SIerからの転職先におすすめの職種は?よくある転職理由も解説

最終更新日:2024年10月17日

一部の大手企業を除き、SIerはブラックなイメージを持たれがちです。「きつい、帰れない、給料が低い」といった3Kが代表的な転職理由として挙げられ、転職市場ではSIerから他業界への転職を希望するエンジニアが多い傾向にあります。

この記事では、転職を希望するSIerのエンジニアに向け、SIerからの転職を希望する理由や需要が高く転職先としておすすめの職種を解説します。所属して働いているときには見落としがちなSIerの魅力もまとめているため、比較検討の対象として把握しておくといいでしょう。満足度の高い転職を実現するための具体的な方法なども説明しているので、ぜひ参考にしてください。

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この記事のまとめ

  • SIerから転職したい理由は、上流工程や下流工程に業務対象が偏ることや、客先常駐というワークスタイルに起因する悩みが多い
  • 大規模なプロジェクトに携われることや、顧客リードのスキルが身につくことなど、SIerで働くメリットも多い
  • SIerから転職するタイミングやおすすめとなる転職先SIerの種類は、年齢や目的によって異なる

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SEがSIerから転職を希望するよくある理由

SEがSIerから転職したいと思っている理由は、人によりさまざまです。キャリアアップやスキルアップを目指したいというポジティブな理由もありますが、厳しい勤務状況に耐えられないといったネガティブな理由が多いのが実情です。SEがSIerからの転職を希望する理由には、客先常駐というワークスタイルや顧客折衝、業務量や厳しい納期などが関係しているといわれます。

以下では、SEがSIerから転職を希望する理由の代表的なものをまとめました。

客先常駐というワークスタイルに負担や孤独を感じる

SIerでは、プロジェクトの進行中、顧客企業に常駐して業務することがほとんどです。自社とは違う環境で常に緊張感があるため、慣れるまで精神的な負担を感じる場合があります。毎日出社する場所がクライアントだと通常の通勤経路ではなく、自社よりも遠方ならば体力的な負荷も高いです。

クライアント先では、外部人材として扱われるため、なかなか馴染めず、孤独感やきまずさを感じ、辞めたいと思う人も多いようです。

下流工程の業務が多い

下請けのSIerでは、下流工程の業務を担当することが多いです。SIerにおける下流工程の業務とは、システム開発の実装、テストや運用保守の工程を指します。

下流工程の業務は非常に重要です。しかし、単調な作業を繰り返すことも多く、業務量が多いと負担やつまらなさを感じてしまい、SIerから転職したいと感じる人もいるようです。

反対に開発者志向の強いエンジニアが上流工程や管理業務しか担当できず、自分のしたい仕事ができないことに不満を感じるケースもあります。

求められるスキルセットが変わりやすい

実装やテストといったスポット案件を多く受注するSIerの場合、毎月のように常駐先が変わることがあります。「実装・テスト」といっても詳細な案件の内容はその都度違うため、必要なスキルも異なる場合が多いです。

さまざまなプロジェクトを請け負うSIerに所属していれば、エンジニアも幅広いスキルが必要とされます。プロジェクトごとに求められるスキルセットが変わることに対し、技術習得についていけないという理由から転職を考えるSEもいます。

コードを書ける環境に身を置きたい

大手SIerの場合、上流工程やマネジメント業務、クライアント折衝などの業務がほとんどで、実際の開発などは外部に委託するケースが多いです。そのため、コーディングや開発をする機会が少なく、物足りなさを感じる場合があります。開発者としてのキャリアパスを描いている場合は、キャリアアップに必要な技術的なスキルも身につきません。

現場で技術的なスキルを磨きたいエンジニアにとっては、転職を検討する理由となるでしょう。また、クライアント折衝などの調整業務も人によっては大きなストレスになり得るため、志向性が合わずに転職を希望する方もいます。

