AWSの将来性は?エンジニアに必須な資格やスキルも解説

最終更新日:2024年3月18日

DX対応やクラウドファースト、クラウドネイティブの流れをうけ、クラウドサービスを利用する企業が増えています。特にクラウドプラットフォーム最大手のAWSは、多くの企業や団体が採用しており、高い知名度とシェアを誇ります。クラウドエンジニアを目指すならば、AWSの需要と将来性にも留意しておくべきでしょう。ここでは、AWSの将来性があるか知りたいエンジニアに向け、AWSの将来性や需要、AWSエンジニアの将来性について解説しています。

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この記事のまとめ

  • AWSは企業のクラウド化などが追い風となり、今後も将来性の高いサービス
  • AWSエンジニアの将来性も非常に高く、今後ますます需要が増す職種
  • AWSエンジニアを目指すなら、インフラ関連の知識を得られる資格取得がおすすめ

AWSの将来性は高いといえる理由

まずはAWSの将来性が高い理由を紹介します。AWSの将来性は非常に高いです。理由は以下の4つが挙げられます。


  • ・企業のクラウド利用が増加

    ・AWSの需要予測は高い見込み

    ・laas市場は分散化の動きもあるが、AWSの優位性は揺るがない

    ・AWSのにおけるサービス内容の多様化


それぞれについて詳しく見ていきましょう。

関連記事:AWSができることとは?メリット・デメリット・主要サービスを解説

企業のクラウド利用が増加

JUAS(一般社団法人 日本情報システムユーザー協会)の調査結果では、IT予算の増減を確認できます。IT予算の増減について「増加した」と回答した企業は45.5%にものぼります。(※1)

今後は運用保守費を抑えつつ徐々にクラウドへ移行していくことでしょう。実際に、世界最大手のAWSを筆頭にIaaSの普及が拡大しており、この傾向はしばらく続くと推測されます。IaaSはハードウェアの調達費用を最小化しつつ、スピーディーにITインフラを構築できるサービスです。また、利用シーンやビジネスの規模に応じて簡単にスケールできる点も評価されています。

※参考1:JUAS「一社 日本情報システム・ユーザー協会)企業IT動向調査報告書 2023」p.26より

AWSの需要予測は高い見込み

AWSのシェアは非常に大きいです。2023年8月執筆時、海外の市場調査会社Canalys社のクラウドサービスに関する調査結果によると、クラウドサービスにおけるAWSのシェア率は30%でトップです。シェア率が高いと利便性の観点からより利用者が増えていくので、今後もAWSを導入する企業は増えていくでしょう。

IaaS市場は分散化の動きもあるがAWSの優位性は揺るがない

クラウドプラットフォームは「IaaS」に属するサービスです。そこで、IaaS市場についてみていきましょう。

IaaS市場の主要各社の動きを見ていくと、各社が頻繁に買収を行っていることが分かります。AWSは2015年にイスラエルの半導体メーカー「アンナプルナ・ラボ」を買収しており、機械学習サービスの基盤を構築しました。また、IBMはリナックスで有名なRed hat社を、Google社はクラウドストレージ企業の買収を実行しています。

IaaS市場の主要なプレイヤーが買収を繰り返す背景には、買収によって自社のサービスを強化したいという思惑があると考えられます。巨額の買収を行ったとしても、それが将来的な利益につながるという計算があるのでしょう。

ちなみにAWSは、すでにAmazon全体の営業利益の6割強を占める事業に成長しており、今後もAmazonがAWSに注力することは想像に難くありません。

IaaS市場の主要各社の動きを見ていくと、各社が頻繁に買収を行っていることが分かります。AWSは2015年にイスラエルの半導体メーカー「アンナプルナ・ラボ」を買収しており、機械学習サービスの基盤を構築しました。また、IBMはLinuxで有名なRed hat社を、Google社はクラウドストレージ企業の買収を実行しています。

