ヘルプデスクとは
ヘルプデスクとは、一般ユーザーや社員が利用しているシステムの問い合わせ、技術的な質問やクレームからトラブル対応などを正確に把握してサポートする役割の職種です。問い合わせは、主に電話やメール、チャットなどで対応します。
ヘルプデスクの仕事内容
ヘルプデスクは、主に「社内ヘルプデスク」と「社外ヘルプデスク」の2種類があります。社内SEと比較して高度な専門的知識を必要としないため、未経験者を歓迎する求人が数多くあることも特徴です。各種問合せ対応のほか、IT製品に関するテクニカルサポート、社内サーバーやネットワーク機器の監視オペレーターといった業務が含まれる場合もあります。
関連記事:ヘルプデスクとは?仕事内容や必要なスキル、役立つ資格を紹介
ヘルプデスクと社内SEの違い
ヘルプデスクと社内SEの違いは、企業によって異なります。一般的な違いとしては、問い合わせの対応範囲です。問い合わせ内容が、社内システムやパソコンの使い方などであった場合、ヘルプデスクで対応可能ですが、専門的な技術で対応が必要な場合、社内SEの出番となります。そのため社内SEは、システムの設計や開発を行うシステムエンジニアが担うケースが多いです。
社内SEが開発したシステムやツールに関する、問い合わせ対応のポジションがヘルプデスクになります。中小企業では、社内SEがヘルプデスクを兼任するケースもあります。
関連記事:
社内SEとヘルプデスクの違い
テクニカルサポートとヘルプデスクの違いとは
ヘルプデスクとテクニカルサポートの違い
テクニカルサポートとヘルプデスクはともに顧客からの問い合わせを受け、顧客が抱えている課題を解決に導く職種ですが、それぞれ以下のような特徴があります。
<テクニカルサポート>
・製品やサービスへの問い合わせに対し、技術的な観点から顧客をサポートする
・一般の消費者だけではなく、企業の情報システム部や社内SEからの問い合わせを受ける場合がある
・製品や技術について、高度な知識が求められる
<ヘルプデスク>
・対応する問い合わせ範囲が広く、基本的な操作方法から障害対応までさまざまな問い合わせを受ける
・ヘルプデスクで解決できない技術的な問い合わせはテクニカルサポートへエスカレーションする
・企業内の社員から、PCやソフトウェアに関する問い合わせを受ける
ヘルプデスクは幅広くさまざまな問い合わせを受け付けるのに対し、テクニカルサポートはヘルプデスクでは解決できないような技術力が求められる問い合わせを受け付けます。そのため、求められる技術領域も、ヘルプデスクの場合は多くの技術を幅広く身につけなければなりません。その一方で、テクニカルサポートは特定の技術を深くまで身につける必要があります。
ヘルプデスクに関する資格
ヘルプデスクには、必須の資格はありません。しかし資格を取得することで、スキル証明となり転職時の評価にもつながります。また不足している知識の補填にも役立つでしょう。ここでは、ヘルプデスクに関する資格を紹介します。
関連記事:ヘルプデスクに必要なスキルと知識とは?転職・役立つ資格も解説
初心者向けヘルプデスクの業務に役立つ資格
近年OSやOffice製品を含めて、さまざまなソフトウェアがGUI操作で直感的に操作できるようになっています。その影響もあり、高度なスキルが求められないヘルプデスク(OSやOffice製品のスキルのみ必要なヘルプデスク)の需要は減少傾向にあります。
初心者がこれから長期的に活躍するためには、システム運用管理スキルやネットワーク管理スキルなど、より専門的なスキルも身につけることが重要になるでしょう。
ITパスポート試験
ITパスポートはIPA(独立行政法人情報処理推進機構)が主催する、ITに関する国家試験です。多くのIT企業で、資格取得を推奨していることが多くあります。ヘルプデスク担当者としては、初歩的な資格になります。ITパスポートを取得することで、信頼度の高いヘルプデスクとして活躍でき、自身のスキルアップにもつながります。
マイクロソフトオフィススペシャリスト(MOS)
