- HTML5プロフェッショナル認定試験とは
- HTML5プロフェッショナル認定試験の詳細と対策ポイント
- HTML5プロフェッショナル認定試験を取得するメリット
- HTML5プロフェッショナル認定試験を取得するデメリット
- HTML5プロフェッショナル認定試験が役立つ職種
- HTML5プロフェッショナル認定試験に関するよくある質問
- まとめ
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HTML5プロフェッショナル認定試験とは
HTML5プロフェッショナル認定試験は、特定非営利活動法人エルピーアイジャパン(以下LPI-Japan)が運営する資格試験です。マークアップといえばHTMLやCSSの知識が中心と思われがちですが、HTML5プロフェッショナル認定試験ではJavaScriptやAPIについても出題されます。
LPI-Japanは、HTML5プロフェッショナル認定試験を「最新のマークアップに関する技術力と知識を中立的な立場で認定する制度」と位置付けています。ただし、実際にはマークアップという領域を超え、Webコンテンツ・アプリケーション制作など、主にフロントエンド領域の知識を問われる試験です。
関連記事:HTMLとは?CSSとの関係性もわかりやすく解説!
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HTML5プロフェッショナル認定試験の詳細と対策ポイント
HTML5プロフェッショナル認定試験は、HTML5プロフェッショナル認定試験レベル1とHTML5プロフェッショナル認定試験レベル2の2種類のレベルに分けて提供されています。以下では、それぞれの試験の具体的な出題範囲や難易度、勉強時間、勉強方法、おすすめの参考書といった、HTML5プロフェッショナル認定試験の詳細と対策ポイントについて解説しています。
受験者数や合格率は非公開
HTML5プロフェッショナル認定試験の受験者数や合格率は、LPI-Japanから正式に公表されていません。合格点も非公開となっていますが、試験は約7割程度の正答率で合格できる設定となっているようです。
レベル1は基礎知識を問われる試験であるため、比較的合格しやすいと考えられます。一方、レベル2になるとレベル1よりも内容が難しくなるため、約7割程度の正答率を取るのが困難になるでしょう。
レベル2の取得を目指している方は認定条件としてレベル1の取得も必要ですので、まずはレベル1の取得を目的とした勉強を進めることを推奨します。
HTML5プロフェッショナル認定試験レベル1
HTML5プロフェッショナル認定試験レベル1で出題されるのは、主にHTML5・CSS・レスポンシブWebデザインなど「マークアップ」と呼ばれる領域の内容です。また、HTML5プロフェッショナル認定試験レベル1は、2024年8月17日時点でVer2.5が最新バージョンになります。
試験時間 | 90分(前後のアンケート5分ずつを含む) |
問題数 | 約60問 |
試験方式 | CBT方式 |
受験料 | 16,500円 |
有効期間 | 5年間 |
出題範囲
HTML5プロフェッショナル認定試験レベル1の出題範囲は、以下のようになっています。
-
・Webの基礎知識……HTTPプロトコル、HTMLの書式、Web関連技術の概要など
・CSS……スタイルシートの基本、CSSデザイン、カスケード
・要素…要素と属性の意味、メディア要素、インタラクティブ要素
・レスポンシブWebデザイン……マルチデバイス対応、メディアクエリ
・APIの基礎知識……マルチメディア・グラフィックス系API概要、デバイスアクセス系API概要、オフライン・ストレージ系API概要、通信系API概要
試験では、マルチデバイスに対応したWebコンテンツ制作の知識やスキルが問われます。また、HTML5とCSS3の基礎知識やWebコンテンツの設計や制作において、これらの技術をどのように活用するかを把握しておきましょう。
難易度
レベル1が想定するスキルレベルは「HTML5を使ってユーザ体験を考慮したレスポンシブなWebコンテンツを制作する」というものです。HTML5を主軸として、CSSやAPIなどWebコンテンツ制作における基礎知識を問われる試験と言えるでしょう。
難易度はそれほど高くありませんが、技術寄りの内容が多いため、実際の難易度以上に難しく感じるかもしれません。
勉強時間
勉強時間の目安はおよそ40時間、期間としては2週間〜3ヶ月程度とされています。ただし、勉強時間の目安は個人差があります。
すでに関連知識やスキルを習得している場合はより少ない時間で済み、全く知識がない場合は40時間以上かかると思っておくとよいでしょう。
勉強方法
参考書や問題集などを使用して何度も演習を重ね、用語や問題に慣れることが合格への近道です。特に、公式サイトで用意されている「サンプル問題」は実際の試験の内容に近い上に全100問以上と量的にも充実しているため、必ず押さえておきましょう。実際にコーディングをするなど、手を動かして実機で学ぶ勉強方法を公式では推奨しています。
