サーバーサイドエンジニアとは
サーバーサイドエンジニアとは、その名の通りサーバー側のデータ管理・保全などを行うアプリケーションを担当するエンジニアを指します。サーバーサイドエンジニアが担当することの多いアプリケーションには、Webシステムにおけるサーバーサイドの処理、API、スマホのネイティブアプリのサーバーサイド処理があげられます。
サーバーサイドとは「サーバー側の処理」を指しますが、サーバーには「データベースサーバー」「Webサーバー」「アプリケーションサーバー」「ファイルサーバー」などさまざまな種類があります。利用するサーバーによって、サーバーサイドエンジニアに求められるスキルが変化する点も頭に入れておきましょう。
最近ではオンプレミスでのサーバー構築に代わってクラウドサービスを利用する場合が多くなり、AWSやMicrosoft Azure、Google Cloudなどクラウドサーバーについての知識も求められることも多いです。
サーバーサイドエンジニアの仕事内容
サーバーサイドエンジニアの主な仕事内容を紹介します。
サーバーサイドエンジニアは、サーバーサイドのアプリケーションに対し、設計、実装および運用・保守などの工程に携わります。サーバーサイドアプリケーションのセキュリティ対策なども業務範囲内です。
サーバーサイドエンジニアを目指す場合には、ぜひとも押さえておきましょう。なお、企業の特徴や開発する規模によって仕事内容は異なります。
関連記事:サーバーサイドエンジニアとは?仕事内容や資格、勉強方法などを紹介
サーバー内での内部処理設計・実装
サーバーサイドエンジニアはサーバー内で動作するアプリケーションについて、新規の作成、機能の追加・更新、不具合の対応などを目的として、設計および実装、テストを行います。
サーバーへの要求については、クライアントサイドのエンジニアと連携してインタフェースを定めます。サーバーサイドの処理では、正確性や処理速度などが求められるため、詳細な設計を行います。データベースへアクセスする処理の実装も定番です。
たとえばECサイトなら、「ユーザーの注文、買い物カゴの処理」「商品データベースの設計」「不正アクセスの処理」などをサーバーサイドエンジニアが担います。これらの処理や対応に必要な設計、実装を行うのがサーバーサイドエンジニアです。
ハードウェアのアップグレードや新たなソフトウェアのインストールなど、既存システムに対して大きな変更ができる権限を持つのも、サーバ―サイドエンジニアの特徴です。
クライアントとの連携に必要なAPIの設計・実装
クライアント(ユーザーの利用するブラウザなど)との連携のためのAPI設計、実装もサーバーサイドエンジニアの仕事の一つです。APIとはクライアントと連携するための接続ポイント、接続するためのインターフェースを指します。サーバーサイドのアプリケーションの一種ですが、接続するインタフェースを限定し、独立性の高いアプリケーションとして作成します。
セキュリティ対策の設計・実装
サーバーサイドのアプリケーションにおけるセキュリティ対策もサーバーサイドエンジニアの受け持つ範囲であることが多いです。サーバーサイドはデータベースへのアクセスなど直接的に重要なデータを扱うため、セキュリティが重視されます。
既存システムのエラーや想定通りの動きをしない部分の修正を担当することもあり、こうしたバグ修正やセキュリティ対策に使う時間が多いサーバーサイドエンジニアがいるのも実情です。
セキュリティ対策は堅牢なもの、最新のものを実装する必要があります。また将来のことも考えて読みやすいコードを記述し、他のシステムへの展開が容易なものを実装することも求められるでしょう。
サーバーサイドエンジニアと他職種との違い
サーバーサイドエンジニアを調べていると「サーバーエンジニア」「バックエンドエンジニア」「フロントエンドエンジニア」といった混同しやすい他職種が見つかります。これらとサーバーサイドエンジニアの違いを確認しましょう。
サーバーエンジニアとの違い
サーバーエンジニアとは、Webサイトや業務システムの稼働環境、その他の用途で企業や組織で利用するためのサーバーを設計・構築します。サーバーの運用保守もサーバーエンジニアの受け持つ範囲です。インフラエンジニアの一種にあたります。
一方、サーバーサイドエンジニアは「サーバー上で稼働するシステム、アプリケーション開発をする」エンジニアです。
