ゲームプランナーの転職ポイント|市場状況や面接のアピール例も紹介

最終更新日:2024年8月19日

ゲームプランナーとは、ゲームの企画立案から実際の制作、リリース後の収益分析まで幅広く貢献する職種です。注目を集めるゲーム業界は今人気の職種でもあり、転職を考えている人や他業界からの就職を検討する人も多いでしょう。そこで、ゲームプランナーになりたいと思っている人や転職したい人に向けて、転職時に評価されるスキルや年収アップの条件などを解説します。

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この記事のまとめ

  • ゲームプランナーはゲームの企画立案、仕様書作成、開発プロジェクトの進行、リリース後の反響リサーチ、分析改善などの業務を行う
  • ゲームプランナーはほかの職種やAIが代替しにくい職種であり、将来性のある職種といえる
  • ゲームプランナーを募集している企業では、ゲームの企画書の提出を歓迎もしくは必須としており、企画書の完成度が転職成功のカギを握る

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ゲームプランナーとは

ゲームプランナーはゲーム作りにおいてゲームの全体像を考える役割を担います。ゲームの企画立案をはじめ仕様書の作成や開発プロジェクトの進行、ゲームリリース後の反響リサーチ、分析改善などの業務を行います。

直接的に手を動かしてゲームを作るゲームプログラマーやゲームデザイナー、プロジェクト管理を行うゲームディレクターなどと協力しながら仕事をします。

関連記事:ゲームプランナーとは?仕事内容、年収や求められるスキルも解説

ゲームプランナーの仕事内容

ゲームプランナーの仕事内容は幅広いですが、具体的にどのような業務があるのでしょうか。今回は大きく5つのフェーズに分けて解説します。

企画立案

どのようなゲームを作るのか、テーマやコンセプトといった骨組みを検討します。ゲームのジャンルや世界観はもちろんですが、どのプラットフォームにするのかも重要な要素になるでしょう。企画立案の段階では技術的な知識や経験よりも、クリエイティブなスキルのほうが重視されるといっても過言ではありません。

企画立案の時点でこれから開発するゲームの方向性が決まるため、面白さやユーザーの満足度を大きく左右する重要なフェーズといえるでしょう。

仕様書作成

企画したゲームをどのように開発していくかを検討し、仕様書を作成します。仕様書とはゲームの設計図のようなものです。ゲーム開発に限らず、あらゆるシステム開発の現場ではSEやプロジェクトマネージャー、プロジェクトリーダーが仕様書を作成し開発現場に落とし込みます。

プログラマーは仕様書に沿ってゲームを開発していくため、仕様書に誤りがあると当初立案したゲームとは異なるものが完成してしまいます

制作(実装)の支援

制作のフェーズでは、主にプログラマーやデザイナーなどが手を動かして形にしていきます。しかし、仕様書通りに開発を進めていても、判断に迷う部分が出てくるものです。そのような場合には、ゲームプランナーに判断を仰ぎ、開発の方向性を都度確認しながら進めていくことになります。

動作確認

制作のフェーズが終了し、成果物としてゲームが仕上がってきたら、動作確認をして不具合がないかを検証します。デバッグやテストプレイともよばれるフェーズで、この部分のチェックが甘いとユーザーからのクレームが発生することもあるため入念な確認が求められます。

運用(分析・改善)

ゲームが完成し一般ユーザー向けにリリースされた後も、ゲームプランナーはユーザーの動向を分析し改善していくことが求められます。特に最近主流となっているオンラインゲームやソーシャルゲームは、ユーザーの動向を詳細に把握できます。

たとえば、リリース直後は多くのユーザーがプレイしていたものの、その後日数が経過するごとに減少していった場合、どの場面で離脱するユーザーが多いのかを検証し、改善につなげることもできます。また、季節やイベントに合わせて期間限定で有料コンテンツを無料にするなどのキャンペーンを展開するケースもあります。

ゲームプランナーとゲームクリエイターの違い

ゲームプランナーは、ゲーム開発において全体の進行に関わる職種です。特にゲームの企画においては中心となって企画を考えます。一方で、ゲームクリエイターはゲームに関わる職種全般を指します。