また、LPI-Japanが主催するセミナーやイベントでも基礎知識の解説を行うことがあるため、参加を検討してみてください。エンジニア未経験の場合、API系の問題は理解しにくいことがあるため、重点的に対策を進めてみてください。
おすすめの参考書
『HTML5プロフェッショナル認定試験 レベル1 対策テキスト&問題集 Ver2.5対応版』(マイナビ出版、大藤 幹、鈴木 雅貴)
LPI-Japanの出題範囲を基に、関連知識をわかりやすくまとめた書籍です。内容は「用語解説」「注意点」「補足説明」などに分けられ、学びやすい構成となっています。各章終了時には問題集を配置し、学んだ内容の定着と理解度の確認が可能です。また、新しい試験範囲や仕様変更に基づき、HTMLやCSSの説明を大幅に更新しています。
『HTML教科書 HTML5プロフェッショナル認定試験 レベル1 スピードマスター問題集 Ver2.5対応』(翔泳社、株式会社富士通ラーニングメディア 、 抜山 雄一 、七條 怜子 、結城 陽平 、竹川 夏実)
この書籍は、LPI-Japanの審査を通過した公式教材で試験範囲を完全にカバーしています。多くの質の高い問題が掲載されており、実践的な学習が可能です。内容は、Webの基礎からCSS、要素、レスポンシブWebデザイン、APIの基本まで幅広く、最後に模擬試験も収録されています。
HTML5プロフェッショナル認定試験レベル2
HTML5プロフェッショナル認定試験レベル2では、主にUIや動的コンテンツ、システム間連携、Webアプリ開発などの内容が出題されます。ただし、内容はJavaScriptに関するものが多くなっています。
認定条件は「HTML5レベル2試験に合格し、かつ有意なHTML5レベル1認定を保有していること」です。そのため、認定の有意性の期限である5年間以内にレベル1に合格する(合格している)必要があります。
試験時間 | 90分(前後のアンケート5分ずつを含む |
問題数 | 40~45問 |
試験方式 | CBT方式 |
受験料 | 16,500円 |
有効期間 | 5年間 |
出題範囲
HTML5プロフェッショナル認定試験レベル2の出題範囲は、以下のようになっています。
-
・JavaScript……文法、ES6(ECMAScript2015)以降の新機能
・JavaScript API……イベント、ドキュメントオブジェクト、ウィンドウオブジェクトなど
・グラフィックス・アニメーション……Canvas、SVG、Timing control for script-based animations
・マルチメディア……メディア要素のAPI
・ストレージ……WebStorage、Indexed Database、File API、バイナリデータ
・通信……Web Socket、XMLHttpRequest、Server-Sent Events
・デバイスアクセス……Geolocation API、DeviceOrientation Event
・パフォーマンスとオフライン……Web Wokers、High Resolution Time、オフラインアプリケーションAPIなど
・セキュリティモデル……クロスオリジン制約とCORS、セキュリティモデルとSSLの関係
Ver2.5では新しく「ES6(ECMAScript2015)以降の新機能」が出題範囲として追加されています。ローカル変数と定数やアロー関数といった、ES6以降に追加された機能および表記法でコーディングができるようになることが必要です。
難易度
レベル1に比べると、JavaScriptを用いたプログラミングとコンテンツ実装の内容が大幅に増えています。実質的に「JavaScriptを用いたWebコンテンツ制作の試験」とも言えるほどで、プログラミングの基礎知識がない場合は難易度が高いと感じるかもしれません。
勉強時間
勉強時間の目安はおよそ360時間とされています。3ヶ月で試験に合格しようと考える場合は、1日4時間の勉強が必要になる計算です。1日4時間の勉強時間を確保するのが難しい方は、4〜6ヶ月程度の期間が必要になるでしょう。
レベル1よりも範囲が広く、高度な知識が問われることもあり、勉強時間はレベル1よりもかかる傾向です。特にJavaScriptの内容が増えるため、事前知識がない場合は知識のある方よりも費やす勉強時間が増えます。
勉強方法
レベル1と同様に参考書や公式サンプル問題集などを活用した勉強方法が基本となります。加えて「JavaScript自体の勉強」も進めたいところです。
レベル2ではJavaScripを用いた動的Webコンテンツの開発・設計ができる人材を想定しているため、基礎知識がない状態では理解が進みにくいためです。
おすすめの参考書
『HTML5プロフェッショナル認定試験 レベル2 対策テキスト&問題集 Ver.2.5対応版』(マイナビ出版、右寺 隆信、立川 敬行、石井 博幸 )
