- インフラエンジニアにポートフォリオは必須ではない
- インフラエンジニアがポートフォリオを作るメリット
- インフラエンジニアのポートフォリオの作り方
- インフラエンジニアのポートフォリオ例
- ポートフォリオを作成するときのポイント
- まとめ
インフラエンジニアにポートフォリオは必須ではない
インフラエンジニアにとって、ポートフォリオの作成は必須ではありません。理由としては、インフラエンジニアのスキルがポートフォリオで示しにくいことが挙げられます。
インフラエンジニアは、サーバーやネットワークの設計・構築・運用/保守を担当する職種です。そのため、携わった業務を目に見える形で提示しにくいです。また、制作物が企業の基盤システムとなるため、ポートフォリオに掲載する際、セキュリティ上詳細な情報を記載できない可能性があります。その場合、効果的なアピールにならないでしょう。
これらの背景から、インフラエンジニア転職ではポートフォリオよりも資格のほうが判断材料として良いと考える人もいます。資格は、明確に知識やスキルが示せるため、転職におけるアピールとして有効な手段だからです。「ネットワークスペシャリスト試験」「Linux技術者認定(LinuC)」などインフラ関連の資格は多く存在しています。
インフラエンジニアへの転職方法についてさらに詳しく知りたい方は「インフラエンジニアへの転職方法!未経者の目指し方や需要を解説」をご覧ください。また、インフラエンジニアにおすすめの資格については「インフラエンジニアに役立つ資格11選!難易度やロードマップを紹介」で紹介しています。
ポートフォリオを作ったほうが良い場合
インフラエンジニアとしてポートフォリオを作ったほうが良い場合があります。たとえば以下の場合、ポートフォリオがあると役立ちます。
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・転職を検討している経験豊富なインフラエンジニア
・独立を考えているインフラエンジニア
転職を検討している経験豊富なインフラエンジニアは、ポートフォリオの作成がおすすめです。これまでの経験や実績をもとに、扱えるプログラミング言語やOSのアピールができます。
また、独立を考えているインフラエンジニアも、ポートフォリオを作っておくことをおすすめします。フリーランスとして働くには、クライアントから直接案件を受けなくてはなりません。その際、自分がどのようなことができるか、どのような実績があるかを示せるポートフォリオが役立ちます。
ただし、インフラエンジニアのポートフォリオを作る際は、成果物をアピールするのではなく、開発経験から得た強みや実績をアピールすることを意識して作成しましょう。
インフラエンジニアがポートフォリオを作るメリット
インフラエンジニアがポートフォリオを作成すると、主に転職や独立の際に役立ちます。具体的なメリットとしては以下の通りです。
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・スキルの棚卸しになる
・保有スキルを目に見える形で提示できる
・ほかの応募者と差別化できる
メリットを把握することで、自分自身がポートフォリオの作成が必要かどうか判断しやすくなります。以下では、インフラエンジニアがポートフォリオを作るメリットについて詳しく紹介するので、参考にしてみてください。
スキルの棚卸しになる
ポートフォリオを作成すると、自分のスキルの棚卸しになります。ポートフォリオを作成するには、過去の成果物や実績を振り返る必要があります。過去の実績を見返すことで、自分の強みやできることを客観的に把握できるでしょう。
また、過去の成果物を見て「現在の自分ならこうする」といった改善点や成長なども分かります。
保有スキルをわかりやすい形で提示できるで提示できる
自分のスキルをわかりやすい形で提示できることは、ポートフォリオを作成するメリットの1つです。転職において「どれほどのスキルレベルであるか」は重要な要素です。ポートフォリオを提示するとできることがイメージしやすく、スキルを正当に評価してもらえる可能性が上がります。
また、企業が求めているスキルや扱っているツールなどとのミスマッチを防ぐこともできます。
ただし、保有スキルを提示した効果的なポートフォリオを作るには、掲載物を精査する必要があるため、注意が必要です。
インフラエンジニアに求められるスキルについて詳しく知りたい方は「インフラエンジニアに必要なスキルは?知識、資格まで徹底解説」をご覧ください。
ほかの人と差別化できる
インフラエンジニアへの転職でポートフォリオを提出すると、ほかの応募者と差別化できます。インフラエンジニアの転職では、基本的にポートフォリオの提出は求められません。そのため、制作しているとアピールする武器が1つ多い状態になり、印象に残りやすいでしょう。
