- エンジニアを辞めたいと感じるよくある理由
- エンジニアを辞める決断をする前にやるべきこと
- エンジニアを辞めるべきか判断するポイント
- エンジニアを辞めたいと考えている人におすすめの転職先7選
- エンジニアからの転職時に役に立つ資格
- 転職を成功させるための準備とポイント
- エンジニアに関するよくある質問
エンジニアを辞めたいと感じるよくある理由
IT業界において、エンジニアは非常に需要が高い職種ですが、業務や待遇に不満を抱え、転職を検討している人も存在します。
エンジニアを辞めたい理由は人によってさまざまです。転職を考える前に、自分が辞めたい原因を整理しましょう。それにより、次にとるべき選択が明確になる可能性があります。以下では、エンジニアを辞めたいと感じる理由の代表例を紹介します。
残業や休日出勤による疲弊
システム開発の納期は必ず守らなければなりません。そのため開発が遅れているときや納期直前には、残業・深夜作業・休日出勤が必要な場合があります。
また、納期を早めたタイトなスケジュールが組まれることも多いです。特に開発の下流工程を多く請け負う下請け企業では、スケジュールが厳しい傾向があります。残業や休日出勤が多くなると、プライベートや家族との時間がとれなくなったり、家事との両立が困難になったりして、辞めたいと思う人もいるでしょう。
自分がイメージしていた仕事内容と異なる
自分が入社前にイメージしていた業務と実際の業務が異なる場合もあります。一言でITエンジニアといっても、プログラマー・システムエンジニア・インフラエンジニアなどさまざまな職種があります。
たとえばプログラマーは、プログラミングでプログラムモジュールの作成を行うのが主な仕事で、システムエンジニアは、設計やテストにおけるクライアントとのコミュニケーションが多い仕事です。もともとプログラマーのようなテクニカルな仕事をしたいと考えていた人がシステムエンジニアの仕事に就くと、就職前のイメージとのギャップに悩み、辞めたいと考えやすいです。
勉強を続けることが苦痛で向いていない
IT業界では、技術は日々新しくなります。そのため、エンジニアは常に新しい技術を習得し続けなければなりません。一度習得した技術も、アップデートしなければすぐに時代遅れになってしまうでしょう。常に新技術の習得を意識するスピード感についていけず、エンジニアを辞めたいと感じるケースもあります。
また、もともと勉強に苦手意識がある人にとっては、社会人になっても学習を続けることに苦痛を感じる可能性もあります。スキルアップできなければ、だんだんと周りのレベルについていけなくなるでしょう。「空き時間は勉強ではなく別のことに使いたい」「モチベーションを保てない」と、学習意欲を失ってしまう人もいます。
思ったより給与が低い
企業規模にもよりますが、下流工程を担うことが多い中小のSIerやSES契約の企業のエンジニアは、特に給与が低いといわれています。仕事量やスキルに給与が見合わないことも、多くの人が辞めたいと考える要因です。
参考までに、職業情報提供サイトjobtagによると「システムエンジニア(業務用システム)」の平均年収は約550万円となっており、スキルレベルによってはもっと低いこともあり得ます。
同じことの繰り返しでやりがいが感じられない
システム開発では、さまざまなエンジニアが分業して開発を進めるため、エンジニアごとに役割が決まっているのが一般的です。たとえばプログラマーは、仕様書や要件定義書をもとにプログラミング作業を行います。プロジェクトが変わっても基本的に仕事内容は同様で、単調な仕事の繰り返しでやりがいを感じられず、辞めたいと考える人もいます。
人間関係に疲れた
IT業界に限らず、職場の人間関係がうまくいかないことも、仕事を辞めたいと感じる理由の一つです。特に技術的な作業を行うエンジニアは、もともとコミュニケーションが苦手な人も多いです。チームにコミュニケーションがしづらい人がいると、連携がスムーズにいかず、職場の雰囲気が悪くなってしまうでしょう。その結果、人間関係に疲れてしまう人が多いようです。
