未経験でAIエンジニアになるには?必要なスキルや役立つ資格を紹介

最終更新日:2024年4月8日

近年、AI(人工知能)というキーワードをよく耳にするようになりました。機械学習やディープラーニングを活用しつつ技術に置き換え、企業を発展させる可能性を持つAIエンジニア。IT関連に携わるエンジニアのなかには、AI開発に興味を持つ人も多いです。
当記事では、AIエンジニアに興味を持っている人向けに、AIエンジニアの仕事内容、求められる知識・スキル、AIエンジニアになるために役立つ資格、AIエンジニアになるためのキャリアプランと方法、将来性について解説します。

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この記事のまとめ

  • AIエンジニアとは、AIエンジニアとはAI(人工知能)の開発や、AIを用いたビッグデータ解析を行う技術者全般のこと
  • AIエンジニアの仕事内容は、大きく分けて「AI開発」「学習」「分析」の3つ
  • AIエンジニアになるには、特別な資格や試験は必要ないが、習得に時間がかかり難易度の高いAI開発分野の深い理解が必要
  • AIエンジニアは未経験からいきなり目指すのはハードルの高い職業だが、未経験からでもキャリアプラン上は就職するのが不可能ではない

AIエンジニアとは

経済産業省によると、AIエンジニアは「AI等を使いこなして第4次産業革命に対応した新しいビジネスの担い手となる高度IT人材」(※)と表記されています。

具体的には、AIエンジニアとはAI(人工知能)を開発したり、AIでビッグデータの解析を行ったりするAIに関わる技術者全般を指します。最近では、さまざまな企業が「ディープラーニング(深層学習)」や「機械学習」などの技術を活用し、画像/音声認識・最適化・推論などのAIサービスを提供しています。

ここでは、AIエンジニアの種類やAIエンジニアの仕事内容、主な活躍領域について解説します。

※参考:経済産業省「AI人材育成の取組」P1より
参考記事:AIエンジニアとは?仕事内容や必要なスキル、年収の相場を解説

AIエンジニアの種類

AIエンジニアと一言でくくっていますが、主に以下の3職種を指します。


  • ・機械学習エンジニア

    ・データサイエンティスト

    ・データアナリスト


それぞれの違いを以下の表で確認しましょう。

機械学習エンジニア ・データ収集、データクレンジング、モデルの実装など開発を主に行う。
・開発後の運用、保守も仕事内容に含まれる。
データサイエンティスト ・データ収集、データクレンジング、データ分析を行う。
・データの特徴を把握するための分析がメインで、JSONやcsvなど処理しやすい
ファルに書き換えるのも仕事内容に含まれる。
データアナリスト ・データを分析し、課題の洗い出しや解決提案などを主に行う
・データサイエンティストよりも幅広い分析を行い、営業や企画など
コンサルティング能力が重視される傾向にある。

AIエンジニアの仕事内容

AIエンジニアの仕事は大きく分けて、「AI開発」「学習」「分析」の3つのステップに分類されます。詳しい業務内容や担当範囲は、所属する企業やチーム、担当プロジェクトなどによって異なりますが、AIエンジニアの基本的な業務は共通しています。以下でそれぞれの仕事内容について詳しく解説していきますので、参考にしてみてください。

AI開発

AIエンジニアのメイン業務は、AIアルゴリズムの開発・実装です。AIを活用したシステムにおいて適切に処理するように、システム処理や実装、テストを通してシステム開発を進めます。特に声認識や画像認識などの機能を備えたAIを作る際には、ユーザーや機器に合った仕様に仕上げることも、AIエンジニアの重要な業務の一つです。

AIエンジニアは、機械学習モデルを構築するプログラムをまとめたライブラリを活用します。例えばKerasやTensorFlow、PyTorchなどです。また、AI開発ではPythonが主流です。Pythonは豊富なライブラリやフレームワーク、シンプルな構文を備えており、機械学習モデルの開発に適しています。しかし、一部のプロジェクトではRやC++などほかの言語も活用されています。

