機能をプログラミングせずに済みます。Androidアプリ開発でもフレームワークの機能を知り、使いこなすことで生産性が大幅に向上するでしょう。

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Kotlinに関するよくある質問

Kotlinは比較的新しいプログラミング言語で現状用途も限定されていることから、習得に迷う人も多いです。特に初めてプログラミング学習を始める人は、ほかの言語と比較して検討するのが良いでしょう。ここでは、Kotlinに関するよくある質問と回答を紹介します。紹介する内容を参考に、習得を検討してみてください。

Q1. Kotlinのデメリットは何ですか?

Kotlinは比較的新しい言語のため、ほかの言語より情報が少なく学習しづらい部分もあります。またKotlinエンジニアの求人も少ないため、Ktolinを学習しエンジニアを目指す場合は難易度も高いです。Androidアプリの開発には適していますが、ほかの分野では活用例が少ない点もデメリットと言えます。

Q2. Kotlinに将来性はありますか?

Kotlinの将来性は高いです。その理由としては、GoogleがKotlinをAndroidアプリの公式開発言語に認定していることが大きいです。Kotlinは新しい言語のため技術者が少なく、人材が不足しています。そのためKotlinエンジニアの需要は高く、Kotlinの将来性も高いといえるでしょう。

関連記事:Kotlinのメリット・デメリットとは?今後も使われていく言語なのか解説

Q3. KotlinとJavaはどちらを習得するのが良いですか?

プログラミング言語に触れたことない場合やAndroidアプリを作成したいと考えている場合には、Kotlinをおすすめします。一方でプログラミング未経験からエンジニアに転職したい場合やAndroidアプリ以外の開発もしていきたいと考えている場合にはJavaがおすすめです。

関連記事:KotlinとJavaの違いとは?特徴やメリット・デメリットを比較

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まとめ

Kotlinは現状Androidアプリ開発に特化したプログラミング言語です。Androidアプリ開発ではシェアが伸びており、新規のAndroidアプリ開発にはほぼKotlinが使用される状況といっても過言ではないでしょう。ただし、ほかのシステムの開発ではKotlinが用いられることは少ないです。

現状Androidアプリを開発したい人には、Kotlinは非常におすすめです。Androidアプリの需要は今後も続くと考えられるので、Kotlinは将来性もあります。Androidアプリの開発言語がほかのプログラミング言語に代替される可能性もゼロではありませんが、KotlinはGoogleがサポートしている点でも信用力があります。

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