ゲームデバッガーとは?仕事内容や年収、求人例、目指し方を紹介

最終更新日:2024年8月8日

ゲームデバッガーはスキルや経験がない状態からでもゲーム業界に入りやすい職種で、最初のキャリアとして検討している人もいるでしょう。ゲームデバッガーは主にゲームのテストをしますが、テストによってゲームのクオリティを向上させられればやりがいがあります。

しかしゲームデバッガーにはテスト工程ならではの大変さもあります。良い面も悪い面もあることを考えると、ゲームデバッガーには向き不向きがあるでしょう。ではゲームデバッガーは具体的にどのような業務を行うのか、どのような人に向いているのかなどについて解説していきます。

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※2023年1月~2024年3月実績

この記事のまとめ

  • ゲームデバッガーはゲームのテストを行う職種で、バグの発見、報告、修正の確認などを主に担当する
  • ゲームデバッガーは専門的なスキルや経験はそこまで求められないので、ゲーム業界での最初のキャリアとして選ばれやすい
  • ゲームデバッガーはゲーム制作において重要な役割を担うが、単純作業や長時間労働などの大変さもあり向き不向きが分かれる

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ゲームデバッガーとは

ゲームデバッガーとは、ゲームをテストプレイしてバグを発見する職種です。このバグを発見する作業のことをデバッグやバグフィックスと呼ぶこともあります。またゲームデバッガーの作業領域はバグの発見、報告のみの場合もあれば、ゲームデバッガーがバグの修正まで行う場合もあります。そのため、デバッグやバグフィックスもバグの発見までを指す場合もあれば、バグの修正までを含む場合もあるということです。

ゲームデバッガーの仕事内容

以下では一般的なゲームデバッガーの仕事内容を解説します。ゲームデバッガーの仕事内容は概ねどのプロジェクト、企業でも似ていますが、どこまで担当するかが異なる場合もあります。たとえばバグを見つけて報告するだけの場合もあれば、ゲームデバッガーがバグの修正を行うフローになっている場合もあるでしょう。バグの修正を行う場合も、どこまでの修正を行うかはケースバイケースです。この前提のもとで、以下の仕事内容をご確認ください。

バグの発見・報告

バグの発見・報告はどのプロジェクトにおいてもゲームデバッガーの必須の業務でしょう。バグの探し方や報告書の作成方法は多くの場合プロジェクトごとに方法がだいたい決まっているので、フォーマットなどを合わせて作業を進めます。

バグの再現性の調査・報告

バグの再現性とは、そのバグがまた発生するかどうかということです。プログラム上のバグであればコードを修正すればバグは直りますが、ネット環境やOSとの互換性などが原因でバグが発生する場合もあります。表面的にバグを直すだけでは根本的な原因解決にはならない可能性があるので、バグの再現性の調査・報告を行います。

バグの修正確認

バグの修正確認とは、バグが修正された結果ゲームの不具合がなくなっているかどうかを確認することです。ゲームデバッガーがバグを修正した場合はそのまま動作に問題ないかを確認し、プログラマーなど別の担当者がバグを修正した場合は依頼を受けて動作確認します。

テスト計画の立案

テスト計画の立案もゲームデバッガーの仕事に含まれる場合があります。ただしゲームデバッガーはプロジェクト内に複数人在籍しているのが一般的なので、その中でもスキルや経験のあるゲームデバッガーがテスト計画の立案を担当することが多いでしょう。

デバッグツールの活用

デバッグツールの活用がどこまで進んでいるかはプロジェクトによって異なりますが、年々ツールで効率化、自動化を行うのが一般的になっています。デバッグツールの活用が進んでいるということは、ゲームデバッガーの作業効率はデバッグツールをいかに使いこなすかによって変わってくるということです。

ゲームテスターとの違い

ゲームテスターとゲームデバッガーの業務はほとんど重複していますが、ゲームデバッガーの方が幅広く業務を担当する場合があります。まずゲームテスターはテストに特化していて、基本的にバグの修正は行いません。バグをまとめて報告するまでを担当します。

一方で、ゲームデバッガーはバグの修正までを担当する場合もあります。ただしゲームデバッガーがバグの修正は行わず、報告までの業務のみの場合もあるでしょう。この場合、ゲームテスターとゲームデバッガーの違いは呼び方が異なるだけで、業務内容としては同じということになります。

またゲームテスターがバグの修正までを担当しているプロジェクトもあるでしょう。この場合ゲームテスターという職種名になっていても、実態としてはゲームデバッガーに近いということです。ゲームテスターとゲームデバッガーではゲームデバッガーの方が業務範囲が広いということになっていますが、実態としてはプロジェクトによって異なるので職種名だけでなく業務内容を確認することが重要です。

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未経験からゲームデバッガーになるには?