学習

AIの開発後は、AIにデータを入れて精度を上げていく「学習」へ進みます。学習とは、作成したAIにデータを与えてデータの特徴や傾向を学習させる作業です。AI開発段階ではタスクに応じたモデルを作成します。モデルを作成するだけでは、行いたいタスクに対応できないため、学習が必要です。また、学習するデータに正解を含める場合を教師あり学習、正解を含めず傾向を探る方法を教師なし学習といいます。一般的に同じ学習データ、学習量の場合は教師あり学習の精度の方が高いので、AIエンジニアは正解データ(教師データ)を生成できないかも検討します。

分析

AI学習の後は「分析」を行います。分析とは、AIが学習データを基に適切にパターンを取得できたかの確認、パターンを取得できていない場合に精度向上の方法を検討する作業です。学習できていない場合は、与える学習データを増やす、事前に処理して傾向を掴みやすくする、データを複製して傾向を顕著にするなどの方法があります。これらの方法を分析結果と比較して手段するため、多くの知識や経験が必要な作業です。

AIエンジニアになるには?キャリアプランと方法

AIエンジニアになるためには、AIそのものの知識と開発知識、技術などさまざまな要素が必要です。ITエンジニアからキャリアアップする方法が一般的ですが、IT業界への参入から始める人にも向けて、未経験者と経験者両方のキャリアプランを解説します。
AIエンジニアの立場についても見ていきましょう。

参考記事:未経験でAIエンジニアになるには?求人例や年収、役立つ資格やスキルも紹介

AIエンジニアを目指すためのキャリアプラン

AIエンジニアを目指すためには、ITエンジニアの経験者と未経験者でプランが異なります。IT業界やエンジニア業を経験していない場合、まずは他業種からITに携わることが推奨されます。経験者はAIで使われる言語や業界知識を学習しながら、自分の求める分野を見極める必要があるでしょう。

IT業界・エンジニア経験者の場合

ITエンジニアの経験者には比較的明確なキャリアプランがあります。持っているIT知識をベースに、まずAIエンジニアのことをよく知り、プログラミング系またはアナリティクス系のどちらのAIエンジニアを目指すかを決めましょう。

プログラミング系AIエンジニアを目指す ・AIでよく使うPython・Rなどのプログラミング言語のスキルを身につける。
・プログラミングに関するさまざまなスキル習得、経験を積む。
アナリティクス系AIエンジニアを目指す ・プログラミングの経験からアナリティクス系のスキルを身につける。
IT業界・エンジニア未経験者の場合

ITエンジニア未経験者にとっては、AIエンジニアのハードルはかなり高いといえます。そのため、まずはITエンジニアになることをおすすめします。プログラマーやバックエンドエンジニアとして経験を積んだ後に、Python・R言語などを習得して、プログラミング系やさらにアナリティス系のAIエンジニアを目指すとよいでしょう。

AIエンジニアになるための方法

AIエンジニアになるには、自社のAIエンジニアを募集している部門に異動するケースや、他社の求人に応募するケースが考えられます。また他社へ転職する際、経験の有無によっても、とるべき方法が変わります。自分に合った方法を検討するのが良いでしょう。

ここではAIエンジニアになるためのおすすめの方法について、状況別に紹介していきます。それぞれについて見ていきましょう。

関連記事:AI関連の資格おすすめ15選!取得のメリットや勉強方法も解説します

社内のデジタル部門やDX部門に異動する

近年、さまざまな会社でデジタル化やDXが推進されています。そのため、現在所属している会社でも、AIエンジニアを募集しているケースがあるかもしれません。環境もさほど変わらないため、AIエンジニアを目指す際の有力な方法といえます。

転職エージェントを活用して転職する

AIエンジニアはITエンジニアのなかでも高い需要があり、多くの求人情報があります。自分に合った企業をみつけるためにも、転職エージェントの利用を検討しましょう。希望の仕事先とのマッチングを効率よくすることができ、意に沿った転職ができる確率が上がります。

転職エージェントでは、履歴書の書き方や職務経歴書の添削、面接のアドバイスなどもサポートしてもらえます。エージェントとの対話によって自分の強みや弱みが明確になり、スキルを整理できます。

