ITコンサルタントの経験が活かせる転職先
ITコンサルタントの経験が活かせる転職先として、代表的なのが事業会社の情報システム部署です。事業会社の情報システム部署は、ITコンサルタントとして勤めていたときの顧客側・クライアント側の部署が当てはまります。業界の動向や業務内容などの知識や経験があるため、ITコンサルタントの経験が活かせる転職先といえます。
ほかにもITコンサルタントの経験が活かせる転職先は、いくつかの選択肢があります。ここでは、ITコンサルタントの経験が活かせる転職先を紹介します。
ITコンサルティングファーム(同業他社)に転職
現在勤めているITコンサルティングファームから、同業他社のITコンサルティングファームに転職するケースです。現在の経験や知識を活かしつつ、職によって収入をアップさせたい人におすすめです。
会社の特徴
ITコンサルティングファームは、ITを活用して経営戦略や業務のコンサルティングを行う企業です。主な業務は、ITシステムの導入やシステム構想などのプロジェクトの遂行です。最近では、企業のトップ戦略から財務や人事などの課題解決を、一貫して請け負うコンサルティングファームも現れました。
主な仕事内容
ITコンサルティングファームにおいて、ITコンサルタントの経験が活かせる主な仕事内容は以下のとおりです。
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・IT戦略の策定やIT組織の立ち上げ、IT構想計画など
・ビッグデータやAIの活用支援
・ERP、SCM、CRMなどのパッケージシステム導入支援
・ITのリスクやセキュリティ対策の推進
・ITデューデリジェンス
求められる人物像・スキル
ITコンサルティングファームが、ITコンサルタントとして求める人物像やスキルは以下のようなものです。
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・ITシステムの構築
・経営管理体系の設計支援
・商品企画、販売戦略、マーケティング戦略立案
・事業拡大支援
・M&A戦略
・事業再生
関連記事:ITコンサルタントになるには?必要なスキルや知識、キャリアパスを解説
IT関連以外のコンサルティングファームに転職
IT関連以外のコンサルティングファームに、転職するITコンサルタントも多くいます。ITの専門性も活かしつつ、他の専門性を身に着けたいと考えるITコンサルタントが、転職を希望するケースが多くあります。
会社の特徴
コンサルティングファームは大まかに「外資系」と「日系」に分類されます。さらに専門性や出身母体の強みで、細かくコンサルティングファームは分類されます。例としては、大企業や外資系企業を顧客とした戦略系コンサルティングファームがあります。また大手証券会社やメガバンクなどを親会社に持つシンクタンク系コンサルティングファームや、人事戦略や制度設計、組織改革など人材や組織に特化した組織人事系コンサルティングファームなどがあります。
主な仕事内容
クライアントの課題を解決することが、コンサルティングファーム共通の特徴です。クライアント企業は、製造業や建設業、IT関連業など様々あります。ITコンサルタントの経験が活かせる、主な仕事内容は以下のとおりです。
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・ITシステムの構築
・経営管理体系の設計支援
・商品企画、販売戦略、マーケティング戦略立案
・事業拡大支援
・M&A戦略
・事業再生
求められる人物像・スキル
IT関連以外のコンサルティングファームが、ITコンサルタントに求める人物像やスキルは以下のとおりです。基本的にはITコンサルティングファームと同様のスキルが求められますが、IT以外の能力も高い水準で求められます。
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・経営者視点に立てる人
・クライアントの経営層と円滑にコミュニケーションがとれる人
・クライアントの経営課題を聞き取るヒアリング能力
・説得力のあるプレゼンテーション能力
・クライアント業界の専門性への理解
・プロジェクトマネージャーの経験
ベンチャー企業に転職
ベンチャー企業に転職を希望する、ITコンサルタントもいます。ベンチャー企業へ転職は、創業メンバーとして会社の立ち上げから参加できる魅力があります。
会社の特徴
ベンチャー企業という言葉には、正確な定義はありません。一般的には新規のビジネスやサービスなどを、事業展開する企業を指しています。ベンチャー企業は、大手企業から独立した優秀な人材が設立することもあります。これまで全く存在しなかったビジネスやサービスを展開するベンチャー企業もあり、それらは創業直後から世間の注目を集めるケースもあります。
