ゲームイラストレーターになるには?仕事内容やスキル、年収を紹介

最終更新日:2024年7月10日

イラストレーターは「好きを仕事にする」職業として注目されている職種です。イラストを描くのが好きな人にとっては、自分の作品が多くの人の目に触れるので、やりがいを感じられることでしょう。

特に今注目を集めるゲーム業界では、キャラクターデザインやゲームの背景などを手掛けるゲームイラストレーターは人気です。そこで本記事では、ゲーム業界に特化したゲームイラストレーターになる方法を知りたい人に向けて、仕事内容や必要なスキル、年収などを解説します。

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この記事のまとめ

  • ゲームイラストレーターとは、ゲーム制作におけるキャラクターデザインやゲーム背景などを担当する職業であり、近年拡大傾向にあるゲーム業界でも人気が高い
  • ゲームイラストレーターを目指すなら、一部分の分野で使用できるイラストを突き詰めるよりも、さまざまなタッチのイラストが描けるように柔軟に習得するのがおすすめ
  • 未経験からゲームイラストレーターになるには、ゲーム会社へ就職するか副業としてゲーム制作に携わるかの方法があり、スキル習得には通学、独学、ゲーム関係の仕事に携わる方法がある

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ゲームイラストレーターとは?

ゲーム業界を専門に活躍するイラストレーターは「ゲームイラストレーター」と呼ばれています。主な仕事内容は、ゲームに登場するキャラクターやアイテム、背景などのイラスト制作です。かつてはコンシューマーゲームの案件がメインでしたが、現在では市場の変化に伴いスマートフォン向けのソーシャルゲームの案件が増えています。以下でゲームイラストレーターの仕事内容について詳しく説明しています。

ゲームイラストレーターの仕事内容

ゲームイラストレーターとは、イラストを描く仕事であるイラストレーターの中でもゲーム制作に特化したクリエイターを指しており、ゲーム業界を中心に活動します。
ゲームにはコンシューマーゲームからアプリゲームまでさまざまなジャンルがありますが、近年のゲームイラストレーターの仕事の多くはソーシャルゲーム(アプリゲーム)向けが中心です。キャラクターデザインだけでなく、背景や小物、システムコマンド部分のエフェクトなど制作するイラストの種類は多岐にわたります。

ゲームディレクターやプランナーなどとの打ち合わせ

ゲームイラストレーターは、自由にイラストを描けるわけではありません。ゲームの開発プロジェクトの仕様書・指示書などに沿った内容をもとにイラストを作成します。

ときにはゲームディレクターやゲームプランナー、アートディレクターなどと打ち合わせを行ない、制作するゲームがどのような世界観なのか、それに合うイラストやキャラクターはどんなものかすり合わせます。

ゲームの制作者がイメージしているものを汲み取ることができなければ、希望されているイラストを作成できません。こうしてすり合わせた内容から、与えられたゲームの設定や世界感に合うイラストを作成していきます。

また、作成したイラストは、すぐに承認されるわけではありません。手直しが必要とされる場合にも、細かくすり合わせをする必要があるでしょう。

ゲームのイラストの作成

ゲームイラストレーターは、ゲームに登場するキャラクターや背景、アイテムなどのイラストを描くことが主な仕事内容です。先に渡された依頼内容や、事前にすり合わせた内容をもとにイラストを作成します。利用するユーザーが違和感なくゲームの世界に没頭できるイラストを心掛ける必要があるでしょう。

関連記事:ゲームプログラマーとは - 仕事内容をわかりやすく紹介します

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ゲームイラストレーターに求められるスキル

 

ゲームイラストレーターに必要なスキルは、イラストレーターに必要である基本的なスキルからゲーム業界ならではの知識・技術など幅広いのが特徴です。転職したい場合には、事前に身につけておいた方が良いスキルといえるでしょう。
ここでは、デザインスキル、ツールスキル、想像力、コミュニケーションスキルについて解説します。

