PHPの代表的な資格「PHP技術者認定試験」について解説

最終更新日:2024年8月22日

PHPは動的なページやコンテンツを作成するのに適したプログラミング言語であり、Webシステム開発の場面でよく活用されているのが特徴です。Webだけに留まらず、ゲームや基幹システムの開発に用いられることもあります。

本記事では、PHPエンジニアを目指す方に向けてPHPの知識を体系的に身に付けるのに役立つ資格試験を紹介します。また、勉強方法や資格取得のメリットについても解説します。

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この記事のまとめ

  • PHP技術者認定試験はPHPのバージョンに応じて、初級と準上級/上級の2種類ある
  • PHP資格の勉強は認定スクールに通うことで短期間で取得を目指せる。また認定教材や無料で利用できる学習サイトもあるため、独学でも学習可能
  • PHPの認定資格を取得することでPHPに関する技術力を対外的にアピールできるため、転職や社内評価の向上を目指せる

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PHPとは

PHPの正式名称はHypertext Preprocessorです。PHPはWebシステムの開発においてよく用いられているプログラミング言語で、言語仕様のわかりやすさや手軽に扱いやすいことから人気があります。

PHPは特に動的なページ・コンテンツの制作に向いていて、たとえばWebサイトの動的部分を書き換えるようなことが可能です。またWebシステムだけでなく、ゲームや基幹システムの開発にPHPが使用されることもあります。

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PHP技術者認定試験とは

PHP技術者認定試験は、一般社団法人PHP技術者認定機構が主催する資格制度です。受験者のPHPスキルを評価し、雇用機会・事業機会の拡大を目的として運営されています。全国200箇所で、一年を通じて実施されて、挑戦しやすい資格試験です。

資格の種類は、PHP5技術者認定初級試験、PHP5技術者認定上級/準上級試験、PHP5技術者認定ウィザードなどがあります。以下に、それらの試験内容の詳細をまとめています。

PHP5技術者認定初級試験

PHP5技術者認定初級試験はPHPプログラミングスキルの基礎力を測る試験です。ITスキルの体系的な指標であるITスキル標準では、レベル1に設定されています。出題範囲は、テキスト・数の操作をはじめ、配列操作や関数、データベースへの情報保存など、基本的な内容です。

合格率は、独学の人が75パーセント、認定スクール生が85パーセントとなっており比較的合格しやすい試験となります。受験料は税抜12,000円。指定された学校に通う学生であれば、学生割引の適用が可能です。

また協賛会社に参加することで、最大15パーセント割引となります。

概要 PHPプログラミングの基本知識を問う試験
ITスキル標準 レベル1
受験料 12,000円 (税抜)
試験会場 全国のオデッセイコミュニケーションズCBTテストセンター
試験日 ほぼ一年中実施
問題数 40問
試験時間 1時間
合格ライン 7割正解
出題形式 選択式 (複数または単一選択)

PHP5技術者認定上級/準上級試験

PHP5技術者認定上級/準上級試験はPHPに関する一般的な知識、データベースとの連携など実践的な知識を問う資格試験です。上級試験はPHPで高度なプログラミングができるレベル、準上級試験はオンラインマニュアルなどを見ながらプログラミングができるレベルを想定しています。

概要 PHPの言語仕様から実用的なプログラミングテクニックまでの知識を問う試験
ITスキル標準 準上級試験 レベル2
上級試験 レベル3
受験料 15,000円(税抜)
試験会場 全国のオデッセイコミュニケーションズCBTテストセンター
試験日 ほぼ一年中実施
問題数 60問
試験時間 2時間
合格ライン 7割以上の正解
 上級試験合格(1050~1500点/1500点)
5割以上~7割未満の正解
 準上級試験合格(750~1049点/1500点)
出題形式 選択式 (複数または単一選択)

PHP7技術者認定初級試験

PHP7技術者認定初級試験はPHPのバージョンPHP7に対応した資格試験です。上で紹介したPHP5技術者認定初級試験とは、PHPのバージョンが異なるだけで他は概ね同じです。特に理由がなければより新しいバージョンに対応した資格を取得するのがおすすめですが、プロジェクトによっては古いバージョンのPHPを使用しています。そのため、古いバージョンの資格を取得した方が多少メリットがあるかもしれない人もいるということです。

概要 PHPプログラミングの基本知識を問う試験
ITスキル標準 レベル1
受験料 12,000円 (税抜)
試験会場 全国のオデッセイコミュニケーションズCBTテストセンター
試験日 ほぼ一年中実施
問題数 40問
試験時間 1時間
合格ライン 7割正解
出題形式 選択式 (複数または単一選択)

PHP8技術者認定初級試験

PHP8技術者認定初級試験は、2024年8月時点でPHPの最新バージョンの資格試験です。特に理由がなければ最新バージョンであるPHP8の資格試験を受けるのがおすすめです。また仮に今後古いバージョンのPHPを使用しているプロジェクトに参画するとしても、PHP8の資格は役立ち、評価もされるでしょう。

PHPの資格はバージョンごとに用意されていますが、これにより古いバージョンの資格試験に合格している人も新しいバージョンの資格試験を受けたくなるので、運営団体の収益につながるといった裏事情もあるのかもしれません。

