AIの勉強方法は?AIの重要性や勉強するメリットについても徹底解説

最終更新日:2024年1月19日

昨今、社会ではさまざまなデータが取り扱われるようになりました。多くのデータが蓄積され、多様な分析が行われています。そうした分析や予測に使われている技術がAI(人工知能)です。今後、AIの活用はますます広がっていくと予想され、AIに関する知識やスキルを持つエンジニアの需要も高まっています。仕事の幅を広げるために、これからAIを勉強しようと考えているITエンジニアの方も多いでしょう。
そこで当記事では、AIを勉強する方法について詳しく解説します。AIを勉強するメリットや具体的なステップ、AIエンジニアへの転職で役立つ資格などをまとめましたので、AIに興味がある方はぜひ参考にしてください。

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この記事のまとめ

  • AIは進化しており、さまざまな場面での活用が広がっている
  • AIの重要性は増しており、AIを勉強することには高い意義があるといってよい
  • AIのスキルを習得するためには、ステップを踏んで勉強を進めることが重要。資格取得も転職に役立つ可能性がある

AIとは

AI(人工知能)とは、コンピューター・ソフトウェアが人間の知能や認知能力を模倣、または模倣しようとする技術です。機械学習、深層学習(ディープラーニング)、自然言語処理(生成AI)、画像認識などのさまざまな技術や手法を組み合わせてAIが実現されます。

AIの目的は、問題解決・情報収集・意思決定・学習・認識・言語理解・対話など、人間のあらゆる知的能力をコンピューターで再現し、人間を支援することです。最新のAIは、従来のアルゴリズム手法だけではなく、機械学習やディープラーニングなどの最新の手法を導入し、より複雑で柔軟なタスクに対応できるようになりました。

たとえば、画像認識では、ディープラーニングを使って写真やビデオ内のオブジェクトやパターンを認識できます。自然言語処理では、言語データを理解して文章を生成または文脈の意味を理解することが可能です。これらの技術は、医療診断や自動運転、チャットボットなどのカスタマーサービス、製造業、金融など幅広い分野で活用が広がっています。

関連記事:AIエンジニアとは?仕事内容や必要なスキル、年収の相場を解説

AIの重要性

AIは、さまざまな分野で革新的に進歩し、多くの社会的・経済的メリットをもたらす可能性があります。なぜ重要性が高まっているのか、AIが与える影響について解説します。

効率化と生産性の向上

AIはタスクの自動化を可能とし、人が行うよりも速く正確に作業をこなせます。今後、機械学習やディープラーニングの適用範囲がさらに広がれば、さまざまな分野で生産性が向上するでしょう。また、単純な作業をAIに任せられるため、人はより複雑で創造的な仕事に集中できるようになります。

医療と科学研究の進歩

AIは医療診断や治療計画の最適化、新しい薬の発見、生物学的なパターンの解析など、医療や科学の分野での進歩に寄与しています。たとえば、医療診断では、CTやレントゲンの画像から人の目では見落としてしまうような病症をAIで発見できるケースが報告されています。

予測によるリスクの軽減

AIの予測によりリスクを事前に察知でき、災害対応・セキュリティの向上・シミュレーションなどを効果的に行うことが可能です。たとえば、自然災害対応では、河川氾濫や津波のシミュレーションにAIの機能を加えることで、より正確に災害地域を予測・把握できます。

データの活用

AIは大量のデータを解析してパターンを見つけることが得意なため、意思決定をサポートできます。企業や組織は、データを活用して正確な戦略を立てていくデータドリブン経営が可能です。

一方で、AIの普及には倫理的、社会的な課題も伴うと考えられています。AIに任せきりにするのではなく、たとえば差別・ジェンダーなどのナーバスな課題には人間が適切に対応する必要があるでしょう。

AIを勉強するメリット

AIは将来性があるためAIを勉強することはさまざまなメリットがあります。ここでは主なメリットを紹介します。

社会でAIを活用できるようになる

AIを勉強して活用方法を理解できれば、自社の事業にAIをどのように適用するか、自身の仕事にどう活用していくかなどを想定できるようになります。
また、いまある情報・人材・事業やデータなどを、AIを軸とするテクノロジーに関連付けることで、新しい事業やサービスの創出につながるでしょう。さらに、競合との差別化を図れる、既存の商品に新しい価値を生み出せるなどの効果も期待できます。