バックエンドエンジニアとの違い
サーバーサイドエンジニアはバックエンドエンジニアと同じ意味合いで使われることもあります。両者の違いを上げるとすると名称が異なり、バックエンドはサービス利用者に見えない方の意、サーバーサイドはサーバー側の意となります。サービス利用者に見えない側=サーバーであるため同じ意味だと捉えられやすいです。
バックエンドエンジニアとサーバーサイドエンジニアが分かれているとすると、サーバーサイドエンジニアは主にサーバー関連の開発・処理を、バックエンドエンジニアはWebサイトなど設計・開発を指す場合もあるでしょう。一般的にサーバーサイドエンジニアの方が広い範囲を受け持ちます。
大枠として捉えた場合であるため、企業によって違いは異なるのが実態です。
フロントエンドエンジニアとの違い
フロントエンドエンジニアとサーバーサイドエンジニアは、受け持つ範囲が異なります。
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・フロントエンドエンジニア:ユーザーが操作する画面の表示や操作、サーバーへのリクエストなどクライアントサイドが担当範囲。Webシステムの場合はブラウザに表示される画面。スマホアプリの場合は、スマホの画面。
・サーバーサイドエンジニア:ユーザー操作によるリクエストの結果を集計したり処理し、クライアントに返答するサーバーサイドが担当範囲
フロントエンドとは「目に見える表面部分」であり、目に見えないサーバーサイドとは違いが分かりやすいです。
未経験からサーバーサイドエンジニアへの転職は可能
未経験からでもサーバーサイドエンジニアへの転職は可能です。とはいえ、未経験者の採用はあまり多くないため、楽観視はできません。
また、未経験と言ってもITリテラシーのレベルは個人差が大きく、誰でもどんなレベルでも転職が可能というわけではありません。それぞれにスキル習得などの対策が求められます。
ここからは、未経験のサーバーサイドエンジニアの転職傾向や重要なポイントを紹介します。
関連記事:未経験からサーバーサイドエンジニアに転職する方法
未経験者の採用は少なく倍率が高い傾向
確かに、未経験者も応募可能とするサーバーサイドエンジニアへの転職募集は存在しています。ただし、全体から見ればサーバーサイドエンジニアの求人は経験者の募集が多いです。未経験者を採用する求人もありますが、第二新卒向けなど若手のポテンシャルに期待した募集が基本となります。
レバテックキャリアにて2024年10月16日時点で公開中の求人・転職情報では、職種「サーバーサイドエンジニア」の条件に該当する求人数は3,706件、そのうちフリーワード「未経験」の条件にも該当するのは474件でした。経験者向けの求人が多くを占めていることが分かります。
20代後半以降で未経験からサーバーサイドエンジニアを目指す方は、独学やスクールで知識を身に着け、実力を示せると良いでしょう。
未経験で目指すには実力を示すことが大切
サーバーサイドエンジニアで採用してもらうためには、プログラミング言語やデータベースの基礎をしっかり身に着け、即戦力になる実力を示すことが大切です。
最近ではオンラインでの学習コンテンツの提供が増えているため、これらを活用して時間の無い社会人でも自らのペースで学習することが可能です。また、書籍や動画配信サービスをはじめとした教材も活用すると良いでしょう。知識を身に着けたら、独自の仮想プロジェクトを計画し、成果物を作成・公開することで実力を証明できます。
未経験からサーバーサイドエンジニアを目指すには、多くの知識が必要ですので継続的な努力が必要です。目標に向けて着実に努力を積み重ねると良いでしょう。
サーバーサイドエンジニアへ転職するには
サーバーサイドエンジニアに転職する際に押さえておきたいコツをまとめました。
キャリアの志向性や保有スキルとマッチング度の高い企業と出会えるように、あらかじめ転職のポイントを知っておきましょう。また、転職に向けてスキルや資格を習得するのであれば、あらかじめ志望先企業で利用されている言語、技術、評価されるスキルなどを知っておくことで効率的にできます。
サーバーサイドでよく利用される開発言語を学ぶ
サーバーサイドでよく利用される言語には、JavaやPHP、JavaScriptなどが挙げられます。これらの言語をスクールを利用した学習、Webや書籍を利用した独学で習得しておくと転職に役立ちます。また、サーバーサイドだけでなくフロントエンドのスキル・経験も評価される傾向にあるため、HTMLやCSSといった言語も学んでおくことがおすすめです。
