Webディレクターの将来性がある理由
Web業界を含むIT業界では、複数の仕事がAIなどにより機械化されてなくなると懸念されています。しかし、Webディレクターに関しては機械化の波にのまれることはないでしょう。理由としては、Webサイトの新規開発が多いことやEC市場が拡大していること、AIに代替されにくい業務であることが挙げられます。そのため、Webディレクターは将来性のある職種であり、人気が高いです。
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Webサイトが増え続けている
英国のインターネットセキュリティ企業netcraftの調査によると、Webサイトの数は2018年頃までは増加傾向、それ以降は停滞傾向にあります。2024年4月時点ではホスト数が約11億、アクティブなWebサイトは約2億です。
今後も大きく減少に転じることは想定できず、維持か微増の想定が可能です。また、数としては維持されていても、その内数にはWebサイトの停止と新規サイトのオープンが含まれており、一定の母数に達したためトータルなWebサイト数は変化を受けていないとも見ることができます。Webサイトは今も多くが新しく作られているのです。
Webサイト数が増えればWeb制作の仕事も増えるため、Webディレクターの仕事も増加しているといえます。今後もWebサイトは世界的に新規開発されていくと予想されるため、Webディレクターの需要はこの先も続いていくと予測できます。
EC市場が拡大している
経済産業省の電子商取引に関する市場調査によると、電子商取引の市場規模は2013年に11.1兆円程度だったものが2022年には22.7兆円に拡大しています。また、すべての商取引に対する電子商取引の割合を示すEC化率は、2021年の8.78%だったのが2022年には9.13%まで伸びています。
電子商取引の場となるECサイトの開発もWebディレクターの需要があるため、この調査からもWebディレクターの需要は高い状態が続くと予想できます。
業務がAIに代替されにくいと想定されている
Webディレクターの主な業務は、Web制作プロジェクトの指揮、管理です。プロジェクトを円滑に推進することがミッションとなります。プロジェクトの推進は、各メンバーとコミュニケーションを取り、チームを取りまとめることで成り立っています。
多くの知的労働がAIに代替されるという想定がある中、このコミュニケーションスキルを中心とした業務はAIが代替しづらい分野と注目されています。少なくとも、各種のアウトプットを制作する業務よりは代替が進んでおらず、すぐになくなるとは考えにくいです。
業務の内容上、Webディレクターの仕事はAIに代替されづらく、将来性が高いといえます。
Webディレクターの将来性を不安視する声
ここまで、Webディレクターは将来性があると説明してきましたが、Webディレクターには、将来性を不安視する声も一部存在します。「AIに代替されるのではないか」「Webディレクターとしてのポジションは必要ないのではないか」など理由はさまざまです。
以下では、Webディレクターの将来性への懸念について、解説していきます。
AIに代替されると考えられることがある
WebディレクターはAIに代替されると考えられることがあります。しかし、これは事実ではありません。なぜなら、Webディレクターの業務はコミュニケーションなど人間関係が中心になっていて、AIが得意とする機械的に処理できる業務ではないからです。
エンジニアやデザイナーなど制作側の業務は比較的AIによって代替しやすいですが、Webディレクターの業務はそうではないので、AIに代替されてなくなるリスクは低いでしょう。
ほかのポジションと兼任できる人材の増加
Webディレクターの業務には、特別なスキルは必要ありません。逆に言えば視野を広げてうまくプロジェクトを回す立ち回りなどが必要なのですが、特別な制作スキルは不要ということです。そして、制作メンバーの中にはWebディレクターのような立ち回りができる人材もいます。
制作メンバーとディレクション業務を兼任できる人材がいるなら、あえてWebディレクターの役職を設ける必要はないという意見もあります。とはいえ、Webディレクターを設けることで制作メンバーが制作に集中できることや、優秀なWebディレクターがいればプロジェクトが円滑に進むというメリットがあります。
知識がなくてもWebサイトを構築できるサービスの普及
今は知識がなくてもWebサイトを構築できるサービスが普及しています。これらのサービスを利用すれば、プロジェクトの人員は少なく済むか、もしくはそもそもプロジェクト自体が不要です。結果的に、Webディレクターを含むWeb関連職種が不要になるという考え方です。
