Webディレクターとは
Webディレクターとは、Web制作において全体の管理や課題解決を行う職種を指します。Webディレクターが適切なマネジメントを行うことで、WebエンジニアやWebライターやWebデザイナーがコンテンツ制作に集中できます。そのため、WebディレクターはWeb制作において欠かせない役職です。
Webディレクターの詳細について下記の通り解説します。
Webディレクターの仕事内容
Webディレクターの主な仕事内容は以下のようにまとめられます。
・プロジェクトの企画や設計
・制作/開発プロジェクトの監督
・各セクションの進捗管理
・制作物の品質管理
・制作物の運用や保守、アップデートなど
Webディレクターは制作に直接関わるのではなく、全体をまとめて動かす職業です。企画や設計に携わることから、上流工程から下流工程まで「メンバーが何をしていて、何が必要で、何に困っているか」を把握する必要があります。そのため、実際に制作に関わるWebデザイナーやITエンジニアなどの経験やキャリアを活かせる仕事内容といえるでしょう。
Webデザイナーとの違い
WebディレクターがWeb制作プロジェクトでマネジメント業務を中心に担当するのに対し、WebデザイナーはWebデザイン制作を担当します。それぞれマネジメント職種と制作職種なので、役割は大きく異なるといえるでしょう。たとえばWebディレクターはプロジェクト全体を見て各制作メンバーに仕事を割り振ります。一方でWebデザイナーは割り振られたWebデザインを担当します。
Webディレクターに向いている人や適性の高い人
Webディレクターに向いている人の7つの特徴は下記の通りです。
それぞれの章で詳しく解説します。
マルチタスクができる
Webディレクションは常に一つのものだけが動いているわけではありません。各セクションが同時に進行していきます。セクションごとに何が起こっているのかを把握し適切に指示を出せるようなマルチタスクが可能な人材は、Webディレクターとして重宝されるでしょう。
現状マルチタスクに不安がある場合は、普段から「作業時間を意識する」「効率化を図る」「限られた時間でどうすれば多くのタスク処理ができるのか」を意識すると良いでしょう。
課題解決力がある
課題解決力とは、問題に対して何が課題となっているのかを洗い出し、どう解決するのかを自分で判断できる能力を指します。Webディレクションでは制作にまつわるさまざまな課題と直面するケースが多く、背景や原因を調査し自ら解決していくことが求められます。
課題解決力は経験とともに培えるものですが、制作現場には納期が存在します。課題の「早期解決力」も合わせて持っておくとより適性が高いといえます。
発想力が豊かである
企画や設計にも関わるWebディレクターは、発想力やアイデア力も問われます。競合の多いWeb業界の中で、従来の手法やセオリーに左右されないユニークな企画や提案ができる人は、Webディレクター向きといえるでしょう。
普段からさまざまなWebコンテンツに触れ、優れた企画や設計を学びセンスを磨くことが重要です。Web業界では特にトレンドの移り変わりも激しいため、流行をキャッチするアンテナを磨く、最新情報を調べる能力も重要視されます。
コミュニケーションスキルが高い
Webディレクターはさまざまな人とコミュニケーションをとる機会が多いです。エンジニアやデザイナーなどはクライアントとやり取りする場面がある程度限られますが、Webディレクターはより多く接する機会があります。
コミュニケーションスキルとは単純に「人と話ができる」のではなく、「相手の意図を汲み取れる」「自分の考えを正確に伝えられる」など、意思疎通が図れる力を指します。社内外関わらずコミュニケーションスキルを発揮できる人は、Webディレクターの仕事に向いているでしょう。
好奇心旺盛で継続して学習できる
IT業界の成長はめざましく、提供するサービスや製品、それらを制作・開発するための技術も発展しています。Web系のサービス・技術も同様です。世間に何を求められているか、どの技術を使うとより効率的な開発ができるかなどを知らなければ、競合他社に負けてしまいます。
そのためWebディレクターは、最新の需要や新しく生まれた技術などを率先して「知りたい」と思う好奇心旺盛さと、実際に制作・開発に取り入れていくために学習していく姿勢が必要です。
責任感が強い
どの仕事にもいえますが、特に全体を指揮するWebディレクターには責任が伴います。自分の行動に責任を持てる、納期を守る意識が常にある人は、Webディレクターの仕事も十分こなせるでしょう。
責任感が強いと、ミスのカバーやスケジュール管理、役割の配分などが適切に行えます。責任感の強いWebディレクターはクライアントからも評価が高く、また責任の大きなWebディレクションにもストレスなく対応できるでしょう。
プレゼンテーションが得意
クライアントとの打ち合わせや提案、企画では、すべてクライアントの指示待ちではなく、Webディレクター自らが意見を出す機会も多いです。希望されていることと現場でできることの折衷案を見つけなければクライアントに納得してもらわなければなりません。