大学で情報科学やデータサイエンスを学んでいると有利

転職エージェントを活用したとしても、未経験でAIエンジニアに転職するのはかなり狭き門と考えておいたほうがよいでしょう。ただしAIエンジニア未経験でも、学生時代に画像認識や自然言語処理、データサイエンスなどAI関連の専攻をしていたり、現職で膨大なデータを扱うデータベースの知識を持っていたりすると、転職に有利に働く傾向があります。

とはいえ、AIエンジニア未経験者やAIの経験が浅い人はまず知識・スキルを積まなければなりません。書籍やオンラインを使って独学で勉強したり、資格を取ったりする方法がありますが、確実なのはスクールに通う方法です。コストはかかりますが、プロの講師によるサポートと専門カリキュラムによって、確実かつ短期間で知識・スキルを習得できるでしょう。

未経験からAIエンジニアを目指すステップ

未経験からAIエンジニアを目指すステップ


AIエンジニアは未経験からいきなり目指すのはハードルの高い職業です。
そこで、未経験者がAIエンジニアをキャリアプランの目標とした場合に、どのように知識と経験を身につければよいのかを解説します。
職業としては先ほど説明したように、「プログラマーやバックエンドエンジニアなどの初心者でも携われるIT関連職で経験を積み、その後就職を目指す」のがおすすめです。

AI開発の基礎を学ぶ

まずはプログラミングの基礎知識を身につけましょう。ひと口にプログラミングといっても幅広い分野であるため、データ分析手法やフレームワークなど多種多様なものについては、代表的なものに絞り学習するのがおすすめです。
PythonやSQLの基本文法を押さえるなど、AIエンジニアがよく使う言語の基礎を学んでおきましょう。

AI開発環境を構築する

プログラミングスキル、データベースの運用スキルとは、基礎を学んだだけではなかなか身につけることができません。学習した言語を実践するために、AI開発に必要な環境構築をしてみましょう。
「Pythonの開発環境」「データベース管理システム」の導入は、AIエンジニアの基本ともいえます。データベース管理システムにはさまざまなものがありますが、無料で使いやすいシステムを選ぶと実践しやすいでしょう。

練習問題を解いてみる

環境構築ができたら、知識を活用できるスキルを身につけるために実践を行いましょう。
実践的なスキルを身につけるためには、練習問題を解いてみるエンジニアが多いです。Pytho、SQLの文法に関連する練習問題を解き、慣れてきたらAI開発により特化した練習問題を解くのがおすすめです。
Tech-Joho.infoでは、Pythonの練習問題を30問提供しています。重要度の高い文法に関した問題があるため、実務でも役立つ知識を身につけられます。TECH ProjinはSQLのレベルに応じた練習問題に取り組めるサイトで、前提説明を参考に学習を進められるのが特徴です。

AIエンジニアの仕事に役立つ資格を取得する

AIエンジニアになるには資格取得を最初の目標に設定する人も多いですが、資格取得は「基礎知識を押さえ、実践的な知識が身についてから」勉強を始めるとハードルも下がり挑戦しやすいです。
AIエンジニアになるために必須資格はありませんが、資格は転職や就職の際に自分のレベルを第三者に見せるわかりやすい指標になります。
後述するAIエンジニア関連資格を参考に、自分の目的とレベルにあった資格を取得してみましょう。

AIエンジニアの仕事を探す

知識を身につけ、資格取得を経験したら、AIエンジニアの仕事を探します。この段階に至るためには、ITに関連する職業に就いていることが多いため、自社内での異動を除くと「転職してAIエンジニアを目指す」場合がほとんどでしょう。
仕事をしながら探す場合、ITエンジニアに特化したエージェントを活用するのがおすすめです。自分の求める仕事を紹介してくれる、職務経歴書の添削サービスがあるなど、キャリアサポートが充実したところを選ぶとAIエンジニアに就く可能性は高まります。