IaaS市場の主要なプレイヤーが買収を繰り返す背景には、買収によって自社のサービスを強化したいという思惑があると考えられます。巨額の買収を行ったとしても、将来的な利益につながるという計算があるのでしょう。

ちなみにAWSは、すでにAmazon全体の営業利益の6割強を占める事業に成長しており、今後もAWSに注力することは想像に難くありません。

IaaS市場にはこれまでと異なった動きも見られます。AWSが突出してトップを維持する一方で、2位以下のシェアは徐々に分散しているのです。この流れが続くことでAWS以外のサービスが成長し、AWSへの一極集中が緩和する可能性も否定できません。ただし10年未満のスパンで見れば、AWSの優位性は揺るがないと考えられます。なぜなら、クラウド化の最初のステップとして、知名度の高いAWSを使用する可能性が高いからです。

AWSにおけるサービス内容の多様化

2023年8月執筆時点でAWSの提供している製品とサービスは241種類にものぼります。さらに、今後もサービス内容の増加が予定されています。AWSは現時点でもシェア率1位を獲得していますが、サービスの追加や改善でより利用者が増えていくことでしょう。

AWSエンジニアも需要に対し人材が不足し将来性が高くなっている

AWSエンジニアの需要は非常に高いですが、現状エンジニアの供給が追いついていません。AWSの利用者が増えれば増えるほど、需要と供給のギャップは広がりますので、今後も将来性が高いと言えるでしょう。

また企業のクラウド化の推進もAWSエンジニアの人手不足に影響しています。クラウド化の推進によってAWSエンジニアへの需要は伸びるからです。

総務省の発行している「令和5年度版 情報通信白書」によると、2022年のクラウドサービス市場規模は前年比29.8%増の2.2兆円です。このように近年、企業のクラウド化は急速に進んでおりAWSには強い追い風となっています。

参考:総務省 令和5年度版情報通信白書

AWSエンジニアの需要が特に高くなっている業界

AWSエンジニアの需要が高い業界


AWSエンジニアの需要が特に高くなっている業界として以下が挙げられます。


  • ■ IT・Web業界

    ■ ゲーム業界

    ■ 広告業界

    ■ メディア業界


それぞれの業界の事情を解説します。

IT・Web業界

IT・Web業界ではクラウド環境の利用が進んでいて、シェアの大きいAWSが使われるケースは多いです。そのため、AWSエンジニアの需要が伸びています。AWSの技術を活かして開発環境構築や開発を行うことはもちろん、マネジメントポジションでも需要があります。AWSエンジニアが増えれば、マネジメントを行う人材も必要になるからです。

ゲーム業界

ゲーム業界でもAWSの使用機会が増えています。ゲーム開発プラットフォームなどがAWSを利用してサービス提供しています。開発もプレイもオンラインが一般的になっているので、ゲーム業界ではAWSがより普及していく可能性が高いでしょう。

広告業界

広告業界のビジネスは幅広いですが、一部ではAWSの利用が進んでいます。たとえば、広告の自動配信サービス、マーケティングなどの分野でAWSが使用されています。結果的に、AWSエンジニアの需要が伸びています。他にも、自社のプラットフォーム構築のためにAWSを使用するケースもあります。

メディア業界

メディアも広告業界同様ビジネス展開の幅が広く、デジタル化に力を入れている企業もあれば、そうでない企業もあります。デジタルコンテンツに力を入れている企業では、AWSの普及も進んでいます。AWS環境を使ってコンテンツ作成や配信をするためです。AWSエンジニアへの需要もあります。

関連記事:AWSとは?AWSエンジニアのキャリアも併せて紹介

将来性の高いAWSエンジニアになるためのスキル

ここからは、将来性の高いAWSエンジニアになるためのスキルを5つご紹介します。ご紹介するのは以下の5つです。
 

  • ・ネットワーク仮想化に関するスキル

    ・コンテナ関連のスキル

    ・CI/CD

    ・DevOps

    ・Infrastructure as Code


それぞれについて詳しく見ていきましょう。

ネットワーク仮想化に関するスキル

ネットワーク仮想化のコア技術である「VLAN」、仮想ネットワークをソフトウェアで動的に制御する「SDN」などが挙げられます。

コンテナ関連のスキル

Dockerをはじめとしたコンテナ型仮想化技術は、Infrastructure as Codeを前提とした環境構築に無くてはならない技術です。AWSの著名サービス「ECS」でも採用されているため、ぜひ身に着けておきましょう。