サーバーサイドエンジニアに役立つ資格を取得する
サーバーサイドエンジニアの業務に対するスキルの証明には、資格取得が有効です。もし未経験から転職しようと考えている場合は、企業にアピールできるポイントが「やる気」「意欲」といった抽象的なものしかありません。その点、資格を取得して保有することで、知識を有している目安になり、業界に対する理解度や意欲もアピールできます。
本記事内の「サーバーサイドエンジニアへの転職ににおすすめの資格」にて、サーバーサイドエンジニアのスキル証明に特化した資格をご紹介しますので、転職を検討している方は参考にしてください。
企業の求める人材像をチェックする
求人募集には求めるスキルが提示されているケースが多いです。自分が持つスキルと合う求人を選ぶことで、志望動機や理由にも具体性を高めることができます。
特に企業が求めるスキルを知るのは、転職において重要なポイントです。相手のことをよく分かった上で面接に望むと、会話に厚みを出すことができます。
サーバーサイドエンジニアへ転職するメリット
サーバーサイドエンジニアへ転職した場合に得られるメリットには、下記があげられます。
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・学んだスキルを長く活かせる
・需要が高く求人が豊富
・年収がアップしやすい
また、これらのメリットを合わせて考えると、サーバーサイドエンジニアになることは長期的に安定して比較的高収入が得やすいといえるでしょう。
学んだスキルを長く活かせる
サーバーサイドエンジニアが扱うプログラミング言語には、JavaやPythonといった汎用性が高い言語が多く見られます。サーバーサイドは新たなプログラミング言語の習得が必要になるシーンはゼロではありませんが、少ないという特徴を持ちます。従って持っているスキルを長く活かせるのも特徴の一つです。
一方フロントエンドエンジニアでは、HTMLやJavascript、AltJsが主体となるプログラミング言語です。これらの言語は機能のアップデートが早く、頻繁なためキャッチアップが大切になります。
サーバーサイドエンジニアでは自分の持つスキルが色褪せにくい点が、メリットといえるでしょう。
需要が高く求人が豊富
サーバーサイドエンジニアに限らずIT人材は需要が高まっていると考えられ、求人も豊富にあります。データの処理を行わないシステムはほぼなく、企業としてもサーバーサイドエンジニアの採用は重視していると考えられるでしょう。
レバテックキャリアにて2024年10月16日時点で公開中の職種「サーバーサイドエンジニア」の求人数は、6,747件(募集中3,706件)と豊富に存在します。求人が多いことは、自分の希望やビジョンを叶えられる職場が見つかりやすいというメリットにつながります。
年収がアップしやすい
サーバーサイドエンジニアとして業務にあたると、AIなどの新規技術の習得やフロントエンドでの業務を補助する機会も増えます。こうした背景から実務経験の長さが評価されることが多く、勤続するほど年収がアップしやすいのもメリットです。
求人数が豊富にあるとご紹介しましたが、求人内容を見ても想定年収には大きな幅があります。現職でサーバーサイドエンジニアとして実務経験を積んでおくと、転職によって年収アップも狙いやすいといえるでしょう。
サーバーサイドエンジニアの平均年収
レバテックキャリアにて、2024年10月16日時点で掲載されている求人・転職情報から職種「サーバーサイドエンジニア」に該当するものを30件抽出し、平均年収の想定値を算出しました。これによると、サーバーサイドエンジニアの平均年収は約689万円です。
最低年収は300万円台から、最大年収は1,500万円を超える場合もあり、求人毎に差は大きいといえます。その中身に注目すると、ハイレベルな技術スキル、マネジメントスキル、上流工程のスキルなどを持つ場合は高い収入に繋がる傾向が見られます。
企業種別のサーバーサイドエンジニアの求人例
サーバーサイドエンジニアと一言でまとめていますが、企業や業界によって年収は大きく異なります。ここからは、3つの異なる業界の実際の求人例を紹介します。