あえて最新バージョンで統一していかず古いバージョンの資格試験を残すのは、企業戦略もあるかもしれないということです。IT関連の資格試験は数多いので、こういった目線も持っておいた方が良いでしょう。

概要 PHPプログラミングの基本知識を問う試験
ITスキル標準 レベル1
受験料 12,000円 (税抜)
試験会場 全国のオデッセイコミュニケーションズCBTテストセンター
試験日 ほぼ一年中実施
問題数 40問
試験時間 1時間
合格ライン 7割正解
出題形式 選択式 (複数または単一選択)

PHP8技術者認定上級/準上級試験

PHP8技術者認定上級/準上級試験はPHP5技術者認定上級/準上級試験と概ね同じですが、バージョンだけでなく問題数にも違いがあります。PHP5技術者認定上級/準上級試験の出題数が60問なのに対し、PHP8技術者認定上級/準上級試験は30問の出題です。

PHP技術者認定機構理事長の古政忠志氏は、PHP8の試験はPHP5の試験よりも難易度を下げたという趣旨の記載をしています。

概要 PHPの言語仕様から実用的なプログラミングテクニックまでの知識を問う試験
ITスキル標準 準上級試験 レベル2
上級試験 レベル3
受験料 15,000円(税抜)
試験会場 全国のオデッセイコミュニケーションズCBTテストセンター
試験日 ほぼ一年中実施
問題数 30問
試験時間 2時間
合格ライン 7割以上の正解
 上級試験合格(1050~1500点/1500点)
5割以上~7割未満の正解
 準上級試験合格(750~1049点/1500点)
出題形式 選択式 (複数または単一選択)

PHP技術者認定ウィザード

PHP技術者認定ウィザードは、PHP技術者認定試験における最も高位の資格に位置付けられています。上級試験でスコア1275点(正答率85%)以上を取得した方が認定ウィザードとされます。認定ウィザードになると、認定ウィザードの呼称とロゴマークを使用できるので、PHPの高いスキル証明につながるでしょう。

関連記事:
PHPとは?できることやメリットをわかりやすく解説
未経験からPHPエンジニアになるには?学習のメリットも解説

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PHP技術者認定試験の難易度

PHP技術者認定試験の難易度は、初級、準上級、上級、認定ウィザードで異なります。PHPのバージョンによる難易度の違いもありますが、これについては調整程度と考えると良いでしょう。基本的には初級~認定ウィザードの間に難易度の違いがあり、レベルの高い資格を取得すれば高度なスキル習得、スキル証明につながります。

初級:ITSSレベル1

初級は、PHPプログラミングの基礎的な知識を確認するための試験です。経済産業省が定めたガイドライン「ITスキル標準(ITSS)」において、レベル1に位置づけられます。情報処理技術者試験に当てはめると、ITパスポート試験相当の難易度です。初級は学生や新人プログラマーを対象としており、合格率も70%程度と高いため、初学者でも比較的取得しやすい傾向にあります。

準上級:ITSSレベル2

上級・準上級試験は、3年程度の実務経験を有するPHPエンジニアを対象にしており、PHP知識と実用的なプログラミング能力を確認する試験です。準上級はITSSレベル2に位置づけられます。また、基本情報技術者試験レベルに該当します。準上級はPHP技術者認定上級・準上級試験で得点率が50~69%の場合に認定されます。

上級:ITSSレベル3

上級はITSSレベル3に位置づけられます。また、応用情報技術者試験レベルまたはそれ以上のレベルに該当します。上級はPHP技術者認定上級・準上級試験で得点率が70%以上の場合に認定されます。上級は合格率が10%と難易度が非常に高く、持っているだけで高度なPHP技術者である証明になります。

認定ウィザードはさらにレベルが高い

上級試験でスコア1275点(正答率85%)以上を取得した方が認定ウィザードとされます。認定ウィザードを取得するためには高いスキル、知識が必要で、また業界内での評価も高いのでフリーランスでも会社員でもプロジェクトに参画する際に役立つでしょう。

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PHP資格を取得するメリット

PHPを扱うのに必須の資格は存在せず、実際資格がなくても高いスキルを有する人も多いでしょう。資格がなくても実践経験があり、システムを開発するスキルやプロジェクトをマネジメントするスキルを持っていればプロジェクトには参画できます。しかし資格を取得することにも大きなメリットがあるので、余力があれば資格取得は推奨されます。

知識を体系的に身につけられる

PHP資格を取得するメリットとして、PHPに関する知識を体系的に身に付けられる点が挙げられます。上位の資格取得を目指して学習を継続することで、着実にスキルアップしていくことができるでしょう。実際に資格取得者は、PHPを扱うエンジニアとして高度なPHP開発力を有する技術者として認定されます。

技術力のアピールになる

PHPは、サーバーサイドにおいて高いシェアを誇る言語です。国内市場における求人・案件数が多く、その種類もWeb・オープン系やEC系、ゲーム系など多種多様。そうした求人・案件に応じるにあたり、PHP資格は同言語を操る基礎力・応用力を保有しているというアピールに繋がる可能性があります。