残業が多い

SIerでは残業が多くなりがちであることも、SEが転職を希望する理由の1つです。

システム開発のプロジェクトでは、業務がスケジュール通り進まないことや、エラーやトラブルなどで時間がとられてしまうことはよくあります。そのようなスケジュールのしわ寄せは、システム開発における下流工程、開発やテストを担当するエンジニアにいきやすい傾向にあります。そのため、下請けの中小SIerは、そもそもの開発スケジュールがタイトになりがちです。

納期に追われ、残業や休日出勤が多くなると、体調を崩してしまったり、プライベートな時間が取れずストレスを感じ、辞めたいと考えるケースもあるでしょう。

給料が低い

中小規模のSIerでは給料が低くなりがちであるのも、転職したいと思われる理由の1つです。

IT業界の大規模なプロジェクトでは、多重下請け構造が一般的です。多重下請け構造とは、プロジェクトを受注した元請けが違う企業に発注し、その企業がまたほかの企業へと発注するという、何社にもわたって委託されていく構造のことです。下請けを経由するほど中間マージンが発生するため、支払われる報酬は少なくなり、報酬が少なければエンジニアに払える給料も少なくなります。業務量に見合わない給料では、不満が募り、辞めたいと思うエンジニアも多いです。

不具合の対応に追われる

「残業が多い」と重複する部分もありますが、SIerでは休日や深夜でも関係なく不具合の対応に追われる場合があります。たとえば、担当のシステムに不具合が起き、翌日の朝までに復旧させる必要がある場合、徹夜で不具合への対応をしなければなりません。

仕事とプライベートをきっちり分けたいと思っている人にとって、突発的にエラーが起こるかもしれないSIerで働くことはきついと感じるようです。

システムを利用するユーザーの反応が見えない

せっかく時間をかけて工夫して作ったシステムでも、対象工程が限られているSIerの場合はその運用フェーズには立ち会えないことも多いです。開発者としてはユーザーの声をフィードバックとして受け取り、システムの品質を高めたいものです。

またユーザーの声の中には「システムの導入により業務の効率化が実現できた」などの喜び、感謝の声が含まれることがあります。これを聞くことも開発者にとっては大きなやりがいですが、SIerで限られた工程のみに対応しているとその機会が失われてしまうため転職の理由となります。

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SIerで働くことのメリット

SI業界で働いていると、SIerだからこそ得られる環境やスキルには気づきにくいです。SIerで働くことにはメリットもあるため、転職を検討する前に把握しておきましょう。SIerで働くメリットとデメリットを比較することで、自分の立場や目的が明確になる可能性があります。

以下では、SIerで働くことで得られるメリットについて詳しく説明していきます。

大規模な案件に携われる

日本中の人々が使っている銀行やクレジットカードのシステムをはじめ、今私たちが使っているシステムの大部分はSIerによって開発されています。これらの社会的に影響力のある巨大プロジェクトに携われるのはSIerの醍醐味です。下流工程を担当する場合でも、大規模案件の一部であることも多く、社会に必要なサービスやシステムを開発しているというやりがいを感じられるでしょう。

幅広い企業や業界のプロジェクトに携われる

先ほど転職を希望する理由の1つとして挙げられていた、常駐先ごとに求められるスキルセットが変わる点も、裏を返せばSIerのメリットとなります。SIerではさまざまな企業や業界のプロジェクトに携わることができ、スキルや経験の幅を広げられる点はエンジニアの成長に向けてはメリットとなります。

顧客リードのスキルが身につく

SIerは企業の規模に関わらず、クライアントや外部の協力会社と関わりながら仕事を進める機会が多いため、折衝能力や管理能力といったスキルを伸ばせます。将来的にプロジェクトマネージャーや社内SEといったポジションに就きたいと考える人にとっては必ず求められるスキルなので、磨いておくとキャリア形成に役立つでしょう。

