C言語の資格は?試験内容や難易度、取得するメリットを解説

最終更新日:2024年3月12日

C言語は、様々なシステムに使われている汎用性の高いプログラミング言語です。信頼性の高さや実行速度の速さなどの特徴を持つことから、幅広いシステムの開発で採用されているため、本格的にエンジニアを目指す人にはおすすめの言語といえます。

C言語の知識と技術を身に付けるための方法の一つが「C言語プログラミング能力認定試験」の受験です。ここではC言語の習得を目指している人に向けてC言語プログラミング能力認定試験を取得するメリットや資格内容、おすすめの勉強方法などについて解説します。C言語のスキルを身に着けて、業務に活かしたい方はチェックしてみてください。

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この記事のまとめ

  • 幅広く利用されるプログラミング言語C言語についての資格試験として、C言語プログラミング能力認定試験が存在します
  • C言語プログラミング能力認定試験は、3級から1級の3つのレベルに分かれており、1級ではエンジニアとして活躍できる実践的なレベルのスキルが示せます
  • 試験対策には、公式サイトのおすすめ書籍、過去問題集や学習サイトを利用し、実際にプログラムを書いて動かすことで理解が深まります。習得が難しい場合には、スクールの利用も選択肢の一つです

C言語の資格「C言語プログラミング能力認定試験」とは

C言語プログラミング能力認定試験とは、サーティファイ情報処理能力認定委員会が運営する民間の能力試験制度です。難易度別に3級から1級までの試験が実施されています。これからC言語の学習を始める方も、すでにC言語を使いこなしている方も、自分にあった難易度の試験を受験することで、C言語のスキルを効率的に身につけることができ、スキルの証明にも役立ちます

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C言語プログラミング能力認定試験の一覧と難易度

C言語プログラミング検定の構成

C言語プログラミング能力認定試験について、レベル別に概要をご紹介します。スキルに合わせて級を選んで受験しましょう。

C言語プログラミング能力認定試験3級

C言語プログラミング能力認定試験の中で、最も簡単なのが3級です。プログラミングに初めて触れる方が入門用に選ぶのに適しています

試験概要

C言語の概念を理解し、簡単なプログラムが書けることが評価されます。試験時間は60分で、費用は5,200円(税込)です。

出題形式

テーマ別大問6問、多肢選択式で回答します。プログラミング知識と技能が出題範囲に従って出題されます。技能問題では、プログラムコードの空欄を補完する問題が含まれます。

出題範囲
  • ・定数(整数定数、文字定数、文字列リテラル)

    ・演算子

    ・型指定子

    ・変数

    ・基本制御文

    ・プリプロセッサ機能

    ・ライブラリ関数

    ・その他(Cの歴史と特徴)

難易度

初級編であるため、難易度は比較的易しいと言えるでしょう。簡単なプログラミングが書けるレベルが求められます。C言語の入門レベルの知識があれば十分合格できるでしょう。

合格基準

試験を受ける場合は、合格基準を知っておくことも重要です。
3級の合格基準は得点率60%以上です。配点は非公開とされています。この合格基準を1つの目安として試験勉強に取り組みましょう。

現場での評価

3級は初級編であり、あくまで基礎レベルの知識の証明となります。現場での評価を得るには、2級以上の取得を目指すのが良いでしょう。

C言語プログラミング能力認定試験2級

中程度の難易度の2級について解説します。3級より難易度はあがりますが、エンジニアとしてのスキルを示せるほどのレベルまでは難しくありません。

試験概要

小規模のプログラム(500行程度)を適切に(理路整然、簡潔、正しく、速く)記述できること、及び各種基本アルゴリズムを理解していることが評価されます。試験時間は90分で、費用は6,400円(税込)です。

出題形式

テーマ別大問8問、多肢選択式で回答します。プログラミング知識と技能が出題範囲に従って出題されます。技能問題では、プログラムコードの空欄を補完する問題が含まれます。

出題範囲
  • ・定数(浮動小数点定数、整数定数、文字定数、文字列リテラル、列挙定数)