これは一理あるのですが、サービスで実装できる機能は限られています。そのため、オリジナルのシステムを構築するためにはWebプロジェクトが不可欠です。またWebディレクターはコンサルタントに近い立ち振る舞いをすることも可能で、需要もあります。
たとえば、どのようなサービスが良いのかをクライアントに提案し、仲介役から納品までの業務を担当する、といったことも可能です。つまりWebディレクターは環境の変化に合わせて柔軟に仕事ができます。
Webディレクターの必要性が理解されないことがある
Web関連のプロジェクトのゴールは、Web関連の成果物を納品することです。つまり主役はあくまでも制作、開発になります。またWebプロジェクトの業務の中にはパターン化されている部分もあり、制作メンバーだけでルーティンワークとして対応できることもあります。
そのため、直接的にモノを作らない、ルーティンワークを行っているだけのWebディレクターは不要なのではないか、という考え方もあるでしょう。
しかしWebプロジェクトは各メンバーが協力して制作を進めているため、連携を取るための調整役が必要です。またWebプロジェクトではいろいろなことが発生するので、ルーティンワークだけでは対応できません。
それぞれが制作を進めるだけだと認識のズレが生じ、プロジェクトの失敗につながります。作業全体を把握し、臨機応変に舵取りを行うWebディレクターの役割は欠かせないでしょう。
特別な資格・実績が必須ではないため
Webディレクターには特別な資格や実績が必要ありません。エンジニアやデザイナーも資格が不要という点は同じなのですが、実際に手を動かして制作をするのでスキルが目に見える形になります。一方で、Webディレクターは調整業務、コミュニケーション業務が中心なので働きが目に見える形にはなりません。
事実、名ばかりのWebディレクターで実態が伴っていないケースもあるでしょう。しかし、プロジェクトに貢献しているWebディレクターはコミュニケーションスキルはもちろん、各制作メンバーの仕事や成果物についても知識を持っています。
優良なWebディレクターとそうでないWebディレクターはプロジェクトメンバーから見てもわかるので、優良でないWebディレクターは淘汰されていくでしょう。
Webディレクターが将来的にもなくならないといわれる理由
Webディレクターが将来的にAIに代替されてしまう懸念について解説しましたが、職種としてなくなることはないでしょう。具体的な理由としては、顧客とのヒアリングで意図を汲み取るなど、深いコミュニケーションが必要であったり、周りの状況を理解して、ディレクションが必要であったりするからです。プロジェクトチームの体制を明確化するため、責任者の役割を据える必要もあります。
また、需要に関する懸念に対しても、Web開発の需要がすぐになくなるとは考えにくいです。
顧客対応時の意図の汲み取りなど人の対応が必要であるため
IT業界の多くの職種はAI化されると言われていますが、人間の意図の汲み取りはAIが苦手とする作業です。ざっくり言えば、Webディレクターはコミュニケーション能力を武器にすることでAIに代替されにくいということです。逆算すると、顧客対応時の意図の汲み取りなどコミュニケーションの中の特にヒアリングに力を入れることで需要のあるWebディレクターになりやすいと言えます。
円滑に制作を進めるにはディレクションが必要であるため
Web制作には複数の専門職種が関わります。プログラマー、デザイナー、ライターなどです。これらの職種はそれぞれ自分の担当業務にあたりますが、プロジェクトを円滑に進めるためにはディレクションを行う人が必要です。
作業割り当て、スケジュール調整、成果物の品質管理などを行う人がいることで、各担当者の作業がちぐはぐになってしまったり、意思疎通がうまくいかなかったりといったトラブルを避けられます。
Web制作チームの体制を明確化するため
Web制作チームは、チームを統括する立場としてWebディレクターをたてることで体制を明確にしなければなりません。チームとして指揮系統を持って素早く動くためには、体制を整え、責任者を据えることが必要なのです。
プロジェクト推進においてトラブルの発生は避けられません。トラブル発生時に体制上の責任を明確にしておくことで、犯人探しではなく各チームメンバーの担当範囲の対応をスムーズに行うことが可能となります。
チームのまとめ役としてWebディレクターが存在することで、各チームメンバーは自分の業務に集中しやすく、プロジェクト全体での成果につながるのです。
Web制作への需要がゼロになることはないため
