プロダクトマネージャーのキャリアパスとは|キャリア戦略を解説

最終更新日:2024年4月16日

プロダクトマネージャーとは、企業のプロダクトにおいて、開発や販売促進、戦略の策定や進捗管理などを行う職種です。比較的近年になって注目を集めており、特にIT企業で重要視されています。プロダクトマネージャーを目指す方法も大切ですが、その後のキャリアパスも押さえておきたいところです。本記事では、プロダクトマネージャーのキャリア戦略を解説します。

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この記事のまとめ

  • プロダクトマネージャーとはプロダクトを成長させ、利益創出や顧客満足度に貢献するあらゆる業務を管理する職業である
  • プロダクトマネージャーのキャリアパスには「ジュニアプロダクトマネージャー」「最高製品責任者(CPO)」などが挙げられる
  • プロダクトマネージャーのキャリアパスは必ずしも全職業に置かれるわけではないため、スキルを磨きながら活躍分野を選定するなど、転職も視野に入れることが推奨される

プロダクトマネージャーとは

プロダクトマネージャーとは、プロダクト開発における効率の最大化や、継続的な成長に責任を持つ「製造責任者」です。そもそもプロダクトとは、企業が持つ有形無形を問わない製品を意味します。最近ではプロモーションにコストをかける以外に、「プロダクトそのものの価値をアピールする」点に注力する企業が増えました。そのプロダクトの責任を担うプロダクトマネージャーは注目されつつある職業です。

このような立ち位置から「小さなCEO」と呼ばれることもあり、業務内容は広くポジションにつくには相当な実績と成果、専門知識と高度なビジネススキルが求められます。

プロジェクトマネージャーとの違い

プロダクトマネージャーとプロジェクトマネージャーは、名称が似ていることから同じ意味として捉えられがちです。実際にプロジェクトマネージャーを兼ねるプロダクトマネージャーもいますが、プロダクト開発においてこの二つのポジションが存在する場合、責任区分に違いがあります。

  • ・プロジェクトマネージャー:プロジェクト単位での責任を負う

    ・プロダクトマネージャー:プロダクト全体の責任を負う

プロダクト規模にもよりますが、プロダクトマネージャーのほうがより広範囲を受け持つ職業といえます。

関連記事:プロジェクトマネージャーとは?役割・仕事内容・必須スキルを解説

プロダクトマネージャーの仕事

プロダクトマネージャーの仕事は案件によってさまざまですが、企画立案やエンジニア・デザイナーとともに開発に直接携わるなど、広い範囲をカバーします。プロダクトマネージャーの主な仕事をポイントでまとめました。

プロダクトの企画立案

プロダクトを立ち上げるため、ターゲットとなるユーザーを検討してペルソナを設定し、どのような需要があるかなどさまざまな角度で分析を行います。市場リサーチやプロダクトビジョンもここで決定しますが、企画立案は全体の基礎となるため、高い分析力や論理的思考が求められるでしょう。

プロダクトの計画・開発

プロダクトを計画し、開発するフェーズです。コンセプトなどを立案し、開発チームに正しく伝えられるように調整を繰り返します。この段階だとエンジニアやデザイナーと開発に関わるため、マネジメントスキルはもちろんテクニカルな面の知識も必要です。

ペルソナが持つニーズや要望に応える機能を選定しますが、プロダクトの案として落とし込む際に優先順位なども決定します。

プロダクトのマーケティング戦略の計画

プロダクトが出来上がれば完成というわけではありません。ローンチ段階のPR方法やローンチ後の促進活動など、プロダクトを世に広めるための戦略にもプロダクトマネージャーが携わります。プロダクトの弱みと強み、他社競合との差別化ポイントの洗い出しなども必要であり、広告的コミュニケーションの検討もプロダクトマネージャーの業務範囲です。

プロダクトの評価・分析

プロダクトを売り出してからの顧客の評価、反響を検証します。リリース後は目標を達成できているか、修正点や反響に合わせたリニューアルなど、定期的に振り返りを行います。

プロダクトの反響をうまく可視化できると、PDCAサイクルを素早く回せるためより優れたプロダクトが目指せるでしょう。プロダクトマネージャーの手腕が問われる仕事です。

プロダクトマネージャーのキャリアパス

近年注目を集めるプロダクトマネージャーは、比較的新しいポジションであるため、「プロダクトマネージャーに関するキャリアパスが分からない」という疑問の声もあります。そこで、プロダクトマネージャーのキャリアパスを紹介します。企業によって名称や業務内容は異なりますが、基本的なポジションについて見ていきましょう。

ジュニア(アソシエイト)プロダクトマネージャー

ジュニアプロダクトマネージャーとは、プロダクトマネージャーの部下に当たるポジションです。日々の業務はプロダクトマネージャーと重なる部分も多いものの、自由に仕事を選定する権限は持ちません。

業務内容も企業によってさまざまで、一般的には以下が挙げられます。

  • ・データ分析

    ・UIデザイン

    ・機能定義

ジュニアプロダクトマネージャーとしての実績があり、相応の成果が出るようになると、プロダクトマネージャーへの昇進を視野に入れることが多いです。

関連記事:プロジェクトマネージャーに役立つおすすめの資格と難易度を解説

シニアプロダクトマネージャー

シニアプロダクトマネージャー(PM)は、プロダクトマネージャーよりもより高い責任レベルを持つポジションです。就任時点でプロダクトマネジメントの十分な経験が求められ、プロダクトマネージャーの次に就く仕事といえます。
シニアプロダクトマネージャーはより価値の高い管理をし、配下であるプロダクトマネージャーの指揮をとります。マネジメントチームと開発チームの代表であるプロジェクトマネージャーやビジネスリーダーの間を取りまとめるのも、仕事の一つです。

