- Javaの将来性と需要状況
- Javaの将来性が高いと考えられる理由
- Javaの将来性を危惧する意見
- そもそもJavaとは
- Javaを使うメリットとデメリット
- Javaエンジニアとして今後も活躍し続けるためには
- Javaエンジニアのキャリアパス例
- Javaに関するよくある質問
- まとめ
Javaの将来性と需要状況
現状、Javaを採用しているシステム開発の需要は安定しています。2024年9月時点でレバテックキャリアにおいて言語別に求人・転職情報を分類した場合、Javaの求人数・案件数が最も多い状態です。今後も大幅な変化はなく継続していくと考えられるため、Javaは安定した需要があり将来性があるといえます。
また、Javaはシステム開発では長く用いられている言語であり、多くの既存システムがJavaで作られているため、保守・運用の需要も安定しています。
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サーバーサイドでの需要が高い
Javaは堅牢で正確性が高く、処理速度も速いという特性を持っており、Webシステムなどのサーバーサイド(バックエンド)の処理に適しています。そのため、サーバーサイドにおいてJavaエンジニアは、中規模の企業から大企業にいたるまで高い需要があります。Javaの持つ構造化による開発対象が分割しやすい特性も大規模な開発に適している理由の一つです。
サーバーサイドのアプリケーションはJavaサーブレットというプログラムを基本に開発されており、Spring FrameworkやPlay Framework、JSF(JavaServer Faces)などのフレームワークが充実していることも需要が高まる要因です。
拡大が続いているスマホアプリ市場での人気が高い
statcounterの調査によると、世界全体のモバイル端末のOS市場においてAndroidが70%以上のシェアを占めています。Androidアプリの開発にはJavaが最も多く使用されており、Androidアプリを開発できるJavaエンジニアの需要は高いです。
また、Androidアプリ開発で注目を集める言語にKotlinがあります。KotlinがJavaの動作環境上で動作し、相互運用性があることも、Javaの言語としての寿命を伸ばし将来性を高めるものです。ちなみに、ScalaやGroobyなどの言語もJavaの動作環境上で動作するプログラミング言語であり、Kotlin同様にJavaの人気を下支えするものです。
関連記事:
Kotlinとは?Javaとの違いや特徴、将来性について解説
Scalaとは?将来性やメリット・デメリット、Javaとの関係も解説
Javaの将来性が高いと考えられる理由
Javaには安定した需要があるため、今後継続していけば将来性も高いでしょう。プログラミング言語にはトレンドが存在しますが、一度普及した言語には継続的に需要が発生する傾向も強く、Javaも広く普及していることが新たな需要に繋がっています。
ここでは、Javaの将来性が高いと考えられる理由を紹介します。
世界中で広く使われている言語であり、歴史も長い
Javaは歴史の長い言語であり、これまで世界中で多くの開発に使われてきた実績があります。
Javaの開発元であるOracle社によると、Javaは世界中で510億以上のアプリケーションが稼働しており、開発者は数百万人と広く利用されています。Javaはあらゆるプログラミング言語のなかで、最も標準的な言語であるといわれており、現在でも新規開発にJavaを採用するケースは多いです。
新規開発の案件が減ったとしても既存システムの保守開発が発生するため、ほかの言語に置き換えられ、Javaの案件がなくなってしまうとは考えにくいでしょう。
大規模開発に向いている
Javaはオブジェクト指向型で、大規模な開発案件に適したプログラミング言語です。大人数で開発する際にも、部品を組み立てるようにシステムを構築できます。また、Javaは堅牢な言語であるため、金融機関の大規模システムなど高い品質が求められる開発でも用いられています。
大規模システムほど、リリース後の利用期間も長くなる傾向があるため、Java以上に大規模開発に適した言語が登場しない限り、引き続きJavaが用いられるでしょう。