特定の業界や業務に関する知識が習得できる

SIerはITで顧客の課題解決を図るのが仕事です。顧客企業に最適なシステムを提供するために、業界知識や現場の仕事を深く知る必要があります。

業界・業務知識が浅い人が作った要件定義書はミスが起きやすく、最悪のケースではクライアント企業からの訴訟に繋がるリスクすらあります。

逆をいえば、業界・業務に対する深い理解があり、クライアント企業の顕在・潜在的な課題を解決するシステムを設計できる人は市場価値が高いです。年収も上がりやすく、転職市場でも引く手あまたの人材になれるでしょう。

技術志向で仕事ができる

技術志向という意味では、サービスではなく技術に主軸を置いて働くことができるのがSIerなので、技術起点でのアーキテクチャの作成や既存システムの最適化などのスキルを伸ばせます。

従来は経験年次が上がるとマネジメントに役割が寄りがちでしたが、最近では技術志向性の高いSEに向けたスペシャリストコースなど、特定の技術分野を専門として特化したキャリアパスを用意するSIerも増えてきています。「SIer=手を動かせない」といったイメージを持っている方もいますが、徐々にSIerを取り巻く環境も変わってきています。

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SIerに転職しやすいタイミング

SIerへの転職希望者やSIerからの転職希望者には、転職のタイミングを逃してしまう人も多いです。転職を考える場合は、転職をしようか考え始めたタイミングでいちはやく転職エージェントなどに相談して情報収集することが重要となります。

また、キャリア形成などの理由により転職しやすいタイミングやすべきタイミングは、SIerの種類や目指したいキャリアによって異なります。

ユーザー系SIer

「今の職場で新たに得られるスキルや知識はない」とスキルアップへの限界を感じたときは、ユーザー系SIerへの転職がおすすめです。開発した製品に関するユーザーのフィードバックを得る機会が比較的多いため、ユーザーからの評価や新しい視点などを得ることができます。

ただし、ユーザー系SIerは独特の文化を持つことも多く、あまり長く他社での経験を積んでいると馴染みづらくなることもあるため、早い段階で転職することが望ましいです。

大手SIer

大手SIerに転職を目指す方には、25歳前後のタイミングでの挑戦をおすすめします。

大手SIerは、主に上流工程に携わっており、エンジニアにはSIに関する豊富な専門知識が求められます。早めに転職しないと、大手に所属してキャリアを積んでいるエンジニアとのスキル差が広がり、転職が難しくなります。25歳以下であれば第二新卒採用の枠組みで応募できるため転職しやすいといえるため、タイミングを逃さないようにしましょう。

上流工程を担当するSIer

上流工程でのキャリアアップを目指す方は、28歳から30歳ごろが最適のタイミングです。それ以上年齢が上がると、プロジェクトマネジメントの経験が求められるようになります。転職は年齢の上昇に伴い自由度が失われ難易度も高くなる傾向があるため、転職への目標とする年齢を定めて行動する必要があります。

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転職理由別のおすすめ就職先

SIerには、大手から中小までさまざまな種類の企業があります。「年収を上げたい」「残業を少なくしたい」など本人の希望によっておすすめできるSIerの種類も変わるため、詳細を知っておきたいところです。

以下では、転職理由別に転職先におすすめできるSIerの種類を紹介します。

関連記事:
SIerに将来性はある?なくなるといわれる理由と対策を解説
外資系SIerの企業例9選!年収、メリットやデメリットも解説

年収を上げたい/残業を減らしたい場合は大手SIer

年収を上げたい場合は、大手SIerへの転職がおすすめです。大手SIerで勤務するエンジニアの年収は、中小SIerよりも高めで、待遇改善も期待できます。また、大手SIerは住宅手当や資格手当などの制度が充実している点も魅力です。

残業を少なくしたいという理由の場合も、大手SIerをおすすめします。大手SIerは知名度が高い分、コンプライアンスを重視する傾向にあり、過剰な残業を課される心配が少ないです。そのため、残業に悩んでいる方は大手SIerへの転職を挑戦すると良いでしょう。