    ・演算子

    ・宣言指定子

    ・変数

    ・外部定義

    ・プリプロセッサ機能

    ・ライブラリ関数(数学関数、入出力関数、一般ユーティリティ関数、文字列操作関数)

    ・その他(main関数の引数、整数型以外の関数、自己参照構造体、変数の記憶クラスと通用範囲)

難易度

難易度は中級レベルと言えます。3級の基本レベルに加え、小規模のプログラムが書けること、基本アルゴリズムを理解していることなどが問われるレベルです。C言語の深い理解が必要な問題やポインターを使う複雑な問題が出題されるのでより実践的なスキルが必要です。

合格基準

2級の合格基準は得点率60%以上です。配点は非公開とされています。この合格基準を目安として試験勉強に取り組みましょう。

現場での評価

2級を保有していることは一定の知識、スキルを持っているという証明になります。まだ実践で活用できる高い実力を持っているという評価にまでは至りませんが、現場では一定レベルでは認められます。さらなる現場での評価を得るには、1級の取得を視野に入れるのが良いでしょう。

C言語プログラミング能力認定試験1級

C言語プログラミング能力認定試験の中で、最高難易度の1級について解説します。エンジニアとして実践レベルのスキルが示せる試験です。

試験概要

C言語を駆使し、応用プログラム(言語処理系、ユーティリティなど)が作成できる能力、及び使用しているOSについて理解をしていることが問われます。試験時間は150分で、受験費用は7,800円(税込)です。

出題形式

実技試験(パソコン使用)2問で構成されています。事前に公開しているテーマプログラム(1,700行程度)に対する仕様変更、仕様追加に対応したプログラム作成(コーディング・入力・コンパイル・デバッグを含む)、および変更仕様書の作成について出題されます。テーマプログラムはこちらや過去問題集にて公開されています。

出題範囲

テーマプログラム[アスレチッククラブ会員管理プログラム]に対する仕様変更、仕様追加を行うための、プログラム作成、変更仕様書作成が出題範囲になります。

難易度

難易度は3級、2級と比べると非常に高いと言ってよいでしょう。2級までの知識問題から、実技問題へとレベルアップします。C言語についての知識はもちろん、プログラミング全般に関する知識と実践レベルのプログラムを書ける技能が問われます。また、変更仕様書を作成する能力も求められます。

合格基準

1級の合格基準は得点率60%以上です。配点は非公開とされています。

現場での評価

1級は2・3級とは異なり、応用プログラムを作成できる能力を問われる実技試験であるため、現場でも評価されます。さらに現場での実務経験を積むことにより、C言語のスペシャリストを目指すことが可能です。

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C言語プログラミング能力認定試験のスケジュール

C言語プログラミング能力認定試験の日程は、基本的に3級は年に3回、2級と1級は年に2回実施されています。

毎年、3級は1月・6月・9月に、2級と1級は1月と6月に実施されています。状況によって変更する可能性も考えられるため、詳しい試験日程については公式サイトを確認して勉強の計画を立てる参考にしてください。

2023年8月時点では、1級は会場に集合しての試験、2級・3級はリモートWebテストで公開試験が行われています。ただし、2024年6月の第63回試験を最後に1級の公開試験は休止予定とアナウンスされています。詳しくは、公式サイトを参照ください。

受験申し込みの流れ

受験の申し込みはオンラインで行います。ユーザー登録を行い、サーティファイのサイトにログインして受験申し込みを行います。決済にはクレジットカード、コンビニエンスストア、銀行振り込みが選択可能です。

2・3級を受験する場合、受験票発行通知メールが届きます。1級の受験の場合は、オンライン表示と直接郵送が選択できます。オンライン表示の場合は、2・3級と同様に通知メールを受け取った後、サーティファイのサイトにログインして受験票を印字します。