ゲームプランナー、ゲームディレクター、ゲームプログラマー、ゲームデザイナー、ゲームシナリオライターなどの職種はすべてゲームクリエイターのうちの一つです。

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ゲームプランナーの転職市場|需要と将来性

ゲームプランナーとして転職を考えている人向けに、転職の実情とプランナーの需要、ゲーム業界の将来性について解説します。まず業界動向サーチによると、ゲーム業界の市場規模は右肩上がりに推移しています。2022年から2023年の成長率は13.5%で、業界規模は7.7兆円拡大しました。

またゲーム大手5社の売上高は右肩上がりに推移していて、特に2022年にかけてネクソンの売上高は大幅に上昇しています。

引用 : 業界動向サーチ「ゲーム大手5社の売上高の推移」

2021年頃から半導体不足によってゲーム機の売上が鈍化しましたが、2022年には半導体不足が解消され、ゲーム機の販売数も増加しました。ゲーム業界は全体的に成長傾向にあります。次にゲーム会社のタイプなどについて解説していきます。

ゲーム会社のタイプ

ゲームユーザーも複数の分類に分けられるのと同様、ゲーム会社も複数の分類に分けられます。一言でゲーム開発といっても、どのタイプの企業に入るかによって、開発するゲームも変わってきます。それぞれのタイプの特徴を理解しておきましょう。

総合ゲーム企業

総合ゲーム企業は、コンシューマー向けゲームのハードウェアとソフトウェア両方を開発・販売している企業です。代表的な企業としては、PlayStationを手がけるソニー、Nintendo Switchを手がける任天堂など、大企業が多く存在するタイプです。

ゲームソフト企業

ゲームソフト企業は、携帯型ゲーム機や据え置き型ゲーム機といった家庭用ゲーム機のソフトのほか、オンラインゲームの開発・販売を手がけている企業です。代表的な企業はスクウェア・エニックスやカプコン、コナミなどが挙げられます。

アプリゲーム企業

アプリゲーム企業は、モバイル端末で動くアプリゲームを開発している企業です。代表的な企業はDeNAやグリー、ガンホーなどがあります。

ゲームプランナーの需要と将来性

ゲームプランナーは業務が幅広いため、その役割のすべてを別職種でカバーするのは難しいです。直接的なゲーム開発や間接的な管理は他職種でカバーできても、ゲームプランナーの重要な役割であるゲームの企画やマーケティング部分はほかの職種で代替するのは難しいでしょう。ゲームシナリオライターは企画に近いですが、ゲームに落とし込むための指示などが必要です。

結果的に、ゲームプランナーはほかの職種にもAIにも代替しにくい職種です。ゲームの需要は今後も続く可能性が高いため、ゲームプランナーは将来性のある職種といえます。

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ゲームプランナーの年収と求人例

レバテックキャリアの求人によると、ゲームプランナーの平均年収は500万円〜700万円程度です。ただし年収350万円程度の募集もあれば、1,000万円以上での募集もあります。同じゲームプランナーでもスキルや経験によって年収は大幅に変わってくるということです。ゲームプランナーとして成長すれば、高年収を期待できます。

関連記事:ゲームプランナーが持っておくと良い資格と仕事に必要なスキル

コンシューマーゲーム開発企業の求人・年収例

コンシューマーゲーム開発におけるゲームプランナーの案件は募集件数が少なく、企業によっても年収の幅は大きいです。また、経験によっても年収の幅は大きく、ゲームプランナーというポジションだからといって必ずしも高年収につながるとは限らないのも事実です。

【想定年収】300~800万円
【業務内容】
・外部発注や人材調達の経験
・プレゼンテーションスキル
・ハードウェアの知識(コンシューマ機向けタイトルの場合)
・プログラミングスキル

ソーシャルゲーム開発企業の求人・年収例

コンシューマーゲーム開発企業と同様、ソーシャルゲーム業界も年収幅は大きい傾向があります。特にゲーム業界に憧れて志望するケースは多く、ライバルとの競争の中で勝ち残っていかなければならない厳しい世界といえるでしょう。

【想定年収】350~700万円
【業務内容】
・ソーシャルゲーム開発におけるプロジェクト管理
・渉外対応
【必要なスキル・経験】
・企画立案、仕様書作成、開発進行の実務経験
・Unityでの開発経験
・能動的に動ける方