スキルアップしたい場合はユーザー系か中堅SIer

スキルアップしたい場合は、中堅SIerがおすすめといえます。大手SIerは多くのエンジニアが所属しているため、分業化が進んでおり、広範な業務知識やスキルを習得するのは難しいです。しかし、中堅SIerでは1人のエンジニアがさまざまな業務範囲を担当するケースが多いです。そのため、スキルアップを目指すのであれば中堅SIerへの転職をおすすめします。

また、スキルアップ目的の場合、ユーザー系SIerもおすすめの選択肢です。ユーザーのフィードバックを得る機会が多く、ユーザー視点でのもの作りを身につけることができます。

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SIerからの転職先としておすすめの職種

SIerからの転職を検討しているエンジニアの中には「せっかくなら別の職種へのキャリアチェンジも視野に入れたい」と考える人もいるでしょう。SIerの転職では、同業他社へ転職するほかに異業種に転職するキャリアチェンジという選択肢もあります。これまでSIerで経験した知識やスキルを活かして、ITコンサルタントや営業、社内SEやWeb系エンジニアを目指す方も多いです。

以下では、SIerからの転職先としておすすめの職種を紹介します。

ITコンサルタント

SIerから転職する方の中には、ITコンサルタントを目指す人も多いです。大手SIerでは最上流から課題解決を図ります。また、大規模プロジェクトではコンサルティングを提供する場合もあります。したがって、ITコンサルタントと業務範囲が重複する部分も多く、業務経験を活かせる転職先となります。

とくに大手SIer出身者であれば、ITコンサルタント業はSIerで培った経験やスキルを活かせます。実際、コンサルティングファームで活躍しているSIer出身者も多いです。

営業職

SIerから異業種へ転職する方の中には、営業職を選ぶ人もいます。特にIT業界であれば業種が異なる営業職でも、開発現場での経験が見積もりの精度を高め、高い利益率の案件獲得も期待できます。今までの知識や経験を活かせるでしょう。

また、エンジニアとしての知見を活かせる営業関連の職種にはプリセールスやセールスエンジニアも挙げられます。エンジニアとして培った技術的な知見を活かせ、歩合制での評価を受けられる職種です。

社内SE

SIerから異業種への転職では、社内SEも非常に人気が高いです。

社内SEは自社システムの開発や社内システムの運用・保守などを担当する仕事です。社内SEはIT業界の中でも比較的残業時間が少なく、ワークライフバランスを重視する方にとっては魅力的な職種とされます。

自社システムの開発プロジェクトでは、設計などの上流工程から運用保守、関係者との交渉などを担当することもあるため、コミュニケーション力やマネジメント力も必要です。

Web系エンジニア

Web系エンジニアも、SIerからの転職先としておすすめです。Web系エンジニアとは、WebサイトやWebアプリの設計や開発、運用を行う職種で、プログラミング言語を用いてシステム開発をするのが主な仕事です。そのため、SIerで得た経験や知識を活かせるでしょう。

また、WebサイトやWebアプリは増加傾向にあり、Web系エンジニアの需要は高いです。

Webディレクター

SIerからの転職先として、Webディレクターもおすすめです。Webディレクターとは、WebサイトやWebアプリの制作プロジェクトを統括する職種です。制作における、チームメンバーの統括やスケジュール調整、予算・品質管理など幅広い業務を行います。SIerでマネジメント業務などを行っていた場合、経験が役立つでしょう。

フリーランスという選択肢もある

スキルに自信がある方には、フリーランスになるという選択肢もあります。

フリーランスは、営業から経理まで一人で行わなければなりませんが、自由度の高さと高収入の実現も可能なことが魅力です。取引先の獲得のためには、高い開発スキルやコミュニケーション力、営業力などが必要になります。フリーランスを目指すなら、最低でも2〜3年の開発実務経験が必要です。