転職先の希望業種がある場合には、求人情報を確認しておくことで求められる人材像に近づくことが可能です。キャリアパス検討をより詳細に行うためにもチェックしておきましょう。
サーバーサイドエンジニアの求人・転職情報>
関連記事:サーバーサイドエンジニアの年収実態!仕事内容や転職のポイント
ファッションテック企業
ファッションテック企業におけるWebサービスの機能設計、改善に携わるサーバーサイドエンジニアの求人例です。
【業界】
IT・通信(ファッションテック)
【業務内容】
自社Webサービスサイトの全ライフサイクルに携わる業務
・有識者からのヒアリング
・既存機能改善や機能追加に関する設計
・プロダクトの実装・テスト
・リリース
【求められるスキル・経験】
・GoまたはRubyによるWeb開発経験3年以上
・技術環境に類する自己研鑽ができる
【想定年収】
500~800万円
【勤務地】
フルリモート
フィンテック企業
フィンテック関連企業における自社サービスの設計、開発、運用・保守までを担当するサーバーサイドエンジニアの求人例です。
【業界】
IT・通信(フィンテック)
【業務内容】
自社の提供するフィンテックプラットフォームサービスの機能の企画、開発
・Webサービスの機能改善、追加の設計、開発、テスト、リリース、運用・保守
・仕様書、設計書の作成とレビュー
・機能開発における技術提案
【求められるスキル・経験】
・Webアプリケーションの要件定義、設計、開発経験2年以上
・自社のビジョン、バリューへ共感できる
【想定年収】
450~800万円
【勤務地】
東京都
不動産テック企業
不動産企業の施設検索サイトのサーバーサイドエンジニアの求人例です。
【業界】
不動産
【業務内容】
自社の提供する不動産施設の検索サイトにおけるバックエンド開発
・開発業務(要件定義~テスト)
・サイト改善
・サイト運用
・プロジェクト管理
・社内外との折衝
・サイト企画
・技術提案
【求められるスキル・経験】
・プログラム開発経験
・DBを使用した開発経験1年以上
【想定年収】
430~700万円
【勤務地】
愛知県
サーバーサイドエンジニアの転職で評価されるスキル・経験
ITエンジニア経験者がサーバーサイドエンジニアへの転職で評価されるスキル・経験について解説します。
一般的にサーバーサイドエンジニアに求められるスキル要件としては、「サーバーサイドの開発経験1年~3年程度」が多いようです。具体的には、次のようなスキル・経験が評価される傾向にあります。
関連記事:サーバーサイドエンジニアに必要なスキルは?資格や勉強方法まで解説
プログラミングスキル
サーバーサイドエンジニアには、JavaやPHP、Ruby、JavaScriptなどのプログラミングスキルが必須です。ただし、これらすべての言語スキルが求められるわけではなく、企業や案件によって求められる言語は異なります。まずは一つの言語を開発ができるレベルまで習得しましょう。
また、HTMLやCSSなどフロントエンドのスキル・経験も評価される傾向にあります。
コンパイラ型言語
コンパイラ型言語はプログラムをコンパイル(変換)して実行するプログラミング言語です。ソースコードは、コンパイラと呼ばれる専用のソフトウェアによって機械語やバイトコードに変換されます。
コンパイラ型言語最大の特徴は、高速で実行される点です。そのため、大規模なシステムを構築する際に採用されます。また、ソースコードを実行する前にコンパイルするため、実行前にエラーを見つけられます。一方で大規模なソースコードの場合、コンパイルする時間が長くなる、ソースコードが煩雑になるため注意が必要です。
コンパイラ型言語の代表にはJavaやC++などが挙げられます。
インタプリタ型言語
インタプリタ型言語とは、ソースコードを逐次実行するプログラミング言語です。ソースコードをインタプリタによって1行ずつ解釈して実行するため、コンパイル型言語と比べて実行速度は遅くなります。
一方でソースコードの可読性が高い、簡易なプログラムを気軽に記述できる、プログラムを別言語に移植しやすいなどの利点があります。インタプリタ型言語の代表言語はPythonやJavaScriptなどです。いずれも人気言語ランキングで常に上位に選ばれています。
サーバーサイドエンジニアはいずれも使いこなすのが大切