HTML5プロフェッショナル認定試験 レベル2 Ver2.5に対応した参考書です。「速習入門」(Chapter1)と「リファレンス」(Chapter2〜4)の2部構成となっており、JavaScriptの基本や文法、APIなどについて学べます。試験対策はもちろん、Web開発の知識を深めたい方にも最適な内容となっています。
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HTML5プロフェッショナル認定試験を取得するメリット
HTML5プロフェッショナル認定試験を取得するメリットとしては、Webエンジニアとして汎用的な知識が習得できることやスキルや知識の証明ができる、企業によっては手当や報奨金が支給される場合があるなどがあります。以下では、これらのHTML5プロフェッショナル認定試験を取得するメリットについて解説します。
Webエンジニアとして汎用的な知識が習得できる
HTML5プロフェッショナル認定試験は、HTML5とともにCSS・JavaScript・関連APIまで含めた「汎用性の高い制作スキル」がベースになります。HTML5はすでにWebコンテンツ制作のスタンダードです。
2020年末にAdobe Flash Playerのサポートが終了したことを受け、ますますHTML5の需要が高まっています。したがって、Webコンテンツ制作界隈の需要に合致した資格と言えるわけです。
スキルや知識の証明になる
LPI-JapanはLinux系のメジャーな資格である「LPIC」を運営している団体です。また、現在は日本国内向けに「LinuC」を運営しています。いずれもLinux関連の資格では知名度・信頼性が高いものです。
LPI-Japanが運営する資格は、中立・公平な視点から評価されるため、知識・スキルの証明として役立つでしょう。特に、対外的なアピール材料を持たない実務未経験者の場合は、基礎知識を証明する手段として有効です。
昇給のほか、手当や報奨金が支給される場合がある
企業によってはHTML5プロフェッショナル認定試験の取得を評価し、昇給に繋がることも取得するメリットのひとつです。加えて、手当や報奨金が支給される可能性も見込めます。
実際に、LPI-Japanが行った2016年の『HTML5プロフェッショナル認定資格の企業の取得支援状況』によると、7割以上の企業がHTML5プロフェッショナル認定試験の取得に対して「支援制度がある」と回答しています。
資格取得に対して積極的な支援が行われている企業が多く、昇給や手当・報奨金の支給もあると考えると取得を目指して損はないでしょう。
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HTML5プロフェッショナル認定試験を取得するデメリット
HTML5プロフェッショナル認定試験を取得するメリットがある反面で、HTML5プロフェッショナル認定試験を取得するデメリットはあるのでしょうか。HTML5プロフェッショナル認定試験を取得するデメリットとしては、勉強時間を確保が必要なことや必ずしも資格が役立つとは限らないなどがあります。
以下では、これらのHTML5プロフェッショナル認定試験を取得するデメリットについて解説します。
勉強時間の確保が必要
HTML5プロフェッショナル認定試験を受験する際には、十分な勉強時間の確保が必須です。レベル1の勉強時間の目安は、40時間以上と言われています。レベル2はより難しくなるため、さらに勉強時間が必要となります。
HTML5プロフェッショナル認定試験を目指す場合、仕事や他の活動とのバランスを考慮しながら、効果的な学習スケジュールを計画しましょう。
必ずしも資格が役立つとは限らない
HTML5プロフェッショナル認定資格は、ITやWeb関連の企業での需要がある一方で、必ずしも資格が役立つとは限りません。この資格は、HTML5やCSS3、JavaScript、APIなどの特定の技術領域に関連しており、これらの分野での専門知識を持つことを証明します。
しかし、資格の有効期間が5年と限定されています。そのため、取得しても価値が時間とともに低下して、資格が役に立たないリスクもあります。
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HTML5プロフェッショナル認定試験が役立つ職種
HTML5プロフェッショナル認定試験の資格を取得することに向いている職種は、どのような職種なのでしょうか。HTML5プロフェッショナル認定試験の取得に向いている具体的な職種としては、マークアップエンジニアやフロントエンドエンジニア、アプリケーションエンジニア、サーバーサイドエンジニア、Webデザイナー、Webディレクターなどがあります。
以下では、これらのHTML5プロフェッショナル認定試験の取得が向いている職種を紹介します。
関連記事:フロントエンドエンジニアとは?仕事内容、年収や必要なスキルも解説
マークアップエンジニア
HTML5プロフェッショナル認定試験は、マークアップに関するほぼすべての内容が網羅されています。したがって、これからマークアップエンジニアを目指す人に適した試験です。
