Firebaseとは?できることや料金体系などをわかりやすく解説

最終更新日:2024年3月11日

Googleが提供している「Firebase」というモバイルプラットフォームをご存知でしょうか?モバイルアプリケーションのバックエンドで行う機能をクラウドで提供しているサービスです。いわゆるMBaaS/BaaSであり、Firebaseはその有力なサービスの一つにあげられます。

MBaaSはモバイルアプリやその他アプリケーションの開発において、多くのメリットをもたらしてくれます。MBaaSを活用した場合、バックエンドのサーバーやアプリケーションを個別に用意する必要が無く、運用もクラウドベンダーに任せることができます。結果として、スピーディーな環境準備が可能となるのです。

本記事では、モバイルなどのアプリ開発をサポートしてくれる「Firebase」について分かりやすく解説します。まだ「Firebase」を使ったことのない初心者向けの内容となっていますので、身構えずに読んでいただければ幸いです。

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この記事のまとめ

  • FirebaseはGoogleの提供するバックエンド機能を提供するサービス
  • サービスは多岐にわたり、様々な要件のバックエンド構築に使用できる
  • Firebaseは無料枠もあるため、個人でも使用しやすい

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Firebaseとは

「Firebase」は、2011年にシリコンバレー発のスタートアップ・Firebase社が開始したクラウドサービスです。クラウドサービスの中でもMBaaS(Mobile Backend as a Service)と呼ばれるモバイルやWebアプリのバックエンド処理向けのサービスにカテゴリされます。その後、2014年にGoogleに買収され、Googleの持つクラウドプラットフォームGCP(Google Cloud Platform)に統合されました。

MBaaSやBaaS(Backend as a Service)はWebアプリやモバイルアプリのバックエンドと呼ばれ、ユーザーには見えない裏側の処理機能を提供するクラウドサービスです。「Firebase」はアプリ開発者向けに提供されているサービスで、バックエンドの処理を簡単に実装できます。アプリ開発者はFilebaseなどのMBaaS/BaaSを活用することで、バックエンド処理の開発にかかる時間、運用の手間等を省略でき、コスト節約にもつながります。

Firebaseの特長

スマホやタブレットの普及によりアプリのクロスプラットフォーム開発環境に注目が集まっています。「Firebase」は複数の言語での開発が可能となっており、クロスプラットフォーム、マルチプラットフォームのアプリ開発を強力にサポートします。モバイルアプリ、Webアプリ用のSDKに加えてサーバークライアントアプリ向けのSDKが用意されています。SDKを呼び出すことで種類豊富なサービス・機能との連携を実現できます。

モバイルアプリの場合、フロントエンドのアプリからFirestore モバイル SDKを呼び出すことで連携します。Android、iOSをサポートしています。

Webアプリでは、サーバー言語に関わらずウェブ SDK(JavaScriptによるAPI)を提供しており、ブラウザからのアクセスが可能です。

サーバークライアントライブラリはC#、Go、Java、Node.js、PHP、Python、Rubyのプログラムに対応しています。

また、「Firebase」の継続的成長を支えてきた人気のあるサービスが、リアルタイムでモバイル間のデータ同期ができる「Firebase Realtime Database」です。モバイルアプリケーション間でのデータ同期を提供しており、データはJSONフォーマットで保存されます。

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Firebaseを使ってできること(機能)

ファイアベースでできること

Firebaseは複数のデータベースサービスをはじめ、様々な機能を提供しています。ここからはFirebaseの代表的な機能を9つ紹介します。紹介するサービスは以下の9つです。

  • ・リアルタイムデータベース(Firebase Realtime Database)

    ・NoSQLデータベース(Cloud Firestore)

    ・アプリ利用状況の解析(Firebase向けGoogleアナリティクス)

    ・クラウドを利用したメッセージ配信(Firebase Cloud Messaging)

    ・ユーザー認証機能(Firebase Authentication)

    ・アプリのクラッシュ分析(Firebase Crashlytics)

    ・データ保存先の提供(Cloud Storage for Firebase)

    ・Webサーバーサービス(Firebase Hosting)

    ・サーバーレス機能の提供(Cloud Functions for Firebase)

各サービスについて詳しく見ていきましょう。

リアルタイムデータベース(Firebase Realtime Database)

「Firebase Realtime Database」はクラウドホスト型NoSQLデータベースです。リアルタイムデータベースは、アプリ間でデータをリアルタイムで保存・同期できます。リアルタイム保存・同期の便利さからFirebaseの人気獲得に大きく貢献した機能です。編集したデータはクラウドに保存され、数ミリ秒で各端末に同期されるため、各アプリケーションはリアルタイムの共同作業が可能になります。