2・3級の受験はリモートWebテストで実施されます。リモートWebテストの流れはこちらを参照ください。

1級の公開試験では試験会場にて受験します。受験票、筆記用具、本人を証明できるものの持参が必要です。

合否結果は、試験終了後1カ月を目処にメールにて通知されます。

その他詳細については、公式サイトをご確認ください。

C言語プログラミング能力認定試験の勉強方法

C言語プログラミング能力認定試験の勉強方法をご紹介します。

なお、本項で紹介している参考書は「C言語プログラミング能力認定試験対応教材(2023年8月19日アクセス)」を参考にしています。

過去問題を重点的に解くのがおすすめ

C言語プログラミング能力認定試験の勉強方法として、最もおすすめできる方法が過去問題を繰り返し解く方法です。試験を実施しているサーティファイは、公式の過去問題集を販売しています。過去問題を繰り返し解いて、解答のパターンやC言語の知識を身に付けることで、効率良く学習できるでしょう。

試験勉強におすすめの過去問題集

C言語プログラミング能力認定試験の過去問題集を級別にご紹介します。

・C言語プログラミング能力認定試験3級におすすめの書籍
『C言語プログラミング能力認定試 3 級 過去問題集』(株式会社サーティファイ)
3級の試験を対象とした過去問題集です。2023年8月時点では、2021年4月発行の第11版が最新です。2019年度の第1回・第2回・第3回の3回分、2018年度の第1回・第2回・第3回の計6回分の過去問が収録されています。

・C言語プログラミング能力認定試験2級におすすめの書籍
『C言語プログラミング能力認定試験2級 過去問題集』(株式会社サーティファイ)
2級の試験を対象とした過去問題集です。2023年8月時点では、2021年5月発行の第12版が最新です。2019年度の第1回の1回分、2018年度の第1回・第3回、2017年度の第1回・第3回、2016年度第3回の計6回分の過去問が収録されています。

・C言語プログラミング能力認定試験1級におすすめの書籍
『C言語プログラミング能力認定試験1級 過去問題集』(株式会社サーティファイ)
1級の試験を対象とした過去問題集です。2023年8月時点では、2019年11月発行の第5版が最新です。2017年度(平成29年度)の第1回、2016年度(平成28年度)の第1回・第3回、2015年度(平成27年度)の第3回の計4回分の過去問が収録されています。

試験勉強におすすめの参考書

C言語プログラミング能力認定試験を実施しているサーティファイ情報処理能力認定委員会では、公式の過去問題集とは別に、推薦書籍として以下の3冊を取り上げています。過去問を解いていて解説で分からない箇所がある方や、C言語の理解をより深く理解したい方は、まずはここで紹介する3冊を参考にすると良いでしょう。

『スッキリわかるC言語入門 第2版』(中山清喬、株式会社インプレス)
名前の通りC言語の文法やプログラミングについて「スッキリ」理解できる一冊です。C言語の学習中につまずきやすいポインタなどの概念についても、豊富な図解と分かりやすい解説で明快に解説されています。「スッキリ」シリーズで好評の「エラー解決・虎の巻」も収録されています。学習用のC言語開発環境の構築方法も複数のOSに対応しているので安心です。2021年に第2版が発行されました。

『わかりやすいC 入門編 第2版』(川場隆、株式会社秀和システム)
丁寧な解説と分かりやすいサンプルを使って、C言語のプログラミングを自分のペースで学べる一冊です。初心者や学生を対象としているため難易度は低く、C言語の「考え方」から理解したい方におすすめです。プログラミング自体が初めての方にも最適な一冊です。2019年に第2版が発行されました。

『新訂 新C言語入門 シニア編』(林晴比古、ソフトバンククリエイティブ)
C言語プログラミングを本格的に学べる一冊です。C言語の文法やプログラミングを体系的に学習でき、難易度は少し高めです。上記の2冊の内容を理解したうえで、さらにC言語のスキルを向上させたい方にとって最適な一冊と言えるでしょう。

学習サイトを活用するのも一つの手

近年ではインターネット上で利用できるプログラミング学習サイトが普及してきており、C言語の学習においても活用すべき手段です。テキスト、動画、サイト上でコーディングできるものなど様々な形式があるため、自分にあったサイトを選択しましょう。


