SIerの志望動機の書き方と例文!書く時のポイントと注意点も解説

最終更新日:2024年7月10日

SIer(エスアイヤー)とは、企業や自治体の業務システム開発などにおける、要件定義から運用保守までを請け負う企業・エンジニアを指します。注目されるSIer業界ですが、転職の際に「どう志望動機を記載すればいいのか」と悩む人がほとんどです。

SIerは企業によって業態が異なり、応募する職種によって求められる人材像もさまざまなため、業界・企業研究をした上で、志望動機をカスタマイズする必要があります。そこで、SIerへ転職したいエンジニアに向けて志望動機の書き方と例文について解説します。加えて、未経験でSIerのエンジニアへ応募するケースの例文や考慮点についても紹介するので参考にしてください。

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この記事のまとめ

  • SIerとは、企業や自治体のIT分野における状況を把握/分析し、課題解決のためにシステムの構築を請け負う企業である
  • 志望動機は自分の言葉で簡潔に、かつ結論から分かりやすい言葉で記載するのがポイント
  • 志望動機は自分の言葉で簡潔に結論から、わかりやすい言葉で記載する。ポイントを押さえたSIerの志望動機例文も紹介
  • 志望動機を作成する際は例文をコピペせず、あくまで参考にしながら自分だけのものにアレンジする

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SIerとは

 

SIerとは、System Integration(システムインテグレーション)の略称で、エスアイヤーと呼ばれます。SIerは企業や自治体から依頼されたシステム開発などを請け負う企業を指します。システムベンダーやITベンダーとも呼ばれます。

また、SIer業界はWeb業界と同じと思われがちですが、SIer業界は他企業の要望ありきで開発を行い、Web業界は自ら開発内容を提案し一般ユーザー向けに開発をするのが大きな違いです。企業間でやり取りを行うのがSIer業界であり、Web業界とはエンドクライアントが異なる点に注意しておきましょう。

関連記事:SIerの将来性は?なくなると言われる理由と対策、市場価値を解説

SIerの分類

SIerに応募する際は、IT業界およびSIer業界の構造について理解しておく必要があります。業態ごとに求められるスキルやキャリアパスも異なるため、それを踏まえた上で志望動機を作成する必要があります。まずは、SIerの大まかな分類をチェックしましょう。

ユーザー系SIer

IT以外の業界に属する大手企業が情報システム部門を子会社化したSIerです。親会社およびグループ会社に対するサービス提供にとどまらず、そのバックボーンやノウハウを活かして、ほかの顧客企業からシステム開発・運用を受託します。ユーザー系SIerに属するエンジニアは、プロジェクトを統括する役割を担うケースが多いです。

メーカー系SIer

ハードウェア系企業が、情報システム部門を分社化して設立したSIerです。親会社が製造したパソコンやサーバーを使って開発したり、使用を前提としたシステム開発を行なったりします。官公庁や製造といったさまざまな業界において、大規模プロジェクトに携わる機会が多いです。

独立系SIer

特定の親会社を持たないSIerの総称です。親会社の案件や雇用制度に影響されないため、独自の技術を追求し、その会社固有の社風を築いている点が特徴です。独立系SIerでは、幅広い技術と専門性を追求するエンジニアが多く見受けられます。

外資系SIer

海外企業のパッケージやソリューションを日本企業へ展開するSIerです。グローバルな案件に携われる機会が多い一方で、すでに確立されたパッケージを日本市場へ販売する側面もあるため、コンサルティングやカスタマイズが中心となる場合があります。

関連記事:外資系SIerの企業例9選!年収、メリットやデメリットも解説

企業規模によって役割や担当工程が異なる場合もある

SIerの企業規模によってはシステム開発プロジェクトでの役割や担当工程が異なる場合があります。転職先を検討する際には、その点を理解しておかないとミスマッチにつながる可能性があるため注意が必要です。大手SIerか中小SIerかでどのように役割・担当工程が違うのかをそれぞれ解説します。