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ゲームプランナーの転職で評価されるスキル、経験

ゲームプランナーとして転職する場合、どのようなスキルや経験が評価されるのでしょうか。「期待される人材像」は未経験者と経験者で異なります。たとえば未経験者は最低限必要な能力として数字に強いことが求められますが、経験者はさらに売上を上げられる人が求められます。以下では経験者、未経験者に求められるスキルについてより細分化して解説していきます。

経験者の場合

経験者の場合は、ベースとなるスキルとして「企画力」「コミュニケーションスキル」「調査、分析スキル」が必須です。これら以外にも、次のようなスキル・経験が評価されるでしょう。

シナリオ作成、添削のスキル

ゲームの根幹をなすストーリーや世界観、背景などを考案し、シナリオとして仕上げるスキルです。また、シナリオをほかの社員や外部のライターに発注する場合は、添削のスキルも求められます。

シナリオに沿った演出を考案するスキル

キャラクターやストーリーを魅力的に見せる演出を考案します。プレイヤーが感じる「面白さ」を最大化できるように、セリフの大きさや動きのエフェクトなどを仕様としてまとめていきます。作業としては、ト書きや香盤表の作成、演出用素材の発注などが含まれます。

KPIの設定、KPIを用いたゲーム内イベントの企画、運用経験

ゲームが正式にリリースされた後は、DL数、ログイン数、収益などを継続的に監視・改善していく必要があります。具体的には、次のようなKPIを設定し、ゲーム内イベントの企画・運用に役立てます。

  • 「DAU」…その日に活動していたユーザー数

    「ARPPU」…課金ユーザーの平均課金額

    「ARPU」…当日ログインユーザーの平均課金額

    「PU」…課金ユーザー数

    「PUR」…課金率

実際にはこれらのKPIを監視するだけでなく、収益改善につなげるアイディア力が求められます。転職時には「KPIをどのように理解し、どういう施策(PDCA)で収益拡大に寄与したか」という視点が評価されるでしょう。

未経験者の場合

未経験者の場合は、まずはアシスタントやプログラマーといったポジションで採用され、適性を見ながらゲームプランナーへと昇格するケースが大半です。そのため、まずはアシスタントといった他職種で働きながらゲームプランナーとしての適性をアピールしていきましょう。

ゲーム開発プロジェクトにおける経験

コーダー、スクリプター、デザイナー、シナリオライターなどゲームプランナー以外のポジションでプロジェクトに参画した経験は評価の対象になります。ゲームプランナーの業務領域はこういったポジションと重複しているため、プランナー自体の経験が無くても「下地はできている」という評価に繋がります。また、基礎レベルのプログラミングスキルがあれば、より評価は高まるでしょう。

チームマネジメント経験

ゲームプランナーは社内外のスタッフを取りまとめてゲームの制作・運営に携わります。したがって、チームマネジメントの経験があれば、適性をアピールできるチャンスです。

チームを取りまとめるうえで工夫したことや、課題をどう解決したかなどをエピソードとしてアピールできるようにしておきましょう。

数値分析の経験

他業界・職種でKPIの設定・運用経験があれば、ぜひアピールすべきです。ゲームプランナーは、複数のKPIを設定・運用しながらゲームの収益向上を目指すため、数値分析の経験は強みになります。

ゲームプランナーの業務と直結しないように思えても、理系出身、統計学専攻、ゲーム業界でなくてもエンジニア経験がある、といった人は評価されやすい傾向があります。またゲームとは無関係な業務でも、データや数値を元に問題解決したような経験があるとアピールに役立つはずです。

共通して必要なスキル

経験者、未経験者に関わらず、必須のスキルがいくつかあります。ゲームプランナーは一人で完結する仕事が少ないため、チームとのやり取りを円滑に行うソフトスキルやアイデア力などを常日ごろから意識しておくとよいでしょう。いくつかの大切な能力について紹介します。

コミュニケーションスキル

ゲームプランナーは業務上、上層部と現場を結ぶ中間管理職のポジションにつくことが多いです。役職や職種、年齢を問わずさまざまな人とかかわるため、業務を的確に進めるには会話力や周りの様子を汲み取る観察力など、コミュニケーションスキルが大切になります。

論理的思考力

ゲームの企画は一度チーム内で共有し、次に上層部に提案・プレゼンを行います。このとき自分のアイデアや方向性を分かりやすく伝える必要があるため、論理的思考力は持っておきたいスキルです。
すぐに身につくスキルではないため、啓発本やセミナーを通じて会得する人もいます。

