MySQLとは?スキルを活かしやすいITエンジニアの職種についても解説

最終更新日:2023年11月1日

MySQLとは、オープンソースのリレーショナルデータベース管理システムで、多くのアプリケーションで利用されています。本記事では、MySQLエンジニアへの転職を検討している方に向けて、MySQLとは何か、MySQLでできること、MySQLスキルを活かしやすいITエンジニア職種、経験別の転職ポイントについて解説します。

この記事のまとめ

  • MySQLとは、オープンソースのリレーショナルデータベース管理システムであり多くのアプリケーションで利用されている
  • MySQLのスキルを活かしやすいITエンジニア職種は多数存在するため、自身のキャリア志向に応じて職種を選択するべき
  • MySQLデータベースエンジニアへの転職を検討する場合、経験者はこれまでの経験やスキルの活用方法を整理し、未経験者は別の職種で開発経験を積むとよい

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MySQLとは

MySQLとは、オープンソースのリレーショナルデータベース管理システム(RDBMS)です。
「SQL」(Structured Query Language、構造化クエリ言語)を使用してデータの操作や管理が可能で、大規模なアプリケーションでも安定して動作します。

オープンソースでありながら高性能で信頼性が高く、拡張性やセキュリティ機能も充実しているRDBMSであるため、世界中で幅広く採用されています。

MySQLでできることとは

MySQLは一般的なRDBMSと同様に、データベースの管理に必要な機能が一通り揃っています。以下に具体的に解説します。

データの格納

MySQLはデータをテーブルに格納します。テーブルはフィールドとレコードから構成されます。

格納したデータの操作

SQLと呼ばれるプログラミング言語を用いてデータ操作を行います。代表的なコマンドとして、SELECT(データ参照)、INSERT(データ追加)、UPDATE(更新処理)、DELETE(データ削除)などが挙げられます。

データのインデックス化

MySQLでは、データのインデックス化により高速なデータ検索が可能です。これにより、データ参照などの効率化を図れます。

トランザクション管理

ACIDトランザクションをサポートし、データの一貫性と信頼性を保ちます。トランザクションを使用して、データベース内のデータの変更をグループ化し、ロールバックやコミットを実行することも可能です。

セキュリティとアクセス制御

ユーザー認証やユーザーごとの異なる権限設定などのアクセス制御を行います。

データベースのレプリケーション

データのレプリケーション(データのコピーを別サーバーに同期すること)が可能です。レプリケーションを活用することで、高可用性やデータの冗長性向上につながります。

ストアドプロシージャー

繰り返し利用される複数のSQLをひとまとめにして実行できます。たとえば、特定条件に合致するデータを参照し、参照したデータに対して更新処理を行うことが可能です。

トリガー

トリガーを活用することで、特定のイベントが発生した場合に自動的に実行できます。

バッチ処理とスケジューリング

イベントスケジューラを使用し、定期的なバッチ処理やデータのバックアップなどを自動化できます。

関連記事:SQLとは?言語の概要と種類をわかりやすく解説

MySQLと他のデータベース管理システムの比較

MySQLと他のデータベース管理システムで基本的な機能に大きな違いはありませんが、それぞれ特性があります。特性を理解することで開発するシステムとの相性などの判断材料にもなるため、MySQL以外のデータベース管理システムとMySQLとの違いを見ていきましょう。

PostgreSQL

PostgreSQLはオープンソースのリレーショナルデータベース管理システムで、高度な拡張性、トランザクションサポート、JSONデータ型のサポートなどが特徴です。特に、GIS(地理情報システム)データの操作に強みがあります。

PostgreSQLとMySQLの違い

MySQLと比べて、柔軟なデータ型と拡張性を持っており、大規模なデータを取り扱うアプリケーションに向いています。

Microsoft SQL Server

Microsoft SQL Serverはマイクロソフトが提供するリレーショナルデータベース管理システムで、Windows環境で広く使用されています。企業向けの大規模なアプリケーションやデータウェアハウスに適しています。

Microsoft SQL ServerとMySQLの違い

MySQLとの違いは、Microsoft SQL Serverは利用するために商用ライセンスが必要であり、商用サポートも提供される点です。また、MySQLはWindows環境以外に、LinuxやmacOSでも利用できます。

Oracle

OracleはOracleCorporationが提供する商用のリレーショナルデータベース管理システムで、高いパフォーマンス、セキュリティ、拡張性が特徴です。大規模な企業アプリケーションに広く利用されています。

OracleとMySQLの違い

MySQLとの違いとしては、Oracleを利用するためには商用ライセンスが必要である点と、Oracleは高可用性かつ堅牢性が高い点が挙げられます。

SQLite

SQLiteは軽量かつサーバーレスなリレーショナルデータベース管理システムで、埋め込み型データベースとして多く使用されます。モバイルアプリケーションやデスクトップアプリケーションに適しています。