プログラミング言語はJavaやPHP、C言語、C++などを習得すると、案件獲得の幅が広がります。また、売上の管理も自分で行うため、自己管理能力も必要です。

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SIerからの転職を成功させるためのポイント

SIerの転職について検索すると、「SIerは転職できない」という言葉がしばしば出てきます。しかし、SIerだからといって転職できないということはありません。転職活動におけるポイントをしっかりと押さえれば転職は上手くいくでしょう。具体的には「転職の目的と希望を整理する」「転職先を決めてから辞める」「自分のスキルや経験を把握する」などが挙げられます。

ここでは、SIerからの転職を成功させるために押さえておきたいポイントを解説します。

関連記事:SIerからWeb系企業への転職のコツを解説!成功例も紹介

転職の目的と希望を整理する

まずは、転職で自分が何を求めているのかを把握し、転職の目的と現状の課題を整理しましょう。

転職で叶えたいことに優先順位をつけながら、「なぜその希望は現職では叶えられないのか?」「その希望はSIerでは本当に叶えられないのか?」を突き詰めていくと、求人への応募や面接で迷いがなくなります。

関連記事:SIerの志望動機の書き方と例文!書く時のポイントと注意点も解説

転職先を決めてから辞める

SIerからの転職をする際、転職先からの内定獲得後に退職するのがおすすめです。

転職先が決まらないまま退職してしまうと、収入がなくなってしまいます。もちろん、先に退職することで転職活動に専念できるメリットはありますが、経済的に苦しい状況になると転職活動に焦りが生じてしまいます。焦って転職すると、ミスマッチが起きるなど満足度の低い転職になる可能性が高いです。退勤後や休日の時間を使って地道に転職活動をすることをおすすめします。

自分のスキルや経験を把握する

SIerからの転職を成功させるためには、自分のスキルや経験を今一度見直しましょう。自分のスキルを見直すことで、市場価値が把握できます。また、自分の強みが理解できるため、自分に合った転職先を見つける際や、自己アピールをまとめる際にも有用です。

自分のスキルや経験を棚卸しする際は、一旦できるだけ細かくリストアップすることがおすすめです。そうすることで、今まで気づかなかった自分の特技や傾向を把握できます。提出する資料などに記載する際には、そこから要点をピックアップすればよいでしょう。

企業研究を念入りにする

転職を成功させるためには、応募先の企業研究を念入りにする必要があります。これは、転職後のミスマッチを防ぐ点においても重要です。企業研究をすることで、企業理念や業務内容が分かります。自分が希望する業務であるか、キャリアプランが実現できそうかなど把握し、自分に合った企業を見つけましょう。

また、企業が求める人物像やスキルを把握すれば、採用面接などで有効な自己アピールができるでしょう。

転職エージェントの活用も一つの手

仕事を続けながらSIerから転職活動をすると、時間の不足や自分では理想の求人が見つけられないといった問題が発生します。これらの解決には、転職エージェントの活用がおすすめです

転職エージェントは、自分のスキルや経験に合った求人の紹介や志望動機の添削などを行ってくれます。プロの支援を受けることで効率的に転職活動をすることが可能です。

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SIerからの転職の際に気をつけるべきこと

SIerからほかの企業・職種に転職する際、働き方が大きく変わることがほとんどです。転職後のミスマッチを防ぐため、事前に確認しておくのが良いでしょう。

転職の際に考慮するべきことの具体例として「給料や待遇が下がる場合がある」「働き方や業務内容が変わる」などが挙げられます。以下では、SIerからの転職の際に気をつけるべきことを解説します。

給料や待遇が下がる場合がある

上流工程など高単価な案件を請け負うSIerの場合、IT業界の中でも比較的給料が高いです。そのため、転職することで給料が下がる場合があります。しかし、転職で給料や待遇が下がっても、新たなスキルや経験を積むことで将来的により高い報酬を得られる可能性もあります。