ほかのプログラミング言語を習得する際に応用がきく
Javaは代表的なオブジェクト指向型言語であり、IT企業の新人エンジニア研修などでも使われています。Javaが持つ概念や機能は、ほかのプログラミング言語でも応用できるため、新人が習得すべき基本言語として多くの企業が取り入れているのです。
Javaで身につけたオブジェクト指向は、C#やPHP、Ruby、Pythonなどの、オブジェクト指向の言語を習得する際にも役立ちます。文法についても、多くの言語がJavaの影響を受けて開発されています。
他言語との親和性の高さからも、まだまだJavaの需要は高い状態が続くと考えられるでしょう。
大手企業や官公庁が好む安定した既存技術である
大企業や官公庁などの大きな組織では、システム開発に使用する技術として安定した既存技術が好まれます。大きな組織ではシステムの規模も巨大になり、万一システム障害が発生した場合の影響は非常に大きいです。そのため、最新の機能を持っていることよりも、動作実績が多いことや、障害を避けやすいこと、技術者も確保しやすい言語が求められます。
また、再利用性が高いため、これまでに開発した案件の資産を有効に活用できる面でもJavaは有効です。Javaは1995年に公開されてから現在まで、多くの企業のシステム開発に採用されてきた実績・事例があります。
大企業や官公庁、金融機関のシステムに多く用いられることは、継続的な案件を得られることにつながるため、将来性があるといえるでしょう。
すでにJavaで組まれたシステムの保守案件がある
多くの既存システムがJavaで構築され、現在も稼働中です。そのためこれらのシステムの保守案件は継続的に発生します。
将来的にJavaの新規案件が減っていく可能性はあります。しかし、多くの大企業や金融機関などでJavaで作られたシステムが現在も稼働しているため、今後も長期間にわたって保守案件は継続して発生すると考えられるでしょう。
Javaの将来性を危惧する意見
Javaの将来性については、否定的な意見もあります。登場してから時間が経っていることにより、近年登場したプログラミング言語と比較して劣る部分があることも認識しておきましょう。また、求人や案件は多いものの、収入面に関してはPythonやKotlinなどと比較して低めであることも将来性を懸念する一つの要因です。
以下では、Javaの言語の将来性、Javaエンジニアの将来性を危惧する意見について解説します。
求人案件数は多いが、収入面は高くない
Javaはプログラミング言語別で見た場合、ほかのプログラミング言語の求人数と比べて圧倒的に多いです。レバテックキャリアにて2024年9月時点で公開中の求人・転職情報を参照すると、Javaをスキル条件とする求人数は8,888件(募集中3,796件)でした。
また、日経クロステックの記事プログラミング言語利用実態調査2021によると、最も利用しているプログラミング言語についてのアンケートでJavaは第3位に位置しています。つまり、Javaをメインで扱うエンジニア数も多いということです。
Javaの求人数は多く、需要は高いですが、Javaを扱えるエンジニアが多い分、市場価値が上がりにくく、年収はほかの言語と比較すると高いとはいえない部分があります。
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Javaエンジニアの平均年収
レバテックキャリアにて、2024年9月時点で公開中の求人・転職情報よりプログラミング言語「Java」の30件を抽出し、上限平均と下限平均の中間値を平均年収として算出しました。その結果、Javaエンジニアの平均年収は約599万円と試算されます。
複数の言語を扱う案件や、プロジェクトマネジメントスキルが求められる案件、上流工程から携わる案件など高いスキルが求められる求人は、高年収につながる傾向が見られます。
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関連記事:Javaエンジニアの平均年収は?年収アップの方法や役立つ資格を紹介
他言語との平均年収比較
2024年9月時点でレバテックキャリアに掲載されている求人をもとに、Javaと他言語の平均年収をまとめた表を作成しました。
言語 | 平均年収 |
---|---|
