ヘルプデスクとは?仕事内容や必要なスキル、役立つ資格を紹介

最終更新日:2024年1月26日

ヘルプデスクとは、電話やメールでの問い合わせ対応を行う仕事です。ただし、職場によっては、データベース言語であるSQLを使ったデータの調査や、IT基盤監視、システムのトラブルに関する対応などの技術的なスキルも必要となります。

業務内容に技術的な要素が含まれるため、ヘルプデスクはエンジニアに求められるITスキルの一部を身につけることが可能です。将来エンジニアを目指すために、ヘルプデスクをステップとして転職する方もいます。

本記事では、ヘルプデスクへの転職を検討中の人、未経験からヘルプデスクになることが可能か気になっている人に向けて、ヘルプデスクの種類や仕事内容、求められるスキルや経験、役立つ資格、キャリアパスなどを解説します。

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この記事のまとめ

  • ヘルプデスクは社外ヘルプデスクや社内ヘルプデスク、監視オペレーターの3つの職種に分かれている
  • ヘルプデスクと混同されやすい職種には、テクニカルサポート(サポートデスク)や社内SEなどがある
  • ヘルプデスクのキャリアパスは、社内SEやインフラエンジニアなど他のエンジニアへキャリアアップを目指す選択肢がある

ヘルプデスクの仕事内容とは

ヘルプデスクの主な仕事内容は、3つの分野に分かれます。ここでは、ヘルプデスクの種類とそれぞれの仕事内容について解説します。

一般的にヘルプデスクとは、「問い合わせに対する回答」がメインの仕事内容です。ただし、問い合わせ元の種類や仕事内容によって、以下のように分類できます。

関連記事:社内SEとヘルプデスクの違い

社外ヘルプデスクの仕事内容

社外ヘルプデスクはITシステムやソフトウェア、ハードウェアなどを提供する企業において、自社製品・サービスに関する問い合わせを受け付け、調査・回答する仕事です。社外へのサポート窓口となることがメインで、社内の関連部署と連携しながら、調査を進め、問い合わせに回答します。

社内ヘルプデスクの仕事内容

社内ヘルプデスクは、自社内のITシステムやデバイスに関する問い合わせに対応する業務を主に担当しています。スタッフが社内のシステムを利用する際に生じた問題を受け、調査や回答を行います。社内業務用のサーバーやネットワーク、業務アプリケーション、PCやモバイルデバイスなどが、問い合わせの対象となります。

監視オペレーターの仕事内容

監視オペレーターは、システムを構成するサーバーやネットワーク機器(スイッチやファイヤウォールなど)、各種のアプリケーションの稼働などを監視する仕事です。専用の監視ツールを用いることが多く、監視ツールが異常を検知したら、社内もしくは社外の管理者に報告し、指示を仰ぎます。また、状況に応じて原因調査や復旧作業、切り分け、他部署への連絡といった対応も行います。

ヘルプデスクの平均年収

厚生労働省の職業情報提供サイト「jobtag(日本版O-NET)」(※1)によると、ヘルプデスク(IT)の平均年収は534.6万円でした(出典:令和4年賃金構造基本統計調査)。このデータはヘルプデスクが含まれる主な職業分類「システム運用管理者」のうち、給与所得者を対象としたもので社内SEなども含めた数値と考えられます。また、国税庁が発表した「令和3年分 民間給与実態統計調査」(※2)によると全職種の平均年収は443万円であり、比較的高収入が望める職種といえそうです。

ヘルプデスクを採用している企業や事業の規模、ヘルプデスク自身のスキルや経験の有無などにより年収は変わってきます。ヘルプデスクへの転職を検討する場合には、スキルと見合った条件の求人選びが重要なポイントです。

※1 厚生労働省「jobtag(日本版O-NET)」(2023年7月アクセス)
※2 国税庁「令和3年分 民間給与実態統計調査」(2023年7月アクセス)

ヘルプデスクのキャリアパス

ヘルプデスクのキャリアパスとして、社内SEやインフラエンジニア、システムエンジニア、プログラマーなどの、ほかのエンジニアへのキャリアアップを目指す選択肢があります。これはヘルプデスクがIT系の職種の中でも、入門的な職種であり、さらにITの専門性を高めることが収入向上に繋がっているためです。