マイクロソフトオフィススペシャリスト(MOS)は、マイクロソフトのOfficeソフト(Word、Excel、PowerPoint、Accessなど)のスキルを証明する資格です。WordとExcelは、一般レベルと上級レベル(エキスパート)が用意されています。社内ヘルプデスクの場合は、Office製品の使い方に関する問合せが多いため、取得しておくと理解が深まり、対応時間の短縮にもつながります。
Microsoft Windows 10 認定試験
Microsoft Windows 10 認定試験は、Windows10のインストールや基本操作、管理者機能などのスキルを証明する資格です。ヘルプデスクはWindows OSの操作説明だけでなく、管理者として設定作業なども行うこともあります。特殊な設定画面での操作やコマンドなど、OSの仕組みを理解するためにはとても有効な資格です。社内で利用されているOSは、移り変わります。そのため、新しいOSが導入されるたびに学習し直さなければなりません。
中級者向けヘルプデスクの業務に役立つ資格
次に、中級者向けのヘルプデスク業務に役立つ資格を紹介します。ここで紹介する資格は難易度がやや高いものもあり、エンジニアなども取得している資格です。
ITIL®ファンデーション試験
ITIL®ファンデーション試験は、ITサービスの運用管理に関するベストプラクティス(成功事例)をまとめたITILの知識を証明する資格です。社内ヘルプデスクは、ITサービスの運用管理の1つになります。ITILを学ぶことで、ヘルプデスク全体の運用改善スキルやヘルプデスクの初期設計スキルを身につけられます。ITIL®ファンデーション試験は、ヘルプデスク内でのマネージャーを目指す際には、非常に役立つ資格です。
基本情報技術者試験
基本情報技術者試験は、IPA(独立行政法人情報処理推進機構)が主催する国家試験です。ハードウェアやソフトウェア、ネットワーク、セキュリティなど、エンジニア職に求められるIT関連の基礎知識全般が問われます。IT未経験の方には、やや難易度が高い試験です。システム運用管理やネットワーク管理など、より高度なスキルを持つヘルプデスクとして活躍するには、土台となる知識を習得できます。
情報セキュリティマネジメント試験
情報セキュリティマネジメント試験は、IPA(独立行政法人情報処理推進機構)が主催する、情報セキュリティに関する知識や基本スキルを認定する国家試験です。4段階に設定された難易度のレベル2に設定されており、多様化するサイバー攻撃や内部不正といった脅威から守るための知識やスキルが問われます。
安全にITを利用するためには、情報セキュリティの確保は必要不可欠とされています。そのため最近では、情報セキュリティマネジメント試験を推奨する企業も増えています。ITパスポート試験からステップアップの一環として取得を目指す方も多く、ヘルプデスクとしてもスキルアップにつながります。
TOEIC
ヘルプデスクはサポート業務が中心で、英語圏の人のサポートを行うことも多いです。英語で資料を作成したり、英語でコミュニケーションを取ることがあります。そのため、TOEICを取得することで業務に役立つことがあります。
ヘルプデスクのキャリアアップに役立つ資格
ヘルプデスクとしてある程度のスキルを身につけたら、さらなるステップアップを目指してみましょう。ここでは、ヘルプデスクのさらなるキャリアアップにつながる資格を解説します。
CCNA
CCNA(Cisco Certified Network Associate)は、ネットワーク関連機器の世界最大手シスコシステムズ社が実施する資格試験です。CCNAを取得することで、ネットワークの基礎知識やシスコシステムズ社の製品知識や技術が得られます。
LinuC
LinuCは、Linuxに関する知識やスキルが問われる資格です。一般的に、OSなどの知識が必要となるサーバーエンジニアなどが取得を目指します。ヘルプデスクがLinuCを取得することで、ヘルプデスク業務にも役立ちますが、サーバーエンジニアへのキャリアチェンジなどにも役立ちます。
ヘルプデスクに関する資格の勉強方法
ヘルプデスクに関する資格取得のための勉強方法としておすすめなのが、書籍やWebサイトを用いた学習です。