「Firebase Realtime Database」は、リアルタイムでのデータ保存・同期以外にもう一つ特筆すべきメリットを持っています。それはiOSとAndroidのSDKではオフラインに対応している点です。「Firebase Realtime Database SDK」はデータをオフラインのデータベースに書き込むため、ローカルキャッシュでデータ表示を行えます。端末がオンラインになると自動的にローカルデータと同期してくれるので、オフライン時の利用も安心です。

セキュリティに関して言えば、データベース構築の仕方を指定し、ユーザーアクセス権の設定をすることでデータ保護を行います。各ユーザーのアクセス可能なデータを指定、メッセージの文字数制限を数行のコードで設定でき非常に便利です。

参考:Firebase Realtime Database

NoSQLデータベース(Cloud Firestore)

「Cloud Firestore」はNoSQLのクラウドデータベースサービスです。スケーラビリティ(拡張性)が高く、強力なクエリエンジンを持っています。フルマネージドサービスのため、データベース管理の手間も不要です。利用開始時には、無料で利用できる領域が用意されており、無料枠を使い切ると、従量課金制となります。

Firebase Realtime DatabaseとCloud Firestoreは両者ともクラウドでのNoSQLデータベースサービスです。Firebase Realtime Databaseはアプリ間で同期を行いたいチャットアプリなどに、複雑なクエリを視野に入れて開発する場合はCloud Firebaseを使用するといいでしょう。Firebaseのオフィシャルサイトでも比較を行っているため、使用する際は確認してみましょう。

参考:Cloud Firestore

アプリ利用状況の解析(Firebase向けGoogleアナリティクス)

「Googleアナリティクス」はアプリ用のアクセス解析機能で、アプリの使用状況やユーザーエンゲージメントなどを解析できます。

「Firebase Cloud Messaging」や「Firebase Crash Reporting」といった他の機能や「BigQuery」や「Googleタグマネージャ」といったGoogleが提供する他のサービスとの統合もできます。

アプリに「Firebase SDK」を追加すると自動でデータ収集が開始されるので、導入にあたって複雑な設定は不要です。。アクセス解析データを活用しアプリの改善に繋げられるといいでしょう。

参考:Googleアナリティクス

クラウドを利用したメッセージ配信(Firebase Cloud Messaging)

「Firebase Cloud Messaging」は、クロスプラットフォームで通知を無料送信できるサービスです。iOSやAndroidといった異なるデバイス、プラットフォーム間でのメッセージを無料で送受信ができます。

セグメントを使用してメッセージを送るターゲットを設定することも可能です。送信したメッセージはダッシュボードでモニタリングできるので、アプリマーケティングの分析に役立ちます。

参考:Firebase Cloud Messaging

ユーザー認証機能(Firebase Authentication)

「Authentication」は「認証」という意味で、「Firebase Authentication」はユーザーの初期登録や認証(ログイン機能など)を簡単に実装できるサービスです。

ログイン方法は、「FirebaseUI」に備わっている「ドロップイン認証ソリューション」を利用する、または「Firebase Authentication SDK」を使って手動でアプリに統合するかを選択できます。

後者の方法の場合、メールとパスワードに基づく認証、フェデレーションIDプロバイダとの統合(SNSでの認証)、電話番号認証、カスタム認証システムとの統合、匿名認証といった複数の認証方法が利用可能です。SNS認証では、Google、Facebook、Twitter、GitHubのアカウントが利用できます。

参考:Firebase Authentication

アプリのクラッシュ分析(Firebase Crashlytics)

「Firebase Crashlytics」は、AndroidとiOS、Flutter、Unity向けのクラッシュ分析サービスです。リアルタイムでアプリのクラッシュ分析を行い、クラッシュがユーザーに与える影響の測定やクラッシュの原因を特定します。

アプリ開発に常に付きまとう問題がエラーやクラッシュです。ユーザビリティを低下させないために、いち早くクラッシュの原因を特定して改善しなければなりません。この機能を使えば「Firebase」がクラッシュ状況をリアルタイムで教えてくれるため、アプリの改善に役立ちます。

参考:Firebase Crashlytics

データ保存先の提供(Cloud Storage for Firebase)

「Cloud Storage for Firebase」はクラウドストレージサービスです。Firebaseを利用するモバイルアプリ、Webアプリなどに向けてデータ格納領域(ストレージ)を提供します。GCPの一つとして、Googleの基準、規模に沿った高性能なクラウドストレージです。

アプリで加工したファイルやファイル操作領域として利用できます。権限設定によってはアプリユーザーもアップロード・ダウンロードできるため、ユーザー間のファイル共有が可能です。

参考:Cloud Storage for Firebase

Webサーバーサービス(Firebase Hosting)

「Firebase Hosting」はマイクロサービス向けのクラウドホスティングサービスです。Webサイトや静的/動的コンテンツをデプロイし、グローバル向けのCDNとして配信できます。高速な通信速度と安全性の高いホスティングサービスです。

参考:Firebase Hosting

サーバーレス機能の提供(Cloud Functions for Firebase)