大手SIerの役割・担当工程

大手SIerは大規模なシステム開発プロジェクトに上流工程から参画することが多いです。プロジェクトにおいては、顧客企業と折衝し、複数のパートナー企業と連携して、全体を統括します。大手SIerに属するエンジニアは、プロジェクト管理や要件定義を中心にした上流工程を担当する機会が多く得られます。

関連記事:SESの客先常駐|メリット・デメリットやSIerとの違い

中小SIerの役割・担当工程

中小規模のSIerは、大手SIerからの下請けとして、開発工程の一部を委託され、開発・テストを担当します。そこに属するエンジニアも、実装に携わる場面が多く見られます。上流工程を担当することの多い大手SIerに比べて、中小SIerは下流工程をメインとする点が大きな違いです。

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SIerへの転職で志望動機を書くときのポイント

SIerへ応募する際の志望動機には、これまでの経験を踏まえて自己PRを論理的に説明するのがポイントです。エンジニアとしてのスキルを応募先企業でどのように活かせるのかが伝わり、採用担当者に魅力を感じてもらう志望動機が作成できると望ましいです。

また、遠回しな表現はせず、簡潔に結論から述べましょう。以下に、志望動機を書くときに考慮するべきポイントをまとめました。1点ずつチェックしてみましょう。

結論から伝える

志望動機では「1. 結論、2. 理由、3. 具体例、4. 再び結論」の順で伝えると理論的に伝わりやすいです。具体例として、以下のように志望動機を組み立てると説得力が増します。

  • 1. どのようなSIerになりたいか

    2. なぜそう思うのか

    3. きっかけとなった過去の経験やエピソード

    4. だからSIerになりたい

結論から伝えると論点の軸が捉えやすく、志望動機を読む相手にとっても短時間ですぐ結論にたどり着くことができます。また、志望動機は限られたスペースで記載しなくてはなりませんが、文字数が多くなった場合は具体例の部分を削って調整すると良いです。

企業を選んだ理由を明確にする

SIer業界はさまざまな企業が参入しているため、応募先の特徴は大きく異なります。「SIerになりたいだけなら、他企業もあるのにどうしてこの企業なのか」をまずは明確にしておきましょう。その企業で働きたい理由が特にないと、アピールとしては弱いです。企業分析が曖昧な応募者は歓迎されにくい傾向にあるでしょう。

そのSIer企業を選んだ理由を明確にできれば、志望動機でマッチング具合について言及しやすくなります。採用が決まってから「こんなはずではなかった」とミスマッチにつながる場合もあるため、自分の中で納得する理由をはっきりさせておきましょう

応募先が求めるスキルを把握し自己アピールする

応募先のSIerで求められる人物像やスキルを詳細に把握しておく必要があります。中途採用の求人では、特定の業界や職種、業務に絞って人材を募集している場合が多く見られます。たとえば、インフラエンジニアの募集で仕事内容がインフラの設計や構築、運用の場合は、「IT基盤の設計・実装・運用の経験、スキル」をアピールすると良いです。

また、扱うプログラミング言語やツールなどもチェックし、自身のスキル・経験とマッチすることを伝えましょう。あらかじめ応募先企業の戦略や求人情報を十分に分析し、必要なスキルを保有していることを志望動機に含められると効果的です。

これまでの経験から具体性を出す

SIerへ転職する場合、過去に経験したプロジェクトで発揮したスキルを具体的に主張しましょう。担当した業界や業務プロセス・技術領域といったプロジェクトに関する視点と、自分自身が担当した役割や成果の視点の双方を含めると、その状況が理解しやすくなります。

入社後にやりたいことを明示する

志望動機には「SIerになりたい熱意」を込めるのはもちろん大切です。しかし、「採用を最終目的としている人」もしくは「入社後に期待できる人」、どちらの印象を与えるかは志望動機の書き方次第で決まります。

意欲や伸びしろがあることをアピールするために、入社後のビジョンを伝えましょう。「○○のような開発をしたい」「○○の人に役立つプロダクトを作りたい」など具体的に記載すると、好印象に思われます。入社後にやりたいことがその企業でしかできない場合は、より魅力的な志望動機になります。