市場価値を高められる

自身の市場価値を高められる点も、AIを勉強する大きなメリットです。IT人材の需要は、IT技術の進化と共に伸び続けています。
経済産業省が平成28年6月に公表した(※)「IT人材の最新動向と将来推計に関する調査1」によると、2030年にはIT人材が最大で約79万人不足する見込みです。新しいビジネスの担い手としてAIやビッグデータを使いこなし、付加価値の創出や革新的な効率化を実現できるITエンジニアの需要は、今後より高まると考えられます。
こうした背景からも、AIを学ぶことはエンジニアとしてキャリアアップする有効な手段といえるでしょう。

参考:経済産業省「IT 人材需給に関する調査」のP5より

高年収の可能性がある

機械学習やディープラーニングなどの高度なスキルを持つAIエンジニアの価値は年々高まっています。そのため、AIのスキルを習得すれば、高年収を得られる可能性があります。
経済産業省が公表した「我が国におけるIT人材の動向」によると、AIエンジニアの平均年収は450万~700万円となっており、一般的な給与所得者の平均よりもやや高めです。

近年では、AIを導入して業務を最適化したり、経営の判断にAIによるデータ分析を活用したりする企業が増えており、AIエンジニアの需要と市場価値はさらに高まっていくと想定されます。

参考:経済産業省「我が国におけるIT人材の動向」のP4より

AIを勉強する際のステップ

ここでは、AIを勉強する際の基本的なステップを紹介します。ただし、AIは幅広い分野から成り立っており、興味や目標によって学習する内容は変化します。

基本的な数学・統計の理解

数学や統計の基本的な知識があると、機械学習やディープラーニングを理解しやすくなります。必須ではありませんが、線形代数、微積分、確率論などの基本的な数学や統計の知識を身に付けておくとよいでしょう。

プログラミングスキルの向上

AIの実装にはPythonが一般的に使われています。PythonにはAIに関するライブラリが多数ありますが、特にNumPy、Pandas、Scikit-learn、TensorFlow、PyTorchなどを覚えておくと役立つでしょう。

機械学習の基礎知識の習得

機械学習の理論やアルゴリズムについての学習が必要です。まず、教師あり学習、教師なし学習、強化学習などの基本的な概念から理解していくとよいでしょう。

ディープラーニングの理解

ディープラーニング(Deep Learning)は機械学習の一分野であり、人間の脳を模したニューラルネットワークを用いて複雑なパターンや特徴を学習する手法です。ニューラルネットワークの基本的な概念を学び、TensorFlowやPyTorchなどのライブラリを使ったコーディング経験を積むとよいでしょう。

小さなプロジェクトを実践してみる

ここまで勉強したら、覚えた知識を小さなプロジェクトとして実践してみるのがおすすめです。自身で機械学習やディープラーニングによるAIモデルを構築し、実際に公開されているデータセットなどを活用して学習させ、構築したAIモデルを評価してみると理解が深まります。

学習コミュニティへの参加

AIは広範囲の分野使われているほか、進歩も早いため学び続けることが重要です。オンライン・オフラインのコミュニティや勉強会イベント、フォーラムなどに参加し、専門家やほかのAIエンジニアと交流して知識・スキルを深めるとよいでしょう。

最新の技術やトレンド情報のフォロー

AIは急速に進化しています。たとえば、今トレンドの生成AIも、多くのベンダーが次々と新しい技術やバージョンをリリースしています。そのため、AIに関する最新のトピックやツールなどの情報を常にフォローすることが重要です。

前述のとおり、これらのステップはあくまで基本的なものであり、学びたい分野や深めたいスキルによって具体的な進め方は異なります。自分の目標や興味に合わせて、計画的に学習を進めましょう。