デザインスキル

業務で仕様書に合致したイラストを描くには、自分の感性だけではなく、美術やデザインの理論に従って制作をするのがセオリーです。

たとえば、人物を描くには骨格や筋肉の動き方を理解した上で、それに則った表現が求められます。そのほかにも、構図、光源、質感などを理解し、さまざまな表現ができるようにすると、幅広いジャンルのイラストに対応できるでしょう。

想像力

ゲーム制作におけるイラストレーターの仕事には、必ず指示書・企画書が提示されます。ただしこの指示書や企画書は必ずしもディテールが決まっているわけではありません。オーダーが抽象的なことも多いため、ゲーム制作側がどのような制作物を求めているのか雰囲気などを掴んだ上で想像力を働かせ、制作する必要があります。時にはイラストレーターが想像した細かな設定を提案することもあるでしょう。

関連記事:ゲームプランナーとは?仕事内容、年収や求められるスキルも解説

デザインツールを扱うスキル

近年は、デジタルツールを使った制作が一般的です。Photoshop®️やIllustrator®️などのデザインソフト、SAIやClip Studio Paintといった2Dペイントソフトに習熟しているのは必須のスキルといえます。

場合によってはMayaや3ds maxなどの3Dモデリングソフト、Adobe After Effectsなどの映像制作ソフトが使われるケースがあるでしょう。

また、ハードウェアでのイラスト制作では、ペン状のスティックで描画操作を行うペンタブレットの利用が欠かせません。パソコンでイラスト制作を行うのに必須のデバイスなので、ペンタブレットの利用に慣れておくと良いでしょう。

コミュニケーションスキル

ゲームプランナーやアートディレクターと打ち合わせを行い、チームとして作業を進めるには、高いコミュニケーションスキルが欠かせません。仕様書や指示書に書かれた要件を理解し、疑問があったら適切なタイミングで質問できるようなコミュニケーションスキルが求められます。

また、クライアントのイメージしているものを無視して自分の好きなように描けば、修正依頼が発生します。作成内容によっては、次回以降の依頼はなくなるでしょう。。密にコミュニケーションをとってクライアントの要望を正確に汲み取る能力も必要です。

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ゲームイラストレーターに向いている人の特徴

イラストレーターに限らずクリエイティブな職業は、個人のセンスや技術が求められるため、続けるにはシビアな場面も多いといえます。また向き不向きのある職業であるため、目指す際に自分には適性があるのかどうかを見極めることが大切です。
そこで、ゲーム業界のイラストレーターに向いている人の特徴をまとめました。一つずつチェックしていきましょう。

イラストへの情熱

プロのゲームイラストレーターとして成功するには、他者には生み出せないイラストを描くための努力をし続ける強い情熱が必要です。自分の描きたいジャンルや作風とは異なるものを作らなければならなくても、情熱を持って取り組む姿勢が大切です。

イラスト制作を通じて、周囲の期待に応えることにやりがいを感じる人やものづくりに対して深い愛着を持てる人は、プロのイラストレーターに向いているといえるでしょう。

創造力

イラストレーターは、主要なキャラクターデザインやゲームの世界観を生み出す仕事を任されるため、世界観に沿ってオリジナリティ溢れる作品の制作が求められます。したがって、通常は数パターンのデザインを制作し、その中から採用するデザインをディレクターなどが決めます。創造力が豊かでないと、同じテーマで数パターンのイラストを制作するのは困難です。

イラストレーターとして働き始めた段階では、仕様書や指示書に従うことが大切ですが、経験を重ねる中で、自分の個性を見つけていく姿勢も求められるでしょう。

継続的な学習意欲

どんなにイラストの上手い人でも、イラストレーターとして活躍している人は、継続して新たな知識・技術を吸収しています。自分のやり方に固執し過ぎず、流行や優れた作品からアイデアを吸収したり、他人の意見・アドバイスを取り入れたりできる人は、イラストレーターとして成功する可能性が高まるでしょう。