ヘルプデスクの種類別求人例

これまで説明した通り、ヘルプデスクは業務内容により社外向け、社内向け、監視オペレーターの三つの職種に大きく分かれます。

これらの職種別に分かれたヘルプデスクの求人状況は、どのようになっているのでしょうか。ここでは、レバテックキャリアの公開求人情報より、ヘルプデスクの種類別求人例を紹介します。

関連記事:
未経験でもヘルプデスクになれる!必要スキルや資格、キャリアアップ方法とは?
ヘルプデスクの採用率をアップさせる志望動機の書き方

社外ヘルプデスクの求人例

【業界】
IT・通信

【想定年収】
400~600万円

【業務内容】
・PCやOffice製品についての問い合わせ対応
・クラウドサービスやIT製品の導入検討、操作方法、契約やライセンス形態に関する問い合わせ対応
・不具合時の調査、ユーザサポート
・インストール方法や各種設定などのサポート

【求められるスキル・経験】
・IT機器(ハード/サーバー/ネットワーク)の知見
・ヘルプデスク、IT関連製品などの部門内サポート経験
※業務の中でITシステムを活用し、周りをサポートされていた方

【勤務地】
東京都

社内ヘルプデスクの求人例

【業界】
IT・通信

【想定年収】
340~436万円

【業務内容】
・サーバに関する問い合わせ対応
・PCの使用方法のQ&A
・メールでのサポート対応

【求められるスキル・経験】
・IT運用サポート経験(2年以上)
・MS Office(Word、Excel、PPT)の基本操作スキル
・コミュニケーションが円滑に取れる方

【勤務地】
東京都

監視オペレーターの求人例

【業界】
IT・通信

【想定年収】
276~600万円

【業務内容】
サーバ、ネットワーク等ITインフラの設計、構築、運用、監視、ヘルプデスク等の受託・社内SE業務

【求められるスキル・経験】
・ITインフラの運用もしくは構築経験が1年以上
・ITインフラ系資格1つ以上保有
・「ITエンジニアとしてキャリアを築きたい」と強いお気持ちをお持ちの方
・ コミュニケーション能力に自信のある方
・目標に向かって努力を怠らず取り組める方

【勤務地】
東京都

各職種とヘルプデスクの仕事内容の違い

ヘルプデスクと混同されやすい職種として、テクニカルサポート(サポートデスク)やコールセンターなどがあります。これらの職種とヘルプデスクの仕事内容の違いは、どこにあるのでしょうか。ここでは、ヘルプデスクと混同されやすい職種であるテクニカルサポート(サポートデスク)などとの仕事内容の違いを紹介します。

関連記事:ヘルプデスクの将来性とは?需要とキャリアパスも紹介

テクニカルサポート(サポートデスク)との違い

サポートデスクは、主に顧客からの問い合わせに対応する職種であり、サービスデスクやコールセンターとも呼ばれます。基本的にはヘルプデスクに近い職種であり、テクニカルサポートも同様に顧客・ユーザーからの問い合わせに対応する業務です。企業によっては、テクニカルサポートとヘルプデスクを同義語として使用することもあります。

違いとしては、テクニカルサポートの場合、ヘルプデスクよりもより専門的な技術についての問い合わせを受けることが多いため、「エンジニア」に近いという点があります。テクニカルサポートは問い合わせを受け付け、技術的な調査を行い、回答までを実施することもあります。

また、ヘルプデスクがメールやチャットによる非対面での対応が多いのに対し、テクニカルサポートは直接ユーザーの場所まで訪問して、現地で業務を行う場合もあります。

関連記事:テクニカルサポートとヘルプデスクの違いとは?

