ITコンサルタントにプログラミングスキルは必要?具体例から解説

最終更新日:2023年10月12日

ITコンサルタントは、企業の経営課題に対してITを活用した策を提案し、改善や解決を行う職種です。IT戦略の立案から、CRM・SCMの導入・構築支援、提案したITシステムの開発における上流工程から下流工程に至るプロセスでのマネジメントなど、求められる問題によってその仕事内容は多岐にわたります。

業務の対象が上流工程が多いため、ITコンサルタントはプログラミング言語に触れる機会は少ないとも言われます。一方でITエンジニア職がキャリアアップ先として目指すことも多い職種であり、プログラミングスキルが役立つという声もあります。果たして、ITコンサルタントにプログラミングスキルは必要無いのでしょうか。

本記事では、ITコンサルタントへの転職を考えているエンジニアの方に向け、培ってきたプログラミングスキルはITコンサルタント職に活かせるのか、ITコンサルタントに求められるプログラミングスキルはどのようなものなのか、詳しく説明します。

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この記事のまとめ

  • ITコンサルタントにはプログラミングスキルが必須ではないが、プログラミングスキルを持てば業務効率と市場価値が高まる
  • ITコンサルタントのプログラミングスキルは、設計や先端技術を用いたプロジェクト、プロジェクトマネジメントなどの場面で役立つ
  • ITコンサルタントに求められるプログラミングスキルは、業務内容により変わります。そのため、適切なプログラミングスキルの習得が重要になる
  • ITコンサルタントのプログラミングスキルは、エキスパートレベルでなくても、システムの理解や見積などで重宝する

ITコンサルタントにおけるプログラミングスキルの必要性

結論から言えば、ITコンサルタントの業務にプログラミングスキルは必須ではありません。プログラミングスキルがなくても、ITコンサルタントとして業務を全うすること自体は可能です。

しかし、プログラミングスキルを持っていて無駄になることはなく、業務にプラスに働きます。また、仕事の内容によってはプログラミングスキルが必要な場面もあります。

逆に言えば、プログラミングスキルのないITコンサルタントはプログラミングが必要な場面を避けることや、プログラミングに関する深いやり取りを避けるような立ち振る舞いが必要になります。

関連記事:ITコンサルタントに必要なスキルを基礎・領域別に紹介

ITコンサルタントにプログラミングスキルが必要になるケース

ITコンサルタントはプログラミングを避けることも可能と前項で記載しましたが、プログラミングが必要になるケースもあります。プログラミングスキルがあれば、以下で紹介するようなシチュエーションでもITコンサルタントとして活躍可能です。

提案や設計にUMLを用いる場合

UMLとはUnified Modeling Languageの略です。統一モデリング言語とも呼ばれます。言語という名前ですが、システムの簡易的な設計図のようなものになります。設計図の書き方を統一しておくことで、認識のズレが生じないというメリットがあります。

UMLはプログラミングと直接的な関係はありませんが、プログラミングの概念を理解したうえで設計をイメージできると、わかりやすいUMLを作成できます。特定のプログラミング言語に精通するというよりは、オブジェクト指向やデータベースの仕組みを理解しておくと良いでしょう。

また、UMLは図式的な表現のため世界中で共通認識が可能です。海外に向けたビジネスを行う場合には、有効なスキルとなります。

関連記事:ITコンサルタントとSE(システムエンジニア)の違いとは?仕事内容・役割・経験などから解説

AIなどの先端技術を用いる開発のコンサルティング時に必要

AIやビッグデータなどの先端技術は様々な方面で利用が進み、今後も用途が広がると考えられています。これらの先端技術を用いて顧客の課題解決を提案する場合には、プログラミングスキルが役立ちます。

例えば、AIを用いる開発でのコンサルティングでは、より深い技術提案が求められます。なぜなら、AI自体が新しい分野で、既存のパッケージなどが少なく、また企業の業務に合わせてツールをプログラミングする必要があるからです。

パッケージ商品の導入コンサルなどでは、コンサルタントがツール内部のプログラムまでは理解していなくても、表面的な機能がわかっていればコンサルティングが可能です。しかし、導入先の企業の業務に合わせてAI開発を行うような提案では、コンサルタント自身がプログラミングスキルを身につけていないと適切な提案ができないのです。

