SQLの資格とは?メリットや資格の種類について詳細を解説!

最終更新日:2023年12月20日

近年、多くの企業においてさまざまな業務のデジタル化が進んでいます。大量のデータが取り扱われるようになったことで、データベースの重要性が高まり、SQLのスキルを持つエンジニアが求められています。データベースを扱うために欠かせないSQLの知識・スキルを身につけるために、SQLに関する資格の取得を目指している方も多いでしょう。
当記事では、SQLに興味を持っているエンジニア向けに、SQL資格の概要や取得するメリット、代表的なSQLの資格4選、SQLが使われる仕事、SQLの効果的な勉強方法について解説します。

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この記事のまとめ

  • システム開発においてデータ活用が求められており、データベースの重要度も高まっている
  • SQLの知識・スキルはデータベースを扱うエンジニアにとって必須であり、習得すればキャリアの幅が広がる
  • さまざまなSQLの資格があるため、よく検討して自分の業務に合った資格を選択するのが大切

SQLの資格とは

SQLとは、データベースのアクセスや定義を行うための言語です。1970年代にIBM社によって開発され、国際標準化機構(ISO)で規格が統一されています。そのため、SQLのスキルがあれば、ほぼすべてのデータベースを操作可能です。
SQLの資格とは、SQLの知識やスキルを証明するための資格であり、データベースの種類によってさまざまな資格があります。多くの企業でデータベースの重要性が高まっていることから、SQLの資格を持っていれば転職やキャリアアップに役立つでしょう

関連記事:SQLとは?言語の概要と種類をわかりやすく解説

SQLの資格を取得するメリット

SQLの資格を取得すると、実業務でのスキル向上や転職活動を行う際にもメリットがあります。

エンジニアのスキル向上とシステム開発の品質向上が期待できる

SQLの資格を取得することで、スキルアップはもちろん、質の高いシステム開発につながるメリットがあります。
システムを構築するには、C・PHP・Ruby・Pythonといったプログラミング言語の習得が不可欠であると同時に、SQLの学習も求められます。業務システムやWebサービス、人工知能の開発など、システムを開発する際にはほとんどのケースでデータベースを扱うためです。

SQLの知識・スキルを習得しておくことで、効率的なデータベースのテーブル構成やインデックスの設計や、システムに負荷をかけないSQLの構文で開発が可能になります。こうした面から、システムの品質が向上させられるといえるでしょう。

需要が高く転職活動で役立つ

あらゆる業務のデジタル化に伴い、ビッグデータの活用が進み、データの分析や加工などが行われる頻度も増えました。近年、ITエンジニアの需要は高く(※)、データベースの重要性も増しているため、SQLのスキルを持っていると転職活動で有利となる可能性があります。

参考:経済産業省IT人材需給に関する調査(P.20より)

スキルの証明ができる

どれだけ実力があっても、スキルをうまくアピールできなければ転職活動やキャリアアップはうまくいきません。資格があれば、SQLの知識やスキルがあることを客観的に証明できます。実力を明確かつ効果的に伝えられるため、採用担当者や上司に良い印象を与えられるでしょう。

代表的なSQLの資格4選

SQLの資格にはさまざまなものがありますが、ここでは代表的な4種類の資格を紹介します。(※情報は2023年11月現在)

ORACLE MASTER

ORACLE MASTERは、日本オラクル社が運営するベンダー資格です。
「データベースといえばOracle Database」といわれるほど、データベースの中では知名度が高い製品です。多くの企業がOracle Databaseを使用しているため、資格を取得するメリットは大きいでしょう
ORACLE MASTERは「Bronze」「Silver」「Gold」「Platinum」の4つのレベルがあります。「Bronze」から順に難易度が高くなります。初心者は、まず「Bronze」の取得を目指し、実務で慣れてきたら「Silver」以上の取得を検討すると良いでしょう。

これらとは別にOracleのSQL分野に特化したアプリケーション開発者およびデータサイエンティスト向けの「ORACLE MASTER Silver SQL 2019」という資格があります。この資格を受験するには、Oracle Database SQLの試験への合格が必須です。

以下では「Bronze」「Silver」および「SQL」の詳細を紹介します。

資格:ORACLE MASTER Bronze DBA 2019
試験:Bronze DBA Oracle Database Fundamentals

受験料 37,730円(税込)
合格ライン 65 %
合格率 非公表
受験方法 試験センター(通年)
試験形式 コンピュータベーストテスト(CBT)
出題形式 選択問題
試験時間 120 分
出題数 70問