SEとの違い

SEは、顧客からの要求に基づいてシステムの大枠を決定し、機能ごとに設計書を作成して、開発業務をプログラマーに引き渡します。一方、ヘルプデスクは完成したシステムやサービスについて問い合わせや回答を行いますが、SEはシステムそのものを設計・構築する役割を担います。

ヘルプデスクからSEになるには、より高度なITの専門知識(データベースやネットワーク、設計スキルなど)が必要となります。一般的には、プログラマーとしての経験を積んだ後、SEを目指すキャリアパスが選ばれます。

ヘルプデスクはさまざまな業務システムをサポートするため、必然的に業務システムに詳しくなります。システムの設計にあたっては、業務内容や業務システムの知識が必要です。このような経験は、SEとして活躍するための武器になります。

コールセンターとの違い

コールセンターもヘルプデスクと同じく、顧客からの問い合わせに対応します。ただし、コールセンターは顧客に対応するインバウンド事業のほかにも、オペレーターから顧客に電話を掛けるアウトバンド業務も含まれます。専門的な対応は技術者につなぐことが基本ですが、コールセンターはヘルプデスクよりも幅広い対応が望まれる仕事といえるでしょう。

一方で、ヘルプデスクは基本的に顧客の問題やトラブル解決が主な業務です。より専門的な知識が求められるため、解決能力が求められます。

サービスデスクとの違い

サービスデスクとの違いには、対応する業務の範囲があげられます。サービスデスクは企業全体の窓口としての役割があり、ヘルプデスクの役割を担いながら、新しいプロダクトの情報発信や顧客満足度調査なども行います。

ヘルプデスクでは対応できない問い合わせは適切な部門に引き継ぐようにしますが、自ら情報発信することはありません。サービスデスクは問い合わせに対応する以外にも、能動的に情報を発信することが違いです。

ヘルプデスクに転職するメリット

ヘルプデスクの主な業務は、ユーザーからの問い合わせ対応です。これらの仕事に対して、やりがいを感じながら働く方も多数います。例えば、顧客・ユーザーから直接感謝してもらえることや、企業の円滑な業務運営に貢献できる、コミュニケーション能力が高まるなどが、ヘルプデスクのやりがいとしてあげられるでしょう。
ここでは、ヘルプデスクに転職するメリットについて解説します。

事務職と比べると時給・給与が高め

ヘルプデスクは、ITに関する専門的な知識が要求されるため、一般的な事務職と比べても時給・給与が高めです。スキルや経験によって多少金額は異なりますが、就職後にすぐに高めの時給・給与が得られ、経験を積めばさらに時給・給与が高まることも、ヘルプデスクの大きな魅力といえるでしょう。

コミュニケーション能力が高まる

ヘルプデスクの仕事を通じてコミュニケーション能力が高まることも、この仕事のやりがいといえます。多くの顧客と接する機会があるため、自然にコミュニケーション能力の習得、向上に結びつき、顧客の問題をスムーズに解決できるようになります。

もともとは対人関係が苦手だった方も、ヘルプデスクの仕事で自信を身につけ、他者と自然に会話できるようになったというケースもあるようです。

IT関連の知識・スキルが身につく

ヘルプデスクの仕事を通じて、IT関連の知識・スキルが身につくこともやりがいとしてあげられます。ヘルプデスクが関わるシステムはアップデートされて新機能追加や仕様変更が行われることもあるため、常に学び続ける必要がありますが、それはスキルの向上につながります。

顧客からの問い合わせには、ITに関する専門的な知識が必要です。自分の専門性を活かして、顧客対応をうまく行えた時には、大きな達成感を得られるだけでなく、ヘルプデスクとしての成長も実感できます。

ヘルプデスクの仕事に役立つスキルや経験

一般的にはヘルプデスクの仕事では、ITスキルを始めさまざまなスキルが役立ちます。OJTで習得できる内容も多々ありますが、転職活動時点で習得しているか習得予定を用意しておくとスムーズです。ここでは、ヘルプデスクの仕事を進める上で役立つスキルや経験を解説します。

関連記事:ヘルプデスクに必要なスキルと知識とは?転職・役立つ資格も解説

IT・システムの知識

ヘルプデスクにはIT・システムに関する知識も求められます。ヘルプデスクで対応している自社のサービスや製品に関する機能や仕様を熟知し、さらにWindowsやLinuxなどのOSに関する一般的な知識、WordやExcelなどのOfficeソフトの操作スキルも欠かせません。

