JavaScriptとjQueryの違いとは?特徴・技術的な違い・使い分けなどを解説

最終更新日:2024年8月1日

JavaScriptとjQueryは、ともにWeb開発の分野で頻繁に使用される技術です。2者は別の言語ではなく、プログラミング言語とライブラリの関係にあります。JavaScriptに加えてjQueryの知識・スキルを備えることで、キャリアアップの選択肢が広がるでしょう。また、どちらを優先的に学ぶべきかは、本人の力量や目指す職種によって変わってきます。ここでは、これからJavaScriptとjQueryを学んでいきたい方向けに、JavaScriptとjQueryの違い、特徴、使い分けなどを解説しています。

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この記事のまとめ

  • JavaScriptはWeb開発で使用されるプログラミング言語で、Webサイトに「動き」をつけられる
  • jQueryはJavaScriptのライブラリで、Webページでテキストや画像が浮かび上がる動きを簡単に実装できる
  • JavaScriptとjQueryは、システムの規模や性質によって使い分ける必要がある

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JavaScriptとjQueryそれぞれの特徴

JavaScriptとjQueryにはそれぞれ異なる特徴があるため、目指す職種やどういった開発をしたいかによって、どちらを学ぶか決めると良いでしょうここでは、JavaScriptとjQueryそれぞれの特徴について解説します。

JavaScriptとは

JavaScriptとはWeb開発の際、主にWebページやアプリケーションの動的な挙動の制御に使用されるプログラミング言語です。たとえばポップアップ画面の表示やサイト内での検索といった、ユーザーの行動にWebページが応えるような「動き」をつけられます。

そのため世界中ほとんどのWebページの実装に使用されており、Webページに関する多くのことが実現可能です。また最近では、サーバーサイドやスマホアプリ、デスクトップアプリでも使用されています。

JavaScriptの特徴

JavaScriptは、コンパイル不要のインタプリタ型言語です。もともとは「LiveScript」という名称の言語でしたが、同時期に大流行していたJavaの名前を一部流用し、現在の名称になったといわれています。

Webページで動的な表現が可能になった1990年代中盤以降に普及し、ブラウザ上で複雑な処理を実装するために使われてきました。たとえば「Webページ上のボタンを押すとポップアップが表示される」といった動きはJavaScriptが得意とする処理の一つです。

JavaScriptは長い間、Webブラウザ上で動的な表現を可能とする唯一のプログラミング言語として重宝されてきました。新興言語が続々と登場している現在でも、Javascriptは高いシェアを誇っています。

一般的なWebページでは、HTML、CSS、JavaScriptの3階層で用いられることが多く、代表的なライブラリとしては「Node.js」「jQuery」「React」「Vue.js」などです。

関連記事:JavaScriptの将来性とは?需要状況を解説

jQueryとは

jQueryとはJavascriptのライブラリです。ライブラリとはIT用語で「汎用的なプログラムをまとめたもの」という意味があります。使いたい機能やコードを構築するのではなく、ライブラリに格納されているものを用いることで簡単に実装することが可能です。

たとえばjQueryを使用することで、Webページをスクロールしたときにテキストや画像が浮かび上がる動作や、ボタンをクリックしたときの動きを簡単に実装できます。

jQueryの特徴

jQueryは豊富なプラグインを持ち、複数のブラウザに標準対応しているため、ブラウザごとの差を気にせず記述できます。

また「DOM操作」が容易になることもjQueryの大きな特徴の一つです。DOMとは「Document Object Model」 の略です。具体的には、HTMLやXMLを取り扱うためのAPIであり、HTML探索・スタイルの変更・イベント設定・HTML要素の取得・振る舞いの変更・ユーザー操作時の処理などが容易に設定できるようになります。

さらに、Ajax処理が容易になることも見逃せません。Ajax処理とは「非同期で行われるJavaScriptとXMLの通信」を指します。ユーザーが何らかの操作を行った場合、HTMLからサーバーへとデータを送信し、その応答を待って処理が進むのが一般的です。

一方Ajax処理では、ユーザー操作によって発生したHTML処理と、その裏で動くJavaScriptの処理が断絶されており、JavaScriptとサーバーが通信中であってもHTML画面の操作が可能になります。HTMLとサーバーの処理が同期していないため、ユーザーはサーバーからの応答を待つことなく、画面を操作できます。

たとえば、GoogleMapのようにページ遷移なしでもさまざまな情報が追加表示されていく動きは、Ajax処理のおかげで実現できています。このAjax処理を容易に実装できるのがjQueryです。

jQueryは無償で使うことができ、JavaScriptを理解していない初心者にとって非常に有用なライブラリです。「jQueryの使い方さえ理解していればデザイン編集やメンテナンスができる」といわれるほどで、即戦力を目指すのであれば、jQueryを先に学んだほうが良いこともあります。