スキル・キャリアアップへの不安
さまざまなエンジニア職に対する高い需要を考えて、「今の仕事内容ではスキルアップやキャリアアップに繋がらない」と感じるケースがあります。たとえば、仕事内容が「テスト対応」「不具合対応」「障害対応」「定型保守業務」などに固定化されると、経験値は得られるものの、スキルの幅が広がりません。そのため、転職してスキルアップしたいと考える人もいるでしょう。
顧客先常駐が負担
企業によりますが、システム開発では、エンジニアが顧客先に常駐する場合があります。顧客先での仕事は社内とは違い、顧客企業の環境に合わせる必要があり、一般的には社内で働くよりもプレッシャーや責任感を感じやすいようです。「顧客の目」も常にあり、少なからず緊張感も増します。この状態が長く続くとストレスを感じてしまい、転職を希望する人もいます。
エンジニアを辞める決断をする前にやるべきこと
エンジニアとして仕事をしていく中で、「辞めたい」「転職したい」と感じたことがある人は多いでしょう。その際すぐに辞めるのではなく、本当に辞めるべきか、辞めなくても解決できるのかを今一度見直してみることが重要です。深く考えた上で辞めたいと思うのであれば、前向きに転職を検討しましょう。
以下では、エンジニアを辞める前にやるべきことを紹介します。
エンジニアを辞めるメリット・デメリットを比較する
エンジニアを辞めることには、以下のようなメリット・デメリットが考えられます。メリットとデメリットを比較し、本当に辞めるべきか、続けるべきか精査しましょう。一時の感情で辞める決断をすると後悔してしまう可能性があります。
メリット | デメリット |
---|---|
・長時間残業や休日出勤がなくなり自由時間が増える ・納期やスキルアップのプレッシャーから解放される ・自分の本当にやりたいことができる ・人間関係をリセットできる |
・これまで積み重ねたITスキルを活かせない ・転職先の業界によっては、IT業界とは異なる商習慣で、なじめない場合もある ・転職先の職種によっては、IT業界ではあまり求められない体力が必要なケースもある ・エンジニアよりも対面での高いコミュニケーションスキルが必要とされる場合がある |
悩みに対する対処法を考える
エンジニアを「辞めたい」と感じる理由の対処法について考えてみましょう。悩みによってはエンジニアを辞めずに解決できる可能性もあります。
たとえば、「仕事や会社自体は好きだが、業務スピードについていけない」という悩みであれば、スキルアップを図ってみたり、勉強会などに参加してみたりするのがおすすめです。
また、プライベートを充実させることで、気分がリフレッシュして思考がすっきりする場合もあります。すぐに辞める選択肢をとるのではなく、悩みの対処法を考えることで、辞めた後に後悔する可能性を減らせます。
スキルアップを図る
「自分がエンジニアに向いていない」「技術レベルについていけない」と感じ、エンジニアを辞めたいと思っているのであれば、今一度技術を習得し直すのも一つの手です。スキルアップすることで、仕事を順調こなせるようになれば、やりがいを感じて気持ちが変わる可能性があります。
再学習には独学も良いですが、スクールに通うと、プロの講師から新しい視点や知識などを学べて効果的です。また、後述する資格の取得に挑戦するのもおすすめです。
プライベートを充実させる
エンジニアの仕事がうまくいかずに悩んでいると、休みの日も仕事のことが頭から離れなくなってしまいます。そういうときは気持ちを切り替えて、趣味などでリフレッシュしてみると良いでしょう。思考がクリアになり、悩みの本質が見えてくる可能性があります。思い詰めすぎて早々に転職を判断してしまい、エンジニアを辞めた後に後悔しないようにしましょう。
ITの勉強会やイベントなどに参加する
Developers SummitのようなITエンジニアのイベントや各所で開かれている勉強会に参加してみると、悩みを解消できる可能性があります。他社のエンジニアも、自分と同じような悩みを抱えていたり、全く異なる考えを持っていたりすることがあるからです。