IT・システムに関する知識を身につけて専門性を高めれば、ヘルプデスクとして、さらに顧客満足度を上げられるだけでなく、ほかのヘルプデスクとの差別化にもつながります。

コミュニケーション能力

ヘルプデスクには、顧客からの問い合わせに適切に回答するためのコミュニケーション能力が必要です。ヘルプデスクは、対面だけでなく、電話やメール、チャットなど、さまざまな方法で顧客とコミュニケーションを行います。

そのためには、敬語や電話対応のスキル、顧客からの質問やクレームを正確に把握できる能力、メールやチャットでの対応に必要な文章力などを身につけ、顧客が抱える問題点を早期に解決できるスキルを保有することが重要です。

ヒアリングスキル

コミュニケーション能力の中でも、ヘルプデスクにとって重要なのがヒアリングのスキルです。

ヘルプデスクに問い合わせをする相手は、アプリケーションやデバイスの利用に問題を抱えていることが多いです。場合によっては業務に影響を与えるような問題もあり、焦りや不安を抱えている場合もあります。ヘルプデスクは、冷静になって相手から一つずつ情報を聞き出し、発生している事象を特定しなければなりません。

また、問い合わせの相手はITリテラシーが高くない場合もあります。そのような場合には、相手が理解できる言葉で情報を伝えるように心がける必要があります。

ヒアリングには、ITスキルを活用して行うこともできます。例えば、Windows端末上の問題ではリモートデスクトップの利用、スマホやタブレット端末ではスクリーンショットによる情報提供を依頼することができます。利用可能なテクノロジーを積極的に活用して相手から情報を引き出し、問い合わせ相手をサポートにつなげることができます。

臨機応変な対応力

ヘルプデスクには、トラブルへの対応能力も必要です。顧客が抱えているトラブルの中には、ヘルプデスクが想定もしていないような内容のものもあります。そのようなとき、顧客の状況を的確に把握し、未知のトラブルでも対応できる能力がなければ、トラブルを解決できないだけでなく、ヘルプデスクとしての信頼性も失われてしまうでしょう。

ヘルプデスクの転職・キャリアアップに役立つ資格

ヘルプデスクへの転職やキャリアアップに役立つ資格に役立つ資格としては、基本情報技術者試験やITILファンデーション認定資格、マイクロソフトオフィススペシャリスト、Microsoft認定資格、インターネット技術者認定資格、TOEICなどがあります。これらの資格を取得することでスキルを示せるため、転職や評価向上によるキャリアアップに有効です。

関連記事:
ヘルプデスクになるために必要な勉強は?おすすめの資格も解説
ヘルプデスク向けおすすめ資格|学習方法についても解説

基本情報技術者試験

基本情報技術者試験は、独立行政法人情報処理推進機構によって運営され、経済産業省が認定する情報処理技術者向けの国家資格試験です。IT業界に馴染みの薄い方にはやや難易度が高いものの、資格取得に向けた学習では、情報処理やシステム構築の基礎知識が学べます。国家資格であるため、資格手当などを設けている企業も少なくありません。

ITILファンデーション認定資格

ITILはシステムの運用・保守に必要なスキルを標準化し、ガイドラインとしてまとめたものです。このITILに沿ったシステム運用のスキルを認定する資格試験が提供されています。

難易度別に4つのレベルが提供されており、ITILファンデーションは最も簡単な入門者向けの試験です。多くの企業のIT部門で採用されている仕組みでもありますので、ヘルプデスクや周辺業務を行う方にとって、取得しておいて損はありません。

マイクロソフトオフィススペシャリスト

マイクロソフトオフィススペシャリスト(MOS)は、一般的に事務処理用ソフトウェアとして普及しているMicrosoft社のOfficeシリーズに関するスキルを証明する資格です。WordやExcel、Powerpointなどのソフトウェアは日本国内の企業で幅広く利用されているため、問い合わせでも登場する機会が多々あります。ヘルプデスクとしても、その他の業務にあたるにも役立つ資格といえます。

Microsoft認定資格

Microsoft認定資格はMicrosoft社の製品に関するスキルを証明できる資格試験です。WindowsOSやクラウドサービスAzure、Office製品などが対象となっており、特にPC上で起こる問題全般をサポート対象とする社内ヘルプデスクにとって役立つ資格が多数存在します。Windowsのデスクトップ端末に関する「MD-100:Windows クライアント」などは、ヘルプデスクとしてのスキル・評価に直接的に関わる資格となります。