Java | 約599万円 |
Python | 約728万円 |
C言語 | 約606万円 |
COBOL | 約675万円 |
JavaScript | 約743万円 |
Kotlin | 約799万円 |
PHP | 約638万円 |
Ruby | 約766万円 |
比較したプログラミング言語のなかで、Javaの平均年収は最も低く、一番年収の高いKotlinとは200万円もの差があります。しかし、これはあくまでも一例であることには注意が必要です。企業やスキルによって年収は異なります。Javaの求人で想定年収1000万円を越えるものもありますし、一方で、350万円程度のKotlinの求人も存在します。高いスキルを身につけ、経験を積むことが大切です。
他言語が伸びてきており「時代遅れ」と思われることがある
Javaは多くの開発に使われてきた実績のある言語ですが、近年はほかの言語に徐々にシェアを奪われつつあります。特にオブジェクト指向型言語であるScalaは、コーディング量がJavaの半分で済み、安全性も高いといった特徴から、Javaの代替言語として注目されています。Javaとの相互運用性も高いため、今後もJavaエンジニアとして活躍するのならScalaの習得も視野に入れておくと良いでしょう。
そもそもJavaとは
Javaの将来性を考える上で、Javaの基礎情報やできること、ほかの言語との違いについては知っておいたほうが良いでしょう。
そもそもJavaとは、アプリケーション開発や基幹システムの開発などに多く用いられるプログラミング言語です。サンマイクロシステムズが開発して1996年にリリースし、その後、Oracle社が開発元となっています。
Javaは「Google三大言語」の一つとして、Google社のシステム開発にも採用されています。汎用性が高く、非常に幅広い分野の開発に使用できるのが特徴です。近年では、IoTの分野の開発でもJavaの注目度が高まってきています。
大きな特徴として、オブジェクト指向を採用したコンパイラ言語であることが挙げられます。オブジェクト指向言語として早い段階で登場し、C言語に替わる言語として人気を高めてきました。
また、インタプリタとコンパイラ言語の両方のメリットを兼ね備えており、マルチプラットフォームにも対応しています。オブジェクト指向のモジュール分割がしやすいメリットと合わせて、プラットフォームを超えたモジュールの再利用性が高いことも普及の大きな要因です。
関連記事:Javaとは?特徴や学習方法などをわかりやすく解説
Javaを使ってできること
Javaの特徴として、汎用性が高く、さまざまな分野の開発で利用できることが挙げられます。Javaを使ってできることは、WebやAndroidアプリの開発、組み込みシステムの開発、金融機関などの基幹システムの開発などです。ここでは、これらのJavaを用いてできることを詳しく紹介します。
Webアプリの開発
JavaはWebアプリ開発におけるサーバサイドのシステム構築で需要が高い言語です。サーバサイドの開発ではJavaサーブレットを基盤としてWebサービスを構築することができます。Javaの安定性や処理速度の早さ、マルチプラットフォームへの対応などの特性がサーバーサイドでの開発にマッチしていることが大きな要因です。
小規模のシステムから大規模開発まであらゆるサーバサイドの開発現場で、Javaのエンジニアは需要が高いといえるでしょう。
Androidアプリの開発
Javaは、スマートフォンアプリ開発のなかでもAndroidアプリの開発が可能です。Javaは共同作業がしやすいため、大規模なAndroidアプリ開発にも適しています。また、ライブラリも豊富であるため、効率的に開発が進められます。
組み込みシステムの開発
Javaは元々組み込みシステム用の言語として開発されました。組み込みシステムとは、家電などの機器に組み込まれるソフトウェアのことです。JavaはOSやハードウェアに依存しないという特徴があるため、Javaを採用することで製品のメンテナンス性が向上します。Javaの組込みシステムが搭載されている例としてはスマートフォンやBlu-rayプレーヤーなどがあります。
金融機関などの基幹システムの開発
