ネットワークエンジニアの残業時間や休日事情について

最終更新日:2024年7月16日

24時間稼働するネットワークシステムの構築から運用管理・保守までを担うネットワークエンジニア。残業が多く、不規則な就業体系のイメージを持たれがちな職種ではありますが、実際のところはどのような就業体系となっているのでしょうか。この記事では、ネットワークエンジニアの業務フェーズごとの残業状況や、残業を減らすコツ、そして残業が少ない環境で働くためのヒントをご紹介します。

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この記事のまとめ

  • ネットワークエンジニアの残業時間は月平均10時間〜30時間ほど
  • 24時間365日業務が発生するためシフト制がとられていることも多い
  • 納期が近い場合やトラブルが発生した場合は残業時間が多くなる可能性がある

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ネットワークエンジニアの勤務時間

多くの社会人は、会社で決められた勤務時間内に仕事をしていますが、ネットワークエンジニアの場合、残業が発生したり、休日出勤や夜勤が必要となったりすることがあります。

なぜなら、ネットワークは重要なインフラであり、365日24時間の稼働が求められることが多いからです。トラブル発生時にいつでも対応できなければならず、24時間の監視体制を整えておくことが必要です。

そのため勤務時間は不安定となりがちですが、交代制のシフトが組まれたり、休日出勤分の休みはきちんととれるなど、トータルの勤務時間は通常勤務の場合とそれほど変わりません。ネットワークエンジニアの勤務時間について、詳しく解説します。

2交代制、3交代制とは

2交代制、3交代制とは


2交代制は1日を2つに分けて交代しながら勤務する体制、3交代は同じく1日を3つに分けて交代しながら勤務する体制です。勤務時間は2交代制であれば12時間、3交代制であれば8時間になります。2交代制になるか、3交代制になるかはそれぞれの勤務場所によって異なりますが、基本的に体制を組めるチームメンバー数によります。

日勤シフトと夜勤シフトが切り替わるタイミングでは、体調管理のために2日程度の休みが入るのが一般的です。

ネットワークエンジニアの残業時間

レバテックキャリアのネットワークエンジニア求人データを見ると、残業時間は月平均10時間〜30時間ほどの求人が多いです。

ネットワークエンジニアはトラブル対応が必要であるため残業時間が多いと思う人もいるかもしれませんが、トラブルはそれほど頻繁に発生するわけではありません。また、夜勤やトラブル対応による残業が発生しても、その分体調を整えるための休暇は取得できるため、トータルの残業時間は一般的なITエンジニアとそれほど変わらない時間といえます。

ネットワークエンジニアの1日のスケジュール例

ここでは、ネットワークエンジニアの1日のスケジュールについて例をご紹介します。2交代制で日勤の場合と夜勤の場合に分けてご紹介します。

日勤の場合

日勤では他部署のメンバーも出社しているため、プロジェクト業務や社内打ち合わせがメインの業務です。また、夜勤メンバーの作業が夜勤の時間内に終わらなかった場合は、作業を引き継いで日中帯に実施することもあります。

時間帯 業務内容
08:00〜09:00 出社、メール確認、夜勤メンバーとの引き継ぎ、一日の作業内容の確認
09:00〜11:00 プロジェクト業務(ネットワークの設計および構築、監視、障害対応など)
11:00〜12:00 社内打ち合わせ
12:00〜13:00 昼食
13:00〜19:00 プロジェクト業務(ネットワークの設計、構築、障害対応など)
19:00〜20:00 日報作成、夜勤メンバーとの引き継ぎ、翌日の作業内容確認
20:00〜 退社
夜勤の場合

夜勤では主にネットワークの監視や障害対応がメインの業務となります。例えば、イベントなどで一時的に高負荷が予想される場合は、状況を注視して対応するなどの作業が発生します。また、プロジェクトのリリース作業もシステムが停止可能な時間帯である夜間に行われる場合があります。

時間帯 業務内容
19:00〜20:00 出社、メール確認、日勤メンバーとの引き継ぎ、一日の作業内容の確認
20:00〜24:00 機器の設定変更、監視作業、障害対応など
24:00〜25:00 休憩
25:00〜31:00 機器の設定変更、監視作業、障害対応など
31:00〜32:00 日報作成、日勤メンバーとの引き継ぎ、翌日の作業内容確認
32:00〜 退社