SQLiteとMySQLの違い

SQLiteはサーバーレスであることから、低負荷なアクセス状況でパフォーマンスを発揮できます。そのため、MySQLよりもさらに小規模なアプリケーションで活用されます。

MongoDB

MongoDBはNoSQLデータベースの一種で、ドキュメント指向(BSON形式)のデータベースです。柔軟なスキーマ、スケーラビリティ、高速な読み書き能力が特徴で、非構造化データを扱うのに適しています。

MongoDBとMySQLの違い

MongoDBは水平スケーリングに向いており、データベースの読み書きのアクセスを分散させることに長けているため、MySQLよりも大規模なデータを取り扱うことに向いています。

Cassandra

Cassandraは分散型NoSQLデータベースで、大量のデータを高い可用性で管理できます。時系列データの取り扱いやイベントログ記録などに適しています。

CassandraとMySQLの違い

MySQLと比べて、大規模なデータの高可用性、分散処理、柔軟なスキーマが求められるアプリケーションに適しています。

Redis

Redisはインメモリデータストアで、高速なデータアクセスを提供します。キャッシングやセッション管理、キューシステムとして使用されることが多いです。

RedisとMySQLの違い

データを永続的に保持するのではなく、一時的なキャッシュを保持する場合に向いています。

MariaDB

MariaDBはMySQLのフォークとして開発されたオープンソースのリレーショナルデータベース管理システムで、MySQLとの高い互換性を持ちつつ、新しい機能を提供しています。

MariaDBとMySQLの違い

MySQLとMariaDBは、一部の機能や拡張性の違いやストレージエンジンなどの違いはあるものの、多くの共通点を持ちます。

データベースのスキルが必要なITエンジニアの業務

データベースのスキルはどのような業務で必要とされるのでしょうか。ここではデータベースのスキルが必要になる業務を解説します。

アプリケーション開発

多くの場合、アプリケーション開発では、ユーザーのデータやアプリケーションで提供するサービスのデータの管理が必要です。アプリケーションの機能を実現するために、データベースとの連携の設計および開発を行います。

データベースの管理

データベースのバックアップ、復元、アップグレード、パフォーマンスチューニングなどを行います。

SQLの実装・最適化

データベースから情報を取得、更新、削除するためにSQL操作やSQLの最適化を行います。

データの移行とETL

データベースに保管済みのデータを移行します。ETLとは、データベースにおける一般的なデータ処理プロセスを指す言葉であり、それぞれデータの抽出(Extract)、データの変換(Transform)、データのロード(Load)を表しています。

データ分析

データサイエンティストなどが、データの収集、前処理、分析などを行います。

セキュリティ設定

データ漏洩や不正アクセスからデータを保護するために、データベースのセキュリティ設計と監視を行います。

スケーリング

データ増加傾向などを予測し、データベースのスケーリング戦略を策定します。

モニタリング

データベースのパフォーマンスをモニタリングし、クエリの最適化を行います。

トラブルシューティング

データベース上でのトラブルが発生した場合の原因特定や対策の検討を行います。

MySQLの習得方法

MySQLの習得は、プログラム言語の習得と同様に書籍での学習や資格を目指して学習する方法などがあります。
ここでは、おすすめの書籍や資格情報について解説します。

書籍を用いて習得する

MySQLについて体系的に学びたい場合は、書籍を活用するのがおすすめです。用途別に3つの書籍を紹介します。

短期間でMySQLの基礎知識を身につけたい場合

1週間でMySQLの基礎が学べる本 
データベースの基礎知識と基本的なSQL操作を習得できる参考書です。今回紹介している3冊の中で、最も初心者向けの内容となっています。タイトルの通り、短期間でMySQLについて学びたい方や、他の書籍では難しくて挫折してしまった方におすすめです。

アプリケーション開発と関連づけて学びたい場合

基礎からのMySQL 第3版
前半はMySQLの基礎知識について、後半はPHPとMySQLを関連づけて、アプリケーション開発の中でどのようにMySQLを用いるのかを解説しています。そのため、アプリケーション開発のためにMySQLを学びたい方にはおすすめの書籍です。

基礎からMySQLの知識を深く学びたい場合

MySQL徹底入門 第4版 MySQL 8.0対応
MySQLの基礎から応用まで幅広く解説している1冊です。後半では、MySQLの運用に必要な知識、運用設計、実際の運用作業について学ぶことができます。