主な仕事内容
ベンチャー企業の仕事内容は、その企業の事業内容により大きく変わります。以下のものは、多くのベンチャー企業に共通する仕事内容です。
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・自社サービスや商品の技術開発
・自社サービスや商品の営業支援
・自社サービスや商品の改善のためのデータ分析
・クライアントへの自社サービスや商品の提案
・クライアントへの技術トレーニング
求められる人物像・スキル
ベンチャー企業で求められる、ITコンサルタントの人物像やスキルは以下のとおりです。ベンチャー企業は、会社の規模が大きくない場合が多いです。そのため、ひとりのスタッフが担当する業務の幅が広く、裁量も大きくなる傾向です。
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・様々な業務に柔軟に対応できる人
・自ら率先して業務を遂行できる人
・ほかのスタッフと協力できる人
・目標に対して、突き進むことができる人
・世間のニーズを敏感に感じ取れる人
大手外資系企業に転職
大手外資系企業は、日系企業と比較して年功序列でなく成果主義な傾向があります。そのため、社内文化や働き方の面で魅力を感じる方もいるでしょう。
会社の特徴
外国法人や外国人が一定以上の出資をしている企業を、外資系企業といいます。日系企業と比較すると、社内の人間関係や組織がフラットな場合が多いのが特徴です。そのため、会社や組織が社員を育てる文化はあまりありません。また基本的に終身雇用ではなく、社員の転職も自由な文化です。給与も勤続年数に比例するわけでなく、成果に応じて変化します。
主な仕事内容
大手外資系企業における、ITコンサルタントの仕事内容は所属する企業によって変わります。共通する仕事内容としては、上流工程から下流工程までをITコンサルタントが携わります。
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・ERPなどの基本ITシステム導入の上流工程
・クライアント企業へのITコンサルティング
・クライアントに付加価値を与えるITテクノロジー戦略
・クラウドやIoTなど最新技術の導入
・ITシステム構築におけるマネジメント
求められる人物像・スキル
大手外資系企業が、ITコンサルタントに求める人物像やスキルは、以下のようなものです。
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・きつい仕事でも責任を持ってやり遂げる信念のある人
・職場でビジネスライクな人間関係を築ける人
・会社に頼らず、自律して仕事できる人
・自分の専門性をしっかりと確立している人
・英会話能力(TOEIC730点以上など)
・英語による業務遂行の実務経験
大手総合商社に転職
ITコンサルティングファームから大手総合商社への転職も可能です。特に情報企画部などの、ITを活用する部署での活躍が期待できます。
会社の特徴
商社とは、国内外の物資の取引をする企業です。取り扱う物資は、さまざまな種類があります。特に大手の総合商社は「カップ麺から宇宙ロケットまで」何でも取り扱っているイメージがあります。大手の総合商社の場合、国内だけでなく海外企業とも取引が日常的にあります。
主な仕事内容
大手総合商社で扱う商品は多種多様であり、全ての商品について詳しく把握することは難しいでしょう。ITコンサルタントとして情報企画部門に勤める場合は、他のITコンサルタントに無い専門性があることが望まれます。
大手総合商社で、ITコンサルタントの経験が活かせる主な仕事内容は以下のとおりです。
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・IT戦略の立案
・業務の効率化や利便性を向上させるための、最新のIT技術導入やインフラ、業務システムの導入と運用
・ITシステムの導入のための指導や施策の実行
求められる人物像・スキル
大手総合商社が、ITコンサルタントに求める人物像・スキルは以下のようなものです。
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・ITシステムの導入や運用に関する実務経験
・IT分野の中でも、特に専門性の高い分野があること
・業務の効率化や標準化の経験
・英会話能力(TOEIC730点以上など)
投資銀行に転職
ITコンサルティングファームから投資銀行に転職もできます。投資銀行は、企業のM&Aなどスケールの大きい業務に携われるのが魅力です。
会社の特徴