第二新卒・未経験の場合の考慮点

大学やプログラミングの独学などで学んだ内容を踏まえて、応募先に貢献できる旨を主張します。ITスキルに限らず、コミュニケーション能力や問題解決能力を発揮した経験もアピールできる材料になるでしょう。SIerにおける実務経験がなかったとしても、応募先の企業の特徴や強みから、自身のキャリアパスに合致している点を述べて、その企業で長く活躍する意欲を示せると良いです。

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SIerの志望動機を書くときの注意点

志望動機を書くためのポイント解説はよく見られますが、反対に「書くとマイナスポイントになる」ことは意外と知られていません。たとえば、短期離職の可能性を感じさせる志望動機は選考の大きな懸念点になるため、注意点の1つです。前職の離職理由を説明する場合に、ネガティブな印象を前面に出すのは避けるべきでしょう。

そのほか、志望動機で気をつけるべき注意点を以下にまとめました。「失敗しやすい志望動機」になっていないか、今一度確認しましょう。

その企業でなければいけない理由を曖昧にしない

企業ごとに志望動機を新しく作り直すのは必須ですが、意外とできていない人もいます。特に「多数ある中でなぜそのSIer企業なのか」を丁寧に記載すると良いでしょう。

  • ・SIerで有名な貴社を希望しました

    ・IT業界は将来性があるため貴社を希望しました

    ・今後続くであろう業界の貴社を希望しました

以上のような理由は一般論であり「その企業でなくてもよいこと」です。企業分析をして特色や求める人物像を自分なりに解釈し、自分の希望と合致している点をアピールするとより説得力が出ます。

即戦力になれることをアピールする

IT業界が未経験の場合、「採用後は多数のことを学び業務に活かしたい」といった勉強意欲をアピールする人は多いです。しかし、入社後に勉強したいという意欲は、即戦力を求める企業側にとってやや物足りなさを感じる動機でしょう。

学習意欲はもちろんですが、過去の業務や経験をつなげてすぐに活かせることをアピールすると効果的です。事前に学んだこと、取得した資格もアピールできるため「入社後には新たな資格を取得したい」ではなく「入社後は○○の資格を活かし○○の業務に取り組みたい」と表現を変えてみましょう。

伝えたい内容を絞る

志望動機に書きたいことがありすぎて、煩雑な内容にならないよう注意してください。志望動機を記入する枠は限られているため、強いアピール材料になるものだけを選別します。志望動機のきっかけとなるエピソードなどは長くなりがちなので、特に注意が必要です。分かりやすく、簡潔にまとめられるよう心掛けましょう。

企業の説明ばかりにならないようにする

企業への関心度やマッチ度を示すために、公式サイトの情報をそのまま書き連ねたり求められる人物像をコピペしたと思わせたりする書き方は良くありません。企業の強みや特色を自分なりの感性と言葉で表現し、オリジナリティな志望動機につなげましょう。また、志望動機の軸が企業とのマッチ度ではない場合は、長くなりすぎると伝えたいことが分かりにくくなるため注意が必要です。

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【SIerの分類別】スキル・経験を活かした志望動機の例文

SIerの志望動機をパターン別にまとめる場合、「これまでの業態・職種」と「応募先の業態・職種」で整理する方法があります。具体的には、過去の経験がユーザー系、メーカー系、独立系、外資系SIerそれぞれの業務にリンクするよう志望動機をカスタマイズするのが望ましいです。以下では、SIerの分類別に志望動機の例文を紹介します。

ユーザー系SIerの志望動機

中小規模の独立系SIerで、主に金融プロジェクトにおいてSEとして数年の経験を積んだケースの志望動機です。金融系に強みを持つ大手SIerへ応募する際の例文は以下のようになります。

前職では金融系システムのプロジェクト開発に5年間携わり、チームリーダーとして設計・開発を担当、社内向け業務化ツールを作成しました。結果、業務が〇%効率化し、より大規模なプロジェクトに携わりたいと考えるようになりました。金融系システムに強みを持つ貴社で、これまでの経験を活かしつつ、プロジェクトマネージャーとしてのキャリアを歩んでいきたいと考えています。

