PHPはWeb系の開発で非常に人気のあるプログラミング言語です。PHPエンジニアの需要は高く、転職にも有利なので学習するメリットは大きいといえるでしょう。ここでは、PHPエンジニアの需要や将来性などの転職関連情報、言語の概要、学習メリット、学習方法などについて解説していきます。
PHPエンジニアについて知りたい方、これからPHPを学習してみようと考えている方は、ぜひ本記事を参考にしてみてください。
- PHPエンジニアとは?需要や年収は?
- PHPとは? JavaScriptとの違いもチェック
- PHPのメリット
- PHPのデメリット
- PHPが使われるサービス
- PHPの将来性
- 未経験からPHPエンジニアへの転職において行うべきこと
- PHPにおすすめの学習方法
PHPエンジニアとは?需要や年収は?
PHPエンジニアの需要はあるのか、また収入はどれくらいかを解説します。
PHPエンジニアとは
PHPエンジニアとはPHPというプログラミング言語を用いて様々な開発を行うエンジニアのことです。PHPは主にWeb系の開発やゲームの開発に使われる人気の言語なので、PHPエンジニアは様々な開発現場から求められています。
PHPエンジニアの需要
2022年12月現在レバテックキャリアの求人でスキル条件をPHPとして検索すると、約3800件の求人があります。他のWeb系人気プログラミング言語の求人数はJavaScriptが約4000件、Rubyが約2400件であることから、PHPの需要の高さがわかります。
PHPエンジニアの収入
レバテックキャリアのPHPエンジニアの求人の想定年収は250〜2000万円で、最も多い想定年収が400~800万円となっています(※2022年12月現在)。
PHPエンジニアの求人例
ここではレバテックキャリアの求人例から、どのような人材やスキルが求められているのかを紹介します。
想定年収
500~800万円
業務内容
・顧客管理システムのバックエンド開発(※Cake PHPを利用)
・プロジェクトメンバーのコードレビューやフィードバック、ジュニアメンバーとの1on1
・API 設計やシステムのパフォーマンスの改善などの技術支援
・プロジェクトの機能開発のすり合わせやチームビルディング
・KPTへの積極的な参加や意見反映
・情報共有を意識した各種ドキュメンテーション
必須スキル
・実務経験2年以上
・PHPの経験1年以上
マインド
・知的好奇心が旺盛で技術的な興味関心の範囲が広い方
・技術やサービスにおいて、何事も根本的な理解や解決に取り組める方
・実現したい企画に対して、相手の意図を汲み取った理解やコミュニケーションができる方
・チームやサービスの問題に対して主体的に取り組み、解決した経験がある方
関連記事:
PHPエンジニアの転職事情 - 実務レベルの人材が不足中
PHPエンジニアの年収はどのくらい?フリーランスの単価相場も紹介
PHPとは? JavaScriptとの違いもチェック
PHPとはどのような言語なのか、PHPと共に人気のあるJavaScriptとの比較も交え解説します。
PHPの概要
PHPは1996年に誕生したプログラミング言語で、主にWebのサービスやアプリケーションを開発する際に使用されます。特にサーバーサイドで動的な処理を開発する際に多く用いられています。
Laravelなどのフレームワークを活用することで、様々なWebアプリケーション構築で利用することが可能です。
JavaScriptとの違い
PHPとJavaScriptの違いとして下記が挙げられます。
処理の実行場所
PHPもJavaScriptもWebのサービスやアプリケーションの開発で使用されるプログラミング言語です。2つの言語の大きな違いは処理の実行場所が異なることです。
PHPはサーバー側で処理が行われるのに対し、JavaScriptはクライアントPCのブラウザ側で処理が行われます。そのため、PHPとJavaScriptの両方を同じソースコード上に埋め込んでいれば、PHPの処理が実行された後、JavaScriptの処理が実行されることになります。
使われる場面
PHPとJavaScriptは使われる場面も大きく異なります。PHPはサーバー側での処理が必要な場面で使用されます。例えば、ブログの書き込みやファイルアップロード、他人が更新したWebページの内容を反映する場合などです。これに対してJavaScriptは、クライアントPCでのブラウザ側のみで完結する処理を行う場面で使われます。ボタン押下時のアクション、スクロール時のアクション、動的にブラウザ表示を変化させる場合などがそれに当たります。