インターネット技術者認定資格

インターネット技術者認定資格(CIW:Certified Internet Web Professional)はアメリカのCertification Partners社によって運営される、インターネットに関する技術者向けの資格試験です。ヘルプデスクが設置されるような企業では、必ずインターネットが利用されており、特に社内ヘルプデスクの場合は問い合わせ内容でも頻出する内容となります。インターネットの基礎知識やセキュリティに関する資格がヘルプデスクにむけては役立つ機会が多いでしょう。

未経験からヘルプデスクを目指すには

ヘルプデスクは未経験者でも採用される可能性があり、IT職種の中では比較的ハードルの低い職種です。未経験でも採用されることがあるとはいえ、採用の可能性を高めるには準備が必要です。この準備を行うことで、採用後もスムーズに仕事をしやすくなります。ここでは、未経験からヘルプデスクを目指すには何をすべきか解説します。

資格取得を通して勉強する

IT系の資格の取得を通じて勉強することで、ヘルプデスクに必要な知識を身につけ、熱意をアピールする方法があります。たとえばITパスポートやマイクロソフトオフィススペシャリストの資格は、IT初心者でも比較的取り組みやすい、入門者向けの資格です。

求人サイトや転職エージェントで求人情報を探す

まずは、求人サイトや転職エージェントを活用して、ヘルプデスクの求人の募集条件や仕事内容を確認しましょう。この記事でも仕事内容について解説していますが、より具体的な内容を把握することが重要です。具体的な仕事内容を把握することで、自分がヘルプデスクに向いているか、これまでの経歴が活かせるかなどがわかります。

また、IT業界にはさまざまな分野があります。企業向けのシステムを提供している企業なのか、一般消費者向けのアプリケーションを提供している企業なのかによって仕事内容が異なります。システムやアプリケーションも種類が多く、それらに応じて仕事内容も変わるでしょう。

自分がイメージする働き方と合う企業を調べ、準備を進めましょう。

未経験の場合は志望動機が重要になる

未経験からヘルプデスクへ転職する場合は、自分がヘルプデスクとしてどのように貢献するか想像して志望動機を作成しましょう。たとえば、ロジカルシンキングや課題に粘り強く取り組むことができるなど、自分の強みを整理して、ヘルプデスクとして活用する方法をアピールし、説得力のある志望動機とします。

志望動機の書き方のポイント

未経験からヘルプデスクを目指す場合、まずはしっかりとした志望動機が重要です。まずヘルプデスクに興味をもった理由を明確にしましょう。家族や友達のトラブルを解決した経験や、自分がヘルプデスクに助けられた経験など、ヘルプデスクに興味を持つ理由は人それぞれです。

そして自分の知識やスキルをヘルプデスクとして、どのように生かすのかアピールしましょう。ITに関する経験ではなくても、ほかの人に何かを教えた経験は、ヘルプデスクでも十分に活きてきます。

さらに自分が将来どのようなヘルプデスクになりたいのか、キャリアパスまでを考慮して、志望動機に盛り込みましょう。企業が希望している通りの人材であることをしっかりと伝え、理想のヘルプデスクであることをアピールできれば、採用される可能性が高まります。

ヘルプデスクのやりがい

ヘルプデスクの主な業務は、ユーザーからの問い合わせ対応です。これらの仕事に対して、やりがいを感じながら働く方も多数います。例えば、顧客・ユーザーから直接感謝してもらえることや、企業の円滑な業務運営に貢献できる、コミュニケーション能力が高まるなどが、ヘルプデスクのやりがいとして多く挙げられます。ここでは、ヘルプデスクのやりがいについて解説します。

顧客・ユーザーから直接感謝してもらえる

ヘルプデスクとして、質問に的確に回答できた場合や、トラブルを解決した場合などに、ユーザーから直接感謝の言葉をいただけることがあります。自分の仕事の結果、ユーザーの課題を解決し業務を支援できたことを実感でき、非常にやりがいを感じる瞬間です。感謝の言葉をいただくことで、次の仕事のモチベーションにもつながります。