メーカー系SIerの志望動機

メーカー系SIerは元請けとして大規模システムの受託開発を担当する場合が多いです。具体的な過去の経験とこれからやりたいことを企業の特色と結びつけ、志望動機を作成しましょう。

貴社を志望した理由は、貴社が手がけている大規模SIを通じITで社会を支えるエンジニアになりたいためです。大学時代にベンチャー企業でアルバイトをしており、VBAとRPAで社内向け業務自動化ツールを作成しました。結果、業務が〇%効率化し、この経験がきっかけでITでより多くの人々を助けたい、役に立ちたいという思いが強くなり、ITのスキルを身につけて活躍することが目標になりました。貴社は社会インフラとなる大規模システムを手がけているため、多くの人を支える仕事ができると考え、志望しました。

独立系SIerの志望動機

ユーザー系SIerにてSEとして、ERP(統合基幹業務システム)を中心に数年の経験を積んだ後、独立系SIerへ応募する場合の志望動機の例文です。ERPの導入では、既成のパッケージに合わせて業務改革を行うプロジェクトが多いため、独立系SIerが参入する案件も見られます。

貴社を志望した理由は、ERPを中心としたシステム開発に携わった経験をもとに、キャリアアップをしたいからです。システム開発に関する経験は○○の作成などがあります。以前は顧客と関わる業務ができませんでしたが、顧客第一主義を大切にされている貴社で、○○の分野でのキャリアアップを叶えたく志望しました。

外資系SIerの志望動機

メーカー系SIerでシステムエンジニアとして数年の経験を積んだケースの志望動機です。コンピューターやサーバーを扱う親会社からの案件に携わっているものの、より大規模な案件に挑戦したいという想いをきっかけとして、新たなキャリアプランを描いています。インフラ関連のスキルを活かし、外資系SIerのインフラエンジニアへと応募する場合の例文は以下のようになります。

貴社を志望した理由は、海外向けのプロダクトに関わるエンジニアになりたいからです。前職ではメーカー系SIerのシステム開発プロジェクトにて、ネットワーク機器の設計・実装を担当してきました。貴社では大規模プロジェクトを多く手掛けるため、インフラエンジニアとしてグローバルな仕事も多いと存じます。○○の資格やこれまでの経験を活かし、仕事に貢献したいと考えています。

SIerへの転職における志望動機の良くない例

ここで紹介する例文のような志望動機は避けるべきでしょう。良くないポイントを挙げるので、例文と照らし合わせながら要点を確認しましょう。


  • ・前職の退職理由からネガティブな印象が感じられる

    ・企業を選んだ理由が立地/給与など自分本位

    ・仕事に対する意欲や真摯な姿勢が感じられない

    ・スキルの有無やレベル、経験が分からない

    ・貢献してくれそうなイメージが湧かない

前職では通勤時間が長かったため、改善する術がなく不満が募り退職にいたりました。貴社は自宅から20分ほどの距離なので、立地的な面で大変魅力に感じました。また、仕事内容については前職で少し触れていた内容のため、入社後に教えていただければすぐに即戦力になれると考えています。給与面でも前職よりも高いので仕事のモチベーションにもつながると思います。前職よりも条件の良い貴社でなら不満なく仕事を続けていけると感じたため、志望いたしました。

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エンジニア未経験からSIerに転職する場合の志望動機例文

SIerでは、SEを含めてエンジニア未経験の第二新卒に対する求人も多く出されます。SIerに応募する際には、志望理由として大学や課外活動で学んだ経験を踏まえて、具体的に記載すると良いです。たとえば、情報系の学生だった場合は、授業の一環として制作したプログラムについて言及し応募のきっかけとする方法があります。また、文系出身でもSIerのSE職に採用される例は多いため、興味のある人は企業研究を進めると良いでしょう。

情報系の学校出身ではなく、ITにもまったく関連のない経歴の方もいるでしょう。そういったエンジニア未経験の方が応募する際の志望動機例文を以下で紹介します。エンジニアとしてのスキルはアピールできないため、意欲やそれを示す具体的な行動を記載し、ポテンシャルを感じてもらう志望動機にしています。