ヘルプデスクにおすすめの資格として挙げられる「ITパスポート試験」や「情報セキュリティマネジメント試験」には多くの参考用書籍や過去問が販売されています。そのため自身の理解度やレベルに応じて最適な書籍を選択でき、効果的に学習を進められます。
また、Webサイトも資格取得に向けた効率的な学習が可能です。Webサイトには過去問が掲載されているサイトや動画で学習を進められるサイトが多く存在します。そのため書籍を購入せずとも、気軽にネット上で学習を始められます。特に動画は初学者向けのものも多く、書籍での学習が難しいと感じる方におすすめです。
以下ではヘルプデスクに関する資格の勉強方法について、資格別に詳しく解説します。
ITパスポート試験
ITパスポートの試験形式は、CBT方式です。当日会場に用意されたパソコンから、ログインして受験します。出題範囲は3つの分野から出題され、ストラテジ系(経営全般)が35問程度、マネジメント系(IT管理)が20問程度、テクノロジ系(IT技術)が45問程度です。合格には総得点で1000点中600点以上、かつ、それぞれの分野別評価点も1000点満点中300点以上を取得する必要があります。
認定レベルは4段階中のレベル1ですが、IT業界が未経験の方にとっては、専門用語や幅広い知識が必要なため難しく感じるかもしれません。
書籍や過去問で学習する
ITパスポートを独学で学習するには、書籍と過去問を使った学習が最も効果的です。テキストも参考書と問題集の2冊の購入をおすすめします。書籍から得た知識をインプットして、試験形式の過去問でアウトプットを繰り返すことが、本番の試験対策として効果的です。初心者はイラストや図解での説明があるなど、自分に合った読みやすいテキストを選ぶようにしましょう。
・おすすめ書籍
『よくわかるマスター 令和6-7年度版 ITパスポート試験 対策テキスト&過去問題集』(FOM出版、富士通ラーニングメディア)
『はじめてのITパスポート 合格テキスト&例題』(大原出版、資格の大原情報処理講座)
『いちばんやさしいITパスポート 絶対合格の教科書+出る順問題集』(SBクリエイティブ、高橋京介)
『令和06年 イメージ&クレバー方式でよくわかる かやのき先生のITパスポート教室』(技術評論社、栢木厚)
Webサイトで学ぶ
ITパスポートの過去問は、Webサイトでも学習できる環境があります。「ITパスポート試験ドットコム」などのWebサイトであれば、過去問も簡単に入手できます。解いてみて苦手な分野があれば、もう一度参考書に戻って知識の確認をしてみましょう。過去問を何度も解いて、苦手分野をつぶしていけば、ITパスポート試験に合格する可能性はかなり高まります。
情報セキュリティマネジメント試験
情報セキュリティマネジメント試験は、午前と午後の2部構成に分かれています。午前は四肢択一の知識問題、午後は文章問題が出題されます。合格ラインは、午前午後ともに60点です。午前試験は、過去問を解きながら学習することで突破できるでしょう。
午後の文章問題は、会社や組織ごとの状況をふまえた情報セキュリティマネジメントを考えるケーススタディが、出題内容になっています。知識を単純に問われる午前試験に対して、午後の試験では状況に適した選択肢を選ばなければなりません。状況を見誤ると正解を導き出すのが難しくなるため、午後試験の傾向は過去問題から学ぶ必要があります。
書籍で学ぶ
情報セキュリティマネジメント試験は、繰り返し同じ問題が出題される傾向があります。そのため、過去問題の反復練習はとても効果的です。過去問題を最後の力試し程度に考える方もいるようですが、限られた時間の中で効率よく合格を目指すのであれば、過去問題の学習をおすすめします。過去問題の内容でわからないときは、参考書を読むといった勉強法もよいでしょう。
・おすすめ書籍
『情報セキュリティマネジメント パーフェクトラーニング過去問題集』(技術評論社、庄司勝哉 他)
『令和06年 情報セキュリティマネジメント 合格教本』(技術評論社、岡嶋裕史)
『出るとこだけ!情報セキュリティマネジメント テキスト&問題集』(翔泳社、橋本祐史)
『徹底攻略 情報セキュリティマネジメント教科書』(インプレスブックス、株式会社わくわくスタディワールド)