給料や待遇だけでなく、働きやすさややりがい、キャリアなど総合的に判断して転職に臨みましょう。

働き方や業務内容が変わり、負担を感じることもある

SIerからほかの職種、業種に転職をすると、働き方や業務内容が大きく変化する点も留意しておきましょう。新しい環境で、新たな仕事を始めるのは負担に感じる人もいるでしょう。業務内容や職種ならではのルールなど最初は戸惑うこともあります。

企業研究で、このようなミスマッチを減らすことができますが、やはり働いてみないと分からないこともあります。仕事が変わることでかかるストレスもあるということを理解しておきましょう。

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SIerからの転職で役立つ資格

SIerからの転職では、求められるスキルや資格を把握して取得しておくと評価につながる可能性があります。取得できなかったとしても、資格取得を目指して努力していることがアピールできれば、学習意欲が伝わるため効果的です。

SIerからの転職で役立つIT資格としては、基本情報技術者試験、応用情報技術者試験、プロジェクトマネージャ試験などが挙げられます。以下では、SIer業界やその他の業種に行く場合にも役立つ資格を紹介します。

基本情報技術者試験

基本情報技術者試験は、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が運営するITエンジニアの登竜門的な試験です。ITエンジニアとしてのエントリレベルの知識とスキルが問われるため、ITエンジニアを目指す方や若手エンジニアに適しています。

試験ではITに関する知識から経営、法務まで幅広く問われます。取得すれば、ITの基礎的な知識が体系的に身についていることが証明できます。SIを含め広くIT業界で知名度が高い資格のため、転職においても役立てることが可能です。

応用情報技術者試験

応用情報技術者試験は、基本情報技術者試験と同じくIPAが運営する試験で、基本情報技術者の上位資格です。基本情報技術者試験に合格した方が次のステップとして受験するケースが多く、試験範囲はテクノロジ系とマネジメント系、ストラテジ系の3分野から出題されます。問題形式も選択問題だけでなく、記述も必要になるなど、取得するにはより深い知識が必要です。

プロジェクトマネージャ試験

プロジェクトマネージャ試験は、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が運営する国家資格です。経済産業省が策定したITスキル標準のレベル4に該当する難関試験で、プロジェクトに関する知識が問われます。プロジェクトを統括するプロジェクトマネージャーやプロジェクトリーダーを目指す方は、ぜひ取得しておきたい資格でしょう。高度なプロジェクトマネジメントスキルが示せるため、転職では大きなアピールポイントとなります。

Oracle認定Javaプログラマ

Oracle認定Javaプログラマは、オラクル社が認定しているJavaプログラミングに関する民間資格です。Javaは、SIerの業務でも多く使われるプログラミング言語であり、取得することでJavaの知識やスキルがあることを証明できます。

ORACLE MASTER(オラクルマスター)

ORACLE MASTER(オラクルマスター)は、オラクル社が認定する「Oracle Database」に関する民間資格です。この資格を取得することで、世界シェアトップクラスのOracle Databaseの知識やスキルを証明できます。試験は「ブロンズ」「シルバー」「ゴールド」「プラチナ」の4つのランクに分かれています。

シスコ技術者認定

シスコ技術者認定は、ネットワーク機器最大手であるシスコ・システムズ社が主催する民間資格です。試験では、シスコ製品やネットワークに関する知識などが問われるため、インフラやネットワークのスキルを示すことのできる資格となります。試験は「エントリ」「アソシエイト」「プロフェッショナル」「エキスパート」の4つのランクとテクノロジーごとに分かれています。