発想力

ゲームプランナーはクリエイティブな仕事であり、ゼロから何かを生み出すこともあります。どんな仕事でも「どうやって面白くするか」「注目度の高い製品を生み出すか」を考えるには発想力が必要です。

この発想力とは自由に奇抜なアイデアを出せばいいというわけではなく、発想が現実的かどうか、需要を考慮できているかなど論理的な思考をもとに考えることを指します。

調査・分析力

ゲームプランナーは売れるゲームを考える必要があります。そのためには、どのようなゲームに需要があり、どのようなゲームを作れば売れるのかを調査・分析することが必須です。またゲームは一時的に売れれば良いわけではなく、長期的な売上も考える必要があります。現在のトレンドから分析して先のトレンドまで予測していく必要があるということです。

プログラミングに関する知識

ゲームプランナーは企画するだけが業務ではありません。仕様書を作成しプログラマーが作業に取り掛かりやすくなるように管理を行う必要もあります。

ゲームプログラマーほどの知識と技術がなくても、プログラミングに関する知識は持っておくと業務がスムーズに進められます。プログラマーとのやり取りもしやすくなるため、まずは基本的なプログラミングを理解しておきましょう。

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ゲームプランナーの転職で評価されるマインド

ゲームプランナーの経験有無を問わず、転職で重要なのは本人の気持ちやマインドです。高いスキルや知識、豊富な経験があったとしても、マインドが低いと良いゲームを作ることはできません。

では、ゲームプランナーとして転職を希望する場合、具体的にどのようなマインドが評価されるのでしょうか。今回は3つの例をもとに紹介します。

ユーザーに楽しんでもらおうとする気持ち

ゲームは個人の趣味や嗜好に左右されるものであり、面白さが価値を決めるといっても過言ではありません。どのようなゲームが面白いと感じてもらえるのか、答えは一つではなく、事前に予測することもできません。そのため、ゲームを開発する側は、ユーザーに楽しんでもらうためにさまざまなアイデアやプランを検討する必要があります。

ゲーム開発の経験が豊富でも、必ず面白いゲームが量産できるとは限りません。開発が未経験でも、ゲームの魅力を知り尽くしているユーザーのほうが斬新なアイデアをもっているケースは少なくないでしょう。

さらに、ゲームに没頭してもらうための要素として、キャラクターや背景のビジュアルにこだわったり、操作しやすいユーザーインターフェースにこだわったりと、さまざまな配慮が求められることも事実です。

実現可能な方法や代案を考える柔軟性

面白いゲームの開発にあたっては、技術的に実現が難しい課題に直面することもあるでしょう。また、技術的に可能ではあるものの、莫大な開発コストがかかり実現が難しいケースも想定されます。このような状況に陥ったとき、ゲームプランナーは開発現場の負担を軽減するために、ほかの方法を模索したり代替案を提示する必要があります。

一つの方法にこだわりすぎず、開発現場に過度な負担をかけることなく方向性を変えられる柔軟な考え方もゲームプランナーにとっては重要な要素といえるでしょう。

現状を分析して継続的に改善していく姿勢

ゲーム開発は、リリースして終わりではありません。不具合修正や機能追加などで継続してバージョンアップを行うほか、プロモーションを実施し、より多くのユーザーから継続して楽しんでもらえるようにしていかなければなりません。

そのため、活動において状況を分析し、問題点を見つけ改善していくマインドが大切です。たとえばゲームリリース時の売上状況や年代別ユーザー層などのデータを分析しながら、キャンペーンなどの対応を打ち出し売上を促進するなどがあげられます。このように、日頃から状況を改善していける要素は、転職で高い評価を得られるでしょう。

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未経験からゲームプランナーになるには

未経験者がゲームプランナーを目指す一般的な方法には、ゲーム制作会社などのゲーム関連企業に転職する方法があります。しかし、いきなりゲームプランナーとして採用されることはほとんどないでしょう。何らかの職種でゲーム業界の業務を経験した上で、ゲームプランナーにキャリアアップする流れとなります。ここでは、未経験からゲームプランナーになるための方法を4つ解説します。