AIの勉強方法

AIの勉強を効率的に進めるための方法を紹介します。これらの勉強方法を、自身のスキルレベルに合わせて組み合わせることで、基本的な知識や実践的なスキルが身に付くでしょう。

書籍を活用して学習する

「そもそもAIがどういうものかわからない」「まずは気軽にAI・プログラミングの世界に入ってみたい」という初心者の場合、まずは書籍(参考書)を活用して勉強する方法がおすすめです。
書籍での独学には、時間に縛られず自分のペースで学習できる、勉強を始めるためのコスト(初期費用)が少ないなどのメリットがあります。また、ネット上にある無料の教材・サイトと比べて情報の信頼性が高い点も魅力です。

Web教材・スクールを活用する

経験者の方や学習意欲が高い方は、有料のWeb教材や、AIの専門コースがあるスクールを利用するとよいでしょう。必要な知識を体系的に習得できるようにカリキュラムが組まれているため、書籍での独学よりも学習を効率よく進められます。

コミュニティ・勉強会イベントなどに参加する

AIの勉強にまとまった学習時間を確保できる場合は、さまざまなコミュニティ・勉強会イベントに参加してみましょう。講師や受講者同士で会話をしながら勉強できるため、独学では挫折しやすい方にも向いています。
代表的なコミュニティはDoorkeeperTECH PLAYconnpassなどです。

関連記事:AIエンジニアに未経験から転職可能?必要な知識・スキルも紹介

AIエンジニアへの転職で役立つ資格

最後に、AIエンジニアへの転職で役立つ資格を紹介します。AIエンジニアになるために資格は必須ではありませんが、AIに関する知識・スキルがあることを証明できるため、転職活動で有利となる可能性があります。(※記載の情報は2023年12月現在)

G検定・E資格

G検定・E資格は、一般社団法人日本ディープラーニング協会(JDLA)が運営するAIエンジニア向けの資格試験です。

G検定

G検定のGはジェネラリスト(Generalist)を意味しており、AIの全般的な知識を持つことを認定します。ディープラーニングを活用する人材、ジェネラリスト向けの検定です。AIの限界を知り、ビジネスサイドの要求を要件定義することや、システム構築のためにエンジニアと連携を取る際の知識・スキルが問われます。

受験料 一般:13,200円(税込)学生:5,500円(税込)
合格ライン 非公表
合格率 2023年度試験で65%~72%程度
受験方法 オンライン実施(自宅受験)
試験形式 コンピュータベーストテスト(CBT)
出題形式 選択問題
試験時間 120 分
出題数 200問程度
E資格

E資格のEはエンジニア(Engineer)を意味しており、AIを実装する人材・エンジニア向けの資格です。ディープラーニングの理論を理解し、適切な手法を選択して実装する能力や知識を保有していることを認定する資格です。E資格では実際にディープラーニングを実装し、システムを構築できるスキルが求められます。
なお、受験資格としてJDLA認定プログラムのいずれかを試験日の過去2年以内に修了していることが求められます。

受験料 一般33,000円(税込)学生22,000円(税込)
協会会員27,500円 (税込)
合格ライン 非公表
合格率 2023年度試験で68%~72%程度
受験方法 会場試験
試験形式 コンピュータベーストテスト(CBT)
出題形式 選択問題
試験時間 120 分
出題数 100問程度

Pythonエンジニア認定試験

Pythonエンジニア認定試験は、一般社団法人Pythonエンジニア育成推進協会が運営するAIエンジニア向けの資格試験です。Python3エンジニア認定基礎試験、Python 3 エンジニア認定データ分析試験、Python 3エンジニア認定実践試験があります。

Python3エンジニア認定基礎試験は、AI構築時によく使われるPythonの基本文法やデータ構造、制御構造ツールについて問われる試験です。Pythonエンジニアとしての基本スキルがあることを証明します。

受験料 一般11,000円(税込) 学生 5,500円(税込)
合格ライン 70%
合格率 2023年度試験で68%~72%程度
受験方法 会場試験
試験形式 コンピュータベーストテスト(CBT)
出題形式 選択問題
試験時間 60 分
出題数 40問

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