CI/CD

CI/CD(継続的インテグレーション/継続的デリバリー)は、単一のスキルではなく自動化を取り入れた開発手法全体を指す言葉です。AWSでは「CodePipeline」というサービスを使って実現することが多いようです。

DevOps

DevOpsは開発と運用の連動を示す考え方であり、近年のITシステム開発・運用では主流になりつつあります。AWSにはDevOpsに関する資格「AWS Certified DevOps Engineer」があるため、取得を目指してみるのも良いでしょう。

Infrastructure as Code

Infrastructure as Code(IaC)は、ITインフラの構築・運用を手動のオペレーションではなくコードで行うという考え方です。インフラ構築・運用・移設などが自動化される反面、エンジニアには高いスキルが求められます。将来的にインフラエンジニアの必須スキルになる可能性が高いため、できるだけ早急に学習を進めたいところです。

関連記事:インフラエンジニアにAWSスキルが求められる理由

AWSエンジニアを目指すうえで役立つ資格

ここからはAWSエンジニアに就職・転職する際に役立つ資格を3つご紹介します。ご紹介するのは以下の3つです。
 

  • ・AWS認定資格

    ・CCNA(Cisco技術者認定試験)

    ・LinuC(Linux技術者認定試験)


それぞれについて詳しく見ていきましょう。

関連記事:
AWSの勉強方法|初心者も無理なく身につけられる手順を紹介
AWS認定資格で年収アップは可能?転職における市場価値とは

AWS認定資格

AWS認定資格とは、AWS認定試験における最も基礎的な内容を問われる試験です。AWSの基礎だけでなく、クラウドに関する知識など広い範囲から出題されます。AWS認定資格は営業職や管理職の取得も推奨される試験です。言い換えれば、技術者の資格としてはそこまで評価は高くありません。2023年8月執筆時点でAWS認定資格は11種類展開されています。

CCNA(Cisco技術者認定試験)

CCNA(Cisco Certified Network Associate)とは、シスコシステムズ社によって運用されている認定試験です。シスコ社の商品知識だけで無く、ネットワーク技術の知識証明にもなります。国内のIT関連資格では「基本情報技術者試験」が有名ですが、世界基準ではCCNAが最も有名な試験と言っても過言ではないでしょう。

LinuC(Linux技術者認定試験)

LinuCとは、特定非営利活動法人LPI-Japanによって運用される認定試験です。Linuxサーバーの構築や運用、クラウドのセキュリティやオープンソースに関する知識の証明として役に立ちます。LinuCは3レベル展開されており、レベル1に合格するとレベル2、レベル2に合格するとレベル3に挑戦できます。

AWSエンジニアの仕事内容

AWSエンジニアの仕事内容を大きく分けると以下になります。
 

  • ■ 設計

    ■ 構築

    ■ 運用・維持・管理


各仕事内容について解説します。

設計

設計は、AWSを用いたサーバー環境をどのように構築するか全体設計を行うことです。用途を考えてどのような契約を選択すべきか、サーバー上のどこにどのデータを置くか、といったことを考え、矛盾や問題が生じないように設計していきます。

構築

設計に基づいて構築作業を進めていきます。設計に問題がなければ、構築作業はスムーズに進みます。逆に設計に問題があれば、構築の段階で設計上不可能な点や非効率な点が見つかります。またプログラミングのように開発段階で細かいリサーチや記述は発生しにくいので、AWSを含むインフラ側は設計がよりプロジェクト成功のカギを握っています。