ビッグデータやIoTなどの領域でも同様で適切な提案に向けてはプログラミングスキルが必要です。そして、クライアントの多くがこれらの先端技術を使ったコンサルティングを求める傾向があるため、コンサルタントとしての価値にも繋がっています。

関連記事:ITコンサルタントの将来性とは?仕事内容や年収も紹介

チーム全体の仕事を理解するため知っておくと良い

ITコンサルタントがシステム開発に関するコンサルティングを行い、提案が取り入れられ実際に進められると、提案したシステムなどを開発するプロジェクト・チームが必要になります。そしてチームに在籍するメンバーの多くはエンジニアです。エンジニアの仕事は設計やプログラミングなので、当然プログラミングスキルがあります。

チーム全体の仕事を理解し、チームのエンジニアと深く意思疎通するためには、ITコンサルタントがエンジニアと共通のスキルを持っておくことが非常に役立ちます。ITコンサルタント自身がプログラミングスキルを身につけておけば、開発プロジェクトの推進について見通しがつき、エンジニアとも強固な協力体制を取ることが可能となります。さらには、エンジニアとコミュニケーションを取る際にも、ITコンサルタントがプログラミングを理解していないと認識にズレが生じ、開発に悪影響を及ぼす可能性さえあります。

IoTを扱うプロジェクトではSAS言語のスキルが役立つ

IoTとはInternet of Thingsの略です。AIやビッグデータと同様にトレンドの技術で、また発展過程にある技術でもあります。つまり多くのプロジェクトで、確立した技術を使いまわすよりも模索しながら開発が進みます。コミュニケーションもより技術寄りになっていくので、ITコンサルタントにも技術力が求められます。

具体的には、SAS言語を扱えるとIoTを扱うプロジェクトでの提案やエンジニアとのコミュニケーションがスムーズです。SAS言語は、米SASインスティテュート社が開発・販売するパッケージ製品群SAS(Statistical Analysis System)で利用できるプログラミング言語です。データ読み込み、整形、解析、出力などに使われます。

SASではIoTに向けた製品も提供しており、IoTを用いたソリューションで利用されるケースが増えています。エンジニアにとってもあまり馴染みのない言語かもしれませんが、IoT分野では役立ちます。

基礎的なプログラミングスキルだけでも業務に役立つ

ITコンサルタントにとって、深いプログラミングの知識は必須ではありませんが、基礎的なプログラミングスキルは必要です。実際のプログラム作成の機会は限られているものの、プログラミングの基礎を理解していると、システムの仕組みを把握しやすく、設計時に役立ちます。さらに、開発の工程や時間の見積もりもスムーズに行なえます。

システムの動き方を知ることで設計の際に役立つ

ITコンサルタントは自分が提案するITによる課題解決について、仕組みを深く知っておくことが望ましいです。仕組みを知っていることで、細かな点まで配慮することができ、仕事に対しても思い入れが湧きます。ITコンサルタントとしての発想を広げる上でも、コンピュータとプログラムの仕組みの理解は役立ちます。

場合によっては、ITコンサルタントはシステムの設計に携わる場合もあります。この場合にも、プログラミングに触れた経験は活きてくるでしょう。

開発工程の見積もりを行う際の工数の目処をつけやすい

ITシステムの導入や構築を提案する際には、どれくらいの金額が必要となるか見積が必要です。この見積において、プログラミングスキルが役に立ちます。

ITシステムやその機能を作る際に、どれほどの工数がかかるのかを見積もるには、作成対象のプログラムの洗い出しを行い、プログラミングの規模を想定して、作業量を算出します。作成対象の機能の洗い出しおよび規模の想定は、プログラミングスキルがなければ概要でしか見積もれません。プログラミングを行った経験は、見積の精度向上に繋がっているのです。

ITコンサルタントに求められる具体的なプログラミングスキル

ITコンサルタントはプログラミングスキルは必須ではないと説明しました。しかし、プログラミングのできるITコンサルタントとそうでないコンサルタントがいれば、プログラミングができるコンサルタントに依頼が行きやすいでしょう。

実際、市場でもプログラミングスキルを持ったITエンジニアに人気が集中する傾向が見られ、ITコンサルタントの募集要項にプログラミングスキルが記載されているケースも多いです。それでは、どのようなプログラミングスキルがあればITコンサルタントの業務に役立つのか、解説します。