インフラエンジニアのポートフォリオの作り方
インフラエンジニアのポートフォリオの作り方について解説します。作成方法としては以下3つが挙げられます。
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・環境設定をまとめたドキュメントを作成し提出する
・クラウド環境でサーバー構築する
・構築したインフラ環境の設定をGitHubに公開する
インフラエンジニアのポートフォリオは、成果物を動作する形で示すのが難しいです。そのため、環境設定をまとめたドキュメントを作成したり、クラウドでサーバーを構築したりして、スキルを提示します。また、構築した環境設定をGitHubに公開するのも有効です。
環境設定をまとめたドキュメントを作成し提出する
インフラエンジニアの場合、ITインフラ環境の設定をまとめたドキュメントがポートフォリオになります。一般的なWebエンジニアやプログラマーが作るポートフォリオとは異なりますが、インフラエンジニアとしてのスキルを示すために有効です。ポートフォリオとなるドキュメントとしては主に以下が挙げられます。
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・サーバー構築手順書
・運用手順書
・基本設計書
・詳細設計書
・運用設計書
・ネットワーク構成図
個人で制作したネットワーク環境の設定や、サーバー構築の手順などをWordやExcelでまとめ、応募書類と一緒に提出すると良いです。ただし、前職で携わったドキュメントをコピーして流用してはいけません。顧客情報の漏洩にあたる可能性があり、志望企業からの印象も悪くなるでしょう。
クラウド環境でサーバー構築する
AWSやGoogleCloud、Microsoft Azureなどのクラウドサービスを使って、サーバーを構築し、簡単なサイトやブログを公開する方法があります。参考となるポートフォリオサイトは、「インフラエンジニアのポートフォリオ例」の章をご確認ください。
昨今サーバーをオンプレミスからクラウドへ移行する企業が増えています。そのため、クラウド上でサーバー構築する能力があると転職で有効です。
以下では、AWSを例に挙げて、サーバーの構築とポートフォリオの作成手順を簡単に紹介します。
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・AWSアカウントを取得する
・LightSailでサーバーを立ち上げる
・静的IPを取得する
・ドメインを取得し、連携を行う
・SSL連携し、https化する
・セキュリティを強化する
・WordPressからポートフォリオサイトを作成する
出典:AWSでポートフォリオを作ろう!【インフラエンジニア】【セキュリティエンジニア】【ホワイトハッカー】
上記はあくまでも一例ですが、クラウド上でサーバーを構築しポートフォリオサイトを作成してみたい方は参考にしてみてください。作成した手順やこだわったポイントなどをまとめて説明できるようにしておくと、転職の際に役立ちます。
インフラエンジニアにAWSスキルが必要な理由について気になる方は「インフラエンジニアにAWSスキルが求められる理由」をご覧ください。
構築したインフラ環境の設定をGitHubに公開する
構築したインフラ環境の設定のファイルやシェルスクリプトをGitHubで公開するのも一つの手段です。GitHubのURLを応募書類に記載し、提出することで、インフラ環境の構築、運用スキルを示せます。
また、GitHubを扱うスキルが求められる企業もあります。特に、チーム単位で開発プロジェクトを進める企業ではGitHubをよく活用します。そのため、GitHubの使用経験が評価される場合もあるので、扱っておいて損はないでしょう。
インフラエンジニアのポートフォリオ例
ポートフォリオサイトを作成したいと考えた方向けに、参考となるポートフォリオ例を2つ紹介します。ほかのインフラエンジニアが作るポートフォリオ例を見ることで、自分と異なる視点や作り方を知ることができます。参考になるサイトとポイントを以下にまとめました。良ければ参考にしてみてください。
ポートフォリオサイト | ポイント |
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KOHEI MATSUNOBU | ・保有スキルや資格が見やすい ・業務のイメージが湧く |
chibihara's Lab | ・保有スキルや資格を掲載している ・制作物から実際に活かせるスキルをアピールしている |
KOHEI MATSUNOBU
KOHEI MATSUNOBUはインフラエンジニア松延航平のポートフォリオサイトです。