社内の調整役として頼ってもらえる

ヘルプデスクが対応するのは基本的に顧客ですが、社内との関わりも多いです。社内の調整役として頼ってもらえると、やりがいにつながるという人もいるでしょう。
企業のビジネス規模が大きくなると、組織の技術部門とそれ以外とを結びつけるのはヘルプデスクです。情報を伝えるだけでなく、双方の利害を理解したうえで調整できるのは、ヘルプデスクの持つ大きなやりがいとしてあげられます。

企業の円滑な業務運営に貢献できる

ユーザーからの質問やトラブルを解決することで、企業の業務運営に円滑さをもたらし、貢献できることに多くの方がやりがいを感じています。システムトラブルは場合によっては、企業に大きな損害を与えることがありますが、それを解決することで業務運営に貢献できます。また、自分の提案によって、企業内の業務効率が向上したことに喜びを感じる方もいます。

ヘルプデスクの仕事が「きつい/やめとけ」といわれる理由

ヘルプデスクの仕事に対して「きつい/やめとけ」という意見が聞かれることもあります。よく聞かれる内容としては、いつ起こるか分からないトラブルへの緊張感や理不尽な問い合わせ、業務範囲の幅広さなどがあります。ここでは、ヘルプデスクの仕事が「きつい/やめとけ」といわれる理由について具体的に解説します。

いつ起こるか分からないトラブルへの緊張感

システムトラブルが、いつどのように起こるのかを予測することは不可能です。そのため、就業時間中は常に問い合わせに備えるべく緊張感があるということをストレスに感じる方も少なくありません。また、業務の緩急を自分でコントロール出来ない点も、業務上特有の問題点といえそうです。

理不尽な問い合わせ

ヘルプデスクは、システム障害とは無関係な製品の誤操作などのミスを押し付けられることもあります。相手に明確な意図がない場合や、ITに関する知識が不足している場合など、納得がいかないケースもあります。

また、ITに関係のない企業の場合、ヘルプデスクの仕事内容や製品に対する理解がなく、作業がスムーズに進まないケースもあります。しかし、それでも丁寧かつ根気強く対応することがヘルプデスクの仕事です。ただ、このようなケースはヘルプデスク担当者にとってはつらいものかもしれません。

業務範囲の幅広さ

ヘルプデスクの業務範囲の線引きは難しく、企業によってさまざまです。社内SEがヘルプデスクの仕事を兼任していることもあり、実際に働き始めてからその業務範囲の広さに驚くことも多いでしょう。このような事態を避けるためにもヘルプデスクとして転職する際は、どこまでが自分の仕事に入るのかを前もって確認しておくことが大切です。

ヘルプデスクの課題と解決策

ヘルプデスクとは何かを理解し深めるために、現状ヘルプデスクが感じやすい課題と解決策をまとめました。人とのやり取りが発生する以上、トラブルや情報の齟齬は完全に防げるわけではないものの、事前に対策しておくことで冷静に対応できます。

ナレッジが蓄積しない

ヘルプデスクは電話やメール、チャットなどさまざまなチャンネルを通して質問や問題を受け取ります。また、複数の担当者が窓口対応するのがほとんどです。
この場合問い合わせデータの集約や共有が難しくなり、社内の対応ノウハウやナレッジが蓄積しないという課題を抱えることが増えるでしょう。この状況はマニュアルを作成し、過去の問い合わせを全体共有することで解決できます。

メンバーの対応状況が把握しづらい

緊急性のある対応の場合、別の問い合わせが入っても対応が難しいです。各メンバーの状況がわかれば空いた人が対応できますが、特定の担当者しかわからないことも多くあり、スムーズに業務を進めるのが難しいという課題があげられます。
この状況は、社内SEとヘルプデスクを独立させ、専門部署を設けることで解決できるでしょう。担当者にかかる負担も軽減できますが、人員が限られているヘルプデスクの場合は、なるべく分業化する努力が求められます。