関連記事:ITコンサルタントに必要なスキル

データ分析・AI系言語は特にニーズが高い傾向

Python、R言語、SQLといったデータ分析、AI開発に使われる言語はニーズが高いです。データ分析とAIがトレンドなのでニーズが高いという理由もありますが、新しい技術なので既存のパッケージでは対応できず、企業の業務に合わせて開発する必要性が高いという理由もあります。

ITコンサルタントは企業に対して開発の提案を行うことになるので、表面的な機能だけでなく、そもそも実現可能なのか、内部のロジックはどうなっているのか、ステップ数やそれに基づく予算はどのくらいになるのか、といったことを判断して提案する必要が出てきます。

そのため、データ分析やAI開発のコンサルティングを行う場合は、Python、R言語、SQLなどに関するより具体的な技術力が求められるのです。逆に言えばこれらの技術力を持つことで、ITコンサルタントとしての市場価値を高めることが可能です。

IT系ファームではオープン系言語のニーズも高い

IT系ファームは他のコンサルティング会社に比べてITに特化した提案が求められます。また携わるプロジェクトとしても、ITシステムの開発が中心になるでしょう。大規模な開発プロジェクトが多く、大手SIerの上流工程で案件参画するイメージです。

こういったプロジェクトではJavaなどのオープン系言語が使われている事例が多いため、オープン系言語のスキルがあればITコンサルタントとして市場価値が高まります。SIerなどで業務システムのエンジニアを経験した後にIT系ファームのコンサルタントに転職する事例は多く、その場合にはオープン系の言語スキルは転職に向けたアピールポイントとされます。

システム刷新を行うチームではCOBOLが求められることも

大手企業や官公庁では、古いシステムを少しずつ修正しながら使い続けていることも多いです。しかし、これはシステムのレガシー化を招くものです。老朽化により利便性が低く、またエンジニアの高齢化やサポート切れなどの問題、システム間連携がしづらいことがDX推進の妨げになることからシステムの刷新が必要になります。こういった案件でも上流工程で提案を行うのはITコンサルタントで、提案の際には古いシステムの理解が必要です。

COBOLのスキルがあるITコンサルタントは、古いシステムの刷新案件で重宝されます。エンジニアでもCOBOLを扱える若手は貴重な人材なので、ITコンサルタントでCOBOLが扱える人材はさらに貴重です。

ニッチな戦略ではありますが、差別化という観点ではCOBOLのスキルを高めるのも有効な戦略です。

関連記事:ITコンサルタントの年収が高い理由や転職活動のポイントを徹底解説

業務の効率と生産性を上げるためのExcelマクロも注目

ITコンサルタントは、プロジェクトの管理やデータ分析の際にExcelを使う機会があります。特にガントチャートを作成して進捗管理する際には、Excelの関数の知識が役立ちます。さらに、Excelの機能を最大限に活用するためには、VBAを用いたマクロの知識が不可欠です。

VBAはMicrosoft Officeの強力な拡張機能で、これを駆使することで、繁雑な計算やデータの自動収集、グラフ作成などの作業を効率的に自動化することが可能となります。そのため、ITコンサルタントがVBAやマクロの技術を習得することは非常に有益です。

関連記事:ITコンサルタントの残業について

プログラミングスキルを身につけるには

ITコンサルタントがプログラミングスキルを身につけるには、無料のオンライン講座を利用することがおすすめです。Web上には多数の無料オンライン講座が存在しており、その中から目的にあった講座を選ぶといいでしょう。また、体系的に学びたい場合はプログラミングの専門書籍が最適です。プログラミング言語に関する書籍は多種多様に存在しているため、自分の学びたい内容に合わせて選ぶことが大切です。書籍が苦手な方は、オンラインの学習プラットフォームを利用するのも良い選択肢となります。

関連記事:ITコンサルタントの資格16選をスキル別に紹介します

ITコンサルタントの3つの職種と仕事内容

ITコンサルタントの職種は「アナリスト」「コンサルタント」「マネージャー」の3つに分けられます。ITコンサルタント1人が全ての作業を行うわけではなく、各分野のスペシャリストがチームとなり、協力してプロジェクトを成功へと導きます。本章では、ITコンサルタントの3つの職種と仕事内容について解説します。

関連記事:ITコンサルタントのキャリアパスとは?キャリアプラン・キャリアアップの具体例

アナリスト

アナリストは、設計における定義書の作成や、開発システムのプログラミング・テストなどの役割を担います。より具体的な業務は在籍する企業やプロジェクトによって異なりますが、データ解析やITを活用したマーケティング寄りの業務が含まれる場合もあります。