投資銀行は、企業のM&Aや資金調達の提案など、さまざまな金融業務を行っています。投資銀行は、成果主義で年収が高いケースが多くあります。投資銀行の業務は、コンサルティング業と重なる部分も多く、ITコンサルタントの転職先に向いています。
主な仕事内容
投資銀行における、ITコンサルタントの経験が活かせる主な仕事内容は以下のとおりです。
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・クライアント企業との交渉業務
・市場や企業の情報分析、レポート作成
・クライアント企業へのアドバイス業務
・クライアント企業の課題抽出、課題解決提案
求められる人物像・スキル
投資銀行が、ITコンサルタントに求める人物像やスキルは以下のようなものです。
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・ロジカルシンキングができる人
・優れた対人スキルを持つ人
・チームの業務に積極的に携わる姿勢を持つ人
・銀行、証券、コンサルティングファームなどで経営者や意思決定者に対する提案営業業務経験がある人
・英語力(TOEIC800点代後半程度)
事業会社(経営企画室、情報処理部門、情報システム部門)に転職
ITコンサルティングファームから事業会社の経営企画室や情報処理部門、情報システム部門への転職も可能です。ITを活用する部署は、ITコンサルタントが活用できることでしょう。
会社の特徴
事業会社は、一般的には「営利目的として経済活動を行う会社」を指します。事業会社には、さまざまな業種があります。また国内を中心に活動する企業から、世界進出をしている企業まで、幅広く存在しています。事業会社の経営企画室では、企業の経営目標と事業の方向性を企画しています。情報処理部門や情報システム部門では、導入しているシステムの運用や保守を行っています。
主な仕事内容
事業会社における、ITコンサルタントの経験が活かせる主な仕事内容は以下のとおりです。
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・経営課題などのリサーチ業務
・事業戦略の提案
・社内システムの運用
求められる人物像・スキル
事業会社が、ITコンサルタントに求める人物像やスキルは以下のようなものです。
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・経営戦略の推進ができる人
・語学力がありグローバルに活躍できる人
・分析能力がある人
・リサーチ能力がある人
・プログラミングスキルがある人
関連記事:ITコンサルタントに求められるプログラミングスキル
ITコンサルタントが面接時で見られるポイント
ITコンサルタント業界で転職を希望する人材の、年齢層は20代〜40代が主流です。転職希望者は面接の場で、自分のスキルや知識などをアピールしますが、採用担当者は転職希望者の年代によって視点が変わります。そのため、就職面接時に自分がどのような視点で見られているかを、把握できれば転職を有利に運ぶことも期待できます。
20代では社会人としての基礎能力や論理的思考力が見られる
20代の転職希望者は、通常はプロフェッショナルとしての業務経験が乏しいです。ITコンサルティングの専門知識よりも、ビジネスの基礎能力や論理的思考力が選考の評価対象になります。これらの要素が高評価の20代であれば、異業種からITコンサルティング業界への転職もできることでしょう。
社会人として何らかの業務に携わってきた経験は、浅くても何かはあるはずです。資料や企画書などの書類作成スキルは、履歴書や職務経歴書の作成に活かされているはずです。ロジカルシキングなどのスキルは、面接時に採用担当者への回答で判断も可能です。
特に20代の若年層での転職は、就職してすぐ転職を検討したと思われます。転職を有利にするためには、しっかりとした転職理由を面接で伝えることが重要です。働き方改革や終身雇用の崩壊などの影響で、適切な理由での転職であれば、若年層の転職でもネガティブな印象を持たない企業も増えています。
関連記事:ITコンサルタントの志望動機の書き方 - 例文付き
30代は実務経験のほかリーダーシップなども求められる
30代のITコンサルタントに求められるのは、前職での実務経験やリーダーシップなどです。まずは今まで関わってきたプロジェクトで、身につけたスキルや知識、経験を整理してみましょう。20代と比較して多くの経験を積んだ人材は、転職先企業でも大きく期待されます。
30代のITコンサルタントへの転職希望者は、前職がSEなどのITエンジニアだった人材も多くいます。SEだった転職希望者は、SEの仕事で身に付けたIT技術や専門知識が面接の武器になります。
ITコンサルタントは、IT関連以外のスキルも求められます。例えば、ITシステム導入のプロジェクトのマネジメント経験などです。ほかにも、リーダーとして部下を育成した経験も大きなアピールポイントになります。
