PHPのLaravelとは?特徴やできること、学習方法について解説!

最終更新日:2024年1月17日

WebエンジニアになるためにPHPの習得を検討している方の中には、どのフレームワークを選択するべきか迷うこともあるでしょう。PHPのフレームワークのなかでも高い人気を誇るのがLaravel(ララベル)です。本記事では、Laravelの特徴やメリット・デメリット、導入方法、学習方法について解説します。Laravelがどのようなフレームワークなのかを理解して、学習するかどうかを検討しましょう。

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この記事のまとめ

  • LaravelはMVCを採用しているほか、開発を効率化できる機能を多数提供している優秀なフレームワークであり、大規模なWebアプリ開発で多く使われている
  • Laravelは機能が豊富な分、処理速度が遅くなる点がデメリットである
  • Laravelは、多くの機能を必要としない小規模なWebアプリにはあまり適していない
  • Laravelの学習と平行して、PHPの基礎文法の知識強化、HTML・CSSやデータベースの習得、オブジェクト指向の学習も進めることがおすすめ

Laravelとは?

Laravelとは、2011年にリリースされたPHPフレームワークで、Webアプリケーション開発に利用されています。フレームワークとは、システム開発の土台として活用するパッケージのことです。

フレームワークには、開発で頻繁に使われるプログラムが完成された状態で入っています。プログラムを引用すれば、その部分を自分で開発する必要がありません。Laravelを使うことで、ECサイトやSNS、動画配信サービスといったWebアプリの開発を効率化できます。

LaravelはPHPフレームワークのなかでも人気が高く、特に大規模開発で使われています。大規模開発に必要な機能が多く揃っていることや、アップデート頻度が多く安心して使えることなどが人気の理由です。

PHPとは?

PHPは、Webアプリ開発で多く用いられているオープンソースのスクリプト言語です。Webアプリには、ブラウザ側で動くプログラムとサーバ側で動くプログラムの2種類が必要ですが、PHPはサーバ側のプログラムで使われています。なお、ブラウザ側ではJavaScriptがメインに使われています。

PHPの特徴は、ソースコードをHTMLに埋め込んで記述できる点です。また、初心者でも比較的習得するハードルが低いことや、優秀な機能を多く含んでいることもメリットといえるでしょう。

関連記事:
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PHPフレームワークとは?主要なフレームワークの紹介や学習方法、転職のポイントも解説

Laravelのメリット

Laravelの主なメリットは以下のとおりです。


  • ・アップデート頻度が多い

    ・人気が高い

    ・初心者でも比較的習得しやすい

    ・開発の効率化につながる

    ・開発を効率化できる機能を多数提供している


それぞれ詳しく解説します。

アップデート頻度が高い

Laravelは、アップデートが頻繁に行われることが特徴です。プログラミング言語やフレームワークは、以前あったバグを解消したり、新機能を追加したりするためにアップデートを行います。アップデートの頻度が高いフレームワークは進化のスピードが早く、将来性があるといえます。

Laravelの最新バージョンは10であり、PHP8.1以上に対応しています。なお、バージョン11は2024年にリリース予定です。(※)

参考:Release Notes - Laravel Upcoming - The PHP Framework For Web Artisans

人気が高い

Laravelは他のPHPフレームワークと比べても人気が高く、案件数も多くあります。2023年12月6日時点での、レバテックキャリアの案件数は次のとおりです。


  • ・Laravel:1,047件

    ・CakePHP:303件

    ・Symfony:140件

    ・CodeIgniter :93件


Laravelは、2番目に多いCakePHPの3倍以上の案件数を誇っています。PHP自体ももちろん人気が高いため、Laravelを習得することで転職の幅が広がるでしょう。

初心者でも比較的習得しやすい

Laravelで書かれたソースコードはシンプルで読みやすいため、初心者でも処理内容を理解しやすいと言われています。また、人気の高さから日本語の学習コンテンツが多く存在するため、学習ハードルが低い点もメリットです。フレームワークのなかには日本での普及率が低く、日本語の学習コンテンツが少ないものもあります。

さらに、Laravelはインストールもコマンド入力によって容易に行えるため、開発環境構築でつまずく心配もありません。

開発の効率化につながる

Laravelは「MVC」を採用していているため作業分担がしやすく、大規模なWebアプリ開発に適しています。MVCはプログラムをModel・View・Controllerの3つに分け、各プログラムの役割を明確にする手法です。M・V・Cそれぞれの役割は次のとおりです。