関連記事:
未経験からゲームプランナーになるには?必要スキルやキャリアパス、求人例を解説
ゲームプランナーになるには?年収や必要なスキル、資格も解説

ゲームプランナーのサポート業務を経験する

ゲームプランナーの仕事は幅広いため、ゲームプランナーのサポートメンバーとして業務を経験する方法です。ゲームプランナーには何名かのサポートがついているケースが多いため、そのサポートメンバーとなりキャリアを積み重ねながら目指します

キャリアを積み重ねていくうちに、ゲームプランナーとしての業務をそのまま経験できるので、大変有効な方法です。

社内でキャリアアップしてゲームプランナーを目指す

アシスタントやプログラマーなどゲーム関連の他職種として働き、数年の経験ののち昇進によってゲームプランナーを目指す方法です。モデリングやプログラミングなどの実装作業の経験があれば、さまざまなゲーム開発プロジェクトに呼ばれるようになり、キャリアアップの道が拓けてきます。

昨今のゲーム業界では、ゲームプランナーに対して明確なキャリアパスを設けていません。プログラマーやアシスタントとして複数のプロジェクトに参画していた人材が結果的にプランナー業務も任されるケースも少なくありません。

したがって、まずはプログラミングスキルや数値分析スキルなど、ゲーム開発・運用で広く求められるスキルを身につけておくことが大切です。

デバッガーのアルバイトからキャリアアップという道も

ゲーム会社ではアルバイトとして実際にゲームを遊んで不備や不足箇所を洗い出すデバッガーを募集していることがあります。デバッガーは主にアルバイトとして募集がされており、デバッガーを足がかりに技術力や企画力を身につけてキャリアアップしていく方法もあるでしょう。

実際にデバッガーからゲームプランナーにキャリアアップした人も大勢いるため、実現不可能なことではありません。

専門学校に通い転職・就職を目指す

ゲームプランナー養成のための専門学校に通い、必要なスキルを身につけたうえでゲーム会社に就職する道もあります。
ゲーム制作の全体の流れ、企画書や仕様書の作成などゲームプランナーとして必要となる知識や経験を身につけられます。

また、専門学校の強みとして就職に強い面があります。専門学校では関連する資格を取得できるだけでなく、ゲーム会社への就職について手厚い支援をしてくれる学校もあります。そのため、スキルも経験もない状態からゲーム会社へ転職を行うよりも、スムーズに就職できる可能性が高いです。

転職エージェントを活用する

転職エージェントを活用することで、自分に合った企業に転職しやすくなります。自分で求人サイトを見て企業を探すのも良いですが、転職エージェントの力を借りた方が失敗は少ないはずです。業界未経験の場合は特に企業を見定めるのが難しいので、転職エージェントの力が役立ちます。

また、転職エージェントは書類や面接の対策を手伝ってくれる場合が多いです。客観的な視点で対策ができる点でも、転職エージェントを利用するメリットがあります。

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ゲームプランナーの転職面接でのアピールポイント

ゲームプランナーは直接的に手を動かしてゲームを作る職種ではないので、何をアピールすべきか迷ってしまうこともあるでしょう。同じようなスキル、経験を持つ人材であっても、それをどのようにアピールするかによって採用結果に大幅に影響してきます。適切なスキルを身につけることと同時に、それをいかにアピールするのかにも力を入れてください。

個人作成の企画書を用意しておく

ゲームプランナーを募集している企業では、ゲームの企画書の提出を歓迎もしくは必須としているところがあり、熱意や魅力を伝えられれば採用に近づきます。熱意を持って企画書を作成しておきましょう。

【未経験者向け】企画書作成のコツ

企画書の骨子として抑えるべき点が次の6つです。

  • ・ゲームタイトル

    ・ゲームジャンル

    ・開発機種

    ・ターゲット層

    ・ゲームの内容

    ・ゲームの魅力

まずゲームタイトルは企画の看板になる部分であるため、素っ気ないものやコピーしたようなものではいけません。また、タイトルだけでなくイメージに沿った絵があると伝わりやすくなります。

ゲームジャンルはそのゲームをどんなゲームにするのかを伝える項目です。シューティングやアクション、RPGなどの大きな方向性を示します。

開発機種は応募した企業に応じて変える必要があります。PlayStation系のソフトを出している企業に、任天堂系の企画を持っていってしまっては、企業に対して理解していないことを伝える結果になってしまいます。