PHPで「Hello World!」を書いてみる
具体的にプログラムを見てみましょう。PHPで「Hello World!」をブラウザに表示させるには以下のコードを実行します。
echo "Hello World!";
?>
PHPの基本的な記述ルールでは、ソースコードを開始タグ「 」で囲むことで開始タグと終了タグで囲まれた範囲がPHPのプログラムであると理解されます。一つのプログラムの最後には「;」を付けることでプログラムの範囲を指定します。
そして、「echo」は文字列をブラウザに表示させる時に使用する命令文であるため、上記コードを実行することで、ブラウザに「Hello World!」と表示させることができます。
また、拡張子は「.php」となります。ファイル名に「.php」をつけることによりサーバーがPHPのファイルだと認識し処理を行います。
関連記事:PHPとは何か|特徴やメリット、転職関連情報について解説
PHPのメリット
多くのサービスで採用されているPHPのメリットとは何か、代表的な4つを解説します。
構文がシンプルで初心者でも習得しやすい
PHPは他のプログラミング言語と比べて少ない構文でプログラムを作成できます。初心者でも比較的習得しやすいプログラミング言語と言えるでしょう。例えば、PHPではコーディングの制約が他のプログラミング言語より少なく、変数の型を定義する必要もありません。従って、ソースコードを簡略化することが可能です。
情報量が多い
PHPは人気のプログラミング言語であるため、本やインターネット上に多くの情報が充実しています。学習する際、不明点はすぐに調べることができますし、エラーについての情報量も多いため、解消へのヒントが見つけやすいでしょう。
環境構築が容易
PHPは専用の開発ツールがなくOSの制限もありません。そのため、WindowsやMacに標準搭載されている、メモ帳やテキストエディタでも開発することができます。他のプログラミング言語では環境構築に多くの時間を費やしたり、環境構築の際にエラーが発生したりすることもあるため、環境構築が比較的容易なPHPは利用開始のハードルが低いと言えます。
フレームワークが豊富
PHPでWebのサービスやアプリケーションを開発する際、フレームワークを活用することで生産性あがり、工数を抑えることができます。また、自分で記述するコード量が減るため、バグの発生を減少させ、保守運用しやすくすることにも繋がります。
PHPはフレームワークが豊富で、それぞれのフレームワークに特徴や得意分野があります。開発用途や自分に合ったフレームワークを選定しましょう。
データベースとの連携が簡単
Webのサービスやアプリケーションを開発する場合、データを格納するデータベースとの連携が必要になります。PHPでは数行のプログラムのみでデータベースからデータを取り出すことが可能です。また、PHPは多くのデータベースに対応しており、ほぼすべてのデータベースへの接続が可能です。
PHPのデメリット
PHPにはデメリットもあります。勉強を始める際には以下を認識しておきましょう。
Web系開発以外には向かない
PHPはWeb系の開発に特化しているプログラミング言語のため、スマホアプリの開発やデスクトップアプリケーションの開発などには向きません。Web系以外の開発を行ってみたい方は注意が必要でしょう。また、PHPのスキルを必要とするWeb系以外の案件はほとんどないため、Web系エンジニアを目指していない場合、希望の分野に合ったプログラミング言語を選ぶように準備しましょう。
大規模開発には向かない
PHPは自由度が高く、さまざまな記述方法でプログラムを作成できる言語です。そのため、チームの規模が大きいとプログラムの記述方法に違いがでてくることもあります。間違ったコードの記述でも正常動作しているように見える場合があり、大規模な開発には向かないと言われています。複数人で開発を行う場合には、コーディングルールを設けること、十分なデバッグの実施によりエラーの発生を最小限にすることなどが必要となります。
セキュリティが脆弱
PHPは昔からセキュリティ面では不安があると言われています。従って、セキュリティが重要視されているシステムにはPHPはほとんど使われていません。PHPのバージョンアップで徐々に改善はされてはいるものの、他のプログラミング言語と比較するとセキュリティ面では劣るため、十分な対策が必要となります。
