AI時代のプログラマーに必要なスキルとは?「職種」ではなく「作業」でAI時代を考えよう「AIがプログラマーの仕事を奪う」は真実か?

最終更新日:2020年11月17日

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AIや量子コンピュータの実用化を目前に控え、「AIによって人間の仕事が代替される」という論調が強まっています。たしかに、作業(タスク)レベルで見れば、これまでと同様の業務は減っていくかもしれません。しかし、職種レベルでみれば、プログラマーの需要は減少するとは言い難いでしょう。AI時代を生き残るためには、プログラマーという職種の仕事内容を作業単位で分類し、どの作業を伸ばすべきかを考えることが重要なのではないでしょうか。ここでは、AI時代のプログラマーの生き残り方のヒントを紹介します。

1.「AIがプログラマーの仕事を奪う」の原点とは?

AIの発達により、「近い将来、AIがプログラミングの全てを代替し、プログラマーは不要になる」という話題をよく見かけるようになりました。では、なぜこうした話題が頻繁に語られるようになったのでしょうか。

「フレイ&オズボーンの推計値」が巻き起こした議論の理論

AIが人間の職を奪うといった論調は、2013年ころから強まりました。その原点とも言えるのが、「フレイ&オズボーンの推計値」です。オックスフォード大学のフレイ&オズボーンが2013年9月に発表した推計値では、「米国内労働人口の47%の仕事は、7割以上の確率で、10~20年以内に、機械が代替する」という内容が示されました。

この推計値は、日本国内において「AIが約半分の労働者の仕事を高い確率で奪う」というかたちで伝わり、ネットメディアなどで盛んに報じられたのです。また、同結果をきっかけとして「テクノロジーと雇用の未来」が本格的に研究されるようになり、さまざまな可能性の示唆につながりました。

しかし、フレイ&オズボーンの推計値は、計算方法に疑問が呈されたことや、発表者のひとりであるマイケル・オズボーン準教授が「技術的な可能性の話であり、技術革新に伴う雇用増については考慮していない」と話したことで一時のブームが沈静化します。現在では、あくまでも参考程度の情報として扱われるケースが多いでしょう。

※参考:総務省「平成30年版 情報通信白書のポイント」

「雇用量」に対する考え方はさまざま

しかしながら、AIが省力化に貢献することは確かであり、実際に人手不足対策として活用されています。したがって、今後は定型業務などを中心にAIが人間の仕事を代替し、雇用量の減少をもたらすかもしれません。厚生労働省の調査結果(※1)においても、「AIが雇用量を減らす」と考える企業が「増やす」と考える企業を上回っています。

ただし、全体として見れば「雇用量に大きな変化は発生しない」と考える企業が多数を占めることも見逃せません。「昨今の人手不足と相殺される」「技術革新によって新たに仕事が増える職種もある」といった意見が根強いのです。

さらに、IT関連リサーチ大手のガートナー社は、「AIによる雇用創出が消失を上回り、その差は年々拡大傾向にある(雇用増が続く)」という見方(※2)を示しています。
18世紀から19世紀に欧州で起こった産業革命を見ても、手作業の職人など「消える職種」がある一方で、操縦士やメンテナンス要員など、新たな仕事が生まれました。このように技術革新は「消失と創出」を同時に促進することから、職種単位で仕事の増減を分析していく必要がありそうです。

※1 参考:厚生労働省「IoT・ビッグデータ・AI 等が雇用・労働に与える影響に関する研究会報告書」
※2 参考:ZDNet Japan「2020年以降、AIで生まれる雇用は失う雇用を上回る--ガートナーのテイ氏」

知識の高低よりも「ルーティーン化」できるかどうかが鍵

米国ではこれまでも「ルーティーン化が可能かどうか」で職種の将来性が判断されてきました。いくら専門知識が必要であっても、業務自体がルーティーン化可能であれば、仕事が減るリスクは高いのです。この風潮は、日本でも徐々に広まっています。AIの台頭によって、かつては人間の思考・判断が必要であった非定型作業までも「ルーティーン業務」とみなされるようになっているわけです。