Model:システム固有の処理を担当。データベースとのやり取りやデータの整形。
View:ブラウザとのやり取りを担当。Webページに必要なデータの作成・埋め込み。
Controller:ModelとViewの橋渡しを担当。Viewが受け取ったユーザーの入力データをModelに渡す。Modelがデータベースから取得したデータをViewに渡す。

MVCの手法を取ることで、チーム内で自分が担当するプログラムの指針が明確となり、コードの書き方に差が生まれにくくなります。他人のコードを素早く理解できるため、チームでの開発効率の向上につながるでしょう。

開発を効率化できる機能を多数提供している

Laravelは、開発を効率化できる多数の機能を提供しています。特にプラグイン(拡張機能)が充実しており、開発内容に応じて必要な機能を追加できます。不必要なプラグインは導入しなくてよいため、複雑化しない点がメリットです。

また、LaravelはコマンドラインツールとしてArtisanを採用しています。Artisanには、MVCモデルのテンプレートを自動作成できるなど、Webアプリ開発の効率化につながるコマンドが多数用意されています。

Laravelのデメリット

一方、Laravelには以下のデメリットがあります。


  • ・処理速度は比較的遅い

    ・小規模な開発には不向き


これからLaravelを学びたい方は、メリットだけではなくデメリットも把握しておきましょう。

処理速度は比較的遅い

Laravelは機能が豊富な分、多くのファイルを読み込んでメモリ上に展開する必要があり、処理速度がどうしても遅くなってしまいます。そのため、処理速度が求められるWebページの開発には向いていません。

小規模な開発には不向き

小規模な開発では、Laravelに用意されている豊富な機能を最大限に活用できません。その結果、処理速度が遅いというデメリットだけが目立ってしまいます。

Laravel以外に有名なPHPフレームワーク

Laravel以外にも有名なPHPフレームワークは多数存在します。なかでも代表的なのが「CakePHP」「FuelPHP」「Codeigniter」です。選択肢が多いため、どのフレームワークから学ぶべきか悩んでいる方もいるでしょう。

そこで、上記3つのフレームワークの特徴や、Laravelとの違いについて解説します。3つのフレームワークは、MVCモデルを採用している点などはLaravelと共通しますが、異なる点もいくつかあります。それぞれの特徴を把握して、開発内容に合ったフレームワークを選択しましょう。

CakePHP

CakePHPは、コミュニティが非常に活発であり、世界中で情報交換されている有名なPHPフレームワークです。コミュニティでは不具合の報告や新機能に関する共有が行われており、CakePHPの理解を深められます。また、bakeという便利な機能があることも特徴です。bakeコマンドを使用すれば、コードを自動作成できます。

FuelPHP

FuelPHPは、2010年に誕生した比較的新しいフレームワークです。MVCモデルを採用しているだけではなく、ViewとControllerの間にViewModelというオプションを追加している点が特徴で、MVVMモデルとも呼ばれています。
データを表示用に整える作業はViewModelが行うため、ControllerやViewの負担を軽減でき、コードの簡潔化を実現できます。案件数はLaravelより少ないものの、高速かつシンプルなフレームワークで将来性が期待できます。

Codeigniter

Codeigniterは、シンプルで軽量なフレームワークです。案件数は多くありませんが、軽量であるため小規模なWebアプリ開発に適しています。また、スペックの低いサーバでも扱いやすいメリットがあります。機能が抑えられている分、学習コストが少ない点も特徴です。さらに、セキュリティも重視されており、CSRFやXSS攻撃に対する保護機能が搭載されています。

Laravelの導入方法

続いて、Laravelの導入方法について解説します。PHPをインストールしてからLaravelを使って実際に開発するまでの手順をまとめました。

Step1.PHPで開発できる状態にする

まず、PHPをインストールし、ローカル環境で「Hello World」を実行できる状態にする必要があります。PHPをインストールする場合、XAMPPを導入する方法がもっとも簡単です。XAMPPはWebアプリ開発に必要なソフトウェアがパッケージ化されたもので、PHPだけではなくMySQL、Apacheなどをまとめてインストールできます。

XAMPPの公式サイトから、OSに合ったものをダウンロードしましょう。ダウンロードが完了したら、インストーラーの指示に従って初期設定を行えば完了です。

Step2.Composerをインストールする

次に、Composerをインストールします。ComposerはPHP用のパッケージ管理ツールで、コマンド入力によってフレームワークやライブラリをインストールできます。