さまざまな環境やエンジニアの働き方・考え方が分かるだけではなく、新しい知識も身につき、良い刺激を得ることができます。
辞めることを考え検討する
エンジニアを辞めたい動機や悩みが現状で解決できない場合、辞めるのも一つの選択肢です。しかし、後先考えず辞めてしまうと、後で苦しくなってしまう可能性があります。エンジニアを辞める際には検討すべきポイントがあります。
エンジニアを辞めると決めたら、まずは「やりたいこと」を考えましょう。辞めることに対して必要以上にネガティブに考える必要はありません。前向きに次にやりたいことを考えると、自ずとやるべきことが分かります。転職活動をする上で、エンジニアは需要の高い職種であることも知っておくと良いでしょう。
本当に自分がやりたいことを考えてみる
エンジニアを辞めて転職を検討する際、また次の仕事でも「辞めたい」とならないように、辞める理由を明確にすることが大切です。そして、「何に携わりたいか」「どのような環境・条件で働きたいか」など、今後の目標を深く考えましょう。
今の仕事を辞めることだけではなく、転職してどのような仕事・働き方をしたいのかなどを具体的に考えると、方向性ややるべきことが見えてきます。
辞めることを後ろ向きに捉えすぎない
辞めることは「逃げ」や「ネガティブ」ではありません。エンジニアに限らず仕事には、向き不向きがあります。よく考えた上でほかの職種のほうが向いていると確信したのであれば、前向きに行動しましょう。
転職によって、仕事にやりがいや楽しさを感じられるようになり、生活が良い方向へ変化する可能性もあります。転職はネガティブなことではなく、前向きなチャレンジと捉えることが大切です。
エンジニアは需要が高いことを知っておく
転職を検討する際には、エンジニアは需要が高いことも理解しておきましょう。数ある職種の中でも、エンジニアは特に人手不足といわれています。エンジニアとして培ったスキルは、他業界の職種でも活かせますが、まずは求人が多いエンジニア職の中から探すことをおすすめします。
今までのキャリアを活かせて、より希望が叶う転職先を探すことができるでしょう。
エンジニアを辞めるべきか判断するポイント
エンジニアからの転職を考える際に、「エンジニア自体を辞めるべきか」「エンジニアは辞めず他社へ転職するか」はたまた「退職・転職しない」といった選択肢があります。どうするべきかは状況によって異なるでしょう。
エンジニアを辞めるべきか判断するポイントは複数あり、志向がエンジニアに向いているかどうかなどが大きなポイントです。ここでは代表的なものを紹介します。
エンジニアを辞めて他職種への転職を考えたほうが良い場合
以下のようなポイントに当てはまる場合、エンジニアを辞めて他職種への転職を考えたほうが良いでしょう。
-
・スキルアップに対して意欲を持てない
・ITに関心がない
・厳しいスケジュールの中で仕事をこなしていくことに耐えられない
・考える仕事よりも単純な作業をこなすほうが好き
・パソコンに向かって作業するよりも人と接する仕事がしたい
以上のような考え方の人は、エンジニアよりも別の職種のほうが希望に沿っている可能性が高いです。もちろん絶対的な指標ではありませんが、現状の考え方だとあまりエンジニアには向いていないといえるでしょう。
エンジニアを辞めずほかの会社へ転職したほうが良い場合
以下のようなポイントに当てはまる場合、エンジニアを辞めるのではなく他社に転職するのがおすすめです。
-
・スキルアップしてプロジェクトに貢献しているのに給料が上がらない
・下請け企業なのでスキルを身につける機会はあっても、上流工程にステップアップできない
・単純な作業を長時間行うことが多く、スキルアップできない
・現状仕事で扱っている技術と自分がやりたい技術が異なる