保有スキルをレーダーチャートで表現し、細かい項目については分野ごとに分けて解説されています。プログラミング言語やツールをどのように活用しているか簡潔に説明されているため、使用しているイメージがしやすいです。
WORKの項目では、過去に携わった業務の概要がまとめられており、実際にどのような役割でどのような工程に携わったかが分かるため、仕事を任せやすいでしょう。
3ヶ月ごとに更新され、最新のスキル状況や実績が伝わるのも大きなポイントです。
chibiharu’s Lab
chbiharu’s Labはインフラエンジニアchibiharuのポートフォリオサイトです。
OSやクラウドサービス、開発など分野別にスキルを紹介したり、保有資格を紹介したり、自分ができることをシンプルに分かりやすく伝えられています。また、成果物として業務以外で制作した個人サイトや自宅のネットワーク環境、GitHubのドキュメントなどを掲載しており、実務に活かせるスキルがあることを示しています。
ポートフォリオを作成するときのポイント
ポートフォリオを作成するときのポイントを紹介します。主なポイントは以下の4つです。
-
・過去の成果物や実績の掲載許可を取る
・見やすさを重視する
・Web公開している場合は定期的に更新する
・第三者にアドバイスをもらう
インフラエンジニアとして、自身の魅力を伝えるポートフォリオを作るには、上記の4点をおさえると良いです。以下ではこれらの項目について詳しく紹介していきます。ポートフォリオ作成する際は、参考にしてみてください。
過去の成果物や実績の掲載許可を取る
過去の成果物や実績をポートフォリオに掲載する際は、許可を取る必要があります。インフラエンジニアは、システムの基盤となるITインフラに携わります。そのため、セキュリティ上の理由から、許可なく成果物や携わった業務の詳細な情報を記載してはいけません。
このような背景から、インフラエンジニアのポートフォリオでは、個人制作のネットワーク構成図やサーバー構築手順書などを掲載することが多いです。過去に携わった成果物や実績を詳しく解説する事例は、ほかのエンジニア職種のポートフォリオと比較すると少ないです。
たとえば、システム開発で扱っているツールやプログラミング言語なども、企業によっては公開したくない場合があります。そのため、掲載したい場合は許可を取り、実際に載せる内容を確認しましょう。
見やすさを重視する
インフラエンジニアがポートフォリオを作る際は、見やすさを重視して作成しましょう。スキルセットや実績、保有資格などが伝わりやすいことが重要です。インフラエンジニアのポートフォリオサイトでは、デザイン性の高さや機能の複雑さはあまり求められません。Webサイトの制作スキルではなく、あくまでもITインフラに関連するスキルを知りたいからです。
ドキュメントとして提出する際も同様です。文字のフォントやサイズ、項目など読みやすく、分かりやすいポートフォリオにすることを心がけましょう。
Web公開している場合は定期的に更新する
WebサイトやGitHubなどインターネット上でポートフォリオを公開する場合は、定期的に更新することが重要です。定期的な更新は、向上心や学習意欲をアピールできます。
インフラエンジニアを含むエンジニア職種は、最新の知識や技術を常にアップデートしていくことが求められます。そのため、転職において学習意欲が高い人のほうが、評価されやすいです。
また、努力を継続できるという強みにもなります。インターネット上にポートフォリオを公開する場合は、定期的に更新するようにしましょう。
第三者にアドバイスをもらう
魅力的なポートフォリオを作成するには、友人や転職エージェントなど第三者から意見をもらうことがおすすめです。客観的な視点からチェックしてもらうと、ミスや新しいアイデアに気づけます。転職エージェントでは、応募書類やポートフォリオの添削サービスがあるため、自信がない方は相談してみると良いでしょう。
レバテックキャリアでは、職種ごとに専門のアドバイザーがキャリアカウンセリングやポートフォリオの添削を行ってくれます。インフラエンジニアへの転職を検討している方は、ぜひ活用してみてください。
まとめ
本記事では、インフラエンジニアにおけるポートフォリオの必要性や作成するメリット、作成手順などについて解説しました。
インフラエンジニアにとってポートフォリオの作成は必須ではありません。採用担当者によっては、資格取得をしたほうが良いと考える方もいます。しかし、「スキルの棚卸しになる」「目に見える形でスキルを示せる」「他者と差別化できる」などのメリットがあることも事実です。
インフラエンジニアとして自分のスキルを示す方法について悩んでいる方は、ぜひ本記事の内容を参考にしてみてください。
※本記事は2024年11月時点の情報を基に執筆しています
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