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JavaScriptとjQueryの違い

JavaScriptとjQueryの最も大きな違いは、「プログラミング言語」と「ライブラリ」であるという点です。jQueryは、その使い勝手の良さから独立したプログラミング言語だと勘違いされることもあります。しかし、その本質はあくまでもライブラリです。つまり、JavaScriptの処理をパーツ化し、汎用性や使い勝手を高めたものがjQueryだと考えてください。

それぞれの違いについてより詳しく解説していきます。

構文の違い

「JavaScriptを習得すればjQueryの扱いはすべて理解できるのでは?」と考える方もいるでしょう。しかしこれは間違いです。なぜなら、jQueryには通常のJavaScriptにはない、特有の命令文があるからです。したがって、JavaScriptの学習とは別にjQueryのスキルも磨いていくことをおすすめします。

習得難易度

JavaScriptもjQueryもどちらも習得難易度は低く、初学者にもおすすめのプログラミング言語であるといえるでしょう。比較するとJavaScriptよりもコード量が少ないことやシンプルに記述できる点で、jQueryのほうが学習しやすいとされています。またJavaScriptで難しく感じやすいオブジェクト指向やDOMをあまり意識せずに構文を書けるため、jQueryは初心者でも学習しやすいです。

コーディング量

原則として、jQueryで可能なことはJavaScriptでも実現できます。ただし、コーディング量はjQuery側がかなり少なくなります。これは、jQueryがJavaScriptの複数の機能を一つにまとめていることに由来しています。

JavaScriptで実装する場合は数十行もコーディングしなくてはならない処理も、jQueryなら数行のコーディングで済むわけです。また、jQueryにはプラグインが用意されており、Google CalendarのようなUIや、画像のSliderなどの便利な機能を簡単に付け加えることができます。

標準で複数のブラウザに対応

JavaScriptではブラウザごとに微妙な記述の違いがあり、同じコードだと動きが不安定になったり動作しなかったりすることがあります。しかしjQueryはこうしたブラウザ間の差異を吸収してくれるため、記述の違いを意識せずにコーディングを進めることができます。

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JavaScriptとjQueryをどう使い分けるべきか

JavaScriptとjQueryのどちらを使用すべきかは、「対象となるシステムの規模」「性質」などによって変わります。応募先企業や職種によって求められるスキルが異なるため、求人の時点でどんな開発をしているのか、どちらを使用している企業なのか確認することは大切です。自身の状況に合わせて最適な使い分けをできると応募先に合わせたスキルをアピールすることができるでしょう。ここでは、JavaScriptが向いているケースとjQueryが向いているケースの解説をします。

JavaScriptが向いているケース

システム全体が「パフォーマンスを重視」している場合は、JavaScriptが適しています。同じ処理を実装する場合でも、JavaScriptを使用したほうがjQueryよりも高速だからです。したがって、大量のデータを処理する機能の実装や、大規模なWebサービスの開発では、あえてJavaScriptが使われることが多いです。

jQueryが向いているケース

jQueryは「開発効率を重視」している場合に選択されることが多いです。たとえば、複数のブラウザに対応しつつ、各ブラウザの挙動を完全一致させたいときなどは、jQueryのクロスブラウザ対応がコーディング作業を効率化してくれます。

特に中小規模のWebシステム制作では、jQueryが使われることが多いようです。それほど規模が大きくないシステムでは、処理速度を重視したコーディングよりも「簡素で誰でも触れるコーディング」が好まれるのが理由でしょう。ベテランのエンジニアを確保しにくい中小のWeb制作などでは、デザイナーがメンテナンス作業を兼務することもあるため、jQueryの利便性が光ってきます。

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JavaScriptとjQueryのどちらを習得すべき?

JavaScriptとjQueryの特徴や違いを知った上でどちらを習得すべきか迷う方もいるでしょう。どんな開発や作業に関わるかで必要なスキルも変わってきます。ここでは、大規模Webシステム・サービス開発をする場合と短時間のWebサイト制作に携わる場合の2つをそれぞれ紹介します。

大規模Webシステム・サービス開発をするならJavaScript

何らかのプログラミング言語を学んだ経験があり、プログラミングの基礎がある人はJavaScriptが良いでしょう。JavaScriptとjQueryは両者とも習得難易度が低いため、プログラミングの基礎知識がある人なら同時並行でjQueryを身につけるのもおすすめです。

