事業会社のCIO、SIerやコンサル会社のITコンサルタントとしての活躍が期待されるITストラテジストの年収相場は?どの業態で資格を活かすか

最終更新日:2022年10月14日

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ITストラテジストは、経営と技術の双方に通じた高度な人材です。IPAのITストラテジスト試験は難易度が高く、その希少性から高い年収が狙える職種でもあります。事業会社のCIOや情報システム部門長、またはSIerやコンサルティングファームのITコンサルタントとして活躍する場が広がっていくでしょう。本記事では、ITストラテジストとしてのキャリアアップを目指す人に向けて、ITストラテジストの仕事内容や年収相場、会社の種類ごとのキャリアパスについて解説します。

 ITストラテジストとは?

ITストラテジストは、ITを活用して経営戦略を実現するための人材です。一般的にはITストラテジストと呼ばれるケースは少なく、該当するスキルを持つ職種として、CIO(最高情報責任者)、ITコンサルタント、情報システム部門長などが挙げられます。

本記事では、IPA(情報処理推進機構)の公式サイトに記載されているITストラテジスト試験の情報を参照して解説します。ITストラテジスト試験の難易度は高く、IT知識やプロジェクトマネジメントスキル、経営視点などが試験範囲に含まれます。事業企画、業務改革推進、情報化企画、製品・サービス企画などの業務において、ITを活用した基本戦略の策定・提案・推進を遂行するための知識や実践能力を求められるのが特徴です。

現行の試験制度では、春期(4月)に年1回開催されます。受験手数料は7,500円(税込)です(2022年8月現在)。合格者には経済産業大臣署名の合格証書が交付されます。

関連記事:ITストラテジストとは?試験内容や対策、転職時のキャリアを解説

ITストラテジストの仕事内容

業務の効率化や最適化を図るにあたり、現状の問題点を分析します。情報共有プロセスの不備や、手作業に起因する無駄を把握し、情報システムによって、その課題を解決するためのシステム化範囲や、要件定義の前提となる情報を収集します。課題の抽出を進めるために、現場の担当者や管理職に対してインタビューを実施する場合があります。ITに精通した技術者としての視点で、業務改善を目指すのがITストラテジストの特徴です。

業務にまつわる課題の抽出

外部の事業環境や、自社の製品・サービスに関連した技術動向を分析し、情報システム戦略を立案します。戦略を検討する際には、投資対効果を踏まえ、何をどの順番でシステム化するかという優先順位を決定するのが重要です。加えて、企業全体の情報システム戦略から、事業部門別の戦略へと詳細化する手続きも含まれます。そして、業務効率化やコスト削減といった経営上の成果を実現するために、経営層に検討内容を提案し、組織全体へと展開するよう働きかけます。

情報システム戦略の立案

外部の事業環境や、自社の製品・サービスに関連した技術動向を分析し、情報システム戦略を立案します。戦略を検討する際には、投資対効果を踏まえ、何をどの順番でシステム化するかという優先順位を決定するのが重要です。加えて、企業全体の情報システム戦略から、事業部門別の戦略へと詳細化する手続きも含まれます。そして、業務効率化やコスト削減といった経営上の成果を実現するために、経営層に検討内容を提案し、組織全体へと展開するよう働きかけます。

戦略実行のモニタリング

情報システム戦略を立てても、それを実現しなければ意味がありません。そのため、戦略立案から実行に至るプロセスを検証し、計画時に目指したシステム化の目的が果たせるよう努めます。また、システム実現上のリスクを分析し、利害関係者とともに軽減策を推進する役割を果たします。

製品ライフサイクル

情報システムやITサービスの開発にあたり、開発・保守にわたる一連のライフサイクルに対して責任を持ちます。研究開発を伴う事業では、特許を含めた知的財産戦略を検討し、自社の技術戦略を推進します。また、関連技術の動向、競合分析に基づき、自社の競争力を維持できるよう努めます。そして、長期的に製品の付加価値を高めながら、製品の拡張性・柔軟性・保守性が保たれるよう開発プロセスを推進します。

ITストラテジストの年収相場

レバテックキャリアに掲載されている求人を例に、ITストラテジストの年収について考察します。

ビジネス戦略策定、実行支援

想定年収:700万~1,200万円

仕事内容

顧客調査及び戦略立案
事業進捗状況の集計・分析
子会社での施策実行支援

必要なスキル

コンサルティング会社での4年以上の経験
事業戦略策定
コミュニケーション力

事業会社での事業開発

想定年収:400万~1,400万円

仕事内容

事業の拡大
外部パートナー企業との協業
社内各部門との連携

必要なスキル

IT分野での事業開発の経験
新規事業立ち上げの経験
リーダーシップ

年収の相場

ITストラテジストの転職市場を見ると、年収ベースで1,000万円を超える求人もあり、経験によっては高い年収を狙えることが分かります。年収の高さからも、市場価値の高さがうかがえます。基本的なITスキルの保有を前提として、実務で裏打ちされた戦略立案や事業開発のスキルが求められるのが特徴です。ITの実務経験なしの人材や未経験の人に向けた案件は少ないため、SIerや事業会社の情報システム部門で高いスキルを身につけた人が目指すべき職種といえるでしょう。

