Unityエンジニアの需要は高い?VR制作にもチャンス

最終更新日:2023年3月22日

Unityは3Dゲーム開発用のゲームエンジンとして、多くのスマホゲームやアプリに活用されてきました。近年では、建築や自動車の3Dモデリングなどの産業用途や、VR/AR/メタバースといった新しい領域でも、コンテンツ制作が容易にできるUnityに期待が集まっています。そのため、Unityの技術を持つエンジニアの需要は、今後ますます高まるでしょう。本記事では、Unityエンジニアへの転職を検討している人に向けて、Unityエンジニアの需要や将来性、用いられる業界、求人の傾向について解説します。

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Unityとは?

Unityとは、主に3Dゲーム開発に用いられるゲームエンジン(ゲーム開発プラットフォーム)です。ゲーム開発に必要となる一般的な処理がまとまって提供されており、3Dモデルの配置や映像処理・音響処理・物理演算などを容易に実装できるメリットがあります。パソコンやモバイル機器、家庭用ゲーム機器で実行できるクロスプラットフォーム対応が特徴であり、様々な分野で活用が広がっています。

Unityには、画像や3Dモデルといった外部アセットを取り込み、独自のデータをゲームに取り込むことが可能です。また、C#やJavaScriptなどのプログラミング言語を使って必要な機能を実装できます。

Unityは2005年にはじめて公開されたゲームエンジンであり、Unity Technologies社によって提供されています。同社によると、Unityで作られたアプリのダウンロード数が毎月50億回、エンドユーザーの数は28億人にのぼるとされ(※1)、世界中のゲーム開発・アプリ開発で重要な役割を果たすようになりました。

※1参考:UNITY ゲーミングレポート 2022
関連記事:Unityでできることとは?ゲーム分野以外の活用例も紹介

Unityエンジニアの仕事内容

Unityエンジニアには公的な定義がなく、解釈に幅がありますが、一般的にゲームやその他のアプリケーション制作において、開発作業を担当する職種とされます。以下では、Unityエンジニアの主な仕事内容について解説します。

設計

ゲームやアプリを開発する場合に、どのようなストーリーをもとに制作するか、どのようなユーザー体験をもたらすか、といった方向性を決定します。その際、ゲームプランナーやデザイナーと協業し、開発チーム全体で方向性の共有が必要です。

また、表示するキャラクターやサウンドなどのコンテンツについても指針を設け、外部アセットを取り込む手順を明確化します。ゲームに必要な機能を実装するためにサーバーサイドとの通信が必要な場合は、サーバーサイドにおける機能の設計も欠かせません。

モデリング

ゲームやアプリ内に表示する物体を3D空間内で表現します。キャラクターや背景、その他のオブジェクトを導入するため、外部アセットを利用しながらUnityの機能を使ってモデリングを行うステップです。外形・表面の模様・質感・テクスチャ・関節動作といったモデリングの要素を最適化・決定します。

開発

画像やキャラクターを読み込んで、ゲームやアプリに必要な独自の表現や機能を実装します。Unity内に同梱されたプログラミング環境で、開発者はコーディング作業が実施可能です。メモリー最適化などのパフォーマンスを向上させる処理を導入して、ユーザー体験を改善する取り組みが行われる場合もあります。

テスト

実装したゲームやアプリが、求められている要件を満たしているかを検証し、必要に応じて不具合を修正するステップです。リリースした後も、ユーザーからのフィードバックをもとに、Unityエンジニアが運用・保守の作業を担当する場合があります。

関連記事:
Unityエンジニアとは?仕事内容や将来性、スキルを解説
未経験からUnityエンジニアとして就職・転職する方法とは?

Unityのユースケース

Unityのできることは幅広いため、Unityエンジニアの転職を考えるうえでは、異なる業界に目を向けてみるとよいでしょう。以下では、Unityエンジニアが活躍している、あるいは今後チャンスが広がる可能性のある業界について解説します。

ゲーム

前述の通り、Unityでは様々なゲームを作成できます。近年では、とくにスマートフォンで遊べるモバイルゲームの市場が伸びており、ゲーム開発者の需要も続くと考えられます。また、家庭用ゲーム機で遊べるコンシューマー向けゲームや、パソコンでプレイするオンラインゲームもUnityで開発可能です。

関連記事:ゲームプログラマーとは - 仕事内容をわかりやすく紹介します

映像制作

Unityを用いて、アニメーションなどの制作が可能です。2Dや3Dの映像において、ライトやカメラ、アクションといった要素をUnityの編集ツールで調整し、開発工程を最適化します。大規模なアニメーションを制作する場合でも、大量のキャラクターや画面要素を取り込んで作業を効率的に進められるのが利点です。