明確な成果がわかりづらい

専門性が高く、幅広い知識が必要なヘルプデスク。しかし、業務内容の線引きがあいまいなことも多く、他者からの評価が「結局何をしているのかわからない」とされることもあります。
教育体制を強化し、ITツールなどの導入によりヘルプデスクの仕事を可視化することで、適切な評価にもつながるでしょう。教育体制を作る場合は、同時にマニュアルを用意しておくとその後の効率化につながります。

ヘルプデスクの将来性

ITの運用がある限り、ヘルプデスクの需要が減少することはないでしょう。現在のビジネストレンドであるサブスクリプション型ビジネスが堅調に成長している中、カスタマーサクセスという観点からもヘルプデスクの需要が増加傾向にあります。

顧客満足度を維持するためには、ヘルプデスクのような顧客接点を強化することが重要です。顧客からの不具合や仕様に関する質問に迅速かつ正確に回答することで、顧客満足度は決定されます。企業の業績にも直結するため、あらゆる製品やサービスに対してヘルプデスクを設けることが少なくありません。

現在注目すべき問題の一つとして、ヘルプデスクの業務がAIによって代替される可能性があることが挙げられます。スキルアップを怠っていると、職を失うこともあり得るため、注意が必要です。近年、普及が進むAI技術により、単純な問い合わせについては、チャットボットが活用されることが増えています。よくある質問に対する定型的な回答の業務であれば、AIによる代替の可能性が高く、今後もヘルプデスクの職を維持するためにはスキルアップが必要です。
 

ヘルプデスクに関するよくある質問

ヘルプデスクの仕事に興味があり、転職を考えている方には、ヘルプデスクに関するさまざまな質問がある方もいるでしょう。具体的には、ヘルプデスクの概要についてや IT未経験からのヘルプデスクの転職について、ヘルプデスクの仕事が本当に楽なのか、などの質問があります。ここでは、これらのヘルプデスクに関するよくある質問について解説します。

Q1. ヘルプデスクとは?

ヘルプデスクは、ITの運用をサポートする職種として、ユーザーにIT機器やアプリケーションの使い方を教えたり、システムやアプリケーションの不具合を担当者に報告するなどの業務を行います。ヘルプデスクにとって重要な使命は、ユーザーがIT機器やアプリケーションなどをスムーズに利用できるようにサポートすることです。

Q2. 社内ヘルプデスクは楽って本当?

社内ヘルプデスクの場合、問い合わせしてくるユーザーが自社の社員になるため、クレーム対応が発生しづらいというメリットはあります。しかし、製品やITシステムに対する理解や勉強が必要という点では社内・社外に違いはなく、一概に社内ヘルプデスクが楽とは言い切れません。

Q3. IT未経験でもヘルプデスクに転職できる?

IT未経験者でも採用している企業へ応募すれば、ヘルプデスクに転職可能です。ヘルプデスクはIT系の職種の中でも、エンジニアやプログラマーほどITの知識は要求されません。このため、比較的IT未経験者に対して間口が開かれている職種です。

Q4. ヘルプデスクの役割は?

社内ヘルプデスクは社内からの問い合わせに対応し、社外ヘルプデスクは顧客をはじめとした社外からの問い合わせやトラブルに対応するのが役割です。
コールセンターやサポートデスクがヘルプデスクとしての役割と兼任することもありますが、ヘルプデスクはより専門的な問題にも対応できる点が違いとしてあげられます。

まとめ

この記事では、ヘルプデスクへの転職を検討中の方、未経験からヘルプデスクになることが可能か気になっている方に向けて、ヘルプデスクの種類や仕事内容、求められるスキルや経験、役立つ資格、キャリアパスなどを解説しました。

IT業界の入門的な職種であるヘルプデスクは、他業界での経験を活かしやすい仕事です。そのため、仕事内容と自分のスキル・経験をリンクさせながら転職活動を行うことが重要になってきます。

また、キャリアアップとしてエンジニア職を目指しやすい職種でもあります。研修制度を用意している企業も多数あるため、ヘルプデスクからエンジニア職を目指す場合は研修制度がある企業を選ぶのもひとつの手でしょう。ヘルプデスクの仕事に興味がある方は、ヘルプデスクへの転職を目指してみてはいかがでしょうか。

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この記事の監修

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