ただし、大規模なWebシステム・サービスの開発に携わりたいのであればJavaScriptの習得を優先すると良いでしょう。職種としては、「フロントエンドエンジニア」「アプリケーションエンジニア」などが挙げられます。

関連記事:JavaScriptの転職市場は?需要や未経験からの習得方法を解説

短期間でWebサイト制作に携わるならjQuery

jQueryの習得に向いている人は、プログラミングを本格的に学習したことがない人や、エンジニアよりもデザイナー指向が強い人です。jQueryは「JavaScriptの持つ機能をカプセル化し、使いやすくしたライブラリ」といえるため、使いこなすために高度なプログラミング能力は必要ありません。

未経験から短期間でWebサイトのメンテナンス・デザイン修正などの仕事に就きたいのであれば、jQueryの習得をおすすめします。職種としては、Webデザイナーやコーダーが該当します。

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JavaScriptとjQueryの学習方法

JavaScriptとjQueryの学習方法には、「書籍を活用し独学で学ぶ」「プログラミングスクールに通う」「学習サイトを活用する」の3通りがあります。どの方法も基本から応用まで順を追って学習することが大切です。自分に合う方法で効率よく学習しましょう。以下で詳しく解説します。

関連記事:JavaScriptの勉強方法は?初級~中級者向けサイト14選を紹介

書籍を活用し独学で学ぶ

まず書籍を利用した学習方法です。書籍を利用するメリットは、自分のレベルや実装したいものに合わせて選べることです。書籍にはサンプルコードも掲載されているため、実際にコードを書いて動かすこともできます。実際にコードを動かしつつ、自分でコードを変更してみることでコードへの理解を深められます。

プログラミングスクールに通う

独学が難しい方や、予算に余裕のある方はスクールへ通うのもおすすめです。IT系の専門学校では、エンジニアになるために必要かつ実用的な技術を講師から直接学べます。また資格取得の支援や、就職のサポートも受けられるため、エンジニアとして活躍したい方にとって、スクールで学ぶのは効率的といえるでしょう。

学習サイトを活用する

Web上には動画や実際にプログラミングができる学習サイトが多くあります。そのため書籍やスクールよりも手軽に学習を始められます。また、学習サイトの中には自分のレベルを測定できるサイトもあります。そういったサイトを利用して学習を進めることで自分のレベルに合った教材で学習でき、より効率的にスキルアップが可能です。

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JavaScript、jQueryに関するよくある質問

JavaScriptとjQueryについて知りたい方や興味を持つ方の中には、 jQueryは何に使うのかや、 JavaScriptとjQueryのメリットは何かなどが気になる方が多いようです。ここではJavaScriptとjQueryに関するよくある質問に答えています。似たような疑問を持つ方は参考にしてみてください。

Q1. jQueryは何に使いますか?

jQueryを使うことで実現できることは多岐にわたりますが、代表例として「Webページに動きをつけられる」「図形や表などの作成が簡単にできる」「SNSなどへのシェア」が挙げられます。jQueryは無償で使うことができ、使い方さえ理解していればデザイン編集やメンテナンスができるといわれるほどです。

Q2. JavaScriptとjQueryの関係は?

JavaScriptとjQueryの関係は「プログラミング言語」と「ライブラリ」です。JavaScriptはプログラミング言語のため、ものを作るためには1からコーディングする必要があります。対してjQueryはJavaScriptのライブラリで、本来なら数十行かかるコードを短く簡単なコードにできます。

Q3. JavaScriptとjQueryのメリットは何ですか?

JavaScriptのメリットは主に環境構築が不要、フロンドエンドとバックエンドの両方を開発可能、優秀なフレームワークやライブラリが多いことが挙げられます。jQueryは少ないコード量で実装可能、どのブラウザでも使用可能なのがメリットです。両者それぞれに利点があるため、適切に使い分けると良いでしょう。

Q4. JavaScriptとjQueryはどちらが良いですか?

JavaScriptとjQueryのどちらが良いかは目的によって異なります。長期にわたって大規模なWebシステムやサービス開発をするならJavaScript、短期間でWebサイトのメンテナンス・デザイン修正などの仕事をするならjQueryというように目的に応じて学習しましょう。

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まとめ

JavaScirptとjQueryは、ともにWeb開発の分野で頻繁に使用される技術です。両者はプログラミング言語とライブラリの関係にあります。またjQueryはJavaScirptの主要ライブラリの一つであるため、JavaScriptを学ぶ上で学習はほぼ不可避でしょう。どちらを優先的に学ぶべきかは、目指す職種によって変わるため、それぞれの違いや使い分けを十分に理解しておくことがポイントです。

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