上記のような場合、エンジニアとしての適性や意欲は持っているものの、在籍している会社とミスマッチが起きていると考えられます。スキルや要望を適切に判断してくれる会社に転職したほうが良いでしょう。
退職・転職しないほうが良い場合
以下のようなポイントに当てはまる場合、退職・転職せずに今の会社に残ったほうが良いでしょう。
-
・給与に満足している
・社内の人間関係に特に不満はない
・労働環境が極端に悪いわけではない
・ある程度のスキルアップは実現できている
そもそも上記の場合だと、退職や転職は視野に入らないのではないかと思われる人もいるでしょう。しかし、上記のような状況でも退職や転職を考える人はいます。その理由としては「マンネリ化して仕事に飽きている」「スキルの停滞を感じている」といったことが挙げられます。
大きな問題やほかにやりたいことがないのであれば、退職や転職はしないことをおすすめします。ノープランで退職や転職をしてもかえって状況が悪くなり、勉強のための時間も確保しにくくなる可能性が高いです。今の状況で一旦やりたいこと探しやスキルアップに取り組み、方向性を定めてから動くと良いでしょう。
エンジニアを辞めたいと考えている人におすすめの転職先7選
エンジニアから転職を考える際、エンジニア職自体を辞めたい場合と、エンジニア職は維持したまま今の環境や会社を変えたい場合では、転職先が異なります。エンジニアを続ける場合、IT業界は人材不足であるため、求人数も多く、応募先に困ることはないでしょう。エンジニア職を辞める場合は、ITスキルが求められる営業職や事務職などであれば、エンジニアとしての経験が活かせるためおすすめです。
ここでは、「IT業界での転職先」と「IT業界以外の転職先」の2つに分けて紹介します。
関連記事:SE(システムエンジニア)におすすめの転職先を業界・職種別に解説
IT業界での転職先
エンジニアとしての経験があれば、IT業界での転職は比較的スムーズに進むでしょう。
IT業界での転職先として、エンジニア職を続けていく場合だと「同業他社のSIer」「ユーザー系SIer」がおすすめです。エンジニア職を辞め、別の職種として転職したいと考える場合、「IT営業」「コンサルティングファーム」などが良いでしょう。以下で詳しく説明します。
同業他社のSIer
エンジニア職自体ではなく、給与待遇や仕事環境などに不満があり辞めたいと思っている場合には、同業他社への転職がおすすめです。同じ職種であっても、転職によって役職が付与されたり、リーダークラスになったりするなど、キャリアアップが図れるケースもあります。エンジニアの仕事に自信があり、スキル・キャリアアップの意欲がある人には向いているでしょう。
IT人材は慢性的に不足しているため、将来優秀なエンジニアに成長できれば重宝されます。ただし、エンジニアという職種に変わりはないため、長時間労働や残業などの環境はあまり変化がない可能性があることには注意が必要です。
ユーザー系SIer
エンジニア職は続けたいが、残業や顧客折衝などの仕事環境に変化が欲しいと思っている場合、ユーザー系SIerへの転職がおすすめです。ユーザー系SIerは、一般の事業会社のIT子会社を指し、親会社やグループ会社のITを主に担当します。そのため、外部企業をクライアントとするSIerに比べると、納期や品質に対するプレッシャーや業務の負荷は比較的低い傾向があります。業務負荷の高さに悩んでいる人にはおすすめです。
IT営業
技術力に不安があることが転職の理由で、人との関わりやコミュニケーションが苦にならない人は、ITに関する営業職への転職がおすすめです。実際にSIerではよく見られるケースで、エンジニアとしての経験を活かし、顧客からの技術的な質問にも対処できるITに詳しい営業として活躍できるでしょう。
コンサルティングファーム
エンジニアの中でも、「クライアントからのヒアリングや企画提案などがしたい」「よりキャリアアップを目指したい」と感じて転職する場合、ITコンサルタントへのキャリアアップを目指して転職するのが良いでしょう。ITコンサルタントは、クライアントの経営課題・戦略に対してITを導入することで、解決を図ります。