プロダクトマネジメント担当ディレクター

プロダクトマネジメント担当ディレクターとは、プロダクトマネージャーがプロダクト管理に注力するのに対し、経営支店の強いポジションといえます。チームの効果的な運営の確保、プロセスの改善に重点が置かれており、管理職としての強固な経験が試される職種です。
具体的にはシニア層やエグゼクティブ層との仕事に慣れている必要があり、業界年数も長い人がキャリアパスを検討することが多いでしょう。

プロダクトマネジメント担当バイスプレジデント(VP)

プロダクトマネジメント担当バイスプレジデントとは、開発部分ではなくプロダクトがビジネスに与える魅力やサービスそのものを構築・推進するエグゼクティブポジションです。プロダクト開発に関与することは少なく、以下の業務を行います。

  • ・予算編成

    ・戦略的な調整

    ・経営陣とのコミュニケーション、信頼獲得

責任も大きく、経営の中枢との関わりもあります。

最高製品責任者(CPO)

最高製品責任者とは、プロダクト開発のトップである職種です。CEOの直属に当たり、組織内すべての製品活動を監督するポジションになります。この名称も企業によってさまざまであり、またプロダクト規模によってはCPOが置かれないこともあります。

プロダクトマネージャーを目指す際のポイント

プロダクトマネージャーは特定のポジションから必ず上がる職業ではなく、出身分野はエンジニアリングやマーケティング・営業、オペレーションやテクニカルサポートなどさまざまです。そのためキャリアパスに悩むこともありますが、一方で現在プロダクトマネージャーと関わりのないポジションでも、キャリアパスを目指す余地はあるといえるでしょう。
そこで、プロダクトマネージャーを目指すために「身につけておきたいスキル」「意識しておきたいこと」をまとめました。一つずつチェックしていきましょう。

コーディングを学ぶ

プロダクトマネージャーになると、コーディングスキルを発揮する場面は少なくなります。しかし、コードに理解があると開発チームとのやり取りもスムーズになり、より良いマネジメントができるでしょう。

そのため、複雑なコードを熱心に身につける必要はありませんが、基本的なコードと技術のトレンドは押さえておきましょう。コードの書き方を正しく理解するプロダクトマネージャーは「テクニカルプロダクトマネージャー」と呼ばれ、開発者やエンジニアからの評価も高く、需要もその分上がります。

分析力を身につける

プロダクトマネージャーは市場調査や効果的な企画の策定、開発の順位やペルソナの求める機能の搭載など、プロダクトを多角的に見る分析力をよく活用します。分析力が高いほどプロダクトマネージャーの仕事への理解も深まるため、プロダクトを成功に導くには必要不可欠なスキルです。

ユーザー視点を持つ

プロダクトマネージャーとして評価が高いのは、自社の顧客やペルソナを理解できる人です。ユーザー視点を持ち、顧客がプロダクトを通じて得られる経験・恩恵であるUXを把握できると、プロダクトマネージャーに近づくでしょう。
キャリアアップや職業能力の発展が十分見込めるプロダクトマネジメント分野では、注目されている職業だからこそ、他者との差別化ができるスキルが重要です。ユーザー視点はプロダクト開発のどのポジションでも必要なポイントのため、日頃から意識しておくとよいでしょう。

プロダクトマネージャーの年収

プロダクトマネージャーのレバテック求人情報を参考にすると、平均年収は約880万円です。全職業の平均年収よりも高く、高年収の職業といえます。
プロダクトマネージャーは業務範囲が広く、大きな責任を担うポジションです。そのため求人の中には1,000万円を超えるものも多く、企業やプロダクトによって年収の上下幅は広いです。本人のスキルや裁量、企業規模や業種によって年収は大きく異なるため、転職や業界によって年収アップも目指せると考えられます。

プロダクトマネージャーに関するよくある質問

プロダクトマネージャーのキャリアパスを考えるにあたって、「プロダクトマネージャーの適性」「持っておくとよいスキルとは」「年収」などが気になるポイントです。ここでは、プロダクトマネージャーに関するよくある質問をまとめました。

Q1. プロダクトマネージャーにはどのような人が向いていますか?

プロダクトマネージャーとは「プロダクトの目標や成功を達成させる」ために置かれる職種です。業務内容から考える適性として、以下が挙げられます。

  • ・責任感が強い

    ・時間配分などタスク管理が得意な

    ・論理的思考ができる

    ・ものづくりに興味を持ち、こだわりを持って仕事に取り組める

Q2. プロダクトマネージャーに必要なスキルは何ですか?

プロダクトマネージャーに必要なスキルとは、以下が挙げられます。

  • ・ユーザー視点で考える力

    ・分析力

    ・高度なコミュニケーション能力、交渉力

    ・マネジメントスキル

基本的なビジネススキルはもちろん、プロダクト理解が根本に必要なため高いスキルが求められると考えておきましょう。

Q3. プロダクトマネージャーの年収はどれくらいですか?

プロダクトマネージャーのレバテック求人情報を参考にすると、平均年収は約880万円です。全職業の平均年収よりも高く、高年収の職業といえます。
上下の幅が広く個人の実績や裁量、分野によって年収は大きく左右されます。より高年収を目指すにはスキルのブラッシュアップや転職が効果的な手段といえそうです。

まとめ

プロダクトマネージャーとは、プロダクトの成功を戦略やデザイン、経営やマーケティングといったさまざまな要素から検討する組織の横断的な役割です。近年プロダクトマネジメントが注目されつつあり、高収入でより広い分野で活躍できる職業であることから、人気も集まる職種といえるでしょう。
注目したいのはキャリアパスの展開です。自分の強みや興味を持つ分野の上位ポジションが存在するため、本記事をプロダクトマネージャーを目指す参考にしてみてください。

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