40代以上は経営層のパートナーとして課題解決ができるレベル
40代のITコンサルタントは、ベテランの領域になります。そのため転職のハードルは高くなり、思っているような転職ができない可能性もあります。40代で未経験からITコンサルタントになりたい場合、SEなどのIT業界で長い経験を持つ人材が有利です。
40代以上のITコンサルタントは、経営層のパートナーとして課題解決できる高いレベルのスキルが求められます。またクライアント企業の経営層や役員と、直接コミュニケーションをとって、プロジェクトを獲得することもあります。
ITコンサルタントを辞めたくなるタイミングと対策
ITコンサルタントは特殊な職種のため、様々なやめたくなる要因があります。ここからはITコンサルタントのやめたくなる要因ごとのおすすめ転職先を紹介します。
顧客との折衝にストレスを感じる
顧客折衝にストレスを感じる方は、より技術を活用するSEなどの技術職を目指すといいでしょう。
SEでも当然コミュニケーション能力は必要です。一方で、コミュニケーションする相手との知識レベル差が小さくなるため、コミュニケーションの難易度が下がるでしょう。
また、相手の要望に合わせて構築したところ、潜在ニーズに合わなかったという場面も減ります。コミュニケーション力の重要性を維持しつつ、ストレスを減らせるため、SEをはじめとした技術職を目指すと良いでしょう。
情報のキャッチアップが難しい
情報のキャッチアップに課題を感じる方はIT職から離れて戦略コンサルタントなどを目指す、もしくは技術の移り変わりが比較的おだやかなバックエンド構築に移るといいでしょう。
戦略コンサルタントに移ると、超上流工程と呼ばれる企業の経営戦略に携われます。一方で激務になる可能性も高いのでご注意ください。
IT職で転職を検討される場合はバックエンドエンジニアがおすすめです。バックエンドは長い間Javaを中心に記述されています。フロントエンドや機械学習などの分野と比較して技術の移り変わりが穏やかですので、検討してはいかがでしょうか。
業務の中でスキルアップしていけない
業務の中でスキルアップできないと感じている方は中規模のSlerを目指すと良いでしょう。大規模のSlerの場合、明確な分業で担当役職以外の経験を積めず、スキルアップできない場合があります。一方で、中規模の場合は導入から運用保守まで幅広い業務を体験できることが多いです。多くの経験を積んでスキルアップしたい方は中規模のSlerを検討してはいかがでしょうか。
下流工程ばかりでキャリアアップが見込めない
下流工程ばかりでキャリアアップを見込めない方は大規模Slerを目指すと良いでしょう。上流工程を経験しないと、プロジェクトマネジメントの経験が積めないため、給料が上がりにくいです。高い給料、プロジェクトマネジメント経験を積みたい方は大規模Slerを検討してはいかがでしょうか。
ITコンサルタントの需要と将来性
『DX人材白書2023』(情報処理推進機構)によると、DX推進を担う人材の量が大幅に不足している企業は30.6%(2021年)から49.6%(2022年)、質が大幅に不足している企業は30.5%(2021年)から51.7%(2022年)と大幅に増加しています。
この結果からも、企業のDX化を推進する戦略の立案などをするITコンサルタントの需要の高さが見えてきます。またITコンサルタントの将来性も、企業のDX戦略で変化します。ここでは、ITコンサルタントの需要と将来性について解説します。
関連記事:ITコンサルトの将来性とは?ITコンサルタント業界の注目テーマも紹介
ITコンサルティングサービス事業が増えている
『DXレポート』(経済産業省 2018年発表)では、「DXが進まなければ2025年以降に年間最大12兆円の経済損失が生じる可能性がある」と発表されました。また『DXレポート2』(経済産業省 2020年改訂)では、「政策の方向性として「レガシー企業文化からの脱却」、「ユーザー企業とベンダー企業の共創の推進」の必要性」が主張されました。
さらに2020年以降の新型コロナウイルスの影響も、企業のDX化推進の要因になりました。これらの動きに併せて、コンサルティングファームにDX関連案件の依頼が急増しました。その結果、ITコンサルティングサービスを手掛ける企業も急増しています。
人気の高い分野
ITコンサルタントは、人材不足のIT業界において、高いニーズがある職種です。特に以下の分野での、需要があります。
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・ITマネジメント戦略(IT投資や人材戦略)
・ビジネスプロセス分析・改善
・CRM(顧客関係管理)の導入、改善