ターゲット層についてはどんな人に遊んでもらうことを想定するかを記載します。子供向けや大人向け、男性か女性に向けたものかを決めます。

ゲームの内容は企画書の肝になる部分です。これまでに自分が遊んで面白かったシステムやストーリー性などを真似て盛り込んでいきましょう。独自のシステムにこだわりすぎずに内容を分かりやすく伝えることを意識しましょう。

ゲームの魅力は遊ぶ人にとってどんな魅力があれば目を引くかを書いていきます。

消費者視点ではなく制作者視点で話をする

ゲームプランナーはゲームを制作することが仕事です。そのため、ユーザー視点ではなく制作する側の視点で話を進めることが極めて重要なポイントといえるでしょう。

たとえば「○○のゲームは○○なところが面白いと感じた」というのはユーザー視点ですが、「○○のゲームはシナリオやグラフィックにこだわりが感じられた。一方で○○の部分が改善されるとさらに多くのユーザーに楽しんでもらえると感じた」などのように、具体性をもって話を進めると説得力が増します。

前職で得たスキルをどう活かせるかをアピールする

たとえばデザイナーとして活躍してきた方であれば、ゲームのグラフィックデザインに役立てることができるでしょう。また、プログラマーとして活躍してきた方であれば、ゲームプログラマーと専門的なコミュニケーションも取りやすくなるはずです。

ゲームプランナーの仕事内容を調べておき、自身がもっているスキルと照らし合わせ、役立つシチュエーションを想定してみるのが重要です。もし、アピールできるようなスキルがない場合には、スキルを証明できるような資格に挑戦してみるのもおすすめです。

前職で得たスキルのアピール例

前職で得たスキルをゲームプランナーの仕事に活かせる場合のアピール例です。

私は前職ではWebディレクターとして、ユーザーニーズについて深く考えてきました。どのページにどれだけアクセスされているか、どのくらいで離脱しているのかなどを数値分析し、数値にもとづいて改善点を考え、実際に売上も大幅に向上させています。自身の主観や直観が重要になる場面もありますが、数値をもとに思い込みを排除してプロジェクトを進めることが重要と考えています。ゲームプランナーとしても、前職で培った経験、考え方は活かせると確信しております。

前職でのスキル、経験、考え方をいかにゲームプランナーとしての仕事に活かしていくかをアピールしています。ゲームが好き、ゲームのことを考えたい、といった消費者目線に近いアピールだと実務のアピールとしては弱いので、制作者として何ができるかをアピールしてください。

経験者は収益性への関心をアピールする

ゲームの収益に関心があることをアピールできれば、会社の利益に貢献する意欲がある人間として興味を持たれます。たとえば、担当したゲームのストアランキングやKPIなどの推移への関心や、他社の売上動向などについてアピールできると良いでしょう。

収益性への関心のアピール例

ゲーム制作会社にとってゲームは商品です。消費者に喜んでもらう、価値を感じてもらう、といったことは重要ですが、最終的なゴールは当然収益です。言い換えれば、面白いゲームでも収益につながる設計になっていないと評価としては下がるでしょう。そこで、収益性への関心をアピールすると良いです。

私は前職では誰もが知っているような大ヒットゲームアプリこそ作っていないものの、平均的に高い収益につなげています。現在の市場で真っ向勝負をしようとすると、莫大な制作費がかかるケースが多いでしょう。そこで私は制作コストを抑えながら、ニッチかつ需要のある分野でコアなファンを作ることに重きを置いています。競合が弱い分野でコアなファンを作れると、大きな制作費をかけたゲームアプリでなくても一人一人のファンが平均的に高いコストをかけてくれることは立証済みです。今後もニーズ分析、競合分析に力を入れ、費用対効果の高いゲームアプリを提案していきます。

大手企業の凄腕ゲームプランナーであれば大きな制作費をかけて常にホームランを狙うようなゲーム作りも可能かもしれません。しかし多くの場合このようなゲームアプリ開発は現実的ではなく、費用対効果を考えて小ヒットを量産するような戦略の方が現実的な場合が多いでしょう。

ゲームプランナーとして壮大な夢を持つようなことも重要かもしれませんが、企業の収支も考える経営者視点は欠かせません。

逆質問を用意して熱意をアピールする

ほとんどの面接シーンで面接終了前に「〇〇さんからなにか質問はありますか?」という逆質問について聞かれます。仮にそれまでの面接が盛り上がらなくても逆質問の内容によっては熱意を伝える事ができます。自分が採用されたらどんなことが気になるかを想定して準備しておくとスムーズです。