サーバーサイドエンジニアはコンパイラ型言語とインタプリタ型言語のいずれも使いこなせることが理想です。高速かつ効率的な処理が要求される場合はコンパイラ型言語、柔軟な開発や運用を重視する場合はインタプリタ型言語と使い分けができるレベルで習得していると転職時にもアピールできるポイントとなります。
それぞれの言語は一長一短ですので、プロジェクトや要件に合わせて使いこなせることで市場価値が上がります。
フレームワークの知識・開発に使用するスキル
近年のWebシステム開発では、開発工数の低減や生産性の向上を目的とし、フレームワークを用いた開発が一般的です。そのため、各言語の代表的なフレームワークに関するスキル・経験を身につけておくとサーバーサイドエンジニアへの転職の際に評価されます。
以下は、日本国内でよく使用されるフレームワークの一例です。
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サーバーサイド
・Ruby…Ruby on Rails
・PHP…Laravel
・Java…Spring
・Python…Django
サーバーサイド以外
・複数言語対応のモバイルアプリ開発用…Apache Cordova
・JavaScriptのフロントエンド用…React
関連記事:
PHPフレームワークとは?主要なフレームワークや学習方法も解説
Pythonのフレームワークとは?種類や分野別のおすすめを紹介
クラウドサービスを使用した開発経験
開発環境および運用環境をクラウドに移す企業が増えていることから、クラウドサービスに対応するスキルも重要です。AWSやGoogle Cloud、Microsoft Azureなどのクラウドサービスをプラットフォームとしたアプリケーションの開発経験、運用経験が評価される傾向にあります。
データベーススキル
サーバーサイドエンジニアはデータベースの専門家ではありません。しかし、サーバーサイドの処理では頻繁にデータベースにアクセスすることが一般的なため、データベース操作スキルが必要です。データベースの基礎知識とMySQLやORACLE Database、Microsoft SQL serverなど、代表的なデータベースの処理で使われるSQLスキルを習得しておきましょう。
サーバーOSや仮想環境に関する知識・スキル
近年のサーバーOSとしてはWindows ServerやLinuxが主流です。特にLinuxの中でもRed Hat系やDebian系ディストリビューションは多くの企業で使用されています。
RubyやPHPなどのインタプリタ言語を用いたWeb開発は、Linux上で行われることも多いため、基本的なコマンド操作(シェル操作、ファイル操作、ソフトウェアインストールなど)のスキルも習得しておくと良いでしょう。
さらに、各種の仮想OSやDockerによるコンテナなどの仮想環境で開発を行うケースも増えていることから、これら仮想化ソフトウェアの操作も習得しておくと良いでしょう。
ソフトウェア設計スキル
サーバーサイドエンジニアは開発職であるため、ソフトウェアの設計スキル(基本設計・詳細設計スキル)が必須です。設計スキルに加え、上流工程の要件定義の経験があると、転職活動ではさらに評価されます。
問題解決力
サーバーサイドエンジニアの業務はシステム構築から修正など多岐にわたりますが、その多くの業務で問題解決力が必要になります。クライアントの要件を聞き出し、どのように課題にアプローチするのか、要素を分解して解決に導くために求められるスキルです。
また、システム上で発生する不具合を早期に発見し原因の特定や修正をするにも、問題解決力は欠かせません。
各種マネジメント経験
より高年収を狙うのであれば、マネジメント経験も備えておきたいところです。人手不足が叫ばれるITエンジニアの中でも、マネジメントスキルを持つリーダークラスや現場を統括できるマネージャークラスのエンジニアは特に高い需要があります。
サーバーサイドに限らず、チームでの開発においてマネジメント業務に携わったことがあれば、転職の際にはアピールすべきでしょう。
サーバーサイドエンジニアへの転職におすすめの資格
サーバーサイドエンジニアへの転職でおすすめできる資格をまとめました。
ITエンジニア全般の基礎知識を示せる資格、特定分野やプログラミング言語に関する知識とスキルに特化した資格があるため、志望先の企業で利用している技術などにあわせて習得することがおすすめです。それぞれの資格には複数のグレードが用意されていることが多く、自身のレベルにあわせて試験を選び、ステップアップを図るとよいでしょう。