ITストラテジストの仕事には、業務改革や新システムの導入、事業の立ち上げ・拡大といった領域が含まれます。組織をまたがった仕事においては、社内外の利害関係者との調整が欠かせないため、リーダーシップやコミュニケーションといったソフトスキルも必要となるでしょう。ITストラテジストを目指す人は、業務のなかでソフトスキルを磨き、発揮する機会を逃さないよう心がけることが推奨されます。転職活動においては、過去の経験からソフトスキルを証明するよう求められるケースもあります。

関連記事:ITストラテジスト の求人・転職情報一覧

ITストラテジストに必要なスキル

前章の求人情報からも分かるように、ITストラテジストには広範なスキルが求められます。ここではIPAの試験シラバスを参考に、必要とされるスキルについて考察します。

システムの全体設計スキル

ITストラテジストは、ITを活用して事業の高度化・最適化を進める上で、ITシステムの全体像やアーキテクチャーを構想する役割を担います。コストや運用体制、調達といったさまざまな条件・制約を考慮しながら、システム化方針を決定する能力が求められます。その際に、開発標準や品質管理のプロセス、情報セキュリティの技術とポリシーなどの領域を理解していることも重要です。
アーキテクチャーの構想はITアーキテクトが担うケースもありますが、ITストラテジストも部分的に同様のスキルが求められると考えられます。

関連記事:ITアーキテクトとは?仕事内容や役割から求められるスキル・資格までご紹介

業務分析スキル

現行業務における利用者のIT利用状況や、現行システムの運用状況を可視化し、利害関係者と課題を共有するスキルが求められます。そして、対象業務・業界で知られたベストプラクティスをもとに、業務のあるべき姿を提案する能力が必要です。具体的には、ERP(統合基幹業務)、BI(ビジネスインテリジェンス)、AI(人工知能)、IoT(Internet of Things)といった技術領域に関する知識が求められるポジションが多く見られます。

一般的に、業務分析においては、情報戦略の文書化、成果指標の設定、優先順位づけ、システムリスク分析などを担当します。ITコンサルタントと共通するスキルが部分的に求められるでしょう。

関連記事:ITコンサルタントとは?仕事内容や年収を徹底解説

状況把握と統制スキル

情報システム戦略の実現に向けて、プロジェクトの進行を定期的・継続的にモニタリングすることが求められます。そのため、プロジェクト計画の立案や、計画の妨げになるようなリスクの評価・軽減策の立案および実行ができるスキルが必要です。また、事業を成長させていくために、IT投資効果や利用状況を評価し、状況を改善するための施策を立案できる、プロジェクトマネージャーと共通したスキルも部分的に求められます。

関連記事:プロジェクトマネージャーとは?仕事内容や必要なスキルを解説

ITストラテジストのキャリアパス・転職先候補

ITストラテジストという名称でIPAの資格試験が設けられているものの、実際の企業にITストラテジストの職種が必ずしも存在するわけではありません。しかし、IT戦略の立案・実行に関係するキャリアは、ITストラテジストの試験に合格した人に適していると考えらます。

ITストラテジストは技術と経営にまたがる分野に強みを持つため、さまざまな役職で力を発揮できます。SIer(エスアイヤー)、コンサルティングファーム、事業会社といった企業の種類によって、ITストラテジストが活躍できる職種も変わってくるでしょう。以下では、企業の種類別に、考えられるキャリアパスや転職先候補について解説します。

SIer、コンサルティングファームでのITコンサルタント職

経営戦略立案からシステム化に至るプロセスを支援するコンサルティングファームに限らず、上流工程に力を入れるSIerでもITコンサルタントの募集がなされています。ITコンサルタント職には、一般的に経営・業務・ITにまたがるITストラテジストのスキルが求められます。顧客企業の経営戦略・IT戦略を分析し、あるべき姿を提案するのが役割です。特定の業務・業界、あるいはパッケージに精通したITコンサルタントも多く見受けられます。

事業会社のCIO(Chief Information Officer)

CIOは、企業のIT戦略における最高責任者です。情報システム部門関連の役員として、ITを活用した経営戦略を推進する責任を負います。経営とIT技術の双方に精通した人材として、自社の業容拡大や利益の創出に貢献するのが役割です。ビジネスモデル立案や戦略立案に関するITストラテジストのスキルを活用できるでしょう。