関連記事:未経験からITコンサルタントになるには?書類選考・面接対策も解説

アナリストにプログラミングスキルは必須

アナリストはシステムを作る際の上流工程であり、システムの全てを担うポジションです。そのため、プログラミングの仕組みや動作、どのように情報を処理しているのかを知っておくことが望ましいでしょう。

コンサルタント

コンサルタントはプロジェクトの最上流工程での提案、要件定義、計画策定、進捗管理、アナリストが作成した資料の確認などを行います。クライアントや開発メンバーとコミュニケーションを取る機会もあり、進行役であると同時に調整役としての役割も求められます。

マネージャー

マネージャーはアナリストやコンサルタントの作業内容、成果をチェックする役割を担います。ITコンサルタントの中の管理職のようなイメージです。プロジェクト全体を統括すると同時に、自身もクライアント対応、全体調整、トラブル対応などの業務を行います。

人と人とのコミュニケーションがプロジェクト成功の鍵

ITコンサルタントは、クライアントやチームのメンバーなど、常に多くの人と関わる職業です。プロジェクトの成功は、良好な人間関係を築けるか否かにかかっていると言っても過言ではありません。

最新のプログラミング言語に対する感度があれば、チームの中で重要な存在であるITエンジニアとのコミュニケーションも円滑に進むでしょう。ITコンサルタントがITエンジニアの話をしっかり理解し、他のメンバーにわかりやすく伝えていくことがプロジェクト成功の鍵となります。

関連記事:ITコンサルタントに英語は必要?語学力を磨くメリットとは

まとめ

ITコンサルタントにプログラミングスキルは必須ではありませんが、スキルがあると業務に役立てることができ、市場価値も高まります。またプログラミングスキルを持つITコンサルタントが増えればプログラミングができるITコンサルタントにニーズが集中することになり、実際プログラミングスキルを求める募集が増えている印象です。

ITコンサルタントとして活躍するためにはプログラミングを避けるのはあまり得策ではないので、学習することをおすすめします。ただしエンジニアのように基礎から学習するというよりは、大枠から入り、特にプロジェクトに必要な部分を体系的に学習するのがおすすめです。

関連記事:ITコンサルタントの志望動機の書き方 - 例文付き

ITコンサルタントに関するよくある質問

ITコンサルタントの仕事や必要なプログラミングスキルに関心を持つ方々は、さまざまな疑問を持っていることが多いです。具体的には、ITコンサルタントの日常の仕事内容やITコンサルタントで成功するための人物像、使用されるプログラミング言語などについての質問などがあります。ここでは、これらのITコンサルタントに関するよくある質問に対して回答します。

関連記事:ITコンサルタントの転職を成功させる!求められる人物像や面接のポイント

Q1. ITコンサルタントの仕事内容を教えてください。

ITコンサルタントの仕事は、顧客の経営課題を解決するために多岐にわたります。まず、顧客の現状を詳しくヒアリングし、問題を特定します。次に、顧客の課題を解決するための新システムの採用や改善策を提案します。そして、最終的には、提出された課題解決策の実行とその管理を担当し、プロジェクトの進行状況と品質をチェックします。

関連記事:ITコンサルタントの仕事内容を解説|必要なスキルや年収も紹介

Q2. ITコンサルタントに向いている人を教えてください。

ITコンサルタントに向いている人は、問題解決の際に満足感を得ることができ、客観的に評価する能力を持っている方です。また、複雑な問題を論理的に解析するスキルと、IT技術や業界の最新トレンドに対する継続的な学びの意欲も不可欠です。さらに最新技術の変遷に敏感に対応する柔軟性や円滑なコミュニケーションができる能力も大切になります。

関連記事:ITコンサルタントになるには?役立つ資格や向いている人の特徴とは

Q3. ITコンサルタントが使うプログラミング言語は何ですか?

ITコンサルタントにとって、Python、R言語、SQLなどのデータ分析やAI開発向けの言語は非常に需要があります。IT専門のコンサルティングファームでは、、Javaのようなオープンソース言語の知識が求められます。他には、システムの刷新プロジェクトでは、COBOLのスキルが要求されることもあります。また、業務効率化や生産性向上のためのExcelマクロのスキルも注目されています。

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