ITコンサルティングファームは、一般的に仕事がハードな分高収入であるケースが多く、モチベーションを保ちやすいといえます。ただし、IT知見の深さや幅広い知識を求められるため、転職の難易度も高いです。
IT業界以外の転職先
IT業界以外でも、エンジニアとしてのスキルや経験が活かせる転職先は存在します。
IT業界以外でエンジニア職を続けたい場合、事業会社の社内SEがおすすめです。エンジニア職自体を辞めたい場合は、事務職やシステム開発には関係のない会社に転職するのが良いでしょう。以下では、IT業界以外のおすすめの転職先について詳しく紹介していきます。
ITスキルが求められる事業会社の事務職
最近では、事務職が求められるITリテラシーのレベルが高まっており、エンジニアレベルのITスキルは転職の際に有利になる可能性があります。たとえば、Officeソフトを実践で扱えるスキルやプログラム言語などの知識・スキルがあると重宝されるでしょう。近年事務系に適用されることが多いRPAの導入などを期待される可能性もあります。転職時には、事務スキルを積極的に取得する姿勢に加えて、ITのスキル・経験をアピールすると有効です。
事業会社の社内SE
IT業界以外でエンジニアを続ける場合、事業会社の社内SEがおすすめです。ある程度の規模の事業会社は、ITを担当する情報システム部門を持っています。社内SEは、自社の経営課題解決や業務効率化のためにITシステムを導入・運用します。
システム開発の上流工程には関わりますが、システムの開発自体はSIerに発注・委託することが多く、開発で納期に追われることは比較的少ないです。SIerほど技術力は求められず、仕事環境自体も比較的穏やかな点が魅力です。
ITとは全く関係ない会社
とにかくITから離れたい場合は、システム開発とは全く関係ない職種の転職先を探しましょう。ただし、近年ではどのような企業も何らかのITツールを取り入れているため、持っているITスキルを求められる可能性があります。
エンジニアからの転職時に役に立つ資格
エンジニアから転職をする際、資格を持っていると有利になる可能性があります。特に、エンジニア職を続ける場合やIT業界でキャリアチェンジ・キャリアアップをする場合、IT関連の資格は役立つでしょう。
IT業界への転職を検討する人向けに、習得しておくと役に立つ代表的な資格を紹介します。資格取得のための勉強は、体系的に学べるためスキルアップにも効果的です。
関連記事:ITエンジニアにおすすめの資格30選|分野別に難易度も解説
システムエンジニアへの転職向け
システムエンジニアとは、システム開発においてクライアントへのヒアリングや要件設計、プログラミングなどを行う職種です。転職の際には、基礎的なITスキル、プログラミングスキルはもちろん、マネジメントスキルなども必要です。
システムエンジニアへの転職をする際に役立つ資格として「応用情報技術者試験」「プロジェクトマネージャ試験」などが挙げられます。以下で資格の概要について説明していきます。
関連記事:SE(システムエンジニア)とは?仕事内容・年収・役立つ資格などをわかりやすく解説
応用情報技術者試験
応用情報技術者試験は、IPAが主催する情報処理技術者試験の一つで、エンジニアの登竜門といわれる基本情報技術者試験の上位資格です。中堅のシステムエンジニアが対象となっており、ソフトウェア開発・ネットワーク構築・DB構築など、情報システムの開発全般に関する知識や、運用面の知識が試験範囲となります。ITスキル標準(ITSS)ではレベル3に相当します。
プロジェクトマネージャ試験
プロジェクトマネージャ試験は、応用情報技術者試験同様にIPAが主催する試験で、システム開発で現場の最高責任者となるプロジェクトマネージャ向けです。難易度はITSSレベル4に該当し、エンジニアでもかなりの経験を持つ人が対象です。
インフラエンジニアへの転職向け