Webサイトで学ぶ
情報セキュリティマネジメント試験は、有識者たちが出題傾向や問題分析などをおこなっている学習サイトが多数公開されています。有料サービスであれば、講義動画が閲覧できるサイトもおすすめです。セキュリティエンジニアの講師が、初心者にもわかりやすく出題ポイントを絞って解説をしてくれます。10分程度の講義動画がたくさん用意されており、スキマ時間を使いながら効率よく学習できます。
・おすすめWebサイト
しかくのいろは「資格学習ページ」
オンスク.JP 「情報セキュリティマネジメント講座」
マイクロソフトオフィススペシャリスト(MOS)
マイクロソフトオフィススペシャリスト(MOS)は、基本機能について問われる「一般レベル」と、より高度な機能が問われる「上級レベル(エキスパート)」の2つのレベルが設定されています。またPowerPointは、一般レベルのみになります。そのため、すべてのオフィスソフトが一般と上級のレベルに分かれているわけではありません。
マイクロソフトは、約3年ごとに新しいオフィスソフトを発表しています。それに伴い、MOS試験も毎回新しいバージョンに更新されます。あえて旧バージョンで受験する必要がなければ、最新版の受験をおすすめします。
書籍で学ぶ
自分のペースで計画的に学習できる人は、独学でMOSの対策本を利用した学習がよいでしょう。書籍はテキストベースであるため、スクールなどの授業と比べると操作方法が理解しにくいかもしれません。そのため、自分に合ったテキスト選びが重要です。テキストは、オフィスのバージョンごとにいくつか用意されています。受験するバージョンと、同じテキストを購入しましょう。
・おすすめ書籍
『よくわかるマスター MOS Excel 365対策テキスト&問題集』(FOM出版、富士通ラーニングメディア)
『よくわかるマスター MOS Word 365対策テキスト&問題集』(FOM出版、富士通ラーニングメディア)
『よくわかるマスター MOS PowerPoint 365対策テキスト&問題集』(FOM出版、富士通ラーニングメディア)
Webサイトで学ぶ
マイクロソフトオフィススペシャリスト(MOS)は、Webサイトでも学習ができます。「アオテンストア」は、MOSの試験準備やスキルアップに役立ちます。資格取得に向けた学習方法が紹介されていたり、スキルチェックで実力を客観的に測定もできます。
Microsoft Windows 10 認定試験
マイクロソフト社が実施しているWindows10に関する主な認定試験は「試験70-357 Developing Mobile Apps」と「試験70-698 Windows 10 のインストールと構成」の2つです。「試験70-357 Developing Mobile Apps」は、Windowsストアまたはビジネス向けのWindowsストアいずれかのWindows10アプリを設計および開発する開発者向けの試験です。
一方の「試験70-698 Windows 10 のインストールと構成」は、コアサービスのインストールから構成、一般的なローカル管理およびメンテナンスを実行するITプロフェッショナル向けとされています。Windowsの管理やメンテナンスも含まれているため、ヘルプデスク向けの資格といえるでしょう。
※2024年4月現在、試験70-357および試験70-698は廃止されています。ここでは参考情報として記載いたします。
書籍で学ぶ
資格に関する書籍はネットや書店で購入できますが、種類はかなり少ないのが実情です。教材が少ない試験であるため、市販の書籍は必ず入手したいところです。
・おすすめ書籍
『MCP教科書 Windows 10(試験番号:70-698)』(翔泳社、甲田章子)
『徹底攻略 MCP 問題集 Windows 10[70-698:Installing and Configuring Windows 10]対応』(インプレスブックス、株式会社ソフィアネットワーク 国井傑、新井慎太朗)
マイクロソフト社の無償トレーニング用サイトで学ぶ
