VBAを使うことで業務効率化できるため、転職時に評価されやすいVBAは転職に役立つ?事務職・エンジニア職のスキルの違いとは

最終更新日:2022年10月5日

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VBA(Visual Basic for Applications)は、Microsoft社のOffice製品に搭載されているプログラミング言語です。VBAにより作成したプログラムはWordやExcel、Accessといったソフトウェア製品上で動かすことができ、事務業務を効率化することが可能です。このため、VBAのスキルを有していると転職において評価される傾向にあります。ただし、目指す先が事務職かエンジニア職かによって、必要なスキル・経験に差があるため、志向に合わせた進路選択が必要です。

この記事では、VBAを使った転職を検討する方に向けて、役立つ情報をまとめて紹介します。VBAのプログラミング言語としての概要や使ってできること、需要と将来性、転職時に必要なスキル・経験、実際の年収例を記載していますので、今後の転職に向けて活用ください。

VBAとは

VBA(Visual Basic for Applications)とは、WordやExcel、PowerPoint、AccessなどのMicrosoft Office製品に標準搭載されているプログラミング言語および開発環境です。Visual Basicというプログラミング言語をベースにして開発されています。

VBAを活用することで、Office製品上での操作をプログラムにより自動化することが可能です。複雑な手順の操作をプログラムに行わせることや、大量のデータに対する繰り返しの処理をプログラムにより高速に処理することができます。特にExcelやAccessを使った数値などのデータの集計、整理を多数行う業務では、VBAによる業務効率化が大変有効です。

またVBAの用途は、小規模なプログラミングによる業務効率化に限られたものではありません。VBAのプログラムとOffice製品やその他言語のプログラムを組み合わせて、本格的なITシステムを構築する際にも用いられます。

関連記事:VBAとは?仕事での活用法や将来性、勉強方法も解説

VBAの需要と将来性

プログラミング言語としてのVBAについて、需要と将来性について解説します。

15年以上続く底堅い需要が今後も続く見込み

VBAはOffice製品がインストールされていればすぐに使用できるため、開発環境の構築コストが非常に小さいという特長があります。Office製品は1993年に登場して以来、企業の事務処理やデータ集計などに活用されており、事務処理の定番ツールとなっています。

パソコン・デジタル家電製品関連の販売数を調査しているBCNの調査では、2022年の表計算・グラフソフト部門でBCN AWARD(第一位)となりました。公開された調査結果では最も古い2000年から連続してBCN AWARDに選ばれており、2012年以降ではExcelのシェアは圧倒的で、99%以上のシェアを維持しています。

なぜVBAの需要は続くのか

VBAは、頻繁に使用される業務アプリケーション(Word、Excel、PowerPoint)にデータ抽出やセル自動操作といった機能を付与できるため、即効性の高い業務効率化対策として支持されています。また、集計・分析・自動計算など、事務作業で必要な処理を幅広く実装できることも強みです。特にExcel VBAのスキルは、いわゆるバックオフィス(人事・経理・営業事務・カスタマーサポートなど)の幅広い職種で評価される、汎用性が高いスキルといえます。

さらに、システム開発の分野でも、中小企業向けであればExcel VBAのスキルがおおいに活用できます。中小企業ではIT予算が限られているケースが多く、IT投資額を下げることを目的にE
xcel VBAやAccess VBAを採用したシステムを構築するケースが少なくないためです。
よって、数万件レベルの大量のデータを集計・分析する用途にこそ向かないものの、数人~数十人規模の会社で使う業務アプリ開発や事務職向けの業務効率化対策としては、引き続き需要が継続すると考えられます。

近年ではExcelとVBAと同一分野では、GoogleスプレッドシートとGASによる処理が台頭してきています。しかし、これもExcelとVBAの処理を全て置き換えるには至らないと考えられます。一つの理由はスプレッドシートやGASはクラウドサービス上で利用することが前提となっており、重要性の高いデータに関してはセキュリティ上の都合で利用しづらいためです。さらには、既存のVBA資産の有効活用という観点でも、今後もVBAの将来性は高いことが予測されます。

VBAを活用する現場への転職で評価されるスキル・経験

本項ではVBAのスキルを活かした転職において、持っていると評価されやすいスキル・経験を、「事務職」「エンジニア」の2パターンに分けて解説します。VBAはどちらかといえば事務職の転職市場で評価されるスキルです。エンジニア向けの転職市場でも評価されないわけではありませんが、VBAを主要スキルとした求人は少数です。