Javaはその安定性とセキュリティ性能の高さから、金融機関などの大企業の基幹システムの開発に用いられています。Javaはオブジェクト指向言語であり、部品を組み立てるように開発を進めることができるという特徴があります。そのため、大人数での大規模開発に向いています。また、登場から多くの時間が経ち、安定性、信頼性に関する実績・事例が多いことも金融機関などの基幹システムで採用される要因です。
ほかの言語との違い
Javaの習得を検討する際、ほかの言語と比較すると良いでしょう。それぞれの特徴や活用分野を理解することで言語習得に関する検討がしやすくなります。以下では、JavaとPython、C言語、PHPと比較し、違いを紹介していきます。
Pythonとの違い
JavaとPythonの大きな違いは、Javaがコンパイラ言語(インタプリタも併用)であるのに対し、Pythonはインタプリタ言語(またはスクリプト言語)であるということです。
コンパイラ言語はプログラムの実行前にコードを評価し、実行形式への変換を行います。その際、機械語に近い記述に変換されるため、実行速度が速いです。
一方のインタプリタ言語は、プログラムの実行時に初めてコードを評価します。実行時に機械語への翻訳を行うため、処理速度ではコンパイラ言語に劣ります。その代わりに、データの型などに柔軟なため、開発に必要とされるスキルはコンパイラ言語より低めです。
また、AIの開発やデータサイエンス分野ではPythonが利用されることが多いです。その理由は、PythonにはAI開発やデータ分析に用いるライブラリが充実しており、先行的にAIやデータサイエンス分野で活用が進んだことが挙げられます。実績や事例が蓄積されているため、さらに同分野で活用されているというサイクルに繋がっています。
以下に主な違いをまとめました。
処理方法 | 利用用途 | |
---|---|---|
Java | コンパイラ言語 (インタプリタも併用) |
・Webアプリ開発 ・Androidアプリ開発 ・組込みシステム開発 ・基幹システム開発 |
Python | インタプリタ言語 (またはスクリプト言語) |
・AI開発 ・データサイエンス |
関連記事:Pythonの将来性は?メリットやJava・Rubyとの比較も解説
C言語との違い
JavaとC言語の大きな違いはプログラミングパラダイムにあります。Javaはオブジェクト指向言語、C言語は手続き型(命令型)言語です。
プログラミングパラダイムとは、プログラムに対しての考え方や記述方法の規定のようなものです。オブジェクト指向言語ではモノを中心としてプログラムを作成します。一方の手続き型言語では、必要な手続きを並べていくという考え方でプログラムを作成します。
なお、Javaはオブジェクト指向に対応しつつ、手続き型のプログラミングパラダイムに沿ったプログラムの記述も可能です。
また、別の違いとしてメモリ管理の方式が挙げられます。Javaでは、メモリの確保については開発者が意識する必要はなく、内部的な仕組みが自動的に実施します。一方、C言語ではメモリの確保および解放はプログラムの作成者がプログラム内で明示的に記載しなければなりません。メモリの管理はシステムが機能する上で重要な部分なので、C言語を扱う場合は注意が必要です。
違いについてまとめた表は以下のとおりです。
プログラミングパラダイム | メモリ管理 | |
---|---|---|
Java | オブジェクト指向 | 自動実施 |
C言語 | 手続き型(命令型) | 作成者が指示 |
PHPとの違い
JavaとPHPの違いは、処理方法にあります。Javaはコンパイラ言語、PHPはインタプリタ言語で、その違いはPythonとの違いで記載した通りです。
また、JavaとPHPは用途の面でも大きな違いがあります。Javaは汎用的な言語で、業務システムやWebアプリケーション、スマホアプリなどさまざまな形態のソフトウェアを開発することが可能です。一方のPHPはWebアプリケーションに特化しており、事実上Webアプリケーション専用の言語です。このため、Javaのほうが利用シーンが広いといえます。
以下に主な違いをまとめました。
処理方法 | 利用用途 | |
---|---|---|
Java | コンパイラ言語 (インタプリタも併用) |
・Webアプリ開発 ・Androidアプリ開発 ・組込みシステム開発 ・基幹システム開発 |