マイクロソフト社の無償トレーニング用サイトから、試験に関する動画を視聴できます。ただし日本語に翻訳されていないため、英語でのナレーションによる視聴になります。英語が苦手な方は、スライドの英文を機械翻訳などして、理解を深めるようにしましょう。
ITIL®ファンデーション試験
ITサービスマネジメントの技能と知識を認定するITIL試験は、4つのレベルがあります。ファンデーション試験は、入門レベルとしての位置付けです。すべて四肢択一で出題され、全40問を60分間で解いて65%(26問)以上の正解で合格です。合格率は非公開ですが、おおよそ80%程度と言われています。合格基準は低いので、丁寧に学習すれば合格は難しくないでしょう。
書籍で学ぶ
最初にITILに関する入門書を読んでから、ITIL全体の概要を掴むのが良いでしょう。ITILの全体像が理解できたら、次は通称黄色本とも呼ばれている試験対策の書籍で学習を進めます。黄色本は、試験範囲を一通り学ぶことができ、2回分の模擬試験も収録されているため、必須の一冊といえるでしょう。
・おすすめ書籍
『新人ガールITIL使って業務プロセス改善します!』(C&R研究所、沢渡あまね)
『ITIL はじめの一歩 スッキリわかるITILの基本と業務改善のしくみ』(翔泳社、最上千佳子)
『IT Service Management教科書 ITIL 4ファンデーション』(翔泳社、株式会社 日立ソリューションズ 笹森俊裕、満川一彦)
Webサイトで学ぶ
Webサイトで学ぶのであれば、ITIL問題集サイトを活用しましょう。Ping-Tなら300問以上が登録されており、パソコンやスマホからも気軽に利用できます。スキマ時間を有効活用して、たくさんの問題を解きたい方にはおすすめです。
クラムメディアは有料サービスではありますが、本番の問題によく似た内容が出題されます。本試験の出題傾向を、分析したい方にとっては有益です。ただし詳しい解説などはあまり記載されていないため、調べ直す必要があるかもしれません。
基本情報技術者試験
基本情報技術者試験は、2023年4月より試験が上期・下期の2回から通年に変更されました。試験は、CBT方式で科目A試験と科目B試験の2部構成となっています。合格基準は、どちらも1000点満点で600点以上です。科目A試験は、ITに関する基礎知識が問われます。科目B試験は「情報セキュリティ」と「データ構造及びアルゴリズム」を中心とした構成です。
2023年以前と比較して、試験の内容に変更点が多いため、新方式に対応したテキストや問題集を入手する必要があります。
書籍で学ぶ
テキストを1回読んですべて覚えようとするのではなく、何度も読み返すようにしましょう。ある程度の知識が固まったら、それから過去問題を解くようにします。これまで出題された膨大な過去問題があるので、演習問題に困ることはないでしょう。IPAのサイトでも、過去問題がPDFファイル形式として公開されています。併せて、解説が掲載されている市販の問題集の購入もおすすめです。
・おすすめ書籍
『令和06年 イメージ&クレバー方式でよくわかる かやのき先生の基本情報技術者教室』(技術評論社、栢木厚)
『キタミ式イラストIT塾 基本情報技術者 令和06年』(技術評論社、きたみりゅうじ)
『情報処理教科書 出るとこだけ!基本情報技術者 テキスト&問題集[科目A][科目B]2024年版』(翔泳社、矢沢久雄)
『令和06年 基本情報技術者 パーフェクトラーニング過去問題集』(技術評論社、山本三雄)
『かんたん合格 基本情報技術者過去問題集 令和6年度』(インプレスブックス、株式会社ノマド・ワークス)
Webサイトで学ぶ
基本情報技術者試験ドットコムなど、基本情報技術者試験の受験を検討している方に向けた情報提供や、総合的に合格へのサポートをしてくれるサイトは積極的に活用しましょう。
出題範囲が広いこともあり、聞きなれないIT用語が出てきたときは、IT用語辞典 e-WordsなどのIT用語専門の辞書サイトで検索すると効率よく学習できます。
CCNA
CCNAの試験のグレードは「エントリー」「アソシエイト」「スペシャリスト」「プロフェッショナル」「エキスパート」「アーキテクト」の6つのグレードがあります。出題形式は、CBT方式で行われます。CCNAの合格ラインは非公開ですが、1000点満点中の800〜900点あたりといわれています。CCNAは出題数が多いため、問題に深く悩まずに回答を進めましょう。