関連記事:CGアニメーター

建築設計

Unityは産業用途で活用される場面が増えており、その一つが建築業界です。例えば、ビルの設計・作成・運用において、Unityを使った3Dモデルによる可視化が行われています。建築工程の各局面において、設計のレビューや現場でのモデル調整を行い、作業時間の短縮を目指します。また、建築物を販売する段階でも、3Dアニメーションを使った実体験型の不動産販売にUnityが用いられます。

自動車

建築設計と同様、自動車の設計から販売に至る各工程において、Unityで実装した3Dモデルが用いられるようになりました。3D製品データからリアルタイムで可視化したり、VR(仮想現実)、AR(拡張現実)のアプリケーションを作成したりと、様々な使い方が考えられます。

他にも、エンジニアリング、エネルギー、政府、医療、輸送などの業界にもUnityは応用可能であり、活用の幅が広がっています。

Unityの需要と将来性

Unityは、今後の成長が期待される業界で多く活用されている技術です。そのため、Unityのスキルを身につけたエンジニアにも高い将来性が期待できるでしょう。以下では、Unityの需要が高まっている背景や、技術トレンドについて解説します。

オンラインゲーム、マルチプレイヤーゲームの普及

角川アスキー総合研究所の調査(※1)によると、2021年には世界のゲーム市場規模が21.9兆円に拡大し、前年に比べて6.1%増加しました。コロナ禍によって自宅で過ごす時間が増えた2020年に、対前年比31.6%と大きく増加してから、引き続き成長が続いています。世界的なトレンドとしては、オンラインゲームの割合が多いです。

また、Unity社の調査(※2)では、世界人口の52%がゲームをプレイしており、そのうちの77%が多人数型(マルチプレイヤー)ゲームを楽しんでいるとの結果が出ています。ゲームは世界的に普及が進んでおり、今後もそのトレンドは続いていくと考えられます。

※1参考:世界ゲーム市場は約22兆円に 国内市場はゲームアプリが1.3兆円
※2参考:Unity マルチプレイヤーレポート 2022

VR/AR

仮想現実や拡張現実のコンテンツは、ゲームや映像といったエンターテイメントの分野で利用が進んできました。さらに今後は、産業分野での活用にも期待されています。先述の通り、建築設計の3Dモデルや自動車メーカーの製品デザインなどの用途で、VR/ARのコンテンツが用いられています。

Unity社のCEOは「2030年までに、AR/VRヘッドセットの利用は現在のコンソールゲーム機と同程度まで増大する」と予測しています。(※1)Unityで開発できる、双方向性のある視覚的な要素が豊富なコンテンツは、今後多くの場面で見られるようになるかもしれません。

※1参考:UnityのCEO、2030年にはAR/VRデバイスはコンソール機と同程度に普及すると予測
関連記事:
VR・AR・MRの特徴と違い、活用事例を解説
UnityによるAR開発で可能なことは?主要SDKも解説

メタバース

メタバースは一般的に、ユーザー同士でリアルタイムに交流できる3次元の仮想空間です。Unityのようなゲームエンジンの登場により、メタバースの要素を含んだアプリケーションの開発が容易になりました。また、メタバースに関連して、現実世界の事物をデジタル世界の中で再現し、シミュレーション用途などに活用するデジタルツインの手法にも注目が集まっています。

メタバースは、多くの企業が積極的に投資を進めている技術です。McKinsey社は、メタバースが2030年までに生み出す金額を最大5兆ドルと試算しています(※1)。日本においても、経済産業省・総務省・デジタル庁で(※2)、メタバースの実証実験や課題整理を進めており、今後の活用が期待されています。

※1参考:メタバースと没入型体験の導入--取り組みを始めた企業が語る用例や注意点
※2参考:デジタル庁「事務局説明資料」p7

Unityエンジニアの求人

Unityエンジニアには、どのような業務やスキルが求められるのでしょうか。実際の求人情報を参考にしてみると、Unityエンジニアの需要について理解が深まるはずです。以下では、レバテックキャリアの求人を参考に分析します。(※2022年12月現在)

ゲーム開発

業務内容
・スマホ向け3Dソーシャルゲームの設計、開発、テスト、運用
・企画段階における実現性の調査や技術的な提案

必要なスキル
・Unityを使ったゲームの開発経験

求められるマインド
・チーム開発を行うためのコミュニケーション能力やチームワーク
・顧客目線でモノづくりに臨み、問題解決力がある

メタバース開発

業務内容
・メタバース空間内におけるバーチャル店舗運営に必要なシステム開発
・アプリ基盤の設計、UIの開発
・キャラクターなどのモデリング
・Webブラウザー、VRデバイス、スマホでの表示の最適化