ゲームプランナーの仕事に活かせる資格を取得しておく

ゲームプランナーに必須の資格はありませんが、資格を保有していることで業務に役立ちます。具体的なゲームプランナーにおすすめの資格について紹介します。

TOEIC

TOEICは数ある資格の中でも有名で、多くの職種の人が英語力を証明するために受験しているでしょう。ゲームは世界的にリリースするケースも多く、プロジェクトで英語圏の人と関わる場合や、英語圏のゲームのリサーチにも英語力が役立ちます。

特に海外で開発され日本でも人気のあるゲームについて把握することはとても大切です。また、日本のゲーム会社のなかでも海外に拠点をもち、ゲームを販売して高い人気を得ている企業もあります。海外のゲームユーザーとコミュニケーションを取るうえでも、英語ができるのは大きなメリットです。

情報収集やゲームの英語版を作るときに英語力が役立つので、TOEICの点数を上げておくことはゲームプランナーにとってメリットがあります。

マイクロソフトオフィススペシャリスト(MOS)

マイクロオフィススペシャリスト(MOS)は、マイクロソフトオフィスの製品を使いこなすスキルです。マイクロソフトオフィス製品は資料作成での使用頻度が高いため、ゲームプランナーにとって役立つ資格です。ゲームプランナーは企画資料の作成やプレゼンする機会があるため、分かりやすい資料作成のスキルは欠かせません。

ゲームの企画書や設計書の作成にはWordやExcel、提案資料にはPower Pointを使う機会が多いでしょう。オフィスソフトの機能をフル活用できれば、作業効率が上がるだけでなく相手に分かりやすく内容を伝えることができ、業務に役立ちます。

また、資料作成ツールは似ている部分が多いです。マイクロソフトオフィスの製品でなくてもスキルを役立てられるシーンはあるでしょう。

ITパスポート

ITパスポートは、IT業界の知識を幅広く問う内容になっています。IT業界の資格の中では難易度が低く、手軽に取得できる資格です。手軽に取得できるためそれほど評価は高くありませんが、広く浅く学習するのには役立つ資格です。

基本情報技術者

基本情報技術者は、IT業界で登竜門とされている資格です。国家資格の中では難易度は低いですが、プログラミングやコンピューターの仕組みに関する知識がない人にとっては難しいです。論理的にじっくり考えて解く問題もあります。

グラフィックデザインに関連する資格

メンバーに対して的確な指示を出すために、グラフィック関連の資格を持っておくと便利です。キャリアアップにも活用できるため、余裕があれば取得するとよいでしょう。 グラフィックデザインに関する資格は、以下のようなものが挙げられます。

どれも使用するツールやCG、映像表現技術のスキルや知識を証明するもので、ゲームプランナーとしての仕事だけでなくクリエイティブ職全般で役立つ基礎を身につけられます。

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ゲームプランナーのキャリアパス

ゲームプランナーとして経験を積むと、次のフェーズを目指すことができます。一般的にゲームプランナーのキャリアパスには「ゲームプロデューサー」「ゲームディレクター」が考えられるため、それぞれどんな仕事かをチェックしていきましょう。共通点としては、いずれもゲーム制作においてゲームプランナーよりも上流工程を担当し、広い視野を持つことが求められます。

ゲームプロデューサー

ゲームプロデューサーとは、ゲームの製作・企画だけでなく広報活動や方向性も決定する立場の仕事です。ゲームプランナーが現場に近い職業だとすると、プロデューサーはややマネジメント寄りの業務が増えます。

ゲームプロデューサーになるとゲームそのものの品質や面白さだけでなく、ニーズやPR方法なども戦略として考える必要があります。その分責任も多い役割ですが、プランナーよりも収入のアップや今後のビジョンも広がる仕事です。

ゲームディレクター

ゲームディレクターとは、プランナーやプログラマー、デザイナーなど各種クリエイターを束ねて全体を取り仕切るポジションです。現場監督といった役割を担うため、よりコミュニケーション能力と全体の進捗管理能力が必要になります。