書籍や過去問で学習する
CNAに関する書籍は、非常に多く出版されています。書籍や過去問を活用して、合格するための知識を身につけましょう。書籍や過去問は、試験範囲に沿った内容が基礎から学べます。書籍や過去問の購入の注意点は、2020年改定前の書籍を購入しないようにすることです。改定の前後では、出題範囲が大きく変わっています。
・おすすめ書籍
『シスコ技術者認定教科書 CCNA完全合格テキスト&問題集[対応試験]200-301』(翔泳社、林口裕志、浦川晃)
『徹底攻略Cisco CCNA問題集[200-301 CCNA]対応』(インプレスブックス、株式会社 ソキウス・ジャパン)
Webサイトで学ぶ
Webサイトでの学習も、書籍や過去問と併用すると効率的です。Webサイトでの学習は、学習のハードルが低く、モチベーションを維持しやすいメリットがあります。またネットであるため、最新情報を得られます。
・おすすめWebサイト
Ping-t
CCNAイージス
公式チュートリアルで学ぶ
公式サイトには、チュートリアルや練習問題が用意されています。試験を受験する前に、一度はチェックすることをおすすめします。CCNAは試験形式がCBT形式であるため、試験形式に慣れることもできます。
公式チュートリアルでは、試験の様子が動画で紹介されています。そのため、実際の試験のイメージがつかみやすくなります。また練習問題は問題数は少ないのですが、現在のCCNAから選ばれた練習問題がカテゴリ別であります。
資格ごとのおすすめ勉強方法一覧表
関連記事:ヘルプデスクになるために必要な勉強は?おすすめの資格も解説
ヘルプデスクに求められるスキルと知識
社内ヘルプデスクか特定の製品に関するヘルプデスクかによって、必要なスキルは異なります。どのようなヘルプデスクにも共通して必要なスキルとして「Windows OSの操作スキル」「Office製品の操作スキル」「コミュニケーションスキル」「ビジネスマナー」が代表的です。
企業で利用されているPCの多くはWindowsが採用されており、同時にExcelやPowerpointといったOffice製品も多く利用されています。そのためWindowsやOffice製品についての問い合わせが発生しやすく、「Windows OSの操作スキル」や「Office製品の操作スキル」が必要です。
また、ヘルプデスクは顧客とやり取りを行う職種です。特にメールや電話で問い合わせが多いため、メールや電話から解決したい内容を引き出す「コミュニケーション能力」と、気持ちよくやり取りを行うための「ビジネスマナー」も必須スキルになります。
以下ではヘルプデスクに求められるスキルと知識について、詳しく説明します。
関連記事:ヘルプデスクは未経験でもなれる!求人例や志望動機のコツを紹介
ヘルプデスクに必要な基本スキルと知識
同じヘルプデスクでも、自社内の業務を支援する社内ヘルプデスクと、特定製品などの問合せに対応するヘルプデスクでは、求められるスキルが大きく変わります。ここでは、どちらの業務にも要求される、共通の基本スキルから解説していきます。
Windows OSの操作スキル
企業のパソコンに導入されているOSは、Windowsが一般的です。そのため、ヘルプデスクはWindows OSの操作スキルが必須になります。具体的には文字サイズの変更やフォルダ操作、インターネットにつながらなくなったときの対応、ディスク容量が足りなくなったときの対応などがあげられます。企業によっては、Mac OSが導入されているケースもあります。Mac OSの操作スキルは、必要に応じて身につけましょう。
Office製品の操作スキル
WordやExcel、PowerPointといった一連のOffice製品の操作スキルも求められます。企業にもよりますが、よく使われる機能を熟知していれば、問題ないケースがほとんどです。ただし事業や部署などによっては、高度なExcel関数やVBAのスキルを求められることもあります。
コミュニケーションスキル