AIエンジニアに求められる知識・スキル

AIエンジニアはプログラミングスキル以外にも多岐にわたる知識や経験を求められます。主にどの分野に携わるAIエンジニアになりたいかにより、必要なスキルは変わるため、検討しておくのが良いでしょう。

ここからはAIエンジニアに要求される知識や経験を「プログラミング系」「アナリティクス系」「共通」の3つの領域に分けて紹介します。それぞれについて詳しく見ていきましょう。

関連記事:AIエンジニアの年収を年代・業務内容・業務形態別に紹介します

プログラミング系・アナリティクス系共通

AIエンジニア全般に求められるのは、AIを構築する知識とロジカルシンキング、プログラミングの基本である数学的知識などさまざまなスキルです。
仕事内容によって持っておくとよいスキルは異なりますが、大きく4つのスキルにまとめ一つずつ解説します。

ディープラーニング・機械学習の知識

AIエンジニアには、ディープラーニングや機械学習の活用が求められます。ディープラーニングは画像・音声の認識で多く使われ、機械学習はさまざまな業務データの分析で必要です。AIではこれらの技術をシステムに組み込み、今までできなかったような分析や予測などを行います。

論理的な思考力

AIエンジニアは多くの種類と膨大な量のデータを扱うことが多いため、正確で論理的な思考力が必要とされます。

Pythonの知識・スキル

ほとんどのAI開発ではプログラミング言語のPythonが使われるため、AIエンジニアにはPythonのプログラミングスキルが必須とされます。Pythonは数学のライブラリやグラフ描画のためのライブラリなどライブラリが豊富で、AIとの相性が良い言語です。また、コーディングしやすく比較的習得しやすいという特性もあります。

数学の基礎知識

AIでは大量のデータを扱います。膨大な学習データを分析しAIに効果的に学習させるためには、統計学を中心とした数学の基礎知識が求められます。

プログラミング系

プログラミング系とは開発を主に行うAIエンジニアであり、ライブラリの知識や基礎的なコーディングスキルから、AIに特化したプログラミングスキルまで幅広い技術を網羅する必要があります。
プログラミング系のAIエンジニアに求められるスキルをチェックしていきましょう。

クラウドライブラリの知識・スキル

近年、Microsoft Azure・Google Cloud Platform・Amazon Web Servicesといった、米国のメガITといわれる企業のクラウドサービスがAIツールを提供しています。
AIは専門的人材が必要となり、まだ容易に導入できる分野ではありませんが、これらのサービスを使うと容易かつ効率的にAIを活用したサービスを開発できます。

コーディングスキル

Python・Rなどは、AIの開発で多く使われるプログラミング言語です。言語自体とさまざまなライブラリや開発フレームワークの知識・スキルが必要とされます。オープンソースの「scikit-learn」やGoogleの「TensorFlow」などを扱えるようになると、実践で活躍できるでしょう。

アナリティクス系

AIの技術は日進月歩のため、最新情報を常に早く取り入れることが重要です。AIが実際に社会のどのようなシーンで活用され成果がでているかも知っておく必要があります。顧客の課題に対してこれらの情報を活用して、AIを適用する力が求められます。

最新事例や技術のリサーチ力

AIの技術は日進月歩のため、最新情報を常に早く取り入れることが重要です。AIが実際に社会のどのようなシーンで活用され成果がでているかも知っておく必要があります。顧客の課題に対してこれらの情報を活用して、AIを適用する力が求められます。

実証実験に関するスキル

実証実験は通称PoC(Proof Of Concept)といわれます。今までAIを適用したことのない分野にAIを実装・運用する前に、効果が出るかどうかを実証するための小さな規模の実験です。

AIは最初から業務システム全体に適用せずに、まず小さな範囲にテスト的に適用してみて、効果をみながら徐々に範囲を拡大させるのが一般的です。

データ分析・レポーティングスキル

AIを駆使してさまざまな角度でデータを分析するスキルと、分析結果を使って顧客に経営課題解決を提言するレポーティングスキルが必要とされます。

AIエンジニアになるために役に立つ資格

AIエンジニアに要求される知識や経験は多岐にわたるため、関連する資格も非常に多いです。特に初心者や別領域のエンジニアから転職する場合は、資格を取得すると効果的でしょう。ここからはAIエンジニアになるために役立つ資格を8つ紹介します。