・SCM(サプライチェーンマネジメント)の導入、改善
・基幹業務(販売、在庫購買、人事、財務会計、生産管理など)の分析
・ERP(企業資源計画)パッケージの導入、アップグレード
また上記分野に加えて、AIやRPAといった先端分野でもITコンサルタントの需要があります。そのためITコンサルタントの市場価値は非常に高く、様々な分野の企業で積極的に採用されています。
ITコンサルタントのキャリアパス
ITコンサルタントは様々なスキルが身につくため、キャリアパスも豊富です。ここからは、ITコンサルタントのキャリアパスとして代表的な2つを紹介します。
紹介するのは以下の2つです。
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・マネージャーやパートナー・ITのスペシャリスト
それぞれについて詳しく見ていきましょう。
マネージャーやパートナーを目指す
ITコンサルタントは高いマネジメントスキルを身につけられるため、マネージャーやパートナーになる方が多いです。マネージャーとは、その名の通りプロジェクトをマネジメントする責任者を指し、パートナーとは、企業の経営方針まで担当するコンサルタントを指します。
マネージャー、パートナーはいずれも高いマネジメントスキルを要求されるため、ITコンサルタントのキャリアパスとして適しています。
他業種でIT知識を活かす
ITコンサルタントはマネジメントスキルだけでなく、ITスキルも身につきます。そのため身につけたITスキルを特化させて他業種で活かすキャリアパスを選ぶ方も多いです。スキルを特化させることで多くのITベンダーなどに重宝されます。
ITコンサルタントがキャリアアップしていくには
ここでは、ITコンサルタントがキャリアアップするために、必要なことを解説します。
関連記事:ITコンサルタントのキャリアパスとは?キャリアプラン・キャリアアップの具体例
継続的に価値を提供し続ける
ITコンサルタントは、継続的に価値を提供し続ける意識を持つことが重要です。継続的に価値を提供することで、クライアントから高い信頼を得ることができます。それにより、次の仕事にもつながります。
ITコンサルタントは、クライアントとのコミュニケーションも重要になります。クライアントが抱える課題に対して、サポートを提供し続ける姿勢も求められます。
広範囲にわたるスキルを身につける
ITコンサルタントは、クライアントの経営課題の解決・改善の提案やアドバイスを行います。そのためには、広範囲にわたるスキルを身につける必要があります。
ITコンサルタントの実務では、開発プロジェクトにトラブルがあった場合に、素早く対応しなくてはいけません。そのようなときに最適な判断をするには、幅広いスキルを習得するといいでしょう。
関連記事:ITコンサルタントの資格16選をスキル別に紹介します
キャリアアップしやすい職場を選ぶ
ITコンサルタントがキャリアアップしていくには、キャリアアップしやすい職場を選ぶことは重要です。研修制度が充実している企業であれば、ITコンサルタントとして必要な知識やスキルの習得がしやすくなるでしょう。
組織内のスタッフ間で情報共有がしやすい職場も、キャリアアップしやすい環境です。プロジェクト運営のコツやコミュニケーション方法など、役立つ情報を入手できます。
ITコンサルタントの転職に役立つ資格
ITコンサルタントに必須の資格はありませんが、業務に役立つ資格は複数あります。ここからは、ITコンサルタントの転職で役立つ資格を3つ紹介します。
中小企業診断士
中小企業診断士とは、企業の経営に関する専門知識を証明する国家資格です。経営全般の知識からITスキルまで問われるため、非常に難易度が高い一方で、キャリア転職時に役立ちます。
前述の通り非常に難易度の高い資格で、合格率は5%ほどです。また、試験も1次、2次、最終と複数回に渡ります。
難易度の高いが故にキャリアアップに最適の試験の1つです。
SAP認定コンサルタント
SAPとは、ドイツの大手ソフトウェア企業の提供するシステムで、SAP認定コンサルタントとはSAPのERPパッケージを専門とするITコンサルタントのスキルを証明する試験です。
SAPに関するIT知識を証明でき、正答率が約7割を超えると合格を狙えます。
ITコーディネータ
ITコーディネータとは、経済産業省の推進資格で、ITコーディネータ協会が認定する民間資格です。ITSSレベルは最上位のレベル4に属しており、ITコーディネータを名乗れるようになります。
ITコーディネータ資格を取得しないと実施できない業務はありませんが「ITコーディネータ」は商標権を登録されているため、資格を取得しないで名乗ると商標権の侵害に該当する可能性があります。