基本情報技術者試験・応用情報技術者試験
基本情報技術者試験、応用情報技術者試験は、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が運営し、経済産業省が認定するITエンジニア向けの国家資格です。
基本情報技術者試験はITエンジニアの登竜門とも呼ばれている資格であり、内容はITの基礎力や実践的な活用能力を問うものです。受験対象者は基礎的知識・技能を持った者と定められており、特に実務経験は問われません。エンジニアの資格取得の第一歩に選ばれることも多い試験です。
応用情報技術者試験は基本情報技術者試験の上位にあたり、すでにIT実務を積んだ方向けの資格です。知識・技術の「応用力」が問われる内容であり、開発だけでなくマネジメントや経営に関する知識も問われます。
いずれもITエンジニア全般に関してのスキルが示せるため、サーバーサイドエンジニアにとっても有用です。
LinuC(Linux技術者認定資格)
LinuCとはLinuxに関する専門知識、スキルを証明する資格です。レベル1~3およびシステムアーキテクトの4つのカテゴリに分けられており、サーバーサイドエンジニアの転職として活用するのならレベル1及び2を目標にするのがおすすめです。
LinuxはサーバーOSとして人気が高く、サーバーサイドエンジニアは開発環境やリリース先の環境として触れる機会は少なくありません。LinuCを取得していれば、一定レベル以上のLinux及びサーバー構築の知識を持っていると証明できます。資格取得に向けて学ぶ中で、サーバーの基礎知識や概念が理解できるのもメリットの一つです。
Red Hat 認定システム管理者(RHCSA)
Red Hat 認定システム管理者 (RHCSA)は、商業用途のLinuxディストリビューションRed Hatの提供元として著名なRed Hat社が認定する資格です。Red Hatが主催する学習パスの基礎ステップであり、Red Hat資格の中では基本的な資格といえます。RHEL(Red Hat Enterprise Linux)の基礎知識やスキルを認定する目的の試験です。基礎ステップでありますが簡単な資格ではなく、合格するとRed Hat社から認定が付与されます。
RedHatはLinuxの中でもサポートが提供されているため、企業のサーバーではよく利用されています。したがって、エンタープライズ向けのアプリケーションを構築するサーバーサイドエンジニアにおすすめの資格です。
Ruby技術者認定試験
Ruby技術者認定試験は非営利団体Ruby Associationによって運営されているRuby技術者向けの資格試験です。試験内容はRubyの文法やRuby技術者として必要な知識・能力の証明となっています。資格区分は「Silver」「Gold」の2レベルがあり、Silverの認定を受けたあとGoldの受験が可能です。
RubyはWebアプリケーション開発に特化した言語で、Webのサーバーサイドエンジニアを目指す方におすすめの資格です。
Silverは基本的な技術内容が問われ、サーバーサイドエンジニアを目指し始めたばかりの方でも挑戦しやすいレベルといえます。
Python 3 エンジニア認定基礎試験
Python 3 エンジニア認定基礎試験は一般社団法人Pythonエンジニア育成推進協会が運営する民間資格です。Pythonの基本的な概念や仕組み、文法基礎に関する知識が問われます。
この資格を資格補助対象とする企業もあり、IT試験の中では比較的難易度は低いといわれています。Pythonスキルが問われる企業に応募する場合、基礎知識の証明として取得するのがおすすめです。
Pythonはデータ解析やAIなどの分野で注目を集める言語ですが、Webのサーバーサイド言語としても活用されています。
PHP技術者認定試験
PHP技術者認定試験は、名前の通りPHPに関する知識を証明する資格です。2024年10月16日時点で日本国内で実施されるPHPスキルを証明できる唯一の資格制度となっており、PHPエンジニアとして活躍するための地力アップや転職に役立ちます。
PHPはWebのサーバーサイド言語として広く普及しており、運用保守や改修案件なども多々存在しています。
PHPを現職で扱っている場合でも、転職時に改めて受験する方もいます。試験の難易度は「初級」「上級/準上級」の2種類があり、高得点の取得者にはウィザードという認定も行われています。