PHP | インタプリタ言語 | Webアプリ開発に特化 |
Javaを使うメリットとデメリット
学習する言語を選択する際、言語としてのメリット・デメリットを認識しておくことがおすすめです。Javaを使うメリットとしては、汎用性の高さやマルチプラットフォームに対応している点などが挙げられます。また、処理速度や情報の豊富さなどもJavaを扱うメリットです。一方でデメリットとして、習得難易度の高さがあります。
以下では、Javaを開発言語とする場合のメリット・デメリットについて詳しく解説していきます。
Javaを使うことのメリット
Javaは、環境に依存しない汎用性の高い言語です。JVMを用いて動作する仕組みによりWindows、Mac OS、iOS、LinuxなどあらゆるOS上で動作させることができるマルチプラットフォームへの対応を実現しています。
コンパイラ言語であるため処理速度も速く、プログラムの動作も軽快です。また、オブジェクト指向の言語であるためプログラムの管理性に優れており、複数人での開発も効率良く進めることができます。
人気のある言語であることから、学習や課題解決に必要となる情報が集めやすい点もメリットです。
Javaを使うことのデメリット
Javaはトップクラスの人気を誇る言語ですが、習得の難易度が高いため、挫折しやすい言語であるといわれています。難易度が高い理由として、スクリプト言語と比べると厳格な型管理を行っているため、コンパイル時のエラーが発生しやすいことが挙げられます。また、多様な分野の開発に使用されている分、学ばなければならない技術体系が幅広いことも理由の一つです。
開発環境の構築やプログラムを実行するためのコンパイルなど、コードを書く以外の作業に手間がかかる点もデメリットといえるでしょう。
関連記事:Javaが難しい理由とその解決策!キャリアパスや年収も解説
Javaエンジニアとして今後も活躍し続けるためには
Javaは需要が安定し、将来性もあると考えられている言語です。しかし、Javaエンジニアが今後も活躍し続けるためには、プラスアルファのスキル習得が必要となります。IT業界はトレンドの移り変わりも早く、スキルの現状維持では淘汰されてしまう可能性があるでしょう。以下では、Javaエンジニアが成長するために必要なこと、取り組むべきことを紹介します。
アプリケーション開発をはじめさまざまな案件に挑戦する
Javaはさまざまな開発に使用されてきた汎用性の高い言語です。そのため、Javaエンジニアとして活躍の場を広げるには、さまざまな案件に挑戦することが重要です。多様な開発経験を積み重ねることで、Javaエンジニアとして対応できる幅も広がります。
業務系アプリケーションでも大規模から中小規模、Webサービス系、Androidアプリ、IoTを含む組み込み系アプリなど、Javaを利用した開発は複数種類が存在します。それぞれの現場で特徴があり、新たな知見を得ることができるため、成長できる機会となるでしょう。
関連記事:C#エンジニアの将来性が高い8つの理由!Javaとの比較や平均年収も解説
上流工程での業務スキルを身につける
システムやアプリケーションの開発において、要件定義や基本設計などの上流工程のスキルを持つことは、Javaエンジニアとして活躍の幅を広げることに繋がります。上流工程では顧客の要望を吸い上げるヒアリング能力、システムの概要を設計するスキル、顧客の業務に対する知識などが必要なため、積極的に参加できるよう働きかけましょう。
上流工程のスキルは利用するプログラミング言語に関わらず、エンジニアにとっては普遍的に活用できるスキルです。Java以外のプロジェクトに参加する際にも役立ちます。
プロジェクトマネジメントの経験を積む
Javaエンジニアとしてキャリアアップしていくためには、プロジェクトマネジメントの経験やスキルを習得することが重要です。
プロジェクトマネジメントスキルを習得して、将来的にプロジェクトリーダーやプロジェクトマネージャーへキャリアアップを目指すのは、エンジニアとして一般的なキャリアパスです。ただし、開発担当のエンジニアに突然プロジェクトマネジメント業務が任せられるわけではありません。開発者としてプロジェクトに従事しながら、チーム単位などのマネジメント業務などに積極的に参加し、スキルを身につけることがステップとなります。