最近は動画やSNSが伸びていますが、文字ベースで情報収集する際などはWebサイトが便利です。動画やSNSよりWebサイトのほうが好きな人や、使い分けている人も多いでしょう。結果的に、今後もWeb制作がなくなることはないはずです。
Web制作がノーコードでできるツールなども増えているので、技術というよりはコンテンツの質がより重要視されるようになると考えられます。コンテンツ重視になれば、Webディレクターの企画力やマーケティングスキルがより活かされます。
Webディレクターとは
Webディレクターと一言でいっても、プロジェクトによって業務内容が異なります。Web制作のプロジェクトを管理、進行して成果物に対する責任を負うという点では共通しているのですが、プログラムを作ることもあれば、デザインや記事を作ることもあります。なかには、それらすべてに携わる場合もあるでしょう。
Webディレクターの役割は、概ねどのプロジェクトでも類似しているのですが、対象となる成果物によって求められるスキルは変わってきます。ディレクションスキルにくわえ、成果物に対する知識、制作スキルが求められます。
関連記事:Webディレクターとは?仕事内容や求められるスキルについて
Webディレクターの仕事内容
WebディレクターがWeb制作プロジェクトにおいて実施する具体的な仕事内容について紹介します。なお、必要に応じて、デザインやコーディングなどの実業務と兼務する場合もあります。
マネジメント(人員管理、スケジュール管理、品質管理)
Webサイトの制作には、デザイナー、プログラマーなど多くの人が関わります。Webディレクターは、これらのスタッフとコミュニケーションを取りながら、指揮・監督を行います。
また、クライアントに提示された納期や品質を実現できるよう、スケジュールの管理を行うことも重要な業務です。予定通りでない場合には、クライアントとの調整や所属組織内での調整を行います。
さらには、Webサイトの品質を確保する品質管理も大切な仕事です。品質基準を定めたり、コーディング規約を定めるなどの施策により、Webサイトの品質を管理していきます。
企画・提案
クライアントに要件をヒアリングし、クライアントの要望に応えるWebサイトを企画・提案します。
たとえばECサイトの場合、商品属性に応じた商品ページの詳細や、コンバージョンに至るよう考慮したサイト構成などを企画書にまとめます。この業務は、企業によってはWebプロデューサーが担当することもあります。
ほかの職種との違い
Webディレクター以外にも、Web開発に関わる類似の職種が存在します。混同されがちな職種として、WebデザイナーやWebマーケターなどがあります。以下では、それぞれとの違いについて解説するので、参考にしてみてください。
Webデザイナーとの違い
WebデザイナーはWebサイトのデザイン制作を行う職種です。HTML,CSSを主に使用し、コードを書いてWebサイトの表面を作っていきます。設計も行うこともあります。
WebディレクターがWebサイト制作全般に関わるのに対し、WebデザイナーはWebデザインに特化しています。Webディレクターは広く浅く、Webデザイナーは狭く深いという特徴があります。
Webマーケターとの違い
Webマーケターはマーケティングに特化した職種です。どのようなデザイン、コンテンツに需要があるのかを調査し、企画として落とし込みます。Webマーケターが作成した企画が土台となって、プロジェクトが進んでいきます。
Webディレクターはプロジェクトの進行が主な役割なので、Webマーケターとは役割が異なります。ただしWebマーケターが各制作担当者に指示を出したり、Webディレクターがマーケティングを行うこともあるので、一部の業務は重複しています。
Webディレクターの年収
レバテックキャリアに2024年4月16日時点で掲載されている求人・転職情報を参照すると、Webディレクターの年収は350~700万円程度がボリュームゾーンです。最低年収から最大年収までは幅がありますが、経験年数やスキルによってはボリュームゾーンよりも大幅に高い年収の求人も存在します。経験やスキルを積むことで、高年収を目指すことも可能です。
Webディレクターの求人・転職情報>
Webディレクターに必要なスキル
Webディレクターに必要なスキルを解説します。Webディレクターはチームを統括する職種であるため、幅広いスキルが求められます。特に、マネジメントやマーケティングのスキルは非常に重要です。また、直接的に手を動かして作業することは少ないものの、プログラミングスキルがあると、クライアントや制作メンバーとのコミュニケーションがスムーズにできます。
関連記事:Webディレクターに必要な20のスキル|役立つ資格も紹介
マネジメントスキル
