AI時代に活躍できるプログラマーになるには?AIプログラマーの仕事内容や年収などもチェックAIでプログラマーはいなくなる?今後必要なスキルを紹介

最終更新日:2021年12月1日

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人工知能を意味するAI。AIはプログラムによって実現されているのですが、AIとプログラマの関係には微妙なところがあります。というのも、AIの発展と普及によりプログラマーの仕事が無くなるという言説があるからです。
実際にAIの発展と普及はプログラマーの仕事に影響を及ぼすことが考えられますが、プログラマーの仕事が無くなるわけではありません。
本記事では、AIによるプログラマーの仕事の変化とAIを作るAIプログラマーについて紹介します。

1. AI発展でプログラマーの仕事はなくなるのか

AIの発達により、「近い将来、AIがプログラミングの全てを代替し、プログラマーは不要になる」という話題をよく見かけるようになりました。それでは、なぜこうした話題が頻繁に語られるようになったのでしょうか。

AIが発展してもすぐにプログラマーが不要になるとは限らない

まず、断言できることとして、AIの発展が進んだとしても、どこかで突然プログラマーが不要とはなりません。既存のITシステムを活かすためのプログラマーが一度に不要となることは起き得ませんし(徐々に減少はするかもしれません)、そしてAIを作る側のプログラマーが必要となることが想定されるからです。

システム、アプリの点検や保守作業は引き続き必要だと考えられる

AIの導入、発展が進んだとしても、既存業務に利用するシステム、アプリが即時に置き換わることはありません。時間をかけて徐々にAIの適用分野が広がる形をとることが想定され、その間システム、アプリの点検、保守作業などは継続的に必要となります。
AIの導入により既存のシステム、アプリを使った業務に対してコストメリットのでる仕組みが作れる場合にのみ、AIの適用が行われていくでしょう。

AI発展でプログラマーの仕事がなくなるといわれる背景

AIが人間の職を奪うといった論調は、2013年ころから強まりました。その原点とも言えるのが、「フレイ&オズボーンの推計値」です。オックスフォード大学のフレイ&オズボーンが2013年9月に発表した推計値では、「米国内労働人口の47%の仕事は、7割以上の確率で、10~20年以内に、機械が代替する」という内容が示されました。

参考:総務省「平成30年版 情報通信白書|第1部 特集 人口減少時代のICTによる持続的成長
|第5節 ICTの進化によるこれからのしごと」


この推計値は、日本国内において「AIが約半分の労働者の仕事を高い確率で奪う」というかたちで伝わり、ネットメディアなどで盛んに報じられたのです。また、同結果をきっかけとして「テクノロジーと雇用の未来」が本格的に研究されるようになり、さまざまな可能性の示唆につながりました。

しかし、フレイ&オズボーンの推計値は、計算方法に疑問が呈されたことや、発表者のひとりであるマイケル・オズボーン準教授が「技術的な可能性の話であり、技術革新に伴う雇用増については考慮していない」と話したことで一時のブームが沈静化します。現在では、あくまでも参考程度の情報として扱われるケースが多いでしょう。

プログラマーとして活躍し続けるにはAIの知識とスキルが必要

しかしながら、AIが省力化に貢献することは確かであり、実際に人手不足対策として活用されています。したがって、今後は定型業務などを中心にAIが人間の仕事を代替し、雇用量の減少をもたらすかもしれません。厚生労働省の調査結果においても、「AIが雇用量を減らす」と考える企業が「増やす」と考える企業を上回っています。

参考:厚生労働省「IoT・ビッグデータ・AI 等が雇用・労働に与える影響に関する研究会報告書」

ただし、全体として見れば「雇用量に大きな変化は発生しない」と考える企業が多数を占めることも見逃せません。「昨今の人手不足と相殺される」「技術革新によって新たに仕事が増える職種もある」といった意見が根強いです。

さらに、IT関連リサーチ大手のガートナー社は、「AIによる雇用創出が消失を上回り、その差は年々拡大傾向にある(雇用増が続く)」という見方を示しています。

18世紀から19世紀に欧州で起こった産業革命を見ても、手作業の職人など「消える職種」がある一方で、操縦士やメンテナンス要員など、新たな仕事が生まれました。このように技術革新は「消失と創出」を同時に促進することから、職種単位で仕事の増減を分析していく必要がありそうです。

参考:ZDNet Japan「2020年以降、AIで生まれる雇用は失う雇用を上回る--ガートナーのテイ氏」

2. AI技術を用いて開発を行うAIプログラマーとは

AIの普及、発展が続き、単純な仕事を置き換えたとしても、それを支えるAI領域のプログラムを作成する仕事はなくなりません。以下、AIの作成を行うAIプログラマーについて記載します。

今後も活躍するには専門性の高いAIプログラマーになるのも手

AI技術の発展とコンピュータの進化により、AIを使ったプログラムは業務での適用が行われるレベルのコストパフォーマンスを持つようになりました。IT専門調査会社IDCによる「国内AIシステム市場予測」によれば、2020年の国内企業のAI市場は約1579億円の実績となっており、2021年以降も急速な市場拡大を続けると予測しています。

参考:IDC「国内AIシステム市場予測を発表」

このAIの普及、発展を背景に、専門性を持ったAI領域の技術者の需要が高まっています。AIを専門領域とした、AIプログラマーとなることもエンジニアの選択肢の一つとして有望です。

AIプログラマーの仕事内容

AIプログラマーはアプリケーションエンジニアの一種です。主な開発対象はAI向けのプログラムとなります。関連する職種としてAIエンジニアがあり、AIプログラマーはAIエンジニアによって設計されたAIの実装やテストが仕事となります。