フレームワークに関するスキルを身につける
フレームワークとは、システムやソフトウェア開発でよく使われる機能などをまとめた枠組みのことです。多くのJavaプロジェクトでは、アプリケーションの品質および開発効率を目的としてフレームワークを活用した開発が行われています。Javaの代表的なフレームワークとしては「Spring」や「JSF」などが広く知られています。
フレームワークを利用するメリットの一つは、作業が効率化できることです。すぐに使え、繰り返し再利用できるテンプレートや部品を、フレームワークの一部やクラスライブラリとして提供してくれているため、コーディングの手間が省けます。また、フレームワークを利用することで自然にコードの統一性を保つことができ、品質の向上が期待できます。
資格を取得する
Javaエンジニアとしてスキルアップを目指すには、資格取得が有効です。資格に向けての勉強は、知識やスキルの向上につながります。また、Javaに関する資格を取得することで、Javaエンジニアとしてのスキルを客観的に示すことができます。
以下では、Javaエンジニアが今後も活躍するために役立つ資格について紹介していくので、参考にしてみてください。
関連記事:Java資格の最新一覧と各試験の難易度やおすすめの書籍を紹介
Oracle認定Javaプログラマ
Oracle認定Javaプログラマは、Javaの開発元であるOracle社が運営しているJavaの認定資格試験です。この認定試験は「Bronze」「Silver」「Gold」の3つのレベルに分かれています。Javaエンジニアとしてのスキル向上を目指すのであれば、中上級者向けの資格である「Gold SE 11 認定資格」の取得を目標にするのが良いでしょう。
Java™プログラミング能力認定試験
Java™プログラミング能力認定試験は、サーティファイ情報処理能力認定委員会が運営しているJava認定資格です。受験資格に制限がなく気軽に受験できます。この試験は、1~3級のレベルが用意されているため、徐々に高いレベルを目指してステップアップしていくと良いでしょう。2、3級は多肢選択式、1級は実技形式で出題されます。
プロジェクトマネージャ試験
プロジェクトマネージャ試験は、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が実施している情報処理技術者試験の一つです。将来のキャリア目標としてプロジェクトマネージャーを目指している方はこの資格の取得にチャレンジすると良いでしょう。また、そうでなくてもエンジニアとしてのキャリアアップを図る上で、マネジメントに関するスキルや資格は役立ちます。
Javaエンジニアのキャリアパス例
JavaやJavaエンジニアの将来性に興味がある人にとって、キャリアパスは重要な要素の一つでしょう。Javaの習得を検討している人も、現役Javaエンジニアも、キャリアパスを知っておくことで将来についてイメージしやすくなります。Javaエンジニアのキャリアパスとしては、「スペシャリスト」「プロジェクトリーダーやプロジェクトマネージャー」「他言語を習得しキャリアチェンジ」「フリーランスとして独立」などが挙げられます。
以下ではこれらのキャリアパス例を紹介するので、参考にしてみてください。
スペシャリストになる
Javaエンジニアのキャリアパスとして、Javaのスペシャリストになる選択肢があります。そのためには、Java案件をこなしながら自己学習してスキルを高めることが必要です。IT業界では上流工程を目指すべきという考え方がありますが、下流工程のスペシャリストとして高収入を得ている人も多いです。
PLやPMにキャリアアップする
エンジニアからのキャリアパスとして、PL(プロジェクトリーダー)やPM(プロジェクトマネージャー)などのマネジメント職種にキャリアアップするケースは多いです。PLは自身でも手を動かしながらマネジメントも行いますが、PMはマネジメントに特化しています。
Javaのスキルを活かしつつ、マネジメントスキルを身につけることで、PLやPMを目指せるでしょう。マネジメント職種は収入が上がりやすい傾向があります。
他言語を習得しキャリアチェンジする