サイトを使った学習の注意点として、コンテンツを見るだけでなくプログラムを書いて動作させるところまでを行うことが重要です。実際に書いて、動かすことで理解が深まります。

C言語プログラミング能力認定試験1級はスクールの受講も念頭に

C言語プログラミング能力認定試験1級は非常に難易度が高いため、独学での合格は難しい方もいらっしゃるかもしれません。そのためC言語のプログラミングを教えているスクールなどを利用して、直接講師から指導を受けながら学ぶことも念頭に置くと良いでしょう。スクールの利用には費用が必要ですが、疑問点を解消しながら短期間で合格を目指している方にはおすすめです。

C言語の資格は就職・転職に有利?取得するメリット

現場で一定の評価が得られるC言語プログラミング能力認定試験2級以上を持っていれば、自分の知識やスキルを客観的に証明できます。履歴書に記載することも可能で、就職・転職時にもアピールポイントとすることが可能です。 特にC言語についての実務経験のない状態でC言語の案件に応募する場合、資格を持っていることが大きなアピールポイントとなるでしょう。

また、資格の取得は自分自身のスキルレベルを把握する上でも役立ちます。自分の長所短所を知り、さらなる成長に役立てることにもつながります。

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C言語以外のプログラミング関連資格

C言語資格の他に役立つ関連資格をご紹介します。

基本情報技術者試験(FE)

基本情報技術者試験は、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が運営し、経済産業省が認定する国家資格「情報処理技術者試験」の区分の一つです。コンピュータサイエンスの基礎から、システム開発手法、プロジェクトマネジメントまで、ITに関する広範な知識が問われます。プログラマーやシステムエンジニアなどのITエンジニアに必要とされる共通的な知識を測る試験です。

基本情報技術者試験の午後の試験問題ではプログラミングについて出題されます。2023年4月から出題範囲に変更があったため、ご注意ください。これまで、個別プログラム言語(Java、C、Python、アセンブラ言語、表計算ソフト)によるプログラミング実技の問題が出題されていましたが、擬似言語による出題に統一されます。この擬似言語は基本情報技術者試験独自のものですが、構文はC言語によく似ています。

オラクル認定Javaプログラマ

Oracle社が認定しているJavaのベンダー資格です。難易度が比較的高い試験で、Bronze、Silver、Goldの3種類があります。特にGold資格は国際資格として認定されているので、この資格を持っていれば、Javaのスキルの証明として世界中で通用します。

JavaはC言語と同様に汎用的で、世界中でスタンダードなプログラミング言語です。Javaの開発ではC言語を参考にしたとされており、コンパイラ言語であることや静的な型の指定、文法などに共通する部分も多いです。C言語を利用するエンジニアにとっても、有用な言語といえます。

C言語の資格に関するQ&A

C言語の資格に関するよくある質問と回答をまとめました。

Q1. C言語プログラミング能力認定試験の合格率は?

C言語プログラミング能力認定試験の合格率は、2022年度平均で約65%だったことが公表されています。IT系の資格の中では比較的高い合格率と言えます。

Q2. C言語プログラミング能力認定試験の申し込み方法は?

受験申込はサーティファイのWebサイト「CERTIFY ONLINE」から行います。試験の案内、申し込みの流れについては、公式サイトの該当ページも参照ください。

Q3. C言語プログラミング能力認定試験の受験料は?

級ごとに受験料が定められています。2023年8月時点では、受験料(税込)は下記です。


  • ・1級 7,800円

    ・2級 6,400円

    ・3級 5,200円

 

まとめ

C言語エンジニアは、今後も堅調な需要を維持するとみられています。C言語を業務に活用したいエンジニアにとっては、C言語プログラミング能力認定試験などの資格を取得することは非常に有用です。体系的な知識とスキルの習得と、転職時のほかの求職者との差別化にも役立ちます。

C言語プログラミング能力認定試験の対策のための学習には、公式サイトのおすすめ書籍やオンライン学習サービスなどを利用した自主的な学習に加え、スクールの活用などもおすすめです。

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この記事の監修

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