したがって、ハイスキルで替えがきかない人材以外は、AIによる雇用減少のリスクに晒されるのかもしれません。現時点の日本では、米国に比べて技術革新による雇用減少が緩やかです。しかし、量子コンピュータの普及などで計算能力の桁が変わり、さらに「強いAI」が登場すれば、今とは異なる状況になる可能性は十分に考えられます。

2. AIが代替可能な作業、不可能な作業

では、プログラマーの仕事がAIに代替されるのかを考えてみましょう。結論から述べると現時点では「プログラマーはAIによって完全には代替されない」職種と言えます。しかし、作業(タスク)ベースで考えたとき、AIに代替されそうな作業は存在します。以下は、プログラマーの仕事を「作業(タスク)ベース」で分類したものです。

プログラマーの一般的な「作業(タスク)」

1. (SEとの)ヒアリング、打ち合わせ
2. 顧客要望の理解、基本設計書の理解
3. 詳細設計
4. コーディング(実装)
5. テスト

AIで代替可能なタスク

上記のうち、4および5についてはすでに一定割合の自動化が可能となっています。例えば、コーディングについては、「コーディング不要なソリューション」「ジェネレーター(コード自動生成ツール)」などが一般化しています。これらは、プログラミング言語の知識が乏しい人材であっても、優れたアイディア・閃きを形にしやすかったり、開発効率を上げたりといった利点を持っています。

また、テスト領域においても、徐々に自動化ソリューションが広まりつつあります。自動化ツールと独自のテスト理論を用いて、テスト工数の大幅削減を掲げる企業が出現しており、今後はAIの強化で複雑なテストも自動化に向かう可能性が高いのです。

こうした状況を考慮すると、詳細設計以降のタスクは、比較的容易にAIが代替するのかもしれません。

連綿と続く「自動化」の歴史、その一方で…

しかし、IT業界における自動化は今に始まったことではありません。ITの歴史は「自動化の歴史そのもの」とも言える側面があるのです。例えば、頻繁に使う機能をライブラリとして整理したり、ソフトウェア同士の連携を容易にするAPIを作りこんだりと、自動化・効率化は日常的に行われています。ただし、その都度「自動化されたパーツ同士をつなぐロジック」が別途必要になることから、プログラマーの需要は常に発生していたわけです。

したがって、作業単位でAIが仕事を奪う(=工数の削減)ことはあるが、プログラマーという職種が消失する可能性は低い、と言えるのではないでしょうか。

3. AI時代にプログラマーが伸ばすべきスキルとは

最後に、プログラマーが伸ばすべきスキルについて解説します。上流工程および実装直前の段階では人間が持つクリエイティビティが必要不可欠です。以下のようなスキルが有望であると考えられます。

「顧客の言葉」を「コード」に変換する力

一般的には上流SEが顧客にヒアリングを行い、それをもとにプログラマーが実装を行います。このリレー作業をAIが代替できるようになるには相当の時間が必要です。また、顧客がAIの仕様に合わせたシステムを欲しがるとは限らないため、人の手の介在が不可欠です。以上のことから、プログラマーは「非IT人材が話す内容をコード、システムに変換する翻訳力」を高めるべきでしょう。

「AIを作る・調整する技術」への特化

AIの実装、チューニングで必要とされる知識・プログラミング言語・技術トレンドなどに注力することで、AI時代でも需要減の影響を受けにくくなります。例えば、データサイエンスや機械学習に必要な「数学の知識」の補強、Python、JuliaなどAIアルゴリズム開発で頻繁に使用される言語の習得は、その代表格と言えるでしょう。

4. まとめ

「AIが仕事を奪う」という予測は、ここ5年ほどで急速に広まりましたが、未だにAIが人間に代替される事態には至っていません。ただし、ディープラーニングをはじめとした技術革新や量子コンピュータの実用化など、AIが一層活用される社会へ向かうことは想像に難くないでしょう。AI時代でITエンジニアとして活躍し続けるには、「何が無くなり、何が生まれるか」をしっかりと見据えたキャリア構築が必要になるでしょう。

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