PHPが使われるサービス
ここではPHPがどのようなサービスで利用されているのか、代表例を紹介します。
Webサイト
PHPを使用したWebサイトは世界中に数多く存在しており、さまざまな業界で採用されています。PHPは多くのサーバーで動作環境が整っているため、時間をかけずにWebサイトを立ち上げることが可能です。また、PHPはWebサイトの文章であるHTMLの中に記述するので、どの機能がPHPで作成されたものなのか一目瞭然です。そのため、機能の改修をしやすい点も魅力です。
SNSサイト
PHPを利用することで、TwitterやInstagramなどのSNSサイトを開発することができます。SNSサイトに必要なユーザー登録・削除機能、ログイン機能、投稿機能、友達登録機能、チャット機能などはPHPのWebアプリケーションフレームワークを活用することで、コストをかけずに実装ができます。
お問合せフォーム
会社や商品販売のWebサイトにはお問合せフォームが不可欠です。実はPHPの得意分野であり、他のプログラミング言語よりもシンプルなプログラムで実装することが可能です。インターネット上にはPHPで作成したお問合せフォームが多数存在しているため、サンプルプログラムとして参考にすることで、初心者でも実装がしやすいでしょう。
予約システム
旅行や旅館、食事などをWeb上から予約する際に便利な予約システムの開発にも、主にPHPが使われています。サービス提供側にとって予約システムは、24時間対応とコスト削減の両方を実現した欠かせないサービスです。予約システムについてもインターネット上にサンプルプログラムが多数存在しているため、参考にしてみるとよいでしょう。
WordPressのようなブログサイト
ブログサイトの開発にもよく利用されており、最も有名なWordPressもPHPで作成されています。そのため、もともとWordPressにあるテーマやプラグインを使うのではなく、PHPでテーマやプラグインを自作することにより、他のWordPressユーザーと差別化を図ることができます。
また、WordPress以外のブログサイトのほとんどもPHPで開発されているため、ブログサイトを一から立ち上げることもPHPの得意分野と言えます。
PHPの将来性
PHPはWeb系の開発が得意なので、Webのサイトやアプリケーションに関わる仕事は数多く存在します。また、単価が高い案件も豊富です。実際にレバテックキャリアでも、PHPのスキルを求める求人は2022年12月現在、約3800件と多いです。このように求人数が多いということはPHPエンジニアが不足しているということの裏付けでもあります。
その他、需要の高い理由を数値を元に解説します。
(下記は全て2022年12月現在の情報です。)
求人条件によく載るプログラミング言語
2022年10月13日に公開されたアイティメディアの記事では、求人条件によく載るプログラミング言語として、1位が「Java」、2位が「PHP」、3位が「Python」であったことがわかります。
各種サイトから見るPHPの需要
オンライン学習サイトであるUdemyでは、PHPに関する学習コースや講座が6370件用意されています。Web系の開発で人気のRubyは507件であることからもPHPが注目されているといえるでしょう。
また、エンジニアをつなぐIT勉強会支援プラットフォームであるconnpassでは、2022年度に開催されるPHPの勉強会は約800件、Rubyの勉強会は約700件であることからもPHPの注目度がわかります。
関連記事:PHPの将来性の噂を検証!現状から今後の需要まで徹底解説
未経験からPHPエンジニアへの転職において行うべきこと
未経験の場合、準備をせずに転職を成功させることは困難です。PHPの習得はもちろん、下記にあげるような内容を身につけたうえで進めるべきでしょう。
PHP以外でWeb開発に必要なスキルを習得しておく
未経験の場合、面接でアピールできるようなWebアプリケーションを開発し、ポートフォリオを作成して提示することがとても重要になります。
Webアプリケーションを開発するにあたってPHPを使用するのはサーバーサイド部分のみであることが多く、ポートフォリオとして面接官に提示できるようなWebアプリケーションを開発するとなると、HTML、CSS、JavaScript、SQLの知識も必要です。