運用・維持・管理

AWS環境が構築されたら、安定稼働のために運用・維持・管理を行います。AWS環境の場合はハードウェアの監視は不要で、クラウド上のシステムをチェックします。チェック対象は、メモリ容量、
CPU使用率、仮想サーバー台数などです。

環境を変える必要があれば、随時対応します。また不具合が生じた場合に速やかに対処できるよう、事前に体制の整備やマニュアル化を進めておくことも重要です。

AWSエンジニアの平均年収

レバテックキャリアの求人では、AWSエンジニアの平均年収は650万円程度です。ただしAWSの単体スキルだけではなく、インフラ構築、設計、マネジメントなどのスキルが求められる案件が多いです。スキルによって年収に幅があり、1,000万円を超える案件もあります。スキルアップに応じて年収が上がりやすい状況です。

関連記事:AWSエンジニアの年収相場は?将来性やキャリアパスについても解説

未経験からAWSエンジニアになるには

未経験からAWSエンジニアになるための方法をご紹介します。ご紹介する方法は以下の2つです。
 

  • ・独学で知識を得てからAWSエンジニアの求人に応募する

    ・インフラエンジニアとしてインフラの基礎を学んだ後に転職する


それぞれについて詳しく見ていきましょう。

関連記事:未経験でAWSエンジニアになる方法は?認定資格などを含めて徹底解説

独学で知識を得てからAWSエンジニアの求人に応募する

AWSエンジニアは高い需要から、未経験可能な求人も散見されます。そのため、最低限の知識を独学で得てから挑戦することが可能です。

インフラエンジニアとしてインフラの基礎を学んだ後に転職する

AWSは様々なサービスを展開していますが、その多くはインフラ関係です。そのため、インフラエンジニアとしてサーバーやネットワーク、セキュリティなどの知識を身につけると転職しやすくなります。当然AWSの学習も必要ですが、ITの知識を実務で身につけてから挑戦できるのでおすすめです。

AWSに関するよくある質問

AWSに関するよくある質問と回答を紹介します。

Q1. AWSエンジニアの将来性を教えてください

複数の要因から、AWSエンジニアの将来性は高いと言えます。具体的には、企業のシステム化推進、クラウド移行、セキュリティの重要性が増している、といったことが挙げられます。これらの要因が絡み合い、IT技術自体の需要増加や変化が加速していて、技術力やマネジメント力のあるAWSエンジニアに需要が集中している状況です。

関連記事:AWSエンジニアに転職したい人必見!将来性や必要スキルなど、知っておくべきこと

Q2. AWSでは何ができますか?

AWSはレンタルサーバー、データベース、データ保存、画像認証などの機能を持ちます。これらの機能を活用して、Webサービス構築、データバックアップ、ビッグデータ活用、基幹システム構築、といった目的で使用されることが多いです。

Q3. AWSがすごいと言われる理由を教えてください

AWSは安定稼働していることはもちろん、サービスの種類、コストパフォーマンス、処理スピード、などといった観点で優れています。たとえばサーバーやデータベースを構築する際に、あらかじめ用意されている機能からクリックだけで希望通りのものが作れます。他にも、サーバーやデータの監視システムなどもあらかじめ用意されているので、必要な機能を選択して組み合わせるだけでセキュリティ強化などが可能です。

関連記事:
AWSのEC2とは?利用するメリット、需要の高さを解説
AWS Amplifyとは?特徴やメリット、需要の高さを解説

まとめ

AWSは利便性が高くコストパフォーマンス、安定性にも優れているため、今後より普及していく可能性が高いです。普及率が上がればそれだけ扱えている人が増え、システム同士の互換性の観点からもより普及は加速すると考えられます。

AWSが普及するということは、AWSエンジニアへの需要も大きくなるということです。特にインフラエンジニアやサーバーエンジニアにとっては汎用性の高いスキルになるので、AWSの扱いには慣れていくのが良いでしょう。

ただしAWSの単体スキルだと業務範囲をカバーできない可能性が高いです。サーバー、ネットワーク、データベース、マネジメントなどのスキルとAWSを組み合わせることで、相乗効果が生まれます。

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