ゲームデバッガーになるのに必須のスキルや経験はありません。ゲームの専門学校を卒業していたりプログラミングの経験があったりすれば有利にはなりますが、必須ではないということです。そのためこれからゲームデバッガーを目指すのであれば、現状の経験やスキルに関わらず求人を探して応募していくのが近道でしょう。

必要なスキルや経験は実際にゲームデバッガーとして働きながら身につけていくと良いです。ただし求人によってはスキル要件や経験の条件が定められている場合があるので、自身のスキル、経験で応募可能な求人を探す必要があります。

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ゲームデバッガーに求められるスキル・経験

ゲームデバッガーに必須のスキルや経験はありませんが、あれば有利になるスキルや経験はあります。また対象のプロジェクト内で求められるスキルはあるかもしれないので、実際にプロジェクトに参画してから身につけていく必要はあるでしょう。そして具体的なスキルではありませんが、根気強さなどゲームデバッガーにとって重要となる資質のようなものはあります。

プログラミングスキル

ゲームデバッガーにプログラミングスキルは必須ではありませんが、プログラミングスキルがあるとより良いです。コードを意識しながらバグの確認ができるので、バグの発見がしやすくなるはずです。

またプロジェクトによってはゲームデバッガーが軽微なバグ修正を行っている場合もあるので、こういったプロジェクトでは一定のプログラミングスキルが必要になります。ただしこのようなプロジェクトでもプロジェクトに入ってから基本的なプログラミングスキルを身につければ問題ないケースもあります。

根気強さ

テストの作業はとにかく地道なので、根気強さは欠かせません。同じようなことを繰り返す単純作業で、テスト量が多いことから長時間労働になるケースもあるでしょう。また必ずしも作業内容が自分のスキルアップや成長につながるとも限りません。

一定の経験を積んだ後はそれほど自身の成長にはつながらない単純作業が続く場合も多いため、それでもゲームをより良いものにするためにテストし続けられる人はゲームデバッガーに向いているでしょう。

発想力

テスト自体は単純作業ですが、単にこなしているだけではバグを見落とす可能性があります。テスト設計時には想定していないようなバグが潜んでいるかもしれないからです。発想力を持って新たなバグを発見するようなことができれば、ゲームデバッガーとしてより重宝されるでしょう。

集中力

ゲームデバッガーの作業は単純作業かつ長時間労働になることが多いですが、バグを発見する責任は大きいので集中力は欠かせません。納期まで時間がなくて早くテスト項目を消化しなければならないような状況であっても、集中してきちんとバグを発見できる人はゲームデバッガーとして優秀と言えるでしょう。

コミュニケーションスキル

ゲームデバッガーはチームで作業を進めることも多く、またバグの報告資料などをまとめて別業務の担当者と連携する機会もあります。淡々と作業を行う時間の方が圧倒的に長いのですが、コミュニケーションを取る機会は必ずあるので一定のコミュニケーションスキルは必要です。

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ゲームデバッガーはきつい・やめとけといわれる理由

ゲームデバッガーはスキルや経験がなくてもゲーム業界に入れるという点が大きな魅力ですが、複数の点からきつい・やめとけといわれることもあります。そしてこれらの意見は的外れというわけではなく、一理ある場合が多いでしょう。良い面も悪い面も把握し、自分にとって合っているかを考えて最終的にゲームデバッガーになるかどうかを決めてください

繁忙期と閑散期の差が激しい

ゲームデバッガーの仕事は繁忙期と閑散期の差が激しいです。ゲームをリリースする前の繁忙期には残業続きのような状況になるかもしれませんが、逆にそれ以外のタイミングでは閑散期で暇な状況になるかもしれません。

閑散期でも仕事である以上完全に自由に過ごせるわけではないので、プログラマーなど他の職種の人の分の雑務などを行うことになるかもしれません。繁忙期の大変さに注目されがちですが、閑散期の雑務などが苦痛で嫌になってしまうケースも考えられます。

単純作業が多い

テストは基本的に単純作業で、同じような操作を何度も繰り返すことになります。操作して確認し、その都度テスト項目と照らし合わせて書類をまとめていくようなイメージです。単純作業自体が苦痛で、また自身のスキルアップや成長につながっておらず時間を無駄にしているように思えてしまう人もいるでしょう。

肉体疲労がある

ゲームデバッガーの仕事は体を動かすわけではありませんが、肉体疲労は感じるはずです。同じ姿勢を続けるために肩が凝ったり、座りっぱなしなので足腰がだるくなるようなことがあるでしょう。そしてもっとも大変なのが眼精疲労です。

目の疲れやすさは人によって異なり、またモニターの設定やメガネによってある程度は軽減できるかもしれません。しかしどうしても長時間モニターを見続ければ眼精疲労は避けられないでしょう。納期が迫っている場合などは目が疲れているからといって治るまで休むのは難しく、苦しみながら作業を続けることになる可能性があります。

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ゲームデバッガーになるメリット・やりがい

ゲームデバッガーにはきつい面もあるということでしたが、メリットややりがいもあります。たしかに大変だけれどもそれに勝るメリット、やりがいがある、ということであればゲームデバッガーを目指すと良いでしょう。良い面も悪い面もあるのは事実ですが、どちらをどれだけ大きく感じるかの比重は人によって異なるはずです。