マネジメントスキルは、Webディレクターにとって最も重要なスキルの一つです。各スタッフの能力を把握して工数を正確に割り出し、納期と品質を担保できるよう、人員を適切に配置することがプロジェクト成功の鍵となります。
マーケティングスキル
Webプロジェクトで成果物を制作する目的は、利益を得ることです。利益を得るためには、需要のあるモノを作る必要があります。そして、どのような成果物なら需要があるのかを絞り込むスキルがマーケティングスキルです。
マーケティングスキルがあればより需要の高い成果物になるようプロジェクトを牽引できるので、Webディレクターとしての市場価値が高まります。
プログラミングスキル
必須スキルではありませんが、HTML/CSS、JavaScriptなどWebサイトの開発に多用されている基本的な言語のスキルを身につけておくとなお良いでしょう。スキルがあると、顧客の要望は実現できるのか、予算内で開発できるのかなどの判断ができるようになります。
また、プログラマーに修正を依頼する際にも、プログラミングスキルがあればより適切な指示を出すことができるでしょう。
企画・提案力
企画・提案力もWebディレクターに求められるスキルです。顧客のゴール(ブランディングや商品の販売、認知度拡大など)を把握し、ゴールにつながる優れた企画・提案ができると、クライアントから信頼を得ることができるでしょう。
デザインスキル
デザインスキルは、デザイナーとのコミュニケーションにおいて役立ちます。色彩やレイアウトに関する基本的な知識を身につけると、デザイナーとの意思疎通が図りやすくなり、Webサイトの品質向上につながります。
コミュニケーションスキル
Webサイトの制作は多くのスタッフと連携して進めるため、コミュニケーションスキルが必須となります。特に、Webディレクターは現場を指揮・監督する立場であるため、各スタッフと緻密にコミュニケーションを取ります。大きなトラブルが発生しないように、品質や進捗に影響する課題を日々解決していく必要があります。
問題解決能力
Webディレクターはプロジェクト内で発生するいろいろな問題に対処する必要があります。ルーティンワークだけで完結することはありません。プロジェクトでは課題やトラブルが常に発生すると考えておいたほうが良いでしょう。そして、これらに対して冷静、論理的に対処していきます。
Webディレクターの仕事に役立つ資格
Webディレクターに必須の資格はありません。資格がなくても業務を行えることはもちろん、資格がないから仕事をもらえないということもないでしょう。しかし、資格を取得することでWebディレクターとしてのスキルや知識の証明になります。
Webディレクターの仕事に役立つ資格として、Webディレクション試験やウェブ解析士などがあります。以下で解説していくので、参考にしてみてください。
Webディレクション試験
Webディレクション試験はWebディレクターの業務内容に特化した資格試験です。現状の課題分析、プロジェクト管理、サイトの全体設計などの知識が問われます。Webディレクション試験を受験することで、Webディレクターの業務内容を把握し、必要な基礎スキルを身につけられます。
ウェブ解析士
ウェブ解析士は、WebマーケティングにつながるWeb解析のスキルを身につける資格試験です。Webサイトを解析し、問題点、改善策を探ることもWebマーケティングの一種です。Webマーケティングスキルは年々重要性を増しています。
Webサイトの数が増加している分、マーケティング対策のされていないWebサイトが埋もれてしまう可能性が高いです。市場で生き残るWebサイトを作るためにはWebマーケティングスキルが欠かせないので、Web解析士の資格試験が役立ちます。
Webリテラシー試験
Webリテラシー試験は、インターネット、プロジェクトマネジメント、デザイン、などWebディレクター業務に関わる基礎的な知識を問う内容です。Webディレクター用の試験というよりは、Webに携わる人材が幅広く受験する試験です。
ネットマーケティング検定
ネットマーケティング検定は、Web知識、技術をマーケティングに結び付ける知識を問う内容です。そのため、IT関連の内容だけでなく、経営戦略などについても問われます。内容のレベルとしては基礎的なものなので、Web関連の職種の人が基礎知識を身につける資格試験と言えるでしょう。
Webディレクターのニーズが高い業界
Webディレクターとして転職を検討する際、需要の高い業界を知っておくべきです。Webディレクターが在籍する業界には複数の選択肢があります。Web制作会社はもちろん、広告代理店やサービス事業会社でもWebディレクターは活躍しています。ニーズの高い業界であれば、求人も多く、自分に合った転職先を見つけることができるでしょう。