  • ・G(ジェネラリスト)検定

    ・E(エンジニア)資格

    ・統計検定

    ・Python 3 エンジニア認定試験

    ・画像処理エンジニア検定

    ・Professional Data Engineer

    ・AWS Certified Machine Learning

    ・Microsoft Certified:Azure Al Fundamentals

それぞれについて詳しく見ていきましょう。

スキルの高さを証明できる資格

スキルを証明するのに特化した資格は、G検定やE検定などの検定資格が有名です。加えて、AIエンジニアになるための基礎知識であるPythonの資格検定もチェックしていきましょう。

G(ジェネラリスト)検定

G(ジェネラリスト)検定は、一般社団法人日本ディープラーニング協会が運用する、ディープラーニングをビジネスに活かすための知識を持っていることを証明する検定です。

E(エンジニア)資格

E(エンジニア)資格は、一般社団法人日本ディープラーニング協会が運用する、ディープラーニングを実装するエンジニアとしての技能を持っていること証明する資格です。

統計検定

統計検定は、一般財団法人「統計質保証推進協会」が運用する、統計に関する知識や活用法を有しているかを検定する全国統一試験です。

Python 3 エンジニア認定試験

Python 3 エンジニア認定試験は、一般社団法人Pythonエンジニア育成推進協会が実施している民間資格です。Pythonの基礎的な文法を理解していることを認定します。

仕事で活用できる資格

仕事内容によって活用できる資格は異なるため、仕事に活かすためには「希望する企業がどのようなAIエンジニアを求めているか」を見極める必要があります。AIエンジニアの業務内容に即した試験資格をいくつか紹介します。

画像処理エンジニア検定

画像処理エンジニア検定は、公益財団法人画像情報教育振興協会(CG-ARTS)が実施する資格試験です。ベーシックとエキスパートの2つのレベルがあり、それぞれ画像処理に関する基礎知識、画像処理の知識に加えてシステム開発に応用する能力が問われます。

Professional Data Engineer

Professional Data EngineerはGoogleが運営する資格試験です。Google Cloud を使用したソリューションの設計と管理の経験 1 年以上を含む3年程度の経験が求められます。

AWS Certified Machine Learning

AWS Certified Machine Learning はAmazonのAWS社が運営する資格試験です。AWS クラウドでの機械学習やディープラーニングなどの1年以上の実践経験を持つ個人を対象としています。

Microsoft Certified:Azure Al Fundamentals

Microsoft Certified:Azure Al FundamentalはMicrosoft社が運営する資格試験です。レベルにより4種類あり、まず初級者向けのAI-900から取得するのがよいでしょう。

AIエンジニアに向いている人の特徴

何事にも向き不向きがあるように、AIエンジニアにも向き不向きがあります。AIエンジニアに向いている人は以下のような特徴があります。


  • ・物事を論理的に考えられる人

    ・データ処理・分析が得意な人

    ・課題解決力が高い人

    ・学習意欲が高い人


それぞれについて、一つずつ見ていきましょう。

物事を論理的に考えられる人

AIの学習結果を分析し、精度向上の方法を検討するには論理的思考が必要不可欠です。上手く判断できなかったデータに対してなぜ判断できなかったのか?どうすれば上手くいくのか?を論理的に判断して、対策案を練らなければいけません。

また、対策案を考えるにはAIの数学的な概念の理解が必要です。当然こちらにも論理的思考力が必要ですので、AIエンジニアは論理的思考力が必要になります。

データ処理・分析が得意な人

前述の通り、学習結果を分析してAIの精度を上げていくため、データ処理・分析は必須スキルです。AIエンジニアの場合はどのように学習データを増やすか、どのようなデータに対して対応できていないかを分析し、必要なデータ処理を行います。これらの作業には泥臭い作業もあるため、データ処理や分析が得意な人はAIエンジニアに向いていると言えるでしょう。