公式サイトから、Composerのダウンロードボタンを押してください。ダウンロード後は、インストーラーの指示に従って進めていけば完了します。ターミナルやコマンドプロンプトから「composer --version」を実行し、バージョンが表示されればインストールされています。

Step3.Laravelをインストールする

最後に、ComposerでLaravelをインストールしましょう。「composer create-project laravel/laravel {フォルダ名}」を実行することで、インストールが開始されます。「laravel --version」を実行し、バージョンが表示されればインストールされています。

Laravelの学習方法

Laravelの学習方法としては以下の3つが挙げられます。


  • ・学習サイトを使う

    ・参考書を使う

    ・プログラミングスクールに通う


Laravelは有名なフレームワークであるため、学習方法の選択肢も豊富です。予算や生活スタイルに合わせて、自分に適した学習方法を選択しましょう。

学習サイトを使う

一部の学習サイトでは、PHPだけではなくLaravelも学べます。なかでも、ドットインストールPaizaは教材がよくまとめられており、初心者にもおすすめです。学習サイトはスマートフォンやタブレットで手軽に勉強できる点や、月額1,000円程度で利用できる点がメリットです。(※価格は2023年12月現在)

参考書を使う

市販の参考書で学ぶ方法もあります。特におすすめの参考書が「基礎から学ぶ Laravel」です。業務でよく利用される機能について、わかりやすく解説しています。Laravelはアップデートされるたびに機能が変更・追加されているため、できるだけ新しい参考書を購入することが大切です。

プログラミングスクールに通う

独学では学習が続かない方や、効率よくLaravelを習得したい方は、Web系のプログラミングスクールに通う方法を検討しましょう。スクールでは講師にわからない箇所を相談できるほか、学習カリキュラムを作成してもらえるため、挫折しにくいことがメリットです。
また、LaravelだけではなくWebアプリ開発に必要なスキルを幅広く教えてもらえるスクールや、PHPでWebアプリを実際に作れるスクールもあります。

ただし、多くのプログラミングスクールでは、プログラミング未経験向けにカリキュラムを作成しています。そのため、プログラミング経験者にとっては内容が物足りなく感じるかもしれません。インフラエンジニアなどの他職種からPHPエンジニアへの転職を目指している方であれば、プログラミングスクールはおすすめです。

Laravel以外に習得したいスキル・知識

PHPエンジニアになるために身につけたいスキル・知識は以下のとおりです。


  • ・PHPの基礎知識

    ・HTML・CSS

    ・データベース

    ・オブジェクト指向


これらのスキル・知識はLaravelを習得する前、あるいはLaravelと平行して勉強することをおすすめします。

PHPの基礎知識

Laravelについて学ぶ前に、土台となるPHPスキルを固めることが大切です。PHPの基本的な文法やメソッド・ライブラリの使い方などを学びましょう。
PHPは学習難易度が低いといわれており、他の言語経験者であれば習得にはそれほど時間を要しません。オンラインの学習サイトを使って効率的に学習することをおすすめします。

HTML・CSS

HTML・CSSはWebサイトを制作する際に使用する言語であり、Webエンジニアに必要な基礎スキルの一つです。プログラミング言語に比べると難易度は低く、開発経験者であれば学習サイトを使ってすぐに習得できるでしょう。また、余裕があればJavaScriptも習得してブラウザ側の動きを理解すると、Webエンジニアとしての活躍の幅を広げられます。

データベース

データベースとは、扱いやすくするために整理された情報群のことです。ほとんどのWebアプリではユーザー情報や商品データを保持するためにデータベースを使います。Webエンジニアには、MySQLやSQLiteなどのデータベース管理システムを使いこなせるスキルが必要です。
XAMPPであれば、MySQLも同時にインストールできます。MySQLで実際にデータベースを作成し、コマンドの練習を行ってみるとよいでしょう。

オブジェクト指向

オブジェクト指向とは、システム開発で用いられる考え方です。関連するデータと手続きを、オブジェクトとしてまとめて扱う手法を指します。Laravelなどのフレームワークを使いこなすためには、オブジェクト指向を理解することが重要です。
オブジェクト指向での開発経験がない方は、概念を理解するのに時間がかかる場合があります。オブジェクト指向で実際にソースコードを書いてみる練習が必要です。

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この記事の監修

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