Web制作会社
Web制作会社は、Web制作に特化した企業です。Webプロジェクトを発足して成果物の制作に取り組んでいる企業なので、Webディレクターへのニーズが高いです。Web制作会社にはWebエンジニアやWebデザイナーが在籍しているので、制作メンバーから上流工程にステップアップしてWebディレクターになるケースが多いでしょう。
外部からWebディレクターとしてプロジェクトに参加する場合も、エンジニアやデザイナーとして一定の経験、スキルが求められる可能性が高いと言えます。
広告代理店
広告代理店の業務は広告の制作や出稿ですが、最近はWeb広告の登場機会が増えています。そのため、Web広告の制作プロジェクトでWebディレクターにニーズがあります。制作するのはWeb広告なので、Webディレクターには広告に関する一定の知識、スキルが求められます。Webサイトのエンジニアやデザイナー出身者からすると、やや特殊な知識が必要になるということです。
サービス事業会社
サービス事業会社とは、Webとは関係のない何らかの事業を展開している会社を指します。今はどの会社でもWebサイトやWebシステムに需要があります。そのため、自社にWebディレクターの役職を設置し、Web運用やプロジェクト進行を任せるケースが多いです。Webディレクターは、在籍する企業のWebに特化することになります。
Webディレクターとしてスキルアップする方法
Webディレクターとして活躍していくには、次々スキルアップしていく必要があります。IT業界は技術の革新が速く、現状維持では時代遅れになってしまいます。
Webディレクターとしてスキルアップするには、目指すキャリアに向けて必要なスキルを身につけることや、海外の情報も積極的にチェックし最新情報の収集を意識することが重要です。
これらの方法について、以下で詳しく説明していきます。
目指すキャリアに向けて必要なスキルを身につける
Webディレクターからのキャリアパスにはいくつかの選択肢があります。具体的には、Webプロデューサー、Webプランナー、Webコンサルタントなどが挙げられます。どの職種もWebディレクターと必要スキルが重複していますが、違いもあります。
たとえば、Webプロデューサーだと予算などより広い視野、Webプランナーだと企画力、Webコンサルだとプレゼンテーションなどのスキルが求められます。Webディレクターにも必要なスキルではありますが、目指すキャリアに向けてより必要なスキルを伸ばしていくと良いです。
海外の情報も積極的にチェックし最新情報の収集を意識する
Web業界は国の境界線がないので、海外にも視野を向ける必要があります。どのようなサービスにニーズがあるのか、海外の情報も積極的にチェックしておいたほうが良いです。また新しさが求められる業界でもあるので、日本よりもITの進んだ国の情報を取り入れることには大きなメリットがあります。
未経験からWebディレクターになるには
Webディレクターは未経験からでも目指すことのできる職種です。Web制作に関する業務経験やスキルがあるほうが、Webディレクターになりやすいのは事実ですが、未経験可の求人・転職情報も存在しています。
未経験からWebディレクターになる場合には、Webディレクターのアシスタントポジションから目指す方法や、プログラマーやコーダーを経てWebディレクターとなる方法がスムーズです。
関連記事:Webディレクターの志望動機の書き方のコツを例文付きで徹底解説
Web制作のアシスタントから目指す
Web制作に関する求人・転職情報を参照すると、Webディレクターのアシスタント職の募集が多々見られます。ITやWeb未経験者も広く募っており、Webディレクターを目指す際の足がかりとして適しています。
Web制作の現場に入り、業務や技術に対する知見を深め、Webディレクターに必要なスキルを身につけられるステップとなります。
プログラマーやコーダーからキャリアアップする
Web制作の中でも比較的未経験者を受け入れている職種には、プログラマ―やコーダーが挙げられます。Web制作においてHTMLのサイトやJavaScriptによるプログラミングを担当する職種です。
プログラマ―やコーダーとなることでWeb制作の現場を経験し、Webがどのように作られているか技術的な知見を得ることが可能です。その後、Webディレクターとなるためにも大きな糧となるでしょう。
Webディレクターのキャリアパス