ここで重要なのはコミュニケーションスキルのほか、自分の意見を相手に正しく伝えるプレゼンテーション能力です。プレゼン力は書籍で学んだりショートプレゼンを繰り返して身につけたりといった方法で高められるため、日頃から意識することをおすすめします。
Webディレクターに向いていない人
Webディレクターに向いていない人の4つの特徴は下記のとおりです。
それぞれ詳しく解説します。
コミュニケーションが苦手
Webディレクターが担当する上流工程では、社内外とのやり取りが欠かせません。人とのやり取りに自信がない人やストレスを感じる場合は、交流の少ない工程が向いているといえるでしょう。調整や交渉などは特にWebディレクターが受け持つ部分です。自分に苦手意識がないかどうか、事前によく考えておくことが大切です。
一人で作業するのが好き
マイペースに一人で作業するのが好きな人は、ディレクション全般には向いていません。Webディレクターは自らが作業するのではなく、目的達成のために他者を動かす仕事です。マイペースに仕事をすることはできず、一人での作業も少ないです。
一人のほうが良い成果を出せるのであれば、Webディレクターではなく技術者としてのスキルアップやキャリアパスを考えるのが良いでしょう。
技術志向が強い
Webディレクターは制作現場で働くため、制作に関する技術や知識が必要です。一方で、技術そのものを極める職業ではなく、他者とのコミュニケーションやマネジメントにおいてその知識を発揮できます。
「優れた技術を持っているから、優れたディレクションができる」かというと違います。もし技術を高めること、より深く知ることに興味があるのなら、技術者として活躍したほうが充実感を得られるでしょう。
ポリシーや信念が強すぎる
Webディレクターはクライアントとのやり取りも多く、互いの意見を踏まえながら落としどころを見つけます。こうした場面で自分の意思や仕事に対する姿勢に「頑固さ」があれば、Webディレクターには向いていません。
頑固な姿勢は、言い換えれば真摯でありときには長所にもなります。しかし、さまざまな仕事をまとめるWebディレクターは「一旦持ち帰ってアイデアを出す」ことが大切です。柔軟性や臨機応変な対応がすぐにできる人は向いていますが、自分のポリシーに反することにストレスを感じる場合は向かないでしょう。
需要の高いWebディレクターの特徴
需要が高いWebディレクターの特徴は、Web制作スキルなどのハードスキル、コミュニケーションスキルなどのソフトスキルが総合的に高いことが挙げられるでしょう。
Web業界は変化が激しく、必要に応じて迅速に問題解決を行うためには土台となる総合的なスキルが重要になるからです。総合的なスキルを高めるためには、プロジェクト内でのコミュニケーションを心がけることや、AIなど新しいスキルに目を向けて積極的にスキル習得するのがおすすめです。
その結果Webディレクターに求められる幅広いスキルが高まり、需要の高いWebディレクターになれるでしょう。
Webディレクターに関するよくある質問
Webディレクターへの理解を深めるために、よく聞かれる仕事内容や年収について今一度まとめました。本記事を振り返る意味でも押さえておきましょう。
Q1. Webディレクターになるにはどうすればいいですか?
Webディレクターになるには、まずはWebデザイナーなどのWeb制作職種を経験するのが一般的です。制作職種で経験を積み、Web制作プロジェクト全体の流れを把握できた頃にWebディレクターへの転身を目指すと良いでしょう。詳しくは以下の記事をご確認ください。
関連記事:未経験からWebディレクターになるには?転職のポイントを解説
Q2. Webディレクターの転職に役立つ資格はありますか?
Webディレクターの転職に役立つ資格としては以下が挙げられます。
-
Webディレクションに関する資格
・Web検定
・Webディレクター
Webデザインに関する資格
・Webクリエイター能力認定試験
マーケティングに関する資格
・マーケティング・ビジネス実務検定®
ただしWebディレクターは資格で身につけた知識が即戦力につながる職種ではないため、あくまでも実務経験を優先するのがおすすめです。資格についての詳細は以下の記事をご確認ください。
関連記事:Webディレクターにおすすめの資格!効率的な勉強方法も紹介
まとめ
Webディレクターは、エンジニアなど直接制作に関わる職業を続けるうち、キャリアパスの一つとして候補に上がりやすい職種です。責任が大きく、より大勢の人と関わる仕事であるため、スキルの高さだけでは向いていないこともあります。向いている人の特徴や仕事内容を把握し、自分にとって良い選択ができるようキャリアプランを立てることが大切です。
Webディレクターへの転職にはポイントがあるため、本記事を参考に自分に合うキャリアを選びましょう。
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