事業会社の情報システム部門長

情報システム部門の管理者として、企業全体のIT戦略を企画・実現していきます。現場における業務効率化や最適化に携わるケースが多く見られます。そのため、業務に携わる課題を抽出し、業務やシステムのあるべき姿を提案する役割が求められます。開発作業をパートナー企業に委託する場合は、プロジェクト進行管理を行うなど、プロジェクト管理にも携わらなければなりません。ITストラテジストとして培った、業務分析やベストプラクティスを適用するスキルを応用できます。

ITストラテジストの市場価値・将来性

昨今、IT人材が「質」と「量」の両面で不足しているとの声が高まっています。あらゆる業界でデジタル技術の利用が広まり、IT人材の需要が高まる一方、エンジニアの人数が足りず、特に高度な技能を有する人材不足が深刻化しています。高度なスキルを有するITストラテジストの希少性は高く、市場価値も高いです。実際、IPAのITストラテジスト資格は、日経クロステックの「IT資格実態調査」において、取りたい資格の2位に入りました。

近年では、あらゆる業界でDX(デジタルトランスフォーメーション)を推進することが期待されています。IPAが発表した「DX白書2021_第3部_デジタル時代の人材」P102によると、現在の日本のDX推進に求められる人材像として、プログラマーやエンジニア以上にDXを主導するリーダーが必要との指摘がありました。経営戦略・IT戦略の立案・推進を担うITストラテジストは、DXで中心的な役割を担うと考えられます。組織を牽引できるITストラテジストは、人材として高い市場価値を持つことになるでしょう。以下では、DX時代におけるITストラテジストの将来性について解説します。

デジタル化による業務効率化

DXの主要なアプローチの一つに、アナログで実施されていた業務をデジタル化し、業務効率化を図る戦略が挙げられます。情報共有の不備や、非効率な手動の作業を排除し、生産性向上に寄与します。ITストラテジストは、現在の業務を分析し、課題を抽出した上で、あるべき姿を提案するために力を発揮することが期待されます。

ビジネスモデルの構想

DXの実現に向けて、デジタル技術の利用・活用を前提として、新たな収益源を構築する事業開発が求められています。旧来の事業運営にとらわれず、ユーザーの利便性を追求した革新的なビジネスモデルを構築します。新規事業開発では、社内の異なる部門をまとめたり、社外のパートナー企業と提携したりするプロセスが必要です。経営と技術の双方を理解するITストラテジストが果たす役割は大きいでしょう。

ITストラテジストの勉強方法

ITストラテジストは、IPAが主催するIT系国家資格です。IPAの資格はスキルレベルに応じて1~4までの4段階ありますが、ITストラテジストは最高難易度のレベル4に該当します。経験豊富なエンジニアやコンサルタントであっても、勉強時間を確保し、過去問を研究するなど、十分な対策を講じる必要があります。

出題範囲

試験は午前・午後それぞれ2部制で、午前は四肢択一、午後は記述および論述で解答する方式です。午前試験では、情報技術、プロジェクトマネジメント、システム戦略・経営戦略といった知識を問われます。午後試験は、業務改革企画、情報システム全体の定義、課題分析と優先順位付けなどについて論述する応用問題となっています。

午前試験対策

「午前1試験」は他の高度試験および応用情報技術者試験と共通の内容が出題されます。そのため、相応の高いITスキルを保有していなければなりません。知識を問われる内容のため、参考書などを活用して理解を深めることが推奨されます。

午後試験対策

午後の記述式問題や論文の難易度は高いため、その出題傾向を把握し、十分な対策を講じる必要があります。具体的には、短い時間で論点を整理し、文章をまとめる練習をするとよいでしょう。資格試験の参考書を活用し、実際の試験と同じような環境で、10~20本の論文を書くことが推奨されます。また、普段からIT導入事例などのニュースを読み、自分なりに論点をまとめる練習を行うのも有効です。

過去問の活用

IPAの公式サイトで過去問が公開されているため、参考書と合わせて活用することが推奨されます。特に記述式問題や論文では、過去問に加えて講評が記載されており、採点基準を理解するのに有用です。ITストラテジスト試験は、令和元年度までは秋期実施、令和3年度以降は春期実施となっている点に注意してください。

業務経験

ITストラテジスト試験は、3~10年程度の経験をもつSEやコンサルタントでも、150~200時間程度の勉強時間が必要とされます。資格試験に臨む際には、計画的に勉強時間を確保しましょう。また、普段の業務のなかでも、基礎的なIT知識を身につけ、IT戦略について分析・論述していると、試験対策にもつながります。業務のなかで、業務分析やプロジェクトマネジメントの経験が積めるよう、キャリアプランを考えることが推奨されます。

関連記事:ITストラテジストの勉強方法とは?難易度、対策ポイントを解説

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