データベース関連の資格
サーバーサイドのアプリケーションでは、データベースへのアクセスを頻繁に行います。したがって、サーバーサイドエンジニアはデータベースにアクセスするためのプログラムが記述できることやデータの操作ができることが業務上必要です。サーバーサイドエンジニアへの転職の際には、データベース関連の資格の保有がアピールポイントとなります。
データベース関連でおすすめの資格は以下の通りです。
それぞれ複数のレベルの資格が用意されており内容も異なるため、希望する企業が求めるスキルにあわせた資格取得がおすすめです。
クラウドサービス関連の資格
クラウドファーストが浸透し、サーバーサイドエンジニアが構築したアプリケーションの稼働環境もクラウド上ということは珍しくなくなりました。サーバーサイドエンジニアはクラウドサービス上で動作するアプリケーションに関する知識を持ち、クラウドサービスの利用スキルも求められます。
クラウドサービス関連でおすすめの資格としては以下が挙げられます。いずれもクラウドサービス関連の主要な企業が主催する資格です。汎用的な資格であるため、サーバーサイドエンジニア以外のIT職に転職する際にも役に立つ可能性があります。
サーバーサイドエンジニアに向いている人の特徴
サーバーサイドエンジニアに向いている人に共通してみられる特徴を紹介します。
ただし、これらの特徴は生来的に持っていなければならないわけではなく、日ごろの意識や習慣によって身につけることのできるものです。現状であてはまらない場合には、今後の意識の切り替えや習慣の見直しによって獲得できますので、お役立てください。
最新技術への興味・関心が高い
ITエンジニアは、技術的なトレンドの変化に対応しながらソフトウェア開発を行う職種です。クライアントの要望を満たしたソフトウェアの開発や、ソフトウェア品質の向上、効率化の実現には、最新技術を貪欲に取り込むことが重要なポイントとなります。そのためには、継続的に技術習得に向けて学習できることが求められ、最新技術に興味・関心を持って学習を続けられる人が適しているといえます。
物事を論理的に考えられる
サーバーサイドの処理は内部的であり、その成果はクライアントサイドに比べて目視しづらい傾向にあります。目に見えない部分を考え、必要な処理を整合性を保ちながら積み上げてアプリケーションを作ることが求められる職種のため、論理的な思考力が必須となります。
ここでいう論理的思考は、理系・文系などとは関係なく、一つずつ考えを積み重ねて大きな仕組みを作りあげることを意味しています。普段から物事を理詰めで考えることができる人がサーバーサイドエンジニアに向いているといえます。
冷静に物事に対応できる
サーバーサイドでの処理は直接データベース操作を行うことも多く、システム上の影響も大きいです。エラーや不具合の発生では、システム利用者の業務が停止することによる事業の影響や、データに不整合が起きた場合には金銭的な影響も起きかねません。
それでも、システムやサーバーではトラブルは起きるものです。問題が発生した際には、冷静に原因や影響を調べ対処できることがサーバーサイドエンジニアに求められます。よって、普段から冷静に物事に対応できる人がサーバーサイドエンジニアに向いています。
サーバーサイドエンジニアから目指せるキャリアパス
サーバーサイドエンジニアからキャリアアップ先として目指せるキャリアパスについて紹介します。
エンジニアをマネジメントする立場、技術の深さや範囲を追求したエンジニア、知見を活かしたコンサルタントなどが選択肢に挙がります。サーバーサイドエンジニアへの転職を検討する際は、その後のキャリアパスの方向性までを意識しておきましょう。
プロジェクトマネージャー
サーバーサイドエンジニアとして活躍を続けた場合、徐々に影響範囲を広げ、いずれ他のエンジニアについてのマネジメントも行うこととなります。多くのエンジニアのマネジメントをすることで、大きな成果に貢献できるためです。
この方向でのキャリアアップは、プロジェクトリーダーを経てプロジェクトマネージャーとなることです。プロジェクト内のチームやプロジェクト全体を管理する立場になることで、エンジニアとして大きな成果を出すことが可能です。
ITスペシャリスト