Java以外の言語スキルを身につけることで、別言語の案件に参画できます。キャリアチェンジという形で別言語に特化する選択肢もありますが、Javaの案件に参画したり別言語の案件に参画したりする多様な言語を扱うエンジニアになることも可能です。さまざまな言語が扱えると、開発でもマネジメントでも役立ちます。
キャリアチェンジ例に応じた習得すべき言語
キャリアチェンジしたい分野によって、習得すべき言語が変わります。以下はその一例です。
【フロントエンド開発】
HTML、CSS、JavaScript
【サーバーサイド開発】
PHP、Ruby
【AI開発】
Python
【スマホアプリ開発】
Kotlin、Swift
関連記事:KotlinとJavaの違いとは?特徴やメリット・デメリットを比較
キャリアチェンジするメリットとデメリット
キャリアチェンジするメリットとデメリットは、以下の通りです。
-
【キャリアチェンジのメリット】
・スキル、知識の幅が広がる
・自身の市場価値、年収がアップする可能性がある
・モチベーションアップにつながる場合がある
-
【キャリアチェンジのデメリット】
・勉強する必要がある
・年収が下がる可能性もある
・大変に感じることもある
キャリアチェンジにはメリットもデメリットもあります。重要なのは、メリットのあるキャリアチェンジをすることです。単にキャリアを変えるだけではあまり意味がないので、キャリアアップになるように動いていくことが大切です。
フリーランスとして独立する
Javaエンジニアを含むエンジニアは、フリーランスとして独立するキャリアパスがあります。
フリーランスになれば、フルリモートワークなども可能です。また、仕事量や受注する案件の裁量が自分にあるため、高年収が期待できます。ただし、エンジニアとしての開発作業だけではなく、顧客折衝や事務作業も自分でしなければならない点は注意が必要です。
Javaに関するよくある質問
Javaの習得を検討している人や、現役のJavaエンジニアは、Javaの将来性についてさまざまな疑問を持つでしょう。特によくある質問として、Javaが人気である理由や、Javaの弱みなどについての質問が挙げられます。また、ほかのプログラミング言語の将来性について、あわせて知りたいと考える方も多いようです。
以下では、これらのJavaに関するよくある質問と回答を紹介します。Javaの将来性を確認し、キャリアパスを検討する際に参考にしていただければ幸いです。
Q1. Javaが人気の理由を教えてください
Javaが人気の理由は複数ありますが、特にセキュリティが高いという点で長年使用され続けています。最近主流の言語に比べて人が実装しなければならない部分も多く、逆に言えば推測しにくいような設計にすることも可能です。オブジェクト指向の機能を活用して外部からハッキングしにくいコードを作っていくイメージです。
Q2. Javaの弱みは何ですか?
Javaの弱みは、オブジェクト指向を理解しなければ使いこなせない点と、小規模システムには適していない点です。オブジェクト指向は、初心者には難易度が高く、理解するのに時間がかかるでしょう。また、Javaを用いて小規模なシステムを開発すると、かえって複雑になってしまう可能性があります。
Q3. 将来性が低いプログラミング言語はありますか?
以下のような、用途が限られている言語、可読性が低い言語、同じ用途で有望な後発が登場した言語は将来性が低い傾向にあります。
-
・ほぼWeb専用のPerl、PHP、Ruby
・iOSのネイティブアプリ専用で後発のSwiftが有望なObjective-C
・Windowsアプリに用途が限られがちなVB.NET
まとめ
この記事では、Javaの需要状況や将来性に対するさまざまな意見を解説してきました。OS環境に左右されず動くJavaは汎用性能が高く、大規模開発にも広く利用されています。Javaを主力言語として採用している企業も非常に多いのが現状です。
他言語が伸びてきているなど、将来性を危惧する声はあるものの、今後数年のうちにJavaエンジニアの求人がなくなるとは考えにくいです。オブジェクト指向を身につけるには最適の言語なので、Javaを学ぶメリットは大いにあります。
また、他言語への応用がきく言語であるため、スキルの幅を広げる上でもJavaは身につけておいて損のない言語といえるでしょう。
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