資格:ORACLE MASTER Silver DBA 2019
試験:Oracle Database Administration I

受験料 37,730円(税込)
合格ライン 60 %
合格率 非公表
受験方法 試験センター(通年)
試験形式 コンピュータベーストテスト(CBT)
出題形式 選択問題
試験時間 120 分
出題数 72問

資格:ORACLE MASTER Silver SQL 2019
試験:Oracle Database SQL

受験料 37,730円(税込)
合格ライン 63 %
合格率 非公表
受験方法 試験センター(通年)
試験形式 コンピュータベーストテスト(CBT)
出題形式 選択問題
試験時間 120 分
出題数 78問

データベーススペシャリスト試験

データベーススペシャリスト試験は、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が運営する国家試験「情報処理技術者試験」の1つです。データベースに関する技能の専門性を認定します。

試験範囲は幅広く、午前問題ではコンピューターやシステム開発全般が出題されます。午後問題の出題範囲は、データベースの企画や要件定義、開発、運用保守に関する問題のほか、テーブルの正規化やSQLといったデータベースの技術的な内容です。

データベーススペシャリスト試験は、情報処理技術者試験の中でも、ITスキル標準レベル4(1~7で7が最も難しい)に位置づけられ、高度な知識や技能が求められる試験です。令和4年度の実績では合格率が17.6%であり、国内で実施されるデータベースに関する認定資格の中でも難易度の高い試験とされています。

受験するには、一般的にデータベースの知識だけではなく、データベースの運用管理やデータモデルの作成、SQL開発などの経験値も必要です。未経験者は、まず基本情報技術者試験や応用情報技術者試験などを取得し、次のステップとしてデータベーススペシャリスト試験に挑戦すると良いでしょう。

データベーススペシャリスト試験
受験料 7,500円(税込)
合格ライン 60点(午前Ⅰ・午前Ⅱ・午後Ⅰ・午後Ⅱ)
合格率 15%前後
受験方法 試験会場(年1回の秋)
試験形式 解答用紙にて解答
出題形式 午前:四岐択一、午後:記述式
試験時間 午前Ⅰ(50分)午前Ⅱ(40分) 午後Ⅰ(90分)午前Ⅱ(120分)
出題数 午前Ⅰ(30問)午前Ⅱ(25問) 午後Ⅰ(3問中回答2問)午前Ⅱ(2問中回答1問)

OSS-DB技術者認定試

OSS-DB技術者認定試験は、特定非営利活動法人エルピーアイジャパン(LPI-Japan)が運営するデータベース認定資格です。オープンソースデータベース(OSS-DB)に関する技術力と知識が問われます。
この試験では、オープンソースデータベースの中でも商用データベースとして、大規模システムでも多く活用されているPostgreSQLを基準にしています。

OSS-DB技術者認定試験の種類は、「Silver」と「Gold」の2種類です。
OSS-DB Silverでは、オープンソースデータベースの基礎知識および小規模なデータベースの運用管理と、SQLに関する知識が問われます。オープンソースデータベースに関する基礎レベルの知識があることを認定する資格であるため、難易度はそれほど高くなく、データベース初心者向けといえるでしょう。
OSS-DB Goldでは、オープンソースデータベースの深い知識や大規模なデータベースの運用管理、パフォーマンスチューニングなどに関する高度な知識が問われます。
OSS-DB Silverの取得が前提条件となっており、OSS-DB Silverよりも出題範囲が広いことや、より深い知識を求められることから、実務経験がある人に向いている資格です。
以下では、OSS-DB技術者認定試 (Silver)とOSS-DB技術者認定試 (Gold)の詳細を紹介します。

OSS-DB技術者認定試 (Silver)
受験料 16,500円(税込)
合格ライン 非公表
合格率 非公表
受験方法 試験センターか自宅でのオンライン(通年)
試験形式 コンピュータベーストテスト(CBT)
出題形式 選択問題
試験時間 非公表
出題数 約50問
OSS-DB技術者認定試 (Gold)
受験料 16,500円(税込)
合格ライン 非公表
合格率 非公表
受験方法 試験センターか自宅でのオンライン(通年)
試験形式 コンピュータベーストテスト(CBT)
出題形式 選択問題
試験時間 非公表
出題数 約30問

Azure Database Administrator Associate(DP-300)