ユーザーからの問合せは、情報が少ないケースも多くあります。不明点を質問しながら、問題の本質を突き止めていかなくてはなりません。そのためにはユーザーと信頼関係を築き、必要な情報を引き出すコミュニケーションスキルが必要不可欠です。社内ヘルプデスクであれば、敬語などは一般的なビジネスマナーレベルで問題ないでしょう。
ビジネスマナー
ヘルプデスクに必要なスキルのひとつに、ビジネスマナーがあります。ヘルプデスクは、電話やメールで問い合わせ対応をします。顔が見えない相手だからこそ、好感の持てる対応が基本です。そのためには、電話対応やメール対応のビジネスマナーが必要になります。クレームに対しても、真摯に対応できるようにビジネスマナーを習得しましょう。
社内ヘルプデスクの場合
社内ヘルプデスクに必要なスキルは以下が挙げられます。
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・コマンドプロンプトの操作スキル・社内で使ってる業務システムの操作スキル、業務知識
それぞれについて詳しくみていきましょう。
コマンドプロンプト操作のスキル
コマンドプロンプトの操作スキルは、OSだけでなくソフトウェアの設定や変更にも役立ちます。コマンドプロンプトからインストールやアンインストール、各種設定の変更ができるソフトウェアも少なくありません。
場合によっては、ユーザーにコマンド操作を案内するケースもあります。そのためコマンドプロンプトの基本操作を身につけるメリットは、大きいといえるでしょう。コマンドプロンプトの操作知識で、ヘルプデスク業務にも差が生じるといっても過言ではありません。
社内で使っている業務システムの操作スキル、業務知識
社内で使われているさまざまな業務システムについては、あらかじめ仕様や操作方法を熟知する必要があります。業務システムは、販売管理や勤怠管理、顧客管理など多岐に渡ります。これらの問合せを円滑に答えるためには、操作スキルだけでなく業務知識も必要となるでしょう。
ただし業務知識の多くは、着任時に業務フロー資料などを使って学ぶケースが一般的です。問い合わせ時は、円滑に受け答えできるように回答集などが、整備されていることも多くあります。そのため、深い知識が求められないケースもあるでしょう
特定製品のヘルプデスクの場合
次に、特定製品のヘルプデスクに必要なスキルを確認していきましょう。特定製品のヘルプデスクに必要なスキルは以下の2つです。
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・製品に関する知識、操作スキル・ヘルプデスクシステムの操作スキル
それぞれについて詳しく説明します。
製品に関する知識、操作スキル
製品の操作方法や故障といった問い合わせに対応するには、製品に関する知識や操作スキルといった基礎知識が必須です。それらが専門的な前提知識であれば、入社後に研修などがあるでしょう。もし事前に調査できるのであれば、面接時にアピールポイントとして話題にしてみるのもよいでしょう。
ヘルプデスクシステムの操作スキル
ヘルプデスクシステムとは、ユーザーごとに問い合わせ内容の登録や履歴管理、FAQ管理・参照などができるシステムです。またヘルプデスクシステムのことを、インシデント管理システムなどと呼ぶこともあります。ヘルプデスクは電話対応をしながら、システムを操作して情報の登録や回答方法の確認を行います。
システム操作スキルもヘルプデスクに必須ですが、入社後に研修で身につけられるため、転職時にスキルがなくてもマイナスにはならないでしょう。
ヘルプデスクの平均年収
レバテックキャリアに掲載されている求人情報によると、ヘルプデスクの平均年収は約510万円です。ただし求人によって年収の差は大きく、また同じ求人であってもスキルや経験によって年収に幅があります。ヘルプデスクはエンジニアなどに比べて年収の幅が少ないイメージがありますが、実際はスキルや知識が高ければ、年収も高まる傾向にあります。
ヘルプデスクのキャリアパス
資格取得やスキルアップは、将来的なキャリアアップの道につながります。ヘルプデスクとして経験やスキルを積むことで、リーダーやマネージャーなど管理業務にキャリアアップも可能です。