関連記事:PHPの将来性を検証!現状から今後の需要まで徹底解説

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PHP資格の勉強方法

PHP資格取得のための勉強方法は複数あります。どの方法が優れているというわけではなく、その人の環境や性格などによって最適な方法は変わってくるでしょう。以下に複数の方法を挙げるので、自分に合う方法を選択してください。学習効率も重要ですが、自分が無理なくできれば楽しみながら継続できそうな方法を選ぶのがおすすめです。

認定スクールに通う

短期間で確実に資格を取りたい方は、スクールの利用がおすすめです。一般社団法人PHP技術者認定機構には、「ゴールド認定スクール」「シルバー認定スクール」「学割プログラム参加校」の3種類の認定スクールがあります。

学割プログラム参加校に在籍する学生は、PHP技術者認定初級試験とPHP技術者認定上級試験の受験において学割価格を利用できます。

認定教材で学ぶ

PHP技術者認定機構が認定している教材があるので、テキスト主体で学習する人は認定教材を選ぶのがおすすめです。具体的に認定されている教材は、PHP技術者認定機構の公式ページで確認できます。認定教材と言っても特殊な教材というわけではなく、市販の教材をPHP技術者認定機構が認定したということです。たとえば独習PHPのようにプログラミング学習の王道のテキストも含まれています。

模擬試験を受けて受験に備える

受験本番を迎える前に、模擬試験を受けることも大切です。ネットで「PHP 模擬試験」等で検索するとPHPの模擬試験を無料で受けることができます。模擬試験を受けることで「今どれだけ理解できているのか」「理解できていない分野は何か」を明確にすることができ、本番に向けた学習をより効率的に行えます。

学習サイトを活用する

独学の場合はプログラミング学習サイトを利用するのも有効です。次のようなサイトがPHP資格の勉強に役に立ちます。いずれも動画コンテンツを用いたオンライン学習が基本です。

Progate

言語バージョンはPHP7に対応しています。学習の目安時間は4時間程度です。変数、条件分岐、配列、繰り返し処理、関数などのPHPの基礎的な知識を学ぶ内容となっています。

ドットインストール

言語バージョンはPHP7に対応しています。PHPの基礎から実践的なWebサービスやデータベースシステムの開発まで学べます。基礎レベルのレッスンは無料で公開されていますが、高度な内容のものは有料のプレミアムサービスへの登録が必要です。

Udemy

PHPの基礎から応用までニーズにあったコースを受講できます。1800円からの有料コースです。Udemyは買い切り型のコンテンツなので、購入後は時間や費用を気にせず自分のペースで学習できます。

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PHPエンジニアの転職事情 - 実務レベルの人材が不足中
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PHP技術者認定試験の合格に必要な勉強時間の目安

PHP技術者認定試験の合格に必要な勉強時間は、もともとのPHPの知識、実務経験によって大幅に変わってくるでしょう。たとえばプログラミング未経験者の場合、初級試験に合格するまでに100時間程度の勉強は必要と考えられます。一方で、すでに実務でPHPを使用している人の場合は10時間程度の勉強でも十分合格できるレベルです。

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PHPの資格に関するよくある質問

PHPの資格に関するよくある質問と回答を紹介します。これからPHPのスキル習得をすると決めている人であっても、資格を取得すべきかどうかは迷うかもしれません。資格は必須ではなくあくまでも補助的なものですが、取得メリットは大きいです。勉強に必要な時間や他に優先すべきことなどと比較して、資格を取得するかどうかご検討ください。

Q1. PHP技術者認定試験は国家資格ですか?

PHP技術者認定試験とは、2011年2月に設立された「一般社団法人 PHP技術者認定機構」が運営する民間資格です。国家資格ではありませんが、PHPの資格として幅広く認知されています。そのため、国家資格と遜色なく技術力をアピールできます。

Q2. PHP技術者認定試験の合格に必要な勉強時間は?

PHP技術者認定試験の合格に必要な勉強時間は、もともとのPHPの知識、実務経験によって大幅に変わってきます。たとえばプログラミング未経験者の場合、初級試験に合格するまでに100時間程度の勉強は必要と考えられます。一方で、すでに実務でPHPを使用している人の場合は10時間程度が相場予想です。

Q3. PHP技術者認定試験の有効期限は?

PHP技術者認定資格の有効期限はありません。そのため一度取得すれば、「一般社団法人 PHP技術者認定機構」が無くならない限り永久に有効となります。古いバージョンの取り扱いが終了した場合も、取得した資格が失効することはありません。

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まとめ

PHP資格について、試験内容や勉強法などを紹介しました。PHPは比較的習得しやすい言語と言われていますが、実践的なWeb開発やゲーム開発には高度な知識も必要です。資格を取得してPHPエンジニアとしてのスキルと実務能力を高めましょう。

資格は補助的なものではありますが、取得メリットも大きいです。資格取得を通してスキルを習得しながらスキルのアピールにもなるので、一石二鳥と言えるでしょう。特に何から勉強し始めるか迷っている人は、資格取得から始めてみるのも一つの選択肢です。

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この記事の監修

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