マネジメントではなく、サーバーサイドに関する技術的なスキルを高めスペシャリストとしてのキャリアを築くことも選択肢となります。各種の言語やフレームワーク、アーキテクチャなどに精通し、サーバーサイドの開発・運用保守にさらに特化した知識やスキルを持つことが求められます。
フルスタックエンジニア
IT技術者として、サーバーサイドだけでなくフロントエンドやインフラ、ネイティブアプリなどの分野まで見識を広め、フルスタックエンジニアとなるキャリアパスもあります。技術的な分野も業務上の工程も幅広く対応できるフルスタックエンジニアは、特に人手の不足するスタートアップなどで求められる人材となります。
ITコンサルタント
サーバーサイドエンジニアとして得た知見を活かしてITコンサルタントを目指すキャリアパスもあります。技術的なことはもとより、サーバーサイドで行う処理の内容を顧客の業務と合わせて理解を深め、課題の解決や業務の効率化などに繋げるスキルが必要となります。
サーバーサイドエンジニアに関するよくある質問
サーバーサイドエンジニアに関するよくある質問と回答をまとめました。
未経験からの転職が可能かどうかやサーバーサイドエンジニアの平均年収、利用する開発言語や習得すべきスキルがよくあがる質問です。本文の内容と合わせて、サーバーサイドエンジニアへの転職に向けた疑問を解消し、キャリアパスを検討する材料としてお役立てください。
Q1. 未経験可のサーバーサイドエンジニアの求人はありますか?
あります。2024年10月16日時点でレバテックキャリアにて職種「サーバーサイドエンジニア」フリーワード「未経験」の条件で検索を行うと693件(募集中474件)が該当します。
同職の求人は多いですが、未経験のみを求めてはいません。第二新卒までなら、ポテンシャル採用で未経験者を採用する企業もあります。
Q2. サーバーサイドエンジニアの平均年収はどれくらいですか?
レバテックキャリアに掲載されている求人・転職情報から平均年収を推定すると、サーバーサイドエンジニアの平均年収は約689万円です。(2024年10月16日時点で、職種「サーバーサイドエンジニア」にて募集中の転職・求人情報より30件を抽出し、年収の最小値と最大値の中間の平均値より推定)
サーバーサイドエンジニアの求人・転職情報>
Q3. サーバーサイドエンジニアへの転職に役立つ開発言語は何ですか?
JavaやPHP、Ruby、Pythonなどが現在主流となっている開発言語です。この他にもフロントエンドの扱う言語(HTLM、CSS、JavaScriptなど)にも触れておくと、より転職しやすいと考えられます。
まとめ
サーバーサイドエンジニアは、Webやスマホアプリの通信先であるサーバーの処理を設計・開発・運用保守する職種です。未経験可の求人も存在しているため未経験からの転職も可能ですが、それでも一定のスキルや知識が求められるため、転職に向けては準備が必要です。
サーバーサイドエンジニアに求められるスキルとして、プログラミング、設計のスキルやフレームワークに関する知識、サーバーなどのインフラに関する知見などがあげられます。ステップアップするためにはマネジメント経験を積み、プロジェクトマネジメントスキルを高めることも重要です。
近年のサーバーサイドエンジニアは、担当する業務範囲が拡大しつつあり、フロントエンド開発スキルやデータベーススキル、クラウドへの対応スキルがあると転職市場で評価されやすい傾向にあります。高年収での転職を目指すのであれば、これらのスキルを身につけた上で転職活動を進めると良いでしょう。
ITエンジニアの転職ならレバテックキャリア
レバテックキャリアはIT・Web業界のエンジニア職を専門とする転職エージェントです。最新の技術情報や業界動向に精通しており、現状は転職のご意思がない場合でも、ご相談いただければ客観的な市場価値や市場動向をお伝えし、あなたの「選択肢」を広げるお手伝いをいたします。
「将来に向けた漠然とした不安がある」「特定のエンジニア職に興味がある」など、ご自身のキャリアに何らかの悩みを抱えている方は、ぜひ無料のオンライン個別相談会にお申し込みください。業界知識が豊富なキャリアアドバイザーが、一対一でさまざまなご質問に対応させていただきます。
「個別相談会」に申し込む
転職支援サービスに申し込む
※転職活動を強制することはございません。
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