前職は製造業にて2年間車両の製造ラインの一部を担当し、実際に部品を組み立てる作業をしていました。エンジニア経験はありませんが、日々働く中で、製造ラインを制御するシステムに強く興味を持ち、制御システムの仕組みを独学で学ぶようになりました。システムの仕組みが分かるにつれ、ますます関心が高まったことがきっかけで、システムの設計から関われるエンジニアになろうと決意しました。現在は製造業界で扱われるシステムについて学びながら、IT関連の資格取得を目指しています。貴社は製造業界のシステム開発を手掛けているとのことで、私の製造現場での知見や経験が活かせると感じ、貢献させていただきたいと思い志望いたしました。

第二新卒の場合の例文

アルバイトや過去の体験を志望理由に結びつけ、簡潔な志望動機にすると効果的です。インターン経験やSIerに興味を持ったきっかけを志望動機に盛り込みましょう。

SIerになりたいと思ったきっかけは、過去にプロダクトを通じ便利さを体験したからです。現在アルバイトとして従事している飲食店で、iPad用のオーダーアプリが導入されてから、付随するさまざまな業務が短縮されました。IT業界と社会との関わりを知っていく中で、業界にとらわれず顧客の課題をITの力で解決し、社会のあらゆる場面に貢献することができるSIerに就職したいと思うようになりました。
貴社においては小売業を含めて多くのプロジェクトを手掛けていると伺いました。ビジネスの成長に貢献するシステム開発に興味があり、貴社のエンジニアとして身近な問題を解決できる人材になりたいと思い、志望しました。

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SIerの志望動機でほかの応募者と差をつけるには

転職時に評価されやすいよう志望動機を改善するには、推敲を重ねていく必要があります。転職エージェントを含め、他者からのフィードバックを受けながら効率的に志望動機を改善していきましょう。特にSIer企業のようなIT業界の転職では、実務経験やスキルの高さをアピールできると即戦力として期待されやすいです。以下で、ほかの応募者と差別化するための志望動機のコツについて解説します。

業界研究、企業研究にフォーカスする

SIerはその成り立ちによって業態が異なり、業態や企業ごとに求める人物像も異なってくるため、その違いを理解し、志望動機をカスタマイズすることが推奨されます。また、企業研究のためにインターンシップに参加した経験があれば、業界や企業に対する意欲や行動力の高さが伝わりやすく、志望動機の強みにできます。

クラウド技術を始め、新たな技術を取り入れるSIerも見受けられるため、IT業界のトレンドを注視し、最新技術への関心度や新しい技術の習得に力を入れていることなどをアピールすると効果的です。

関連記事:SIerからWeb系企業への転職を成功させるには?難易度や成功例

実務経験を強みにする

開発経験などプロジェクトへ参画した経験がある場合は、自身が担当した役割やエピソードを踏まえて具体的にスキルが伝わるような志望動機にします。経験やスキルの有無・程度は、エンジニアとしての能力を測りやすい部分です。実際の経験と独自の視点でオリジナリティのある志望動機にしましょう。

希望する企業が求めるスキルを保有していない場合は、現職でスキルを向上させる方法も検討するべきです。たとえば、上流工程を手掛ける大手SIerへ転職したいならば、現在の職場環境で少しでも上流工程の経験が積めるよう行動します。具体的には、上流工程に携われるよう上司へ働きかけて、戦略的にキャリアアップを図ると良いでしょう。

ITスキルの向上への意欲を示す

実務経験を積む以外にも、独学やプログラミングスクールでITスキルを向上させる方法もあります。AI(人工知能)やクラウド技術など、今後、需要が伸びると予想される分野でスキルを身につけると転職活動が有利に進む可能性があります。

ITスキルの向上のため、関連する資格を取得するのも1つの手段です。志望動機の文章だけで意欲を主張するのは誰でもできますが、資格があると説得力が増しほかの応募者と差をつけられます。

エンジニア全般に求められるスキルが証明できる資格試験としては、ITパスポート試験基本情報技術者試験応用情報技術者試験などが挙げられます。また、特定のプログラミング言語やツールに絞ってスキルを習得し、関連する資格を取得するのもおすすめです。