Azure Database Administrator Associate(DP-300)は、マイクロソフト社の運営する認定資格です。Azure SQLデータベースを設計、実装、および管理する能力を認定します。「Microsoft Azure SQL ソリューションの管理」の合格が、受験の条件です。

この試験では、オンプレミスの SQL ServerやAzure SQLに関するデータベースの知識が求められます。具体的には、以下の製品・ サービスに関する知識と経験が必要です。


  • ・Azure SQL Database

    ・Azure SQL Managed Instance

    ・SQL Server on Azure Virtual Machines (Windows および Linux)


初心者よりもある程度経験を積んだ中級者向けの資格といえます。

資格:Azure Database Administrator Associate(DP-300)
試験: Microsoft Azure SQL ソリューションの管理

受験料 16,500円(税込)
合格ライン 非公表
合格率 非公表
受験方法 試験センターか自宅でのオンライン(通年)
試験形式 コンピュータベーストテスト(CBT)
出題形式 選択問題
試験時間 非公表
出題数 約30問

関連記事:SQLの資格一覧|初心者のおすすめは?試験内容や難易度、勉強方法を紹介

SQLが使われる仕事

いまやどのような業務でもデータを取り扱うことから、さまざまな目的でSQLの技術が使われています。ここでは、SQLが使われる代表的な仕事を紹介します。

システム開発

データベースが必要となる代表的なシステム開発は以下のとおりです。

Webシステムの開発

Webシステムでは、会員管理などでさまざまなデータを扱うため、SQLを使ってデータベースの開発・運用が行われます。特にECサイトのWebシステムでは、バックエンドのシステムで多くの商品データ・顧客データをデータベースで管理しています。

基幹システムの開発

基幹システムとは、人事・会計・販売などの企業の根幹を支えるシステムを指し、売上・社員・製品などの各種データがデータベースに格納されています。基幹システムのデータベースには高い精度やパフォーマンスが求められるため、データベースの開発にはSQLスキルのあるエンジニアが欠かせません。

AI・ビッグデータの分析

近年ではAIが注目を浴び、さまざまな生活のシーンで使われるようになりました。AIは、データを学習して判断の精度を上げていきます。学習は学習用のビッグデータを入力して行うため、学習データが非常に重要です。
また、AIを使ったビッグデータの分析では、AIエンジニアやデータサイエンティストなどがSQLを使ってデータを扱います。そのため、必然的にSQLのスキルが必要となります。

データアナリストによる分析

データアナリストは、SQLを使ってデータを分析します。専門分野により、以下のような種類に分類されます。

システムアナリスト

システムアナリストは、システム開発の際の要件定義や設計に携わります。システムが生成するデータを理解し、管理するためにSQLを使用します。

マーケティングアナリスト

マーケティングアナリストは、SQLを用いて顧客データや売上データなどを分析し、マーケティング戦略を策定するための情報を分析・提供します。

ファイナンスアナリスト

ファイナンスアナリストの役割は、金融市場のデータや企業の財務データを分析することです。データベースから財務などの重要なデータを取り出す際にSQLを利用します。

SQLの効果的な勉強方法

SQLの資格を取得するためには、基礎から応用までの知識を学習する必要があります。自身の環境や好みに合った勉強方法を選択するとよいでしょう。

書籍を活用して学習する

参考書を使って、独学でSQLの基本を学べます。手元に置いておき、迷ったときにいつでも確認できる点が書籍で学習するメリットです。図解入りでわりやすく解説されている本や、さまざまな応用パターンが記載されている本など、自分のレベルに応じて読みやすいものを入手しましょう。

学習サイトを使って学習する

SQLのスキルを効率良く習得するには、実践が可能な学習サイトの活用が効果的です。SQLを記述しながら問題を解くことで体系的に学習できるほか、実践スキルが身につきやすくなります。
CourseraUdemyなどのオンライン学習プラットフォームでは、入門コースから上級コースまで幅広く選択可能です。また、SQLに特化した教育サイトや、W3SchoolsSQL ZooMode Analyticsなどのチュートリアルを利用するのも良いでしょう。

オンライン講座やスクールを活用する

書籍・サイトなどでの独学が不安であれば、オンライン講座やスクールの活用がおすすめです。わからないところを直接講師に質問できるほか、カリキュラムに沿って学習するため、効率良くSQLのスキルを習得できるでしょう。目標を立てながら継続的に学習をしたい方に向いています。

関連記事:SQLにおすすめの勉強方法は?概要やメリット、構文例を実際にご紹介

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