ITコンサルタントへの登竜門「ITストラテジスト」の午後試験をどう突破するかITストラテジストの勉強方法とは?難易度、対策ポイントを解説

最終更新日:2022年5月26日

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ITストラテジスト試験は、企業のIT戦略立案にかかわる人材に向けた資格試験です。その難易度は高く、日本国内のIT系資格の中では最高クラスの難易度に位置すると言われています。ここでは、ITストラテジスト試験の難易度や対策ポイントについて解説します。

1. ITストラテジストとは?

ITストラテジストは、独立行政法人 情報処理機構(以下IPA)が主催するIT系国家資格です。ITストラテジストでは、IT活用で経営戦略を実現するための人材育成を目的としています。また、ITストラテジスト試験はIT系資格の中でも難易度が高いことでも知られています。特に午後試験(記述、論文)は難関とされており、対策が必須です。そこで、まずはITストラテジスト試験の概要・出題範囲・難易度について解説します。

試験の概要

ITストラテジスト試験は、IPAが実施している情報処理技術者試験のひとつです。高度な知識と技能を必要とする「高度試験」に属しており、その中でも難易度の高い試験として知られています。ITストラテジストでは、「経営戦略に基づいたIT戦略の策定」「高度なIT活用による事業革新・業務改革・競争力の高い製品・サービスの創出」を担う人材を対象としており、職種としては「CIO」「ITコンサルタント」「CTO」などを想定しているようです。

ITストラテジストの試験日程

ITストラテジスト試験は年1回、春季(4月)に実施されます。また、試験は午前・午後それぞれ2部制で、午前は四肢択一、午後は記述および論述で解答する方式です。

 
  • ・午前1(50分):四肢択一式で30問(共通問題)

    ・午前2(40分):四肢択一式で25問

    ・午後1(90分):記述式で4問中2問に解答

    ・午後2(120分):論述式で3問中1問に解答


ちなみに「午前1試験」は他の高度試験および応用情報技術者試験と共通の内容が出題され、一定の条件を満たした場合には免除されます。その条件とは以下3つのうちいずれかを満たした場合とされています。
 

  • ・応用情報技術者試験に合格

    ・いずれかの高度試験(情報処理安全確保支援士試験を含む)に合格

    ・いずれかの高度試験(情報処理安全確保支援士試験を含む)の午前1試験で基準点を満たす


3つ目の条件の基準点とは、「合格ライン」と言い換えても良いでしょう。高度試験および応用情報技術者試験では、午前・午後共に6割の正答(100点満点で60点)が基準であり、基準をクリアした場合のみ合格となります。また、午前・午後のいずれかで基準点を下回ると、他の時間区分で高得点を獲得しても合格とならないことから、まずは6割以上の正答になるように勉強を進めたいところです。

出題範囲

ITストラテジスト試験の出題範囲は、次のとおりです。

午前
  • ・テクノロジ系:基礎理論、コンピュータシステム、技術要素、開発技術

    ・マネジメント系:プロジェクトマネジメント、サービスマネジメント

    ・ストラテジ系:システム戦略、経営戦略、金融と法務

午後
  • ・IT活用による事業戦略の策定、ビジネスモデル開発提案、業務改革企画、製品やサービスの付加価値向上提案に関すること

    ・業務モデルの定義、情報システム全体の定義、課題分析と優先順位付け、中長期的な情報システム化計画の策定などに関すること

    ・業種ごとの事業特性を反映したシステム化構想、計画に関すること

    ・事業ごとの前提や成約を加味した情報システム戦略の実行管理と評価に関すること

    ・組込みシステム、IoT活用によるシステム企画、開発、保守に関すること

難易度・勉強時間

ITストラテジスト試験は、IPA主催の高度区分試験の中でも難易度が高いことで知られています。IT業界で3年~10年程度の経験をもつSEやコンサルタントであっても、150~200時間程度の勉強時間が目安とされており、特に午後の記述式や論述式試験(論文試験)に関してはしっかりと対策を進めたいところです。

2. ITストラテジスト試験の勉強方法

ITストラテジスト試験の勉強方法の基本は、参考書などによるインプットと過去問・問題集によるアウトプットの繰り返しです。午後の記述式や論文の難易度が特に高いため、「午後試験対策から着手する」「論文を10~20本ほど書いてみる」「最近の企業のIT導入事例、活用事例をチェックしておく」という3点は押さえておきましょう。

午後試験対策から着手する

午後1(記述式)については、過去問を中心に勉強を進めていきましょう。また、これと並行して午後2(論述式)の勉強にも着手することをおすすめします。勉強時間は「午前1・2が20%、午後1が30%、午後2が50%」といった配分がおすすめです。午前試験はいわゆる知識問題です。そのため、継続さえしていれば自然と得点率が高まっていきます。

一方、午後試験(特に論述試験)は、「テーマ選定⇒構成⇒執筆」を規定時間で完走することに慣れる必要があります。このルーチンに慣れてくると徐々に内容が充実してくることから、力がつくまでには相応の時間が必要です。

論文を10~20本ほど書いてみる

午後2の論文試験の勉強では、まず「120分で構成を練り、文章を仕上げる」という訓練から始めるべきでしょう。その後に、参考となる論文を丸ごと暗記するつもりで執筆する訓練を重ねてみてください。合格までに必要な執筆量はおおよそ「10本~20本」です。もちろん、個々の素養や力量で本数は変化します。

最近の企業のIT導入事例、活用事例をチェックしておく

論文のテーマは毎回変わるため、どのテーマが出題されても一定の質を保てるように情報を集めておきましょう。特に企業のIT導入事例、活用事例などは日ごろからチェックしておくことをおすすめします。

3. ITストラテジスト試験の勉強におけるポイント

最後に、ITストラテジスト試験の勉強におけるポイントを整理して紹介します。

できるだけ毎日、かつ繰り返し勉強する

午前試験と午後試験を交互に勉強するなど、記憶の定着を意識した勉強法を確立していきましょう。理想は朝・晩の2部制で勉強を進めることですが、どうしても勉強時間が確保できない場合は「平日は1時間、週末は5時間」といった具合に週単位で勉強時間を確保できるよう工夫してみてください。平日に得た知識を、週末で定着させるイメージです。

手書きに慣れる

IT業界に長く在籍していると「手書き」の機会が減ってしまいます。「数千文字におよぶ文章を数時間かけて書きあげる」という行為を何年も経験していないことが多いのです。そのため、「手書きに慣れる」ことも意識して勉強を進めていきましょう。

独学にこだわりすぎない

午後2試験(論文試験)は、過度に独学にこだわらず、資格試験予備校の対策コースを利用する方法も視野にいれていきましょう。その他論文の書き方に関する書籍や、試験対策セミナーなども上手く活用しながら勉強を進めてみてください。

4. まとめ

ITストラテジスト試験は、企業のIT戦略立案にかかわる人材向けの資格試験であり、難易度は非常に高いです。なかでも、午後試験では記述式・論述式の問題が出題されることで知られています。闇雲に勉強を進めるのではなく、ポイントを押さえた入念な対策が重要になるでしょう。

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