また、「HTMLやCSS修正の経験があるものの、本格的なWebコンテンツ制作の経験がない」といった初級エンジニアにもおすすめです。まずはレベル1の合格に向けて学習を進めてみてください。
フロントエンドエンジニア
フロントエンドエンジニアを目指す人やスキルを高めたい人は、レベル2の合格を目指していきましょう。レベル2はレベル1よりもJavaScriptに関する内容が多く、アプリケーション開発やコンテンツ実装で必要とされる具体的な知識が含まれています。
また、AjaxやAPIに関する具体的な仕様を理解することで、サーバーサイドとの連携部分開発にも役立つでしょう。
関連記事:
フロントエンドエンジニアに必要なスキル!勉強法も一挙紹介
フロントエンドエンジニア向けおすすめ資格11選!難易度順でご紹介
アプリケーションエンジニア
アプリケーションエンジニアを志望する方々にとって、HTML5プロフェッショナル認定試験レベル2の取得は大きなメリットとなります。フロントエンドエンジニアと同じく、この試験を目標にすることで、JavaScriptを駆使したアプリケーションの開発に関する幅広い知識を習得できます。
資格取得により、アプリケーション開発のスキルが一段と向上し、より高度な開発タスクにも対応できるようになるでしょう。
サーバーサイドエンジニア
HTML5の適用範囲が拡大しており、かつてはサーバーサイドで行っていた処理をクライアントサイドで行う機能も増えてきました。このような影響もあってサーバーサイドエンジニアにも受験が推奨されています。
レベル2の合格を目指し、サーバーサイドとクライアントサイドの両方を担えるスキルを身につけた人材を目指してみてください。
Webデザイナー
業務の幅を広げるためにコーディング技術の習得も検討しているWebデザイナーも、HTML5プロフェッショナル認定試験の取得に向いています。Webコンテンツ制作の基礎知識を押さえたい方はレベル1の取得を、専門的な知識を学んで将来的にはデザインから一貫してWebコンテンツ制作業務を行いたい方はレベル2まで取得すると良いでしょう。
Webディレクター
Webコンテンツ制作の現場を統括するWebディレクターであれば、レベル1の取得を目指してみてください。HTMLやCSSなどの知識があると、エンジニアへの依頼や指示をする場面などで役立ちます。もちろん、スキルアップやキャリアアップにも優位に働くため、業務幅を広げる意味でもおすすめです。
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HTML5プロフェッショナル認定試験に関するよくある質問
HTML5プロフェッショナル認定試験の資格取得を検討している方には、試験に関するさまざまな質問があるでしょう。HTML5プロフェッショナル認定試験に関するよくある質問としては、受験料や勉強時間、合格ラインについての質問がよくあります。
以下では、これらのHTML5プロフェッショナル認定試験に関するよくある質問に回答します。
Q1. HTML5プロフェッショナル認定試験の受験料はいくらですか?
HTML5プロフェッショナル認定試験の受験料は、レベル1およびレベル2共に16,500円(税込)です。受験の予約は、Webと電話の2種類の予約方法があります。また、受験会場は自宅もしくは全国の試験センターから選択できます。
Q2. HTML5レベル1の勉強時間の目安を教えてください
HTML5プロフェッショナル認定試験レベル1の勉強には、通常40時間以上が必要になると言われています。しかし、既に経験がある分野に関しては、短い学習時間でも合格基準をクリアする可能性が高くなります。経験に応じて試験対策内容も異なるため、効率的な学習が求められます。
Q3. HTML5レベル1の合格ラインを教えてください
HTML5プロフェッショナル認定試験は、レベル1とレベル2の2種類のレベルに分かれています。出題される問題数はレベル1では約60問、レベル2では40〜45問です。試験は主にマウスでの選択形式ですが、キーボード入力も一部含まれます。合格ラインは、正答率が約70%以上になります。
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まとめ
本記事では、JavaScriptに関する資格の取得を検討中の方に向けて、HTML5プロフェッショナル認定試験の概要や難易度、取得するメリット、取得に向いている職種などについて解説しました。
HTML5プロフェッショナル認定試験は、Web業界で求められる知識を体系的にまとめた試験です。HTML5だけでなくCSSやJavaScriptの内容も含まれるため、汎用性が高く、実践的な資格試験だと言えるでしょう。特にWeb業界への転職を検討している方は、是非資格の取得に挑戦してみてください。
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