未発表のゲームをプレイできる

ゲームデバッガーはまだリリースされていない未発売のゲームをプレイできます。すでにリリースされたゲームの改修のためにテストを行う場合もありますが、未発表のゲームをテストすることの方が多いでしょう。まだ一般消費者がプレイしていないゲームをいち早くプレイしたい人にとってはメリット・やりがいにつながります。

ゲーム作成に必要な発想力が育まれる

ゲームをテストする中で、もっとこうしたらゲームが面白くなるかも、自分ならこんなゲームを作るかも、といったアイデアが出てくるかもしれません。多くのゲームをテストすればそれだけ情報がインプットされるので、新たな発想が出てくる可能性があります。ただテストをこなすだけでなく、ゲーム作りという観点を意識しておくと良いでしょう。

未経験から始めやすくキャリア形成の第一歩になる

ゲームデバッガーは特別なスキルが求められず、未経験でも採用してもらえる可能性が高いです。そのためゲームデバッガーからゲーム業界でのキャリアをスタートさせ、その後ゲームプログラマーやゲームプランナーなどより上流工程を担当できる職種にステップアップしていく方法もあります。

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ゲームデバッガーの平均年収

レバテックキャリアの求人では、ゲームデバッガーの平均年収は460万円程度です。求人の下限平均と上限平均を合算し、算出した数字になります。ただし求人数が9件しかないので、その点はご了承ください。また下限のみを提示していて、上限を提示していない求人もあります。

そのため、下限については9件すべての平均、上限は5件のみの平均となっています。合算して2で割った結果上記の数字になりました。また最低が240万円、最高が746万円なので、同じゲームデバッガーでもスキルや経験によって年収に幅があります。

ゲームデバッガーの求人例

レバテックキャリアで募集されているゲームデバッガーの求人例を紹介します。

【想定年収】
360~450万円

【業務内容】
ゲームのテスト業務受託及び、ネットワークやサーバー稼働環境管理受託(オンラインゲーム)、カスタマーサポート業務。
テストスタジオの運営
・チームビルド、メンバー管理、協力会社の管理
・テスターの勤怠管理
・営業部門、コーポレート部門との社内調整
・テスターの採用/育成計画立案
テスト管理/運営
・新規、既存顧客へのテスト手法/人材の提案
・顧客とのスケジュール調整/工数の交渉
・テスト設計/実施における進捗管理、タスク調整
・テスト品質の管理、テストリーダーの管理

【求められるスキル・経験】
・ゲーム会社/その他開発会社での品質管理業務経験、またはテスト専門会社でのチーム運営経験
・スマートフォンゲームのテスト計画策定~工数見積もり~テストチーム管理の経験
・協力会社または、顧客との折衝の経験
・JSTQB foundation level相当のソフトウェアテスト知識

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ゲームデバッガーに関するよくある質問

ゲームデバッガーに関するよくある質問と回答を紹介します。ゲームデバッガーは未経験でスキルがなくても目指しやすい職種ですが、メリットややりがいもある反面きついと感じられる部分も目立ちます。誰にでも務まる仕事ではないので、仕事内容や自分の適性を考えてゲームデバッガーになるかどうかを検討した方が良いでしょう。

Q1. ゲームデバッガーに向いている人は?

ゲームデバッガーに向いている人の特徴は複数挙げられます。たとえばゲームが好き、集中力がある、単純作業が得意、といったものです。中でも特に重要なのは単純作業に耐えられることでしょう。単純作業をあまり苦に感じない人ならゲームデバッガーを続けられる可能性が高いです。

Q2. ゲームデバッガーの仕事内容は?

ゲームデバッガーの仕事内容は、バグの発見・報告、バグの再現性の調査・報告、バグの修正確認、テスト計画の立案、デバッグツールの活用などです。プロジェクトによってはバグの修正も行う場合もあるでしょう。

Q3. ゲームデバッガーのやりがいは?

ゲームデバッガーのやりがいは複数ありますが、バグを発見することでゲームのクオリティが上がることはやりがいにつながるでしょう。他には公開前のゲームをプレイできることや、ゲーム業界で経験を積めることもやりがいにつながります。

Q4. ゲームデバッガーの仕事に役立つ資格は?

ゲームデバッガーに必須の資格はありませんが、役立つ資格は複数あります。特におすすめされるのはマイクロソフトオフィススペシャリスト(MOS)でしょう。MOSはExcel、Word、PowerPointなどのマイクロソフトオフィスのスキルを問う資格です。

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まとめ

ゲームデバッガーはゲームをテストプレイしてバグを発見する職種です。具体的には、バグの発見・報告、バグの再現性の調査・報告、バグの修正確認、テスト計画の立案、デバッグツールの活用などの業務を行います。

ゲームデバッガーはスキルや経験がなくても目指しやすい職種なので、ゲーム業界での最初のキャリアとして選びやすいでしょう。またゲームデバッガーの仕事によってバグが修正されればゲームのクオリティが上がります。これはゲームデバッガーとしてのやりがいにつながるはずです。

ゲームデバッガーはやりがいがある一方で、単純作業かつ時には長時間労働といった大変さがあります。良い面も悪い面もあるので、総合的に見て自分に合うかどうかを検討し、最終的にゲームデバッガーを目指すかどうか判断してください。

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