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ネットワークエンジニアのよくある残業理由

ネットワークエンジニアのよくある残業理由


ネットワークエンジニアが残業になる主な原因は、設定変更やソフトウェアのアップデートといった、メンテナンス作業の業務時間によるものです。

日中に設定変更作業が行えないため

ネットワークは業務を円滑に進めるためには欠かせないため、業務中は正常に動作していることが求められます。
しかしネットワーク回線の強化や、ソフトウェアのアップデートなど、ネットワークの設定変更作業のために、一時的にネットワークの機能を停止させることが求められるケースがあります。

業務時間中にネットワークを停止させてしまうと、システム全体に大きな影響を及ぼし、ほかの社員の業務ができなくなることもあります。そのため、多くの場合通常業務への影響が少ない、業務終了後にメンテナンス作業が行われます。メンテナンス作業は夜遅くの作業になったり、休日に出勤して対応したりする場合もあります。

さらに、メンテナンス作業でトラブルが発生すると、解決のために想定した時間以内に作業が終わらないこともあるでしょう。そのようなことも、ネットワークエンジニアが残業する理由になっています。

納期が近いと追い込みの作業があるため

スケジュールに十分な余裕がなく、納期が近くなってくると、納期に間に合わせるために残業時間が多くなります。特にネットワークの構築・テスト時では、対象のネットワークを使用していない時間帯でしか作業ができません。作業時間が限られてくるため、残業してでも作業を進める必要が出てきます。

トラブル対処で急遽残業になってしまうため

ネットワークでトラブルが発生するとシステムに重大な影響を及ぼします。一部またはすべての機能が利用できなくなる場合では、速やかに復旧作業を行わなければなりません。
しかし、トラブルの状況によっては復旧に時間がかかることも発生します。日勤であればそのまま残業して夜間、夜勤ではそのまま残業して日中帯でも作業をして対応しなければならないケースもあります。

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ネットワークエンジニアの休日について

IT業界全体で残業について見直しが図られている今、働きすぎと嘆かれる業界ではなくなりつつあります。
残業や休日出勤のイメージが強いネットワークエンジニアも、基本的に土日を休日とする企業が多いようです。ただし、プロジェクトを中心に稼働している場合、進行具合によっては休日を返上して業務に励むことも少なくありません。
例えば、構築中のサービスがリリースされた直後だと、トラブルが発生しやすいため監視体制を強化したり、トラブルが多発し頻繁に夜勤が発生したりすることもあります。
しかし、プロジェクトが落ち着けば、平日に代休を取って休めなかった分を取り戻せるでしょう。

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ネットワークエンジニアの業務フェーズごとの残業状況

ネットワークエンジニアの仕事内容は、大きく「設計、構築、保守、運用」に分類されます。これらの分類ごとに残業状況を詳しく見ていきましょう。

  残業時間の多さ 残業が起こる状況
設計/構築 納期を守ることが最優先されるため、残業削減に
対する意識が低く、業務フェーズの中で最も
残業時間が多い傾向にある
クライアントの要件を満たす設計を行い、
正しく動作するように構築する作業が
想定通りにいかないとき
保守 設計・構築フェーズと比較すると残業が少ない
傾向にある
人手不足・案件重複・継続的な障害が
発生したとき
運用 業務フェーズの中で比較的残業時間が少ない
傾向にある
ネットワークからサーバに至るまで
幅広く対応するとき

設計/構築

納期を守ることが最優先されるため、残業削減に対する意識が低い傾向にあるフェーズです。クライアントの要件を満たす設計を行い、正しく動作するように構築していくのには時間がかかり、想定通りにいかないときは、残業が長時間に及ぶこともあるでしょう。単体・統合・障害などの各種テストが想定した通りにいくかどうかがポイントであり、設計通りに動作しない=残業に直結するようです。

また、既存ネットワークに関する作業においては、日中での作業で調整がつかない場合は業務終了後や休日対応となるため、深夜勤務・休日出勤などが発生する場合もあります。

ネットワークエンジニアの構築作業について、より詳しい情報が知りたい方は、以下の記事も合わせてご覧ください。

関連記事:ネットワークエンジニアの構築業務|流れや必要なスキル・資格を解説

保守

クライアントと直接やり取りする機会の多い設計などとは異なり、属人化した業務が少ないのが保守対応です。マネジメントとローテーション次第で残業削減を目指すことが可能なため、設計・構築フェーズと比較すると残業が少ない傾向にあります。