資格のキャッチフレーズは「ITと経営の橋渡し」とされており「経営系」や「情報系」を選択して試験に挑戦できます。一方で全体の6割は必須問題と設定されているため、両方の知識が必要です。
より上流工程のITコンサルタントを目指す方は挑戦してはいかがでしょうか。
ITコンサルタントの求人例
ここでは、ITコンサルタントの求人例を紹介します。
業界を絞らないITコンサルタントの求人例
【業務内容】
・デジタルマーケティング基盤、Webシステムの企画構想/実行計画の策定
・システム実現方式の検討
・中立的視点でのソリューション/ベンダー選定
・中立視点でのソリューション選定
・クライアントのシステム関連課題に対する解決策の提案/実行など
【求められるスキル・経験】
<経験>
・PMないしはPLの経験
・何らかのアプリケーション、システム開発経験(SE経験)
・要件定義、設計、開発、導入の実務経験 (特にCMS導入関連の経験)
<スキル>
・コミュニケーション能力
・問題解決能力
・調整能力
【想定年収】
450~800万円
自動車業界の求人例
【業務内容】
マネジメントコンサルタント
顧客のプロジェクトマネジメントにおける課題解決を実現していただきます。
・PMOやプロジェクトマネージャー補佐として、伴走型で顧客のプロジェクトマネジメント業務を遂行
・顧客先の組織のプロジェクトマネジメント遂行に関するアセスメントの実施
・顧客先の組織のプロジェクトメンバーに対するプロジェクトマネジメント導入教育の実施
テクニカルコンサルタント
マネジメントソリューションの組織適用における技術的な提案〜導入後の技術課題解決を担当いただきます。
※同社はAtlassian Solution PartnerおよびGitLab Channel Partnerです
・マネジメントソリューション導入における課題解決に向けた提案~導入支援
・導入後の運用課題解決に向けた提案~実行支援
【求められるスキル・経験】
<経験>
・開発経験が5年以上ある方(オープン系、Web系、組み込み系問わず)
・プロジェクトリーダーとして顧客折衝~要件定義やプロジェクト管理の経験がある方
<仕事に対する姿勢>
・円滑にコミュニケーションが取れる方
【想定年収】
580~800万円
ITコンサルタントに関するよくある質問
最後に、ITコンサルタントに関するよくある質問に回答します。
Q1. ITコンサルタントの年収が高いのはなぜですか?
ITコンサルタントの給料が高い理由は、高度なスキルを複数要求されるからです。高いITスキルやマネジメントスキル、課題解決力を要求されます。
また、ITコンサルタントの必要経費は人件費がほとんどです。そのため利益率が高く、平均給料が高水準を誇っています。
Q2. ITコンサルタントの職位は何ですか?
ITコンサルタントの職位は企業によって異なりますが、一般的に「アナリスト」「コンサルタント」「マネージャー」「パートナー」と設定している企業が多いです。
アナリストはコンサルタントから指示を受けて情報分析や収集、コンサルタントはクライアントの要件を聞いてまとめる、マネージャーはプロジェクトの全体を統括する、パートナーは企業の経営までサポートします。そのため、職位が上がれば上がるほど上流工程に携われます。
Q3. ITコンサルタントに向いている人はどんな人ですか?
ITコンサルタントに向いている人の特徴は以下の3点です。
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・課題解決力に自信がある・自己学習を続けられる
・優秀な人材の中で働きたい
まとめ
この記事では、転職を検討中のITコンサルタントの方に向けて、ITコンサルタントの経験が活かせる転職先や面接のポイント、需要と将来性、キャリアアップ方法などについて解説しました。ITコンサルタントの仕事は、人材戦略やサプライチェーン、顧客管理、基幹業務に関する業務があります。ITコンサルタントのニーズは高く、高年収で華やかなイメージがある職種です。また記事内では、ITコンサルタントが面接時で見られるポイントも年代別に紹介しました。今後ITコンサルタントへの転職を目指す方は、今回の記事を是非とも参考にしてください。
ITエンジニアの転職ならレバテックキャリア
レバテックキャリアはIT・Web業界のエンジニア職を専門とする転職エージェントです。最新の技術情報や業界動向に精通したキャリアアドバイザーが、年収・技術志向・今後のキャリアパス・ワークライフバランスなど、一人ひとりの希望に寄り添いながら転職活動をサポートします。一般公開されていない大手企業や優良企業の非公開求人も多数保有していますので、まずは一度カウンセリングでお話してみませんか?(オンラインでも可能です)
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