インフラエンジニアとは、ITの基盤であるサーバーやネットワーク、データベースなどの設計や開発、運用などを行う職種で、システムやインターネットを使う上でなくてはならない存在です。
インフラエンジニアへの転職に役立つ資格として「ネットワークスペシャリスト試験」「ORACLE MASTER」などがあります。以下では資格の概要について紹介します。
関連記事:インフラエンジニアとは?仕事内容や年収、将来性を解説
ネットワークスペシャリスト試験
ネットワークスペシャリスト試験もIPAが主催する試験で、ネットワークの専門家として大規模で堅牢なネットワークを構築する知識・スキルが問われます。難易度は非常に高く、ITSSレベル4に該当します。セキュリティも含んだ要件定義から設計、構築、運用・保守に至る幅広い工程が試験範囲です。
ORACLE MASTER
ORACLE MASTERは、オラクル社の提供するOracleDatabeseを用いたデータベースの構築・運用・チューニングについての知識が問われる資格です。「ブロンズ」「シルバー」「ゴールド」「プラチナ」と4つのレベルがあり、ゴールド以上を所持していると非常に高いスキルを持っている証明になります。
ITコンサルタントへの転職向け
ITコンサルタントとは、顧客企業の経営戦略、課題などをヒアリングし、それに沿ったIT戦略を設計したり提案したりする仕事です。ITコンサルタントには、経営戦略をITに落とし込む能力やヒアリング力などが求められます。
ITコンサルタントへの転職に役立つ資格として、ITストラテジスト試験が挙げられます。以下で試験概要について説明しているので参考にしてみてください。
関連記事:ITコンサルタントとは?仕事内容や必要なスキル・年収を紹介
ITストラテジスト試験
ITストラテジスト試験は、IPAが主催する情報処理技術者試験の一つで、例年合格率が15%程度と低く、ITSSレベル4の中でも難関といわれます。論文試験も含まれるため、十分な対策が必要です。経営戦略からIT戦略を策定する、企業のCIOやCTO・ITコンサルタントなどを対象とします。
転職を成功させるための準備とポイント
エンジニアを「辞めたい」と思い、転職を始める際に、まずは準備が必要です。準備があるのとないのとでは、転職の成功率が大きく異なります。初めにやるべきこととして、転職活動におけるスケジュールを確認することがあります。ほかにもステップごとにやるべきことがあるため、押さえておきましょう。
ここでは、転職を成功させるために知っておくべき準備とポイントを、ステップごとに解説します。
関連記事:Webエンジニアが転職を成功させるには?6つのステップで解説
ステップ1:転職スケジュールの確認をする
転職を決めたら、しっかりと計画を立てて転職活動を進める必要があります。転職先への内定時期を想定し、逆算して活動を始めましょう。現在の業務の引き継ぎもあるため、辞めた後に今の会社に迷惑をかけないようにスケジューリングすることも大切です。
一般的な転職活動の流れとしては、転職先を検討し、応募・面接を経て、転職先が決まったら現職の引継ぎ、その後転職という流れとなるでしょう。
ステップ2:キャリアやスキルを棚卸する
転職活動の準備として非常に重要なのが、自分のキャリアやスキルの棚卸しです。エンジニアとしての経験から、自分の強みや弱みを書きだし、整理したあとに履歴書や職務経歴書を作成するとスムーズです。履歴書・職務経歴書が完成したら、自分のキャリアやスキルをしっかりとアピールできているか、何度も見直し確認しましょう。
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エンジニアの転職で欠かせない自己分析のやり方とは
ITエンジニア・クリエイターの履歴書作成マニュアル【テンプレート付き】
ステップ3:目的を明確にする
現職をやめる理由、転職先企業を志望する理由、今後どのようになっていきたいのかなどの目的を明確化する必要があります。応募・選考段階で志望動機や自己PRに含める必要があるので、これらの深掘りは必須です。