残業過多になるケースとしては、人手不足・案件重複・継続的な障害が発生したときなどが考えられます。例えば、人手不足や属人化によりトラブル発生時に対応できる人が限られている場合、設計/構築を担当している人がトラブル対応も行うこともあります。そうなると、特定の人に仕事が集中し、残業過多になります。

24時間365日体制の保守フェーズの場合、残業よりも深夜対応や休日対応といった部分が課題になることが少なくないようです。

運用

ネットワークエンジニアの業務フェーズのなかでも、比較的残業時間が少ない傾向にあるのが運用です。2交代制もしくは3交代制の勤務体制を採用している企業が多い傾向にあります。マニュアル化された定例業務をスケジュールに沿って進めていくため、基本的にはシフト通りの勤務になる仕事です。

しかし、企業によってはネットワークからサーバに至るまで幅広く対応するケースがあり、その場合には残業が発生しやすいです。運用フェーズにおいても、夜勤・休日出勤は発生します。

ネットワークエンジニアの運用・保守作業や、必要なスキルについて詳しく知りたい方は、以下の記事もご覧ください。

関連記事:ネットワークエンジニアの運用・保守業務とは?必要なスキルも解説

さらに、稼働後のネットワークシステムを監視する「監視業務」が存在します。監視業務について知りたい方は、以下の記事をご覧ください。

関連記事:ネットワークエンジニアの監視業務とは?仕事内容や役立つ資格を紹介

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残業時間を減らすコツはスキルを上げること

業務フェーズごとに残業時間が異なりますが、その時間を減らすコツは、ネットワークエンジニアとしてのスキルを上げることです。それでは具体的に、どのようなスキルを上げれば良いのでしょうか。

プログラミングスキルを磨く

ネットワークエンジニアは、プログラマーやシステムエンジニアと比べるとプログラミングに携わる機会は少ないかもしれません。しかし業務の効率を上げ、単純作業の繰り返しを短時間で行うために、WindowsのコマンドプロンプトやPowerShell、Unix/LinuxのShellなどが使いこなせると、非常に役に立ちます。

これらのプログラミングは、C言語やJavaなどと比べても習得が容易なので、プログラミングを専門としていないネットワークエンジニアでも十分に習得できます。

例えば、トラブル発生時の対応が複数のコマンド実行で解決するのであれば、トラブルを検知すると自動的に対応コマンドが実行されるコマンドを作成することで、夜間に呼び出されることを回避できます。プログラミングスキルを身につければ、作業を効率よく実施できるほか、本来手動で対応していたことも自動化することで残業時間削減につながります。

またインターネット上では、特定の処理を効率的に行うための、ちょっとしたプログラムが公開されています。自力でゼロからプログラムを開発するのが難しい方でも、これらのプログラムをダウンロードして実行できるようになるだけでも、ネットワークエンジニアの業務を効率化させることができるでしょう。

Officeのスキルを磨く

WordやExcel、PowerPointなどのOfficeのスキルを磨くのもネットワークエンジニアには効果的です。エンジニアの中には、プログラミングやシステム開発は得意でも、WordやExcelについては、何となくでしか理解していない方もいます。

設計書をWordやExcelで記載することも多く、Officeのスキルが乏しいと複雑なネットワーク経路図を記載するのに時間がかかってしまいます。Excelマクロの習得や、図を素早く作成するためのスキルを身につけることで、設計書の作成・メンテナンスの時間を大幅に改善することも可能です。

Officeは意外と奥が深いソフトウェアで、全ての機能を理解して使いこなすのは困難でしょう。しかしちょっとした解説書を一冊読んで、知識や操作方法を身に付けるだけでも、業務の効率は大きく向上します。あれこれと手を出さずに、書店で売れ筋の本を一冊買ってきて、空いた時間を使って読んでみるのもおすすめです。

このほか、ネットワークエンジニアに必要なスキルはたくさんあります。必要なスキルや有利な資格について知りたい方は、以下の記事もご覧ください。

関連記事:ネットワークエンジニアになるには?必要なスキルや資格も紹介

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残業が少ない環境でネットワークエンジニアとして働くには

会社や業務内容によっては、残業の少ない環境で働けることもあります。どのような環境なのか、具体的にご紹介します。

比較的残業が少ない運用・保守担当を選ぶ

ネットワークエンジニアの仕事の中でも、運用や保守担当は比較的残業は少ないでしょう。運用や保守の業務は24時間必要ですが、基本的に交代制での勤務であるため、決められた時間にしっかり業務すれば、大幅な残業が発生することは、さほど多くありません。