ゲームディレクターになるとゲーム開発の現場以外にも携わることになるため、より深くゲーム制作を行いたい人にとっては目指したい立場といえます。

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ゲームプランナーからの転職先の選択肢

ゲームプランナーからの転職先には複数の選択肢があります。具体的にどの転職先が合っているのかは、これまでの経験や今後目指している方向性によって変わってきます。たとえばより上流工程でマネジメントを中心に携わりたい人もいれば、直接的に手を動かして開発する方が好きな人もいるでしょう。また制作対象も開発寄りのものもあれば、デザイン寄りのものもあります。

IT・Web業界

ゲームプランナーの経験を活かして、IT・Web業界で活躍することが可能です。特に、プロジェクトマネージャーやWebディレクターはゲームプランナーに近い役割を担っています。ただし、ゲームの知識をそのまま活かせるわけではなく、システムごとにそれぞれ知識が必要です。

プログラミングなどのスキルがある場合は、システムエンジニアやWebエンジニアとして転職する選択肢もあります。

グラフィック業界

グラフィック業界はゲーム業界に近い部分が多いです。CG技術があれば活躍できる機会も多いでしょう。ゲームプランナーの役割に近い職種はマネジメント寄りになりますが、別業界なのでいきなりマネージャー職種で転職するのは難しい傾向です。

その場合は、映像制作など直接的に手を動かしてグラフィックを作成する職種で転職するのが得策でしょう。そのためには、スキルを身に付ける必要があります。

イベント会社や広告代理店

イベント会社や広告代理店は企画力が求められます。そのため、ゲームプランナーとして行っていた企画のスキルが役立つ可能性があります。同様に、マネジメントスキルなども役立つでしょう。ただし業界が異なるので、業界ごとの仕事の進め方や、企画の内容も当然異なります。

イベント会社や広告代理店に転職する場合、マネジメント職種での入社は難しく営業職などになる可能性はあります。まずは営業職などで業界のことを知り、そこからマネジメントや企画ができる職種にステップアップする選択肢もあります。

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ゲームプランナーに関する質問

ゲームプランナーに関するよくある質問と回答を紹介します。ゲームプランナーは直接手を動かしてゲームを制作する職種ではなく、提案、分析、マネジメントなど幅広い観点からゲーム制作に携わる特徴を持ちます。そのため業務の詳細は参画するプロジェクトや企業によってかなり異なりますが、大枠でどのような職業なのか捉えておいてください。

Q1. ゲームプランナーの収入はいくらですか?

レバテックキャリアの求人情報によると、ゲームプランナーの年収は300万円〜1,200万円と大きな開きがあります。 平均年収だと500万円〜700万円程度となるでしょう。企業ごとの求人内容以外にその人がもつスキルや経験によって幅があるため、あくまで参考としてください。

Q2. ゲームプランナーにはどうすればなれますか?

ゲーム業界未経験では、業務サポートといったアシスタント、ゲームプログラマーなどの関連職種で実務経験を積み、ゲームプランナーへのキャリアアップを目指します。ほかにゲームプランナーの養成を目的とした専門学校に通い、必要なスキルを身につける方法もあります。専門学校によっては就職支援が受けられます。

Q3. ゲームプランナーに向いているのはどのような人ですか?

ゲームに対する情熱やものづくりへの愛着がある人、商業ベースだけでなくゲームプレイヤーの視点を持つことに長けた人が向いています。また、エンジニアの中でもチームで働くことが多いため、一人で仕事をこなすタイプというよりも周囲と的確なコミュニケーションを取れる人がゲームプランナーに適しています。

Q4. ゲームプランナーのやりがいや厳しさは何ですか?

ゲームプランナーのやりがいは、自分のアイデアをゲームで形にできることや、各制作メンバーと協力しながらプロジェクトを進められることでしょう。厳しさとしては、市場を分析して良いアイデアを出さなければならないことや、結果に対してはっきりと評価されることなどが挙げられます。

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まとめ

ゲームプランナーの概要や年収、将来性、必要なスキルなどを解説してきました。ゲームプランナーはクリエイティブな職業なので、他職種やAIなど最新技術に代わるリスクが低いです。企画やマネジメント、プログラミング、英語などさまざまなスキルが求められますが、その分、年収幅や活躍の場も広いといえるでしょう。

これからゲームプランナーを目指したい方はもちろん、転職先を探している人も、必要とされるスキルを磨き就職・転職を成功させましょう。

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この記事の監修

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