またシステムエンジニアやネットワークエンジニア、インフラエンジニアなどのITエンジニアへ転職も可能です。ヘルプデスクには、さまざまなキャリアパスがあるといえるでしょう。
関連記事:
ヘルプデスクのキャリアパス|将来性や年収についても解説
ヘルプデスクの将来性とは?需要とキャリアパスも紹介
ヘルプデスクに向いている人の特徴
ヘルプデスクに向いている人の特徴として、以下が挙げられます。
-
・聞き上手
・人に説明する能力が高い
・理解力が高い
・問題解決力が高い
ヘルプデスクはパソコンに向かって作業するだけでなく、通話する機会が多いです。役割にもよりますが、社内の質問に答えたり、クレーム受付をしたりします。そのため、聞き上手で、人に説明する能力が高いほうが好ましいです。
また相手の話が要領を得なかったり、慣れない対応をしなければならない場合もあります。そんなとき、理解力があると迅速に対応できます。ヘルプデスクに問い合わせている人の多くは問題解決を望んでいるので、問題解決力も欠かせません。
将来はAIとヘルプデスクによるハイブリッド型が増える見込み
ヘルプデスクの仕事はAIに奪われるという声もあります。事実、IT業界でAIの普及は進み、ヘルプデスク業務の一部はAI化されるでしょう。しかし、対人の対応業務や、事務作業の中でも単純でないものをすぐにAI化することは困難です。
IT業界の人手不足も続くため、ヘルプデスクには将来性があります。AIとヘルプデスクが協働する形になる可能性が高いでしょう。言い換えれば、AIが扱えてAIと協働できるヘルプデスクはより需要があると考えられます。
ヘルプデスクに関するよくある質問
ヘルプデスクに興味がある方や目指している方に向けて、「ヘルプデスクとはどのような職種か」「ヘルプデスクになるメリットは何か」などよくある質問と回答を紹介します。
ヘルプデスクとして従事する前に疑問を解消しておくことで、イメージと実際の仕事のギャップを埋められ、いざ働く際に「想像と違った」「向いていなかった」といったミスマッチを防げます。ぜひヘルプデスクについて学習する前や目指す前に確認しておきましょう。
Q1. ヘルプデスクとはどのような職種ですか?
ヘルプデスクは、顧客や自社社員などシステムのエンドユーザーからの問い合わせに対応する職種です。通話やメールで対応することが多いため、コミュニケーションスキルやビジネスマナーなどが求められます。また、PC関連の問い合わせが多く、Windows OSの操作スキルやOffice製品の操作スキルは必須です。
Q2. ヘルプデスクとコールセンターの違いを教えてください
ヘルプデスクは問い合わせに対応しますが、コールセンターは問い合わせに対応する場合とコールセンターから電話をする場合があります。またヘルプデスクは技術的な内容に特化していますが、コールセンターは企業によって内容はさまざまです。
Q3. ヘルプデスクになるメリットを教えてください
ヘルプデスクは顧客や社員と直接やり取りするので、直接感謝の言葉を聞けることが多いです。そのため、人の役に立っていると実感しやすいです。また、問題解決したときの達成感や業務を通じて幅広い知識を身につけられることもヘルプデスクのメリットと言えます。
まとめ
この記事では、ヘルプデスクの仕事に興味がある方に向けて、ヘルプデスクに関する資格や勉強方法、求められるスキル、キャリアパスについて解説しました。ヘルプデスクは、多くの企業にとって必要不可欠な職種です。しかしソフトウェア技術の向上により、Windows OSやOffice製品のみを扱うヘルプデスクの需要は、減少傾向にあります。
そのためキッティングやシステム監視など、より高度な技術スキルを身につけていくことが求められています。資格制度などを活用しながら、スキルアップやキャリアアップも必要です。ヘルプデスクの仕事に興味がある方は、ぜひこの記事を参考にしてみてください。
関連記事:ヘルプデスクの採用率をアップさせる志望動機の書き方を例文付きで解説
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