転職エージェントを利用する

転職エージェントでは、志望動機や履歴書・職務経歴書の添削サービスを提供している場合が多いです。また、SIerにおける人材動向に詳しいエージェントから、業界研究や企業研究に役立つ情報やアドバイスが得られることが期待できます。一人で悩むよりも、エージェントのサポートを受けて転職活動を効率的に進めるほうが有利でしょう。

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SIerで活躍している主な職種

SIerといっても活躍している職種は複数あるため、志望動機を考える前に何を目指すかを決めておくとスムーズです。SIerでは開発系の職種の細分化が進んでおり、業務内容や責任区分は職種によって異なります。どの職種への転職を希望するかで志望動機も変える必要があるため、それぞれの概要を知っておきましょう。SIerで活躍している代表的な職種を解説します。

関連記事:SIerからの転職先|転職したい理由や転職する際のポイントを解説

システムエンジニア(SE)

SEは、上流工程を中心にシステム開発を担当する技術職です。企業によっては、設計からテストまで網羅する場合もあります。転職市場においては、特定の業界や技術領域に特化したSEの求人が出されるケースが多いでしょう。SEとして設計・開発・テストの経験を積み、プロジェクトマネージャー(PM)へキャリアアップする道もあります。

インフラエンジニア

ネットワークやサーバーといった、IT基盤の設計・構築・運用を担当する職種です。安定したシステム運用には、品質の高いIT基盤が欠かせません。近年は、クラウド技術を採用する顧客企業が多いため、クラウド技術を身につけたインフラエンジニアには高い需要があります。

テストエンジニア・品質保証エンジニア

開発したシステムが設計通りに動作し、不具合がないことを検証する役割です。大規模プロジェクトでは安定した稼働を担保するため、テストや品質保証のチームが組成されます。近年はCI/CD(継続的インテグレーション/継続的デリバリー)やDevOps(デブオプス)の考えに基づき、ツールを活用する傾向にあります。

プロジェクトマネージャー(PM)・プロジェクトリーダー(PL)

予算・納期・品質が担保できるよう、プロジェクトの進行管理を担当する役割です。プロジェクトマネージャーはプロジェクトの全体を統括し、プロジェクトリーダーは現場中心の管理を担います。SEとして数年の経験を積んだあと、チームリーダー、さらにはプロジェクトマネージャーへとキャリアアップする例が多く見られます。

ITコンサルタント

顧客企業の経営課題解決のため、業務分析やパッケージソリューションの提案・導入を担うのがITコンサルタントです。上流工程の経験を積み、業務知識を豊富に持っているSEが、ITコンサルタントのキャリアへ進むケースが見受けられます。

セールスエンジニア

セールスエンジニアは営業部門に所属し、技術的な知識に基づいて、営業活動を支援します。開発現場で実際にシステム構築などを手掛けることはありません。SEとしてIT知識や開発プロセスを学んだあと、セールスエンジニアへ転職する人が多いです。

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SIerで働くエンジニアに求められるスキル

SIerへの転職に向けて志望動機を記載する際には、応募先の企業が求める人物像に合わせて、自身のスキルや経験をアピールすることが推奨されます。具体的には、SIerの業態や、応募先特有の企業文化を理解して、志望動機に反映させると高い評価が得られやすいでしょう。あらかじめ応募する職種でどのようなスキル・ツールを扱うのかを把握し、そのマッチ度合が高いことをアピールできるのが望ましいです。以下では、一般的にSIerで求められるスキルや特性について解説します。

ITスキル

システム開発を手掛けるSIerでは、高いITスキルを有する人材は評価されます。ただし、業態や職種によって、要求されるITスキルの水準が変わってくる傾向があります。たとえば、実装まで手掛けるプロジェクトの多い独立系SIerでは高い技術力を求められます。一方、プロジェクト管理が主で開発自体は下請けに任せるユーザー系SIerでは、業界知識が重要とされIT知識は最低限で構わない、といった違いです。