関連資格を取得する

関連資格を取得することも、体系的な知識を習得する方法として効果的です。また、MySQLに関する一定の知識やスキルがあることを、客観的に証明できるでしょう。

データベース管理者向け資格

Oracle Certified Professional, MySQL 5.7 Database Administrator

MySQL 5.7 を管理するために必要な専門知識があることを証明する資格です。MySQLのインストール、アーキテクチャの理解、監視、セキュリティ、クエリパフォーマンスの最適化、バックアップ、レプリケーションの設定などのトピックに関する知識が必要となります。出題形式は選択式の75問で、試験時間は120分、合格ラインは正答率58%となっています。

開発者向け資格

MySQL 8.0 Database Developer Oracle Certified Professional Certification

MySQL 8.0データベースの設計、開発、最適化に関するスキルを証明する資格です。取得するためには、MySQLアーキテクチャの理解、SQLクエリの最適化とチューニング、トランザクション管理、インデックスの設計と最適化、セキュリティの実装などの知識が求められます。出題形式は選択式の65問で、試験時間は90分、合格ラインは正答率62%となっています。

関連記事:MySQL認定資格の概要、難易度、対策ポイントを徹底解説

MySQLスキルを活用しやすいITエンジニアの職種

MySQLスキルを活用しやすいITエンジニアの職種は多数存在します。そのため、自身のキャリア志向やスキルに合わせて職種を選択するとよいでしょう。

データベースエンジニア

データベースエンジニアは、データベースの設計、運用、最適化、保守、セキュリティ管理などに携わるため、MySQLスキルを活用できます。データベースのパフォーマンス向上や、セキュリティ設計に関心があるエンジニアにおすすめの職種です。

サーバーサイドエンジニア

アプリケーション開発においてデータベースとの連携を行うサーバーサイドエンジニアも、MySQLスキルを活用しやすい職種です。また、データベースエンジニアと同様に、データベースの設計、最適化、保守、セキュリティ管理に携わることもあります。そのため、アプリケーション開発を行いながら、データベースにも関心があるエンジニアにおすすめです。

クラウドエンジニア

クラウドエンジニアは、クラウドサービスプラットフォーム上でアプリケーションをデプロイ、管理、運用する役割を担います。データベースを取り扱う場面も多く、MySQLが多くのクラウドサービスプラットフォームでサポートされているため、MySQLスキルを活用できるでしょう。クラウドサービスを用いたインフラに関心があるエンジニアにおすすめの職種です。

データサイエンティスト

データサイエンティストは、データの収集や分析、分析結果を踏まえて意思決定を行います。データの保存、クエリ実行、データの前処理にMySQLを使用することがあります。開発業務に専念するのではなく、何を開発するべきなのかを検討するためのデータ分析や意思決定に興味があるエンジニアにおすすめの職種です。

MySQLデータベースエンジニアの経験別転職のポイント

最後に、MySQLデータベースエンジニアへ転職する際のポイントを経験別に解説します。

MySQLを用いた業務経験者の場合

MySQLの業務経験がある場合は、自身のスキルをアピールしやすいでしょう。下記で具体的なポイントを解説します。

これまでの業務経験やスキルを整理する

MySQLを用いた業務経験がある場合や、MySQLのスキルを持っている場合は、これまでの経験やスキルを転職先でどのように活かせるのかを整理することが重要です。たとえば、携わっていた業界やシステムの特徴、特有の知識を活かせることをアピールできます。また、認定資格を取得していれば、業務上必要なスキルを保有していることを示せるでしょう。

習得済みスキル以外のスキルアップについて整理する

これまでの業務経験やスキルを活かすだけではなく、ITエンジニアには新しいスキルを学び続けていくことが求められます。そのため、普段からどのように技術要素を学んでいるのかを整理しましょう。たとえば、データベースに関するカンファレンスなどへの社外登壇、社内でのノウハウ共有などの取り組みを行っている場合は、自身のスキルアップだけではなく、周囲の技術レベルを底上げすることにもつながります。

MySQLを用いた業務未経験者の場合

MySQLの業務未経験の場合、現状持っているスキルと繋げて論理的に納得できるようなアピールが必要です。以下にポイントを解説します。

他のデータベース管理システムの業務経験がある場合

MySQL以外のデータベース管理システムの業務経験がある場合、MySQLとの違いはありますが、データベースを用いた業務経験や基礎知識を習得していることをアピールしましょう。

データベースを用いた業務やプログラミング業務未経験の場合

データベースを用いた業務経験やプログラミング業務経験がない場合は、独学で学んできたことを整理し、まずはテスターやプログラマーへの転職を検討しましょう。アプリケーションの開発工程に携わるなかで、データベースに関わる機会を作り、データベースエンジニアとして貢献できるスキルや経験を身につけることが重要です。

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この記事の監修

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