ただし、面接向けに印象の良い話を作り込むのはやめましょう。ネガティブな内容はわざわざ言うべきではないですが、嘘をついて採用されても後々苦しくなる可能性があります。言い換えると本音と建前を整理し、自分は今後どうしたいのか、そして面接ではどのように話すべきかを決めていきましょう。
ステップ4:転職活動を行う方法を検討する
仕事を続けながら転職活動をしていると、合間時間で求人を探したり、面接の予定を立てたりなど大変なこともあるでしょう。転職活動を進める上でよくある方法として、求人サイトや転職エージェントの活用がおすすめです。自分に合った方法を検討しましょう。
ここでは、転職活動を行う方法について、メリット・デメリットも合わせて解説していきます。
求人サイト
求人サイトを活用すると、さまざまな求人を検索できます。「IT系に強い」「若年層向け」などサイトによって特色があるため、自分の希望や適性に合ったものを選ぶと、より理想的な求人が見つかりやすいでしょう。ただし、良い情報を中心に掲載されていることが多く、見極めが大切です。
転職エージェント
求人情報などを探す時間がない人には、転職エージェントの利用がおすすめです。希望の転職先とのマッチングを効率的にでき、希望に合う転職ができる確率が高くなります。また、履歴書・職務経歴書の書き方や添削、面接のアドバイスなどもサポートしてくれるため、効率的な転職活動が可能です。
転職エージェントへの職務履歴書の提出や、担当者との対話を通じて、自分の強みや弱みを把握できるため、スキルを整理しやすくなるのもメリットです。
関連記事:転職エージェントとは?8つのメリットやデメリット、利用の流れを解説
ステップ5:企業研究を念入りにする
転職後のミスマッチを防ぐ上でも、採用面接を突破する上でも、企業研究は欠かせません。企業研究をもとに、自分の今後や面接で話す内容を考えるからです。企業研究で押さえるべきポイントとしては、事業内容、他社との違い、理念、社員のキャリアなどが挙げられます。また、IT業界の場合は社内で複数のプロジェクトに分かれている場合が多いため、どのプロジェクトを主軸に研究するのかも重要です。
補足として、面接時に「希望しているプロジェクトに在籍できなかった場合どうするか?」という質問をされるケースが多いです。企業研究と合わせて考えておくと良いでしょう。
エンジニアに関するよくある質問
転職を検討しているエンジニアには、さまざまな悩みや疑問があるでしょう。よくある質問としては、エンジニアを辞めた理由や向いている人の特徴、人材不足の背景などが挙げられます。
ここでは、エンジニアに関するよくある質問と回答を紹介します。類似の疑問を持つ方は参考にしてみてください。
Q1. エンジニアを辞めた理由として多いものは何ですか?
エンジニアを辞めた理由として多いのは、「自分がスキルアップを継続できる自信がない」「新しい技術を追いかけ続けるのが難しい」などです。エンジニアは一度スキルを身につけたら終わりではなく、新しい技術を学習し続ける必要があります。学習意欲が薄れ、継続が難しくなるケースは多いでしょう。
Q2. エンジニアにはどのような人が向いていますか?
エンジニアに向いているのは、好奇心がある人や論理的思考力がある人、問題解決力がある人や忍耐力がある人です。エンジニアは意欲を持って新しいことを学び続けることが求められ、仕事上では忍耐強く問題を解決する必要があります。
Q3. エンジニアが人材不足なのはなぜですか?
エンジニアが人材不足である理由として「少子高齢化」「IT需要の急速な拡大」「激務や給料が安いというネガティブなイメージ」「エンジニア適性のある人材が少ない」といった理由が挙げられます。また、労働環境からエンジニアを辞める人が案外多いというのも理由の一つです。
関連記事:システムエンジニア(SE)のやりがい10選|大変なことも解説
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