課題解決力が高い人

AIエンジニアはAIモデルの学習、分析だけでなく、どのようにAIモデルを用いて作業を効率化するかなどコンサル的な業務も行うため課題解決力は必要不可欠です。職場によってはコンサル的な業務はありませんが、それでも多くの場面で課題解決力を要求されます。

学習意欲が高い人

AIはIT業界の中でも特に技術の更新が早いため学習意欲が高く無いと長く活躍できません。多くのAIエンジニアは土日に書籍を読む、コンペに参加する、コードを記述するなど自己研鑽を行っています。そのため、学習意欲が高く常に勉強を続けられる方はAIエンジニアに向いていると言えるでしょう。

AIエンジニアの将来性

進化を続けるAI分野を支える、AIエンジニア。AIはIT業界全体においても注目されている分野であるため、将来性は高いといえます。

日本のIT人材30代の給与は、中央値がアメリカでは1,238万円に対して、日本では526万円と低くなっています(※1)。ただしAIエンジニアが属するデジタル人材に対する給与オファーは、30代で3,000万円~4,000万円の高額なものもあり(※2)、経験とスキルによっては非常に高い給与が望めます。

AIエンジニアはITエンジニア全般に比べてニーズが高く、将来性の高い職種です。ITエンジニアからキャリアアップしてAIエンジニアになることは、有望な選択肢といえるでしょう。

ただし、未経験の場合、現在より給与が下がる可能性もあることを認識しておく必要があります。

※1参考:経済産業省 「我が国におけるIT人材の動向」 P5より
※2参考:経済産業省 「我が国におけるIT人材の動向」 P3より

AIエンジニアが活躍できる領域の例

AIエンジニアはデータ解析やAI開発を行うのが主な仕事です。AIは生活のさまざまな場面で活用されていますが、現在注目されている領域、ビジネスを広げる可能性の高い分野をピックアップしました。
AIエンジニアの理解を深めるためにも、チェックしていきましょう。

お掃除ロボット

お掃除ロボットとは、身近に普及した人工知能の例です。AIを内蔵したセンサーによって障害物を避け、部屋の間取りや家具の配置を記録し、同じ道を通ることなく効率的に清掃します。
掃除が終わり次第充電器の位置まで戻り、さらに内蔵するゴミの溜まり具合も読み取り、自動でゴミ捨てまでできる高機能ロボットも現在人気の高い製品です。

車の自動運転

ディープラーニングを活用した画像認識機能、音声認識機能から得られた情報を使い、通行人や対向車、信号、標識などを認知し自動車を動かす機能もAIが搭載されています。
自動車に搭載するAIとは「人間が見落としそうになる危険を認識できる」「疲労や感情などで乱れることがない」など、事故率減少のために開発が進められる分野です。

検索エンジンの最適化

インターネットの検索エンジンには、人工知能が活用されつつあります。Webサイトに使われるキーワードや文字数、滞在期間や滞在時間などのデータ分析を行い、サイトの質や有害コンテンツの有無、コピーコンテンツを見分け排除することで、検索エンジン全体が最適化されます。
ユーザーがより便利な情報を探し当てられることを目的としており、オンラインコンテンツの盛り上がりとともに注目されているAIエンジニアの活躍の場所です。

クレジットカードの不正利用検知

AIは会員の利用パターンをモニタリングし、このデータを集めます。パターンから大きく外れた行動や不正使用時のケースと一致すると、カード会社から会員に連絡ができるシステムはAIの力が活用されています。
クレジットカードの漏洩は消費者にとって社会問題ともされるものであり、この探知システムで不正利用被害を抑止することが目的です。

コールセンターのオペレーション

国内のメガバンクではIBMの人工知能Watsonが導入されているケースも見られ、オペレーターのサポートとしてAIが活用されています。
人工知能が会話を解析し、確認事項・質問の答えを表示することで、顧客対応の時間や質を向上させることが目的です。オペレーターの人材不足と顧客満足度を上げる重要なポジションであり、AIを活用する場としては重要なケースです。