ネットワークエンジニアとして転職する際に、応募先の企業の仕事内容を確認して、運用や保守をメインに行っている企業に入社すると、残業が少ない環境で働けるでしょう。

設計・構築の方が年収アップやスキル向上には向いている

運用・保守担当は業務時間がある程度決められているため残業は少ないですが、基本的に下流工程の作業で主に知識・経験が浅い人が担当します。正常稼働するためのある程度決まった内容の業務を続けるだけなので、新たなスキルは身につきにくく、年収アップが望めないという点はデメリットです。

ある程度残業が発生するものの、年収アップやスキル向上を優先するのであれば、設計・構築といった上流工程を経験したほうが望ましいです。最終的に管理者やコンサルタントといったキャリアパスを踏むことができれば、高収入が期待できます。

ネットワークエンジニアのキャリアパスや需要、将来性について詳しく知りたい方は、こちらの記事でも解説しています。ぜひご覧ください。

関連記事:ネットワークエンジニアとは?どんな仕事かをわかりやすく解説

ライフワークバランスを意識している企業を選んで転職する

ネットワークエンジニアに限らずIT系の仕事はハードだと思っている方も多く、そのようなイメージを変えるために、ライフワークバランスを意識している企業も増えてきました。

特に大手企業の場合、社員に対して無理な働き方をさせて会社のイメージを落としてしまうことを、リスクとして捉えていることもあり、改善が進みつつあります。

社員の仕事とプライベートの両立を重視している会社も増えてきているので、そのようなライフワークバランスを意識している企業に入社すれば、残業が少ない環境で働けるでしょう。

「残業時間だけでなく、夜勤もできるだけ減らしたい」「残業はわかったけど、夜勤はどんな仕事があるの」など、夜勤について気になる方は、以下の記事をご覧ください。

関連記事:ネットワークエンジニアの夜勤について|手当や辛いところを紹介

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ネットワークエンジニアに関するよくある質問

ここでは、ネットワークエンジニアに関してよくある質問3つについて解説します。

Q1. ネットワークエンジニアの勤務時間は?

勤務時間は2交代制の場合は12時間、3交代制の場合は8時間です。ネットワークエンジニアは24時間年中無休で業務が発生する職種であるため、シフト制のところが多いです。基本的には土日休みですが、プロジェクトのリリース時やトラブル対応など業務次第では休日に作業が発生することもありえます。

Q2. ネットワークエンジニアの平均残業期間は?

レバテックキャリアのネットワークエンジニア求人データを見ると、残業時間は月平均10時間〜30時間ほどの求人が多いです。トータルの残業時間は一般的なITエンジニアとそれほど変わらない時間といえます。

トラブル対応のため残業時間が多いと感じる人もいるかもしれませんが、トラブルはそれほど頻繁には発生しません。また、夜間作業や長時間残業が発生しても、その分体調を整えるために必要な休暇も取得できます。

Q3. ネットワークエンジニアに向いている人は?

以下に当てはまる人は、ネットワークエンジニアに向いているといえます。


  • ・コミュニケーション能力が高い人

    ・好奇心が旺盛な人


ネットワークエンジニアは複数のメンバーでチームを組んで作業をします。作業を確実にこなすためにも、メンバー間でコミュニケーションを確実に取ることが求められます。また、クライアントの要件に合致したネットワークを構築するためにもコミュニケーション能力が必要です。他者とのコミュニケーションがしっかり取れる人は、ネットワークエンジニアに向いています。

加えて、ネットワーク技術に限らずIT技術は急速に進化しています。新しい技術に興味をもち、積極的に学んで活用できる好奇心旺盛な人は、ネットワークエンジニアに向いているといえます。

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まとめ

この記事ではネットワークエンジニアの業務フェーズごとの残業状況や、残業を減らすために身に付けるスキル、残業が少ない環境などについてご紹介しました。ネットワークが正常に動作することは、会社の業務を円滑に進めるために必要な条件です。だからこそやりがいのある仕事と言えますが、過度の残業で負担が増えすぎるのは禁物です。

業務を効率化するためのスキルを身に付け、できるだけ残業の少ない環境で働くことで、必要以上の負担を避けてネットワークエンジニアとして活躍できるでしょう。

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