「Cloud Functions for Firebase」はFirebaseの各種機能を組み合わせて利用できるサーバーレスフレームワークです。HTTPSでのURLへのアクセスをトリガーにして、Firebaseの各種機能を組み合わせて起動するサーバーレスの処理を構築できます。処理用のスクリプトはTypeScriptまたはJavaScriptで記述し、クラウド上で管理され、トリガーに応じて実行されます。

サーバーレス処理は、名前の通りサーバーサイドの処理をサーバーを保有せずに実現できます。アプリケーション開発者のサーバー構築、調整、運用コストの削減に役立つサービスです。

参考:Cloud Functions for Firebase

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Firebaseを使うメリット

豊富な機能を活用できる

「Firebase」はアプリ開発に必要とされる様々な機能を備えています。アプリ開発者はFirebaseのサービスを組み合わせることで、様々なバックグランド処理を構築可能です。複数のMBaaSにまたがることなくFirebaseだけでサービスが揃うため、開発の管理や利便性の面で大きなメリットとなります。

サーバーの管理や保守の手間を省ける

バックエンド処理を代行してくれる「Firebase」を使うことで、アプリ開発者はバックエンド処理のためにサーバ環境を用意する必要が無くなります。そのため、アプリ開発者は面倒なサーバの管理や保守が不要になり、クライアントサイドの開発に集中できます。インフラ管理の時間と手間を省略することで、エンジニアの負担を大きく軽減できます。

コスト面で言えば、サーバ管理・保守が不要であることによって節約効果が期待できます。「Firebase」の料金体系については後述しますが、無料プランも存在しており、個人開発者でも利用しやすい点も魅力です。

アプリ開発にかかる工数を削減できる

バックエンドの処理をアプリ開発者が自前で用意する場合、当然ながらバックエンド処理の開発にも工数が必要です。バックエンド処理を構成する多くの要素はFirebaseによって提供されているため、アプリ開発者は工数を抑えられます。

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無料枠もある!Firebaseの料金体系

Firebaseの料金プランは基本無料で利用でき、無料枠を使い終わると料金はデータ量に応じて発生します。毎月一定の利用量に達するまでは無料で利用可能です。プランは無料の「Sparkプラン」従量制の「Blazeプラン」の2種類が存在します。

無料プランでは同時接続数や容量に制限があるため、ユーザー数や通信量の多いアプリで使用する場合は有料プランを選択しましょう。想定される金額は料金プランの「Blazeプラン」料金計算ツールを利用して確認できます。

無料から利用開始が可能ですので、アプリ開発する際には気軽に選択肢の一つとして試してみると良いでしょう。

参考:Firebase 料金プラン

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Firebaseに関するよくある質問

最後に、Firebaseに関するよくある質問に回答します。

Q1. Firebaseを使うと何ができるのか?

Firebaseは様々なサービスを展開しているため、多くの実装を簡略化できます。以下はその一例です。


  • ・リアルタイムデータベースの構築

    ・NoSQLデータベースの構築

    ・アプリ利用状況の解析

    ・クラウドを利用したメッセージ配信

    ・ユーザー認証機能

    ・アプリのクラッシュ分析

    ・データ保存先の提供

    ・Webサーバーサービス

Q2. Firebaseとはどういう意味ですか?

Firebaseとは、Google が提供するモバイルおよびウェブ開発プラットフォームです。Firebaseを活用することで、ユーザー認証、データベースの保存、通知の送信などを簡単に実装できます。Firebaseは無料のプランから使用できるため、個人でも利用しやすく高い人気を誇っています。

Q3. Firebaseを使うメリットは?

Firebaseの主なメリットは以下の3つです。
 

  • ・豊富な機能を活用できる

    ・サーバーの管理や保守の手間が省ける

    ・アプリ開発にかかる工数を削減できる

Q4. Firebaseの強みは何ですか?

Firebase最大の強みはリアルタイム同期のデータベースを使用できる点です。リアルタイム同期とは、ローカルに情報を保存することで、インターネット速度が遅いときでも高速に応答します。そのため、ユーザーはインターネット速度に影響されず快適に使用できます。

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まとめ

Firebaseにはアプリ開発を助けてくれる多彩な機能が備わっています。アプリ開発において必要となるバックエンドの機能をほぼ備えているので、特に個人や少人数で開発する場合には大きな戦力として活躍してくれます。

たとえば、「Firebase」の認証機能を使えばログイン機能を簡単に実装できるので、アプリ開発コストの削減が見込めます。アプリの改善にはアクセス解析も大いに利用したいところです。本記事で解説した機能はほんの一部で、クラウドストレージやアプリ内広告など便利な機能はまだまだたくさんあります。

Firebaseは無料から利用できるMBaaSであり、アプリ開発にかかる手間とコストを軽減するためのサービスです。開発コストを抑えたいアプリ開発者は導入を検討してみましょう。

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この記事の監修

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