イラストの幅が広い

ゲームイラストレーターはキャラクター以外にも背景やアイテム、システムコマンド部分などさまざまな箇所のイラストを担当します。ソーシャルゲームの流行にともない、アイコンとして使用する「デフォルメ絵」を求められることもあるため、描けるイラストの幅が広いとより重宝されるでしょう。

ゲームイラストレーターを目指すなら、一部分の分野で使用できるイラストを突き詰めるよりも、さまざまなタッチのイラストが描けるように柔軟に習得することをおすすめします。

チームで仕事ができる

ゲーム制作では、複数人のゲームイラストレーターやプランナー、エンジニアなどがチームになって行うことがほとんどです。
そのため、やり取りを円滑にできるコミュニケーション能力が高い人は、ゲームイラストレーター向きです。チームでの仕事を苦痛に思わない、むしろ得意という人は適性があるといえるでしょう。

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未経験からゲームイラストレーターになるには

ゲームイラストレーターになるには、まずはイラストレーターとしての基礎知識を身につけた後にゲーム会社に所属するか、副業としてゲーム制作の仕事に携わるかの方法があります。ゲームイラストレーターとしてのスキルを習得するには、主に専門学校などスクールを利用する、独学でイラストレーションの技術を身につける、副業として仕事から携わるといった方法があります。

専門学校に通って目指す

ゲーム制作、イラスト制作、キャラクターデザイン、ゲームキャラクターデザインなどに関する専門学校は複数あります。ゲーム業界で働くイラストレーターになるためには、まずはイラスト制作のスキルが必須です。そのため、ゲーム業界に特化していることよりもイラストに特化していることが重要でしょう。

たとえば、ゲームプログラマーやゲームプランナーを目指すための専門学校だと希望とズレています。ゲームのイラストに特化した専門学校であれば良いですが、そうでない場合はゲームの専門学校であることよりも、イラストの専門学校であることを優先すべきといえるでしょう。

独学で勉強して目指す

学校などに行かなくても、独学でイラスト制作を学ぶことも可能です。今は学習のためのコンテンツが充実しているので、無料でスキルを習得することも可能です。独学で勉強する場合、ポートフォリオを制作することがより重要になります。

なぜなら、企業側からすると口頭や書類だけではスキルが分からないからです。実際に作ったポートフォリオを提出することで、企業に評価してもらいやすくなるでしょう。

副業から始めるのも一つの手

いきなり会社員や本格的なフリーランスで働くのが難しそうな場合、副業でゲームイラストレーターの仕事を始める選択肢もあります。

単発の仕事が募集されていることも多いので、まずは自分にもできそうな仕事を受けてみて、イラスト制作するのも一つの手です。スキルアップと同時に、ゲームイラストレーターとしてやっていける自信にもつながるでしょう。

副業からゲームイラストレーターを目指すメリットとして、実践的なスキルや業務の現場に近いやり取りができることが挙げられます。副業だと自分のレベルに見合う仕事に携われるのも利点です。

ただし、ポートフォリオの整理や営業活動など、イラストレーター以外の業務も自分一人で行わなくてはならない点には注意です。

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ゲームイラストレーターの需要

ゲーム業界は、家庭用ゲームからスマホゲームへと需要が移り変わっており、これからも変化していくと予想できます。ゲーム自体のシステムや、イラスト、キャラクターのビジュアルなどの質が高まっていくでしょう。そのため、必要となるスキルも変化していきます。あらかじめ設定されているキャラクターのイラストとして再現する能力や、流行のイラストの傾向を掴み変えることができる柔軟性、クライアントの要望への対応力などが求められるでしょう。イラストの質を重視できるゲームイラストレーターの需要は高まっているといえます。

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ゲームイラストレーターの就職先例

ゲームイラストレーターの主な就職先は、ゲーム制作会社です。ゲームソフトメーカーやゲーム開発会社、イラスト制作会社などゲーム関連の会社は全て就職先の候補になるため、選択肢が多いといえるでしょう。必要なスキルを磨き準備しておくことがおすすめです。