Webディレクターへの転職を検討するにあたり、キャリアパスについても知っておくと良いでしょう。Webディレクターのキャリアパスは複数あります。別業界の職種や制作職種も含めるとさまざまですが、ここでは代表的なキャリアパスとして、Webプロデューサーとコンサルタントを紹介します。Webディレクターのスキルの延長線上にあり、なおかつ平均年収がWebディレクターよりも高い職種です。
関連記事:Webディレクターの転職状況|成功のコツやキャリアパス例も
Webプロデューサー
Webプロデューサーは、クライアントとの折衝、企画・提案、予算管理などを行い、Webビジネス全体を統括する責任者です。Webプロデューサーはプロジェクト計画の立案やプロジェクト全体の管理・統括・顧客へのプロジェクト報告を担当し、Webディレクターは現場の指揮・管理、顧客への仕様の提案を担うという点で異なる職種です。企業によっては職種が分かれていない場合もあります。
Webプロデューサーを目指すには高いプロジェクトマネジメントスキルを身につける必要があります。IPAのプロジェクトマネージャ試験や国際資格であるPMPなどを活用してスキルを身につけると良いでしょう。
コンサルタント
コンサルタントは、ホームページやオウンドメディア、ECサイトなどのPVや直帰率、滞在時間、参照ページ数、コンバージョン率などを分析して、改善プランの提案と改善プロジェクトの推進などを行います。よって、Webサイトの構築方法に関する知識だけでなく、Webマーケティングの知識が求められます。
Webマーケティングに関する知識は、マーケティング・ビジネス実務検定®やウェブ解析士などの資格制度を活用して習得すると良いでしょう。
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ITコンサルタントとは?仕事内容や必要なスキル・年収を紹介
ITコンサルタントになるには?役立つ資格や向いている人の特徴とは
Webディレクターに関するよくある質問
Webディレクターに興味がある方は、Webディレクターの仕事内容やWebエンジニアとの違いについて疑問を持つことが多いようです。また、Webディレクターに転職を検討しているエンジニアのよくある質問として、求人情報や平均年収が挙げられます。
以下では、Webディレクターについてよくある質問と回答をまとめました。類似の疑問を持つ方は、参考にしてみてください。
Q1. Webディレクターの平均年収はいくらですか?
レバテックキャリアに2024年4月16日時点で掲載されているWebディレクターの求人から想定年収の平均を算出すると、およそ550万円でした。(想定年収の最小値と最大値の中間値の平均)また、求人のボリュームゾーンとしては350万円~700万円程度です。
Q2. Webディレクターは何をする職種ですか?
Web制作において、Webディレクターはプロジェクトの管理、推進を行うまとめ役です。具体的な業務としては、下記が挙げられます。
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・クライアントの意向をヒアリング
・デザイナー、プログラマーなどのメンバーの進捗管理
・Webサイトの品質管理
・Web制作において発生するトラブルの解決
Q3. WebエンジニアとWebディレクターの違いは何ですか?
両者ともWeb制作に関わる仕事ですが、業務範囲が異なります。
WebエンジニアはWebサイトのプログラムを作成するエンジニア職種で、WebサイトそのものであるHTMLなどを作ります。一方Webディレクターは、Web制作チームのまとめ役で、プロジェクトの推進と管理が主な仕事です。
まとめ
Webサイト数の増加やEC市場の拡大などの事情を考慮すると、Webディレクターの将来性は明るいと言えるでしょう。プロジェクトに舵取り役が欠かせないという理由もあります。
需要が高い職種ですが、身につけるべきスキルが多い職種でもあります。Webデザイナーなど、そのほかのWeb系職種を経て、キャリアアップを目指すと良いでしょう。
ITエンジニアの転職ならレバテックキャリア
レバテックキャリアはIT・Web業界のエンジニア職を専門とする転職エージェントです。最新の技術情報や業界動向に精通しており、現状は転職のご意思がない場合でも、ご相談いただければ客観的な市場価値や市場動向をお伝えし、あなたの「選択肢」を広げるお手伝いをいたします。
「将来に向けた漠然とした不安がある」「特定のエンジニア職に興味がある」など、ご自身のキャリアに何らかの悩みを抱えている方は、ぜひ無料のオンライン個別相談会にお申し込みください。業界知識が豊富なキャリアアドバイザーが、一対一でさまざまなご質問に対応させていただきます。
「個別相談会」に申し込む
転職支援サービスに申し込む
※転職活動を強制することはございません。
レバテックキャリアのサービスについて