事務職の転職で評価されるスキル・経験

事務職を対象とした転職では、VBAを使った事務作業効率化スキル、経験が評価されます。以下に、具体的に記載します。

手作業の自動化に役立つコーディングスキル

EXCELにおけるセルの列幅や日付の自動調整など、事務作業で頻繁に発生する細かな作業を効率化する機能の実装スキルです。業務の中で発生するちょっとした手間を減らすだけでも、繰り返し行われる部分を自動化できれば作業の効率化に繋がります。

書類の自動作成スキル

請求書、支払明細書、稟議書など、業務上で発生するあらゆる書類をVBAを使って作成する機能の実装スキルです。EXCELやPDFファイルなどの電子帳票として出力するケース、ACCESSなどを用いて紙の帳票として出力するケースなどがあります。

バックオフィス部門の業務効率化経験

VBAの実装スキルだけでなく書類作成やリサーチなど、バックオフィス部門の業務を効率化した経験があれば、転職市場での強みになるでしょう。例えば、それぞれの書類作成に必要な項目を精査、手順の整理を行いつつ、VBAに落とし込むといった経験です。

事務作業は毎日必ず発生する作業のため、ドラスティックな効率化に二の足を踏んでいる企業が少なくありません。加えて、VBAによる効率化・自動化を外注するとコストに見合わないため、意外に効率化されていない企業は珍しくないのです。したがって、事務処理を行いつつVBAによる自動化・効率化を推進できる人材の評価は高い傾向にあります。

エンジニアの転職で評価されるスキル・経験

エンジニアを対象とした転職市場では、VBAのみを必須スキルとした求人は稀です。システムエンジニアやプログラマーとしての基本的なスキル・経験(設計、プログラミングなど)に付随する形でVBAを習得していると、より評価されやすくなると理解しておきましょう。ITシステム開発においてもOffice製品は普及しており、VBAを使った設計書作成の効率化などに利用しているケースもあります。

以下に示す通り、エンジニアに求められるVBAスキル・経験は、システム開発の一部で活かされるものが大半です。したがって、エンジニアがVBAを使って転職する場合は、複数の言語で構成されたスキルセットの中にVBAがあることが前提となります。つまり、JavaやC++、PHPといったシステム開発の現場でよく使用される言語とともにVBAを習得していると、評価されやすくなるでしょう。また、近年はRPAによる業務効率化対策やクラウド環境のインフラ運用業務自動化などでも、VBAが評価される傾向にあります。

システム間連携の開発スキル、経験

エクセルファイルから基幹システムへのデータアップロード・ダウンロードツール開発など、異なるシステム間をつなぐシステム間連携ツールの開発スキル・経験は評価の対象となります。Excelで作成した業務用ファイルを基幹システムに連携する方式は、業務効率化対策として広く用いられているため、一定の需要があります。

帳票関連の開発スキル、経験

企業では日常的に管理会計資料などのさまざまな帳票を作成・出力します。また、帳票の電子化はコスト削減や業務効率化対策として広く浸透している施策です。特に、集計したデータから帳票テンプレートへの自動的な出力は定番の業務自動化策です。
業務データを格納する形式としてEXCELやACCESSは一般的によく利用されています。EXCELやACCESSからVBAによって帳票を自動出力する機能や帳票テンプレートの開発スキル・経験は、エンジニアとしてのスキル保有を示すことができ、評価の対象となります。

外部プログラムとの連携スキル、経験

Windows APIは、Windows系OSに標準搭載されている機能です。Windows APIでは、開発した外部プログラムを利用してWindowsの任意の機能・データを呼び出すことができます。さらにWindows APIはVBAからも呼び出せるため、EXCELやACCESSなどのOffice製品からWindows API経由で様々な機能・データを呼び出すことが可能です。複雑な処理を求められる業務アプリケーション開発では、Office製品のみでは実装不可能な機能が必要とされる場合があるため、VBAとWindows APIによる連携機能開発のスキル・経験が活きるでしょう。

VBAが転職で有利になる理由とは

大前提として、国内企業のOA用ソフトウェアとしてMicrosoft Officeの普及率が高いことが挙げられます。IT業種に限らず、様々な企業がOffice製品を採用しており、これはVBAを使えるプラットフォームが用意されていることと同様なため、VBAのスキルを利用する機会の多さにつながっています。