必要なスキル
・Unityによるアプリケーション開発経験2年以上
・C#、C++などのプログラミングを用いた開発経験
・ネットワークに関する基本的な知識

求められるマインド
・新規事業において、求められるタスクや新しいアイデアへ柔軟に対応できる
・CGクリエイター、エンジニア、ビジネスメンバーといった異なる部門のメンバーと協調して議論ができる

Unityエンジニアに関する求人の考察

ゲームやVR/AR、メタバースといった、今後市場の拡大が期待されている分野で、多くの求人が見つかりました。ただし、募集している職種は、必ずしもUnityエンジニアとは限りません。開発領域に応じて、ゲームプログラマー、フロントエンドエンジニア、アプリケーションエンジニアとして募集されている場合もあります。こうした傾向を踏まえ、Unityエンジニアの求人を検索する際は、職種・業界を広げて調べてみるとよいでしょう。

Unityエンジニアのキャリアパス

Unityエンジニアの将来性を考えるうえで、どのようにキャリアを形成するべきか悩む人もいるかもしれません。Unityエンジニアとして技術を磨き、チームリードとして活躍する方向性に加え、周辺技術のスキルを身につけて活躍の幅を広げていくキャリアパスもあります。以下では、Unityエンジニアが検討できるキャリアパスについて解説します。

ゲームプログラマー

ユーザーが満足するUI/UXを定義・実装するスキルを磨けば、より広範なゲーム開発に応用できる可能性があります。ゲーム開発に求められるプログラミング技術があれば、ゲームに必要な機能を自由に実装できるようになるでしょう。

関連記事:ゲームプログラマーになるには?仕事内容や求められるスキルとは

ゲームプランナー

ゲームプランナーは一般的に、ゲームの企画立案や仕様書の作成を担当する職種です。ゲーム全体のシナリオや登場するキャラクターの設定などを取りまとめて、全体的なユーザー体験を検討します。Unity開発の実務経験は、プロジェクトの進行管理や改善策の立案に活かせるでしょう。

関連記事:ゲームプランナーになるには?仕事内容や将来性を解説

CGデザイナー

CGデザイナー、あるいはCGクリエイターは、主にソフトウェアを使ってコンピューターグラフィックスの制作を担当します。ゲームやアニメーション、広告などの分野で、人の印象に残る芸術的な視覚効果を実装する仕事です。VRやARを応用したものも増えてきているため、Unity開発の経験を活かせます。

関連記事:CGデザイナーになるには?必要なスキルや将来性も紹介

VRエンジニア、ARエンジニア

VRは、ヘッドマウントディスプレイなどを装着したユーザーに、没入的な仮想空間を体験させるコンテンツです。ARは現実世界にデジタル情報を重ね合わせて映し出す技術であり、カメラを搭載したスマホアプリで利用できます。スムーズなユーザー体験を実現するために、それぞれ異なる実装技術が求められます。

VR・ARエンジニアは、コンテンツ制作から開発に至るアプリ制作に携わります。UnityやUnrealなどのゲームエンジンを用いて開発作業を進めるのが特徴です。

Unityエンジニアの資格

Unityエンジニアとしてキャリアを形成していくうえで、資格の取得は有効です。転職において資格は、必ずしも採用に直結するわけではありません。しかし、スキルを証明したり、意欲をアピールしたりする方法として検討してもよいでしょう。以下では、Unityエンジニアに関連する資格を紹介します。

Unity認定資格

Unity Technologies社が認定する公式の資格です。初心者向けのユーザーレベルから、5年以上の職務経験を持つエンジニアが対象のエキスパートレベルまで、4段階に分かれています。Unityでの開発スキルを証明する資格です。

資格試験の準備では、公式サイトにあるオンライン動画教材や、マニュアル・チュートリアルの活用が推奨されます。他にも、書籍やプログラミングスクールを使って学習を進める方法もあります。試験はテストセンターまたはオンラインで受験が可能です。

関連記事:Unity認定資格の概要と試験内容、難易度などを解説

VR技術者認定試験

日本バーチャルリアリティ学会がVR技術に関する講習会とその試験を主催しています。同学会が編集した教科書に従って出題される、主にVR技術の知識を問う選択式の試験です。理論と応用に関する2種類の試験があり、合格すると認定証が発行されます。

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