これはあくまで一例なので、具体的なスキル水準の違いは、求人条件の詳細を確認したり面接時に担当者に質問したりして正確な情報をつかみましょう。志望動機を書く際には、過去の経験から保有するITスキルを裏付けする必要があります。

コミュニケーション能力

大手SIerではプロジェクト全体を統括する仕事が多いため、プロジェクト管理や調整能力が求められるようになります。そのため、異なる立場の人と協調して仕事を進められる人材は高く評価されるでしょう。

たとえば、エンジニア未経験の文系出身者がSEとして採用される際には、集団で働いた経験が評価されるケースが見受けられます。チームのメンバーや周囲の関係者と円滑に仕事を進めていくにはコミュニケーション能力が必須だからです。そのため、志望動機を書く際には、チームで成果を上げた経験を記載すると良いでしょう。

問題解決能力

エンジニアとしての役割の中で、技術的な問題を解決しチームに貢献した経験は、具体的なエピソードを添えて志望動機で主張すると良いです。プロジェクトを成功に導くため、定められた期間で仕事を完遂させた経験はSIerで高く評価されます。志望動機では、過去のプロジェクトにおける貢献を盛り込むことで問題解決のスキルをアピールできます。

マネジメントスキル

SIer業界ではシステム開発をチーム単位で行い、ほとんどの場合で納期が決められています。限られたコスト・期間の中でメンバーの進捗管理や問題解決をしながら進行するため、全体を管理するマネジメントスキルは重要視されるでしょう。

特にリーダーとなる人は、チームをまとめる力が必要です。全員に指示を出すだけでなく、最終的なプロジェクト完了という目標に向かって計画を立てて実行する管理能力を身につけましょう。

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SIerに関するよくある質問

SIerに転職するには、業態ごとの特徴やエンジニア職種の違い、企業の求める人物像を理解した上で、的を得たアピールができなければ魅力的な志望動機は作成できません。よくある質問でも転職活動や志望動機作成のヒントになる内容が多く見られます。ここで紹介する質問と回答は、多くの人が共通して抱えている疑問なので、目を通しておくことをおすすめします。

Q1. SIerとは何ですか?

SIerとはシステムインテグレーターの略称であり、企業や自治体から委託を請け、システム開発から運用・保守まで行なう企業を指します。SIerは、ユーザー系、メーカー系、独立系、外資系に分類されます。SIerで活躍するエンジニアの職種もさまざまです。

Q2. SIerに求められるスキルは何ですか?

SIerは顧客の要望・問題をシステム開発などITの力を活用して解決する仕事であるため、以下のスキルが必要です。

  • ・ITの知識やスキル

    ・コミュニケーション能力

    ・問題解決能力

    ・マネジメントスキル

基本的に、チーム単位で業務にあたるため、周囲とうまくやり取りできる人はSIer向きといえるでしょう。

Q3. SIerで身につくスキルはありますか?

SIerの中でもどの職種に就くかによって異なりますが、チームで働くためマネジメントやコミュニケーション力は身につくスキルの一例です。SIerは現場で働くエンジニアを経て人をまとめるリーダー職などになるキャリアパスが一般的で、全体を俯瞰し問題を分析・解決するスキルも身につきやすいといえます。

Q4. SIerの強みは何ですか?

SIerでは、規模の大きなプロジェクトに携われる機会が多く豊富な経験が積めるのが強みといえます。また、ユーザ系や独立系など業態が分かれており、企業の特徴がつかみやすいのも強みです。企業分析をしっかり行い、自身のビジョンと合致するSIerに転職すればキャリア形成もスムーズに進められるでしょう。

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まとめ

DXが進む中、システム開発から保守運用まで請け負うSIerは注目されている市場です。SIerを希望する場合にはエンジニアやコンサルタントまでさまざまな職種があるため、自分のやりたいことやなぜ希望するかを明確に言葉にし、志望動機に盛り込みましょう。

採用担当者の目に留まる志望動機を書くには、ポイントを押さえ自分にしかアピールできない強みを分かりやすく記載するのが大切です。自分の経験をどう活かせば良いのか分からない場合は、IT業界に強い転職エージェントに添削してもらう手段もあります。

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