VBAによる自動化で工数削減・業務の円滑化に寄与できる

事務作業としてルーチン的に行われるEXCELによるデータの集計、管理業務は業種や部門を問わず、あらゆる企業、組織に存在しています。その多くが繰り返し行われる定常業務のため、VBAにより自動化・効率化した場合の効果は非常に高いです。既存の業務の工数削減、円滑化に貢献する業務改善施策として有効なため、VBAスキルをもった人材が求められています。

外注コストをかけずに効率化・自動化が実現できる

VBAによる効率化・自動化施策はOffice製品を利用していれば環境を新たに用意する必要はありません。IT開発のノウハウをもたない企業でも取り組み易く、本格的なITシステム導入のように外部に業務委託せずとも少ない人数で効率化・自動化が果たしやすい施策となります。このため、コストを抑えながら業務を改善したい企業にとって、VBAスキルをもった人材は歓迎されます。

転職時にVBAのスキルを証明できる資格

転職の際にVBAのスキルを証明できる資格として、株式会社オデッセイコミュニケーションズの運営・認定する資格試験「VBAエキスパート」があります。

VBAエキスパートはEXCELとACCESSの2つのソフトウェア、ベーシックとスタンダードの2レベル、合計4種類の試験が用意されています。ベーシックはビジネス一般向けのVBAスキルを証明できるレベル、スタンダードはITプロフェッショナル向けのスキルを示すことができるレベルとして設定されており、転職時に有効に活用できる資格です。

VBAスキルを活かして転職した場合の年収例

レバテックキャリアに掲載された実際の求人をもとに、VBA関連求人の年収例を紹介します。
事務職は、VBAスキルとセットで「経理」「簿記」「営業事務」などの経験があると評価されやすいでしょう。理由は、VBAを使った業務効率化の際には、帳票や営業資料の最適なフォーマットも同時に検討することが多いためです。
一方、エンジニアはVBA単体での評価よりも、「ヒアリングと要件定義」「社内システムの企画・運用経験」「外部ベンダーとの折衝経験」「ERP、CRMの運用経験」など、社内システム全般の企画・運営など上流工程の経験があると年収が高くなりやすい傾向にあります。

事務職向け

会計監査・コンサルティング企業

【想定年収】330~450万円
【業務内容】サンプル対象の精査、サンプル抽出、リスト作成、エビデンス照合、文書化など
【求められるスキル・経験】簿記、会計に関する資格や業務経験、ExcelVBAやVLOOKUP関数スキル

エンジニア向け

医薬品・医療機器メーカー(社内SE)

【想定年収】400~720万円
【業務内容】基幹システムの運用管理、新規システムの企画、インフラ及びサーバーの構築・保守・管理
【求められるスキル・経験】何らかのシステムの開発・運⽤・管理の経験

EXCEL、VBAによる基幹系システムでのデータ連携処理スキル

VBAの求人・転職情報

VBAの求人例をチェック

実際にレバテックキャリアで募集が行われている求人情報より、VBAのスキルを活かした求人・転職情報を紹介します。
【業界】

◆IT・通信

◆不動産
【業務内容】

■社内向け、業務分析とExcel、AccessによるVBAアプリでの業務効率化

不動産業界向けにITサービスを提供する企業にて、社内業務を分析しVBAアプリにより自動化を推進
<具体的な業務内容>

・社内業務の把握、自動化要件の定義
・業務自動化・効率化ツールの設計・開発・運用・保守
・ツールを用いた業務データの収集及び分析
・ツールを用いて業務そのものを自動化

【求められるスキル・経験】

・ExcelまたはAccess向けVBAアプリケーション開発経験(3年以上)
・業務改善、効率化に関する業務経験
・現行業務把握のための円滑なコミュニケーション能力
【想定年収】

450~600万円
【勤務地】

東京都

VBAの求人・転職情報

まとめ

今後もOffice製品がビジネスツールとして世界的に使用される限り、VBAスキルの需要は続きます。事務職を志望する場合は、VBAを用いた業務効率化スキルは評価につながりやすく有用です。一方、エンジニアとして転職を希望する場合は、VBAのスキル単体での評価は得られにくい傾向にあります。エンジニア職でVBAを活かすのであれば、システムの設計スキルやその他の言語でのプログラミングスキルも併せて身につける必要があるでしょう。

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