SIerの転職では、Web系のエンジニアへの転職においてインフラ分野も担当する場合などは効果的なアピールとなるでしょう。

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SIer=ブラック企業ではない

結論からいうと、SIer=ブラックという考え方は誤りです。転職を希望する理由で挙げたように、タイトなスケジュールで過重労働を強いるSIerがないとは言い切れません。しかし、ネガティブな事象はどの業界においても起こりうることであり、会社の規模や扱う案件が似ている同レイヤーのSIerであっても、企業により置かれる状況は全く違います。

また、SIerが人月で費用計算をしていることも、SI業界に対するネガティブなイメージを助長しているでしょう。人月計算とは、単純に雇う人を増やせば売上が伸びるという構造です。そのため、かつては個々人のスキルを考慮せず、とりあえず人を増やして売上を伸ばそうとするSIerもありました。

しかし、それではSI業界もそこで働くSEも成長していくのが難しいことは明らかです。多くのSIerにおいて、採用基準や社員のキャリアパスについての考え方は変化してきています

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SIerに関するよくある質問

SIerから転職を目指す方には、さまざまな疑問や質問があるでしょう。

よくある疑問や質問として多いのは、中小規模の独立系SIerやソフトハウスのSEの特有の事情による悩みについてです。ほかにも、大手SIerやプライムベンダーのSEの働き方についての悩みや転職活動がうまくいかない理由、SIerのSEが転職を成功させるために必要なことなどがあります。

ここでは、これらのSIerについてのよくある質問に回答しました。

Q1. SIerで働くSEが抱えがちな悩みは何ですか?

中小規模のSlerで働くSEは、下流工程の業務が多くスキルアップやキャリアアップがしづらいことや給与が上がりにくいことがよくある悩みです。一方で大規模Slerで働くSEは、上流工程にしか携われず自身の手を動かせない、クライアントとの折衝に疲弊することなどが悩みとして挙げられます。

Q2. SIerのSEが転職を成功させるために必要なことは何ですか?

転職で叶えたいことに優先順位をつけながら、「なぜその希望は現職では叶えられないのか?」「その希望はSIerでは本当に叶えられないのか?」を突き詰め、転職の目的と現状の課題を整理することが重要です。課題が整理できれば自ずと転職先の選択肢が絞られ、集中して転職活動に挑めるため成功しやすいでしょう。

Q3. SIerとSESはどちらがおすすめですか?

キャリアパスをどう捉えるかで、SIerとSESの選択肢が変わります。将来的にプロジェクトマネージャーなどの責任あるポジションを目指したいならSIerがおすすめです。未経験者の場合は、SESでプログラミングスキルなどを磨くと良いでしょう。

関連記事:SESの客先常駐はどんな仕事?メリット・デメリットやSIerとの違い

Q4. 大手5大SIerとはどこですか?

有価証券報告書2023年3月期の売上高の順だと、ITサービス市場で国内1位の富士通(連結) 3兆7,560億円、その次にNTTデータ(連結) 3兆4,901億円、NEC(連結) 3兆4,773億円、日立製作所(単体) 1兆6,313億円、野村総合研究所(連結) 6,921億円が現在の大手5社といえるでしょう。

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まとめ

SIerから転職を希望するエンジニアは多いです。所属企業や業務などによりスキルアップが望めない、業務量が多い、給与が上がらない、顧客先への常駐などが悩みとなり、転職を希望する理由とされます。業界内でもWeb業界や社内SEに転職したほうが安泰と考えられています。

SIerからほかの業界に転職する場合、転職先で何がしたいのか、どのように活躍できるのか、転職で実現したいことはなにかなどを明確にする必要があります。SIerから離脱することだけでなく、その後どこでどのようにキャリアアップしていくのかを明確にすることが重要です。キャリアプランが明確になっていれば、SIerで業務に従事しながらでも自分の市場価値を高めることが可能です。

この記事では、SIerからの転職を希望するSEの傾向や抱える問題点について解説し、SIer業界やおすすめの転職先について紹介しました。SIerから転職を検討している方は、この記事を参考に転職活動を始めてみてはいかがでしょうか。

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この記事の監修

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