3. AIプログラマーに必要なスキル

AI向けプログラム作成が主業務となるAIプログラマーですが、必要となるスキルについて紹介します。

AI関連の言語によるプログラミングスキル

AIプログラマーにはAIを作るのに向いたプログラミング言語のスキルが必要となります。AI開発によく利用されるプログラミング言語として、Python、Julia、C++があげられます。

AI向けのプログラムには計算速度と開発効率が必要となります。Pythonはスクリプト言語のため実行速度は早くありませんが、AIを作る際に利用できるライブラリが充実しています。複雑な処理は高速に動作するライブラリに任せることができ、ライブラリを使った効率的な開発ができることが最大の魅力です。

Juliaは2012年に公開された比較的新しいプログラミング言語です。計算速度に優れ、AI領域の開発用途でも注目を集めています。後発の言語のため、ライブラリの充実、情報収集などの面で難があるものの、AIプログラマーにとっては将来性に期待できる言語です。

C++はC言語の後継のプログラミング言語で、その処理速度も受け継いでいます。メモリ管理や記述などで習得難易度が高いですが、AIの領域でも高速な処理が求められるシーンでは必要とされる言語です。

機械学習ライブラリを実装するスキル

AIのプログラミングの際にも、そのロジック全てを一からプログラムすることはまれで、一般的には用意されたライブラリを組み合わせることで処理を実現します。AIや機械学習の仕組みを理解し、用意されたライブラリを使ってその仕組みを組み立てるスキルが、AIエンジニアには必要となります。

数学・統計学の知識

AIを設計、構築する際に必要となるのが数学や統計学についての知識です。AIによる思考は人間の脳を模した形ではなく、数学的な論理の積み重ねによって実現されています。この考え方を理解し、構築するべく、AIの実装に利用される数学・統計学の知識を持ったプログラマが求めらます。

データベース・データ処理の知識

AIは多くのデータを判断や学習の基準として取り込むことで、精度を向上させます。データの取り扱いは必須で、必然的にデータベース、データ処理の知識、スキルが必要です。

4. AIプログラマーのスキル習得に役立つ資格試験

AIプログラマー向けのプログラミングスキル習得に役立つ資格試験を紹介します。

日本ディープラーニング協会の資格試験

一般社団法人日本ディープラーニング協会はAIの一分野であるディープラーニングについての人材育成を支援しており、スキルを図る試験と資格の認定を行っています。

G検定

AIを事業活用する人材(ジェネラリスト)向けの資格試験です。「ディープラーニングの基礎知識を有し、適切な活用方針を決定して、事業活用する能力や知識を有している」ことを示せる資格となっています。
試験範囲は人工知能(AI)、機械学習、ディープラーニングの手法や活用に関するものです。

E資格

ディープラーニングを実装する人材(エンジニア)向けの資格試験です。「ディープラーニングの理論を理解し、適切な手法を選択して実装する能力や知識を有している」ことを示す資格となります。
試験範囲は応用数学、機械学習、深層学習、開発・運用環境と基礎理論から構築に関する知識までが問われます。

Python3エンジニア認定データ分析試験

Python3エンジニア認定データ分析試験は一般社団法人Pythonエンジニア育成推進協会によって運営される「Pythonを使ったデータ分析の基礎や方法を問う試験」です。
直接的にAIの実装に関する資格ではないものの、AIエンジニアに必要となるPythonの言語スキルおよび数学、統計学に関するライブラリの使用などが設問内容となるため、AIエンジニアにとっても一定のスキルを示すことができる資格となります。

5. AIプログラマーの平均年収

AIプログラマーについて、平均年収を調べるためのデータは多くはありません。オープンな求人なども多くはなく、公的な機関による情報においてもAIプログラマーに限った平均年収のデータは2021年11月23日時点ではないようです。

そこで、AIプログラマーも含んだ「先端IT従事者」についての年収データを目安として紹介します。

独立行政法人情報処理推進機構の「IT人材白書2020」によると、「AI・人工知能」に関するエンジニアが含まれる「先端IT人材」の年収の割合は以下の通りです。

年収 割合
100万円未満 割合1.2%
100万円~200万円未満 割合1.0%
200万円~300万円未満 割合2.8%
300万円~400万円未満 割合6.2%
400万円~500万円未満 割合8.6%
500万円~600万円未満 割合9.4%
600万円~700万円未満 割合13.8%
700万円~800万円未満 割合10.8%
800万円~900万円未満 割合10.8%
900万円~1,000万円未満 割合9.0%
1,000万円~1,500万円未満 割合15.2%
1,500万円~2,000万円未満 割合1.8%
2,000万円以上 割合2.2%

全体の平均年収は算出できないものの、高い年収を得ているエンジニアがいることが確認できます。

6. AIプログラマーが活躍できる業界

AIプログラマーへの需要があり、今後の活躍が期待できる業界について記載します。

自動車業界

自動車業界はAIを使ったプロダクト開発を推し進めており、自動運転や制御の分野でのAIの活用に力を入れています。また、自動運転とスマートシティを掛け合わせた分野等でもAIプログラマーへの需要があります。製造における設計、開発、検査でもAIの活用を進めている業界です。

金融業界

金融とデジタルデータをあわせたFintechの分野においてAIプログラマーの需要が存在しています。株、金融資産、金などの経済の動きの予測を行い、提案するサービスなどでAIの利用が進められています。

医療業界

医療業界も多くのデータを取り扱うため、AIの活用に注目が集まっています。保険証とマイナンバーカードの連携などのデータ収集、活用分野での利用もその一つです。また、医療現場での判断の向上、業務効率化、医療の質の向上のためのAI活用なども進められています。例えば、画像認識によりレントゲンの画像読み取りを補助する際にAIを活用することが想定できます。

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