AIエンジニアの開発に必要な環境

AI開発は様々な環境の上で構築でき、要件によって適切につかいわける必要があります。これらの判断にはプラットフォームの特徴やハードウェアの要件を判断できなければいけません。ここからはAIエンジニアの開発に必要な環境関連の知識を解説します。

プラットフォーム

AIモデルの学習、分析にはプラットフォームが必要です。現在ではクラウド上で行うことが多く、AWSやGCP、Azureなど各プラットフォームが対応しています。これらのプラットフォームはPaas(Platform as a Service)と呼ばれクラウド上にメモリやOS、開発環境を構築可能です。

AIモデルの学習には大量のCPUやGPUを使用する場合があります。そのため、Paas上で構築する場合も作成するAIに応じてスペックを選択するのが大切です。

ハードウェア

ローカル環境で開発する場合、ハードウェアのスペックによって開発効率に大きな差がでます。ローカルで大規模開発する場合は高性能なCPU、GPU、メモリを搭載したPCを準備しましょう。また、使用するライブラリによってはNVDIAのGPUでないと機能しないなどの制約があります。例えば、Pythonでニューラルネットワークモデルを構築する際に使用するPytorchはNVDIAのGPUを前提に構築されたライブラリです。このようにハードウェアのスペックだけでなく、使用する言語に制約が無いか確認した上で準備すると良いでしょう。

プログラミング言語

AIモデル構築では多くの場合Pythonを使用します。PythonはAIの構築だけでなく、データの分析や可視化のライブラリが豊富です。Pythonの他にはC++やRust、MATLABなどでも開発されます。

これらのプログラミング言語は統合開発環境やコードエディタと呼ばれるソフトウェア上で開発します。また、AWSやGCPなどのPaasサービス上でも開発可能です。

これらのツールやPaasを使用することで効率的にAIを開発できます。

AIエンジニアに関するよくある質問

AIエンジニアに関連するよく聞かれる質問をまとめました。本記事をポイントで振り返るためにも、一つずつ解説します。

Q1. AIエンジニアになるにはどうしたら良いですか?

AIエンジニアになるには資格は必要なく、業務に関連するスキルと知識を身につけることが大切です。一般的には完全未経験から就職することは少なく、情報科学に関する大学や専門学校を卒業したのちに目指します。
しかし、「資格が必要ない」ためITエンジニアとしての経験があればAIエンジニアは目指せます。

Q2. AIエンジニアとデータサイエンティストの違いは何ですか?

データサイエンティストとは分析データを活用し、企業のIT化を促進したり課題を解決したりする職業を指します。AIエンジニアとの共通点はSQLを使用するという部分ですが、SQLを用いて開発を行うのがAIエンジニア、SQLを利用しビジネス面での活躍を行うのがデータサイエンティストという違いがあります。

Q3. AIエンジニアの仕事内容を教えてください。

AIエンジニアは名前通りAIを活用するプログラマーです。主に「データ収集」「データクレンジング」「データ分析」「ソフトウェア開発」などを行います。
最終的には、データ分析により精度の高い回答を導き出すモデルを作成するのが目的です。

Q4. AIエンジニアのやりがいは何ですか?

AIエンジニアの仕事は幅広く、最先端の技術に携われることや世界的な技術革新に参加できるなどのやりがいがあります。最先端技術を用いるため、年収が高いこともやりがいと感じる人もいるでしょう。また、DX推進により企業のニーズが高まり、大規模案件や重要プロジェクトに関与する機会が多いこともやりがいにつながります。

まとめ

今注目を集める分野であるAI。このAIを活用するエンジニアこそ、AIエンジニアです。
AIエンジニアになるには特別な資格や試験は必要ありませんが、習得に時間がかかり難易度の高いAI開発分野の深い理解が必要です。ただし、未経験からでもキャリアプラン上は就職するのが不可能ではないため、現在のキャリアから一歩踏み込んでAI業界に入ってみたい、興味がある人は挑戦してみてもよいかもしれません。

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この記事の監修

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