そのため、PHPだけでなく、HTML、CSS、JavaScript、SQLも学習しておくべきでしょう。これらを実際に使用してポートフォリオを作成することで、未経験でも即戦力であることをアピールできます。
PHPのフレームワークを使えるようにする
実際の開発現場では、多くの企業がWebアプリケーションフレームワークを使用してWebアプリケーションを開発しています。Webアプリケーションフレームワークとは、Webアプリケーションを開発する際の土台となる機能を搭載したソフトウェアのことで、便利な機能が多数搭載されています。
Webアプリケーションフレームワークを使用することで、工数を大幅に減らすことが可能です。PHPの代表的なWebアプリケーションフレームワークには、Laravel、CakePHP、Symfonyなどがあります。志望する企業が使用しているPHPのWebアプリケーションフレームワークを調べ、そのフレームワークについて学習することも有益でしょう。
ポートフォリオ作成時に取り入れることで大きなアピールとすることができます。PHPのWebアプリケーションフレームワークの学習も同時に進めることをおすすめします。
関連記事:未経験からPHPエンジニアになるには
PHPにおすすめの学習方法
PHPの学習方法を、参考資料も含めて具体的に解説します。
書籍にて学習する
PHPは人気の高いプログラミング言語であることから、多くの本が出版されています。以下は、PHPの基礎の解説に加えてDB連携やフレームワークなど実践で役に立つ内容が解説されているため、特におすすめです。
ゼロからわかるPHP超入門
「ゼロからわかるPHP超入門」は、Webプログラミング初心者がWebの仕組みからPHPの基礎までを学べます。多くのWeb開発にて採用されているMySQLとの連携についても解説があります。
みんなのPHP 現場で役立つ最新ノウハウ!
「みんなのPHP 現場で役立つ最新ノウハウ!」は、PHPを使う現場で役立つノウハウが充実しているため、転職活動で即戦力としてアピールしたい方におすすめです。PHPのフレームワークで最も人気であるLaravelの活用についても詳しく述べられています。
その他、即戦力として必要な知見である、実行環境の構築やユニットテスト、CI/CD導入など最新のノウハウが解説されています。
PHP本格入門[上]
「PHP本格入門[上]」は、PHPの基礎から実践までを上下巻で解説しています。基礎編として、Webの仕組みやPHPの基礎文法を扱っており、実践編ではWebアプリケーションの実装、DB連携、コーディング規約について解説されています。PHPエンジニアとして成長していきたいのであれば、間違いない書籍です。
学習サイトを利用する
UdemyやProgateなど多くの学習サイトでWeb開発を学ぶことができます。PHPについての詳しい解説に加え、環境構築が不要なブラウザ上でPHPのプログラムを記述し実行できることから、効率よく学習することが可能です。学習サイトによって学習方法が異なるので、自分に合ったサイトを見つけましょう。
プログラミングスクールを活用する
プログラミングスクールを活用することで、独学よりも効率的にPHPを学ぶことが可能です。実際の開発現場でPHPを用いた経験のある講師も多いでしょう。質問すれば、PHPプログラミングに限らず、実践でのアドバイスや他のプログラミング言語やITツールの情報など、PHPエンジニアになるための情報を聞くこともできます。
オンラインでのプログラミングスクールもあるので、雨天や移動時間を気にすることなく、隙間時間を見つけて学習することも可能です。
ITエンジニアの転職ならレバテックキャリア
レバテックキャリアはIT・Web業界のエンジニア職を専門とする転職エージェントです。最新の技術情報や業界動向に精通しており、現状は転職のご意思がない場合でも、ご相談いただければ客観的な市場価値や市場動向をお伝えし、あなたの「選択肢」を広げるお手伝いをいたします。
「将来に向けた漠然とした不安がある」「特定のエンジニア職に興味がある」など、ご自身のキャリアに何らかの悩みを抱えている方は、ぜひ無料のオンライン個別相談会にお申し込みください。業界知識が豊富なキャリアアドバイザーが、一対一でさまざまなご質問に対応させていただきます。
「個別相談会」に申し込む
転職支援サービスに申し込む
※転職活動を強制することはございません。
レバテックキャリアのサービスについて