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イラストレーターの平均年収と求人例

ゲームイラストレーターを含むイラストレーター全般の年収相場は、厚生労働省の提供する職業情報提供サイト(日本版O-NET)jobtagによると、466.7万円です。
以下で求人例を紹介します。実際にレバテックキャリアに掲載されている事例のため、どの程度の年収があるのか、実際の業務内容などをイメージしやすいです。
ゲームに特化した仕事のみをまとめたので、ゲームイラストレーターを目指している人は参考にしてください。

関連記事:
ゲームディレクターとは?仕事内容や年収、なり方を紹介
ゲームプロデューサーの仕事内容とは?必要なスキルなども解説

モバイルゲームの企画・開発

スマホゲームなどのイラスト制作やゲームで使用するキャラクター、アイテムの原画や彩色が主な業務となる求人です。

【想定年収】
400~800万円

【業務内容】
・スマホゲームなどのイラスト制作
・キャラクターデザイン、背景、アイテム等の原画/彩色
・新規ゲーム用のコンセプトアート制作

【必要なスキル・経験】
・Photoshop®️、SAIなどデザインツールを用いたイラスト制作経験
・画力(絵の説得力)

国内外に展開するスマホ向けゲームの開発・運営

こちらの求人は、国内外に展開するスマホ向けゲームの開発・運営なので、求められるスキルも先ほどの求人よりも少し高度なものになります。

【想定年収】
550~1200万円

【業務内容】
・ゲームのデザイン制作
・キャラクターデザイン、グラフィックデザイン
・アニメーション制作

【必要なスキル・経験】
・Photoshop®️を用いた実務経験
・高度なデッサン力
・相手の立場を尊重しつつチームワークで仕事ができる

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ゲームイラストレーターに関するよくある質問

ゲームイラストレーターに興味のある方や目指す方の中には、就職・転職するために何をすべきかや年収について知りたい人が多いようです。また、具体的にどんな仕事をするのかもよくある疑問として挙げられます。ここでは、ゲームイラストレーターに関する質問を紹介します。似たような疑問をお持ちの方は、ぜひ参考にしてください。

Q1. ゲームイラストレーターになるには何をすべきですか?

ゲームイラストレーターになるのに特別な資格は必要ありませんが、イラストの基礎知識と技術を身につける必要があります。専門学校やオンラインスクールなどを利用し知識を習得する、独学で学ぶ、実際に副業として仕事を得て技術を身につけるなどの方法があります。自分に合う方法を選択することが大切です。

Q2. ゲーム会社のイラストレーターは何をしますか?

イラストレーターとはイラスト制作を行う職業ですが、ゲーム会社のイラストレーターは「ゲームイラストレーター」と呼ばれます。主に所属する企業が制作するゲームのキャラクターデザインを制作するのが仕事です。ほかにも背景やアイコン、アイテムなどのイラスト作成も担当します。

Q3. ゲームイラストレーターの年収はどのくらいですか?

ゲームイラストレーターの年収は、厚生労働省の提供する職業情報提供サイト(日本版O-NET)jobtagによると平均はおよそ466.7万円です。案件によっては年収の上下に大きな幅があり、イラストレーター本人の知名度によっても報酬は異なります。スキルと経験次第で年収アップも目指せる職業といえるでしょう。

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まとめ

ゲームイラストレーターとして企業で働くには、デッサン力からツールの使用スキルまで、幅広いスキルを身につけておく必要があります。作品に合わせたイラストを描く技術も重要になります。

ゲーム業界のイラストレーターは競争が激しい職種ではありますが、ステップを踏んで目指せば就職・転職できる可能性はあります。イラストへの情熱を持ち続けられれば、長期的なキャリアを築くことも可能です。本記事を参考に、ゲーム制作に興味のあるクリエイターはゲームイラストレーターを目指してみましょう。

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