ITコンサルタントの将来性
ITコンサルタントの将来性は、今後も多くの企業でIT化が推進されるため、大いに期待できる状況です。企業のIT化に対応するために、ITコンサルタントの需要はさらに増加すると予測されています。そのため、ITコンサルタントの将来性は、明るいといえるでしょう。
また、ITコンサルタントは、現状ではIT人材の不足により、貴重な職種でもあります。ここでは、ITコンサルタントの将来性について解説します。
ITコンサルタントの需要は高く将来性もある
ITコンサルタントは、需要が高く将来性もある職種であるといわれています。その理由としては、DXの高まりに伴い需要の拡大が予測されていることやITコンサルティングサービスを提供する企業の増加、海外移転や業務の自動化を図る企業の増加などがあります。
以下では、ITコンサルタントの需要が高く将来性がある理由について解説します。
DXの高まりに伴い需要拡大が予想される
事業戦略としてIT技術を用いて抜本的に業務や企業のあり方を変えるDX(デジタルトランスフォーメーション)に関する支援へのニーズが高まっており、ITコンサルタントの活躍の場が広がっています。
たとえば、IT技術を用いてオフィスレス化を実現することも、DXの一例といえるでしょう。企業のDX推進のニーズに対応するため、SIerや経営コンサルティングファームも、ITコンサルティング事業へ進出するケースが増えています。そのため、新卒・転職市場において、ITコンサルタントは一定の需要があります。
ITコンサルティングサービスを提供する企業も増える見込み
海外市場調査会社 グローバルインフォメーションの「市場調査レポート: ITコンサルティングサービスの世界市場 - 市場規模・状況・予測:2022年」によると、2022年~2028年の日本のITコンサルティング市場の年間平均成長率は6.25%と拡大する見込みです(※1)。今後、企業の競争力の維持・向上のために、ITコンサルタントが重要視されていることが分かります。
これは自社の業務を効率化することはもちろんですが、顧客に対してITコンサルタントのサービスを提供し、新たなビジネスチャンスを獲得する狙いも大きいといえます。
※1 引用元:「市場調査レポート: ITコンサルティングサービスの世界市場 - 市場規模・状況・予測:2022年」 グローバルインフォメーション
事業のグローバル展開に向け海外移転や業務の自動化を図る企業も
企業の競争力を維持し、グローバル化に対応して成長するには、国内での事業と並行して海外へ拠点を移したり、新たに拠点を設ける企業も出てくるでしょう。物理的に遠く離れた拠点と効率的に業務を連携していくためには、ITをはじめとしたテクノロジーの活用が欠かせません。
また、世界の企業と対等にビジネスをするためにも、一層の業務効率化および自動化を実現する必要があります。どのようなITツール・システムを活用すれば効率化や自動化が実現できるのか、会社の業務全体を俯瞰して分析し、最適なITツールの選定を見極めるためにも、ITコンサルタントの力が不可欠となります。
アピールポイントがないと仕事を獲得できない恐れもある
ITコンサルタントの人気と需要が高まることにより、ITコンサルタントへの転職を希望する人が増えています。今後、ITコンサルタントの人材が増加することで、仕事を取り合う可能性も出てきます。ITコンサルタントが増加した場合、ほかのITコンサルタントと差別化できるアピールポイントが必要です。
アピールポイントがないと、ITコンサルタントとしての仕事が獲得できない恐れもあります。ITコンサルタントとして長く活躍するためにも専門性を高めるなど、アピールポイントを身につけましょう。
そもそもITコンサルタントとは
ITコンサルタントは、クライアント企業に対して経営課題を解決するための、IT施策を提案する職種です。ITを用いて企業にメリットをもたらすことが、ITコンサルタントの特徴ともいえます。
企業への提案が承諾された際には、システム開発のプロジェクトに関わることもあります。プロジェクトでは、ITコンサルタントは最上流工程を担います。
関連記事:ITコンサルタントとは?仕事内容や必要なスキル・年収を紹介
ITコンサルタントの仕事内容
ITコンサルタントの仕事内容を大まかに分類すると、「IT戦略の策定支援」「システムの要件定義」「システム導入支援」「システム運用設計支援」「IT分野のアドバイス全般」などが挙げられます。
具体的には、ITコンサルタントが顧客企業にIT導入を提案し、全面的なサポートを行います。ITコンサルタントは、開発の実作業は行いませんが、プロジェクトの進行から納品までの責任は負います。
ITコンサルタントと他職種の違い
ITコンサルタントと比較されやすい職種として、SE(システムエンジニア)やPM(プロジェクトマネージャー)、PMO(プロジェクトマネジメントオフィス)があります。SEやPM、PMOとITコンサルタントとでは、どのような違いがあるのでしょうか。以下では、比較されることの多いSEやPM、PMOとの違いについて、それぞれ詳しく解説します。
SE(システムエンジニア)との違い
SEは業務上の課題や開発したいシステムに応じて、要件定義やシステムの設計を行います。SEに対し、ITコンサルタントは経営課題の解決を提案する職種です。
たとえば「慢性的な長時間労働をITシステムを活用して改善したい」「業務の工数を◯%削減するためにはどうすれば良いか」などといった経営課題に対して、さまざまなITを活用した提案を行います。ただし、ITコンサルタントとSEの対応業務が明確にルール化されているものではなく、それぞれの業務内容が重複する部分もあります。
PM(プロジェクトマネージャー)との違い
PM(プロジェクトマネージャー)もITコンサルタントと混同されやすい職種です。PMとは、プロジェクトの管理者(マネージャー)のことを指します。
具体例としては、顧客から「工数を削減したい」と相談を受けた場合、ITコンサルタントは顧客先の状況を細かく分析し、顧客に最適な経営課題の提案を行います。提案が了承された後には、プロジェクトが発足します。ITコンサルタントの仕事は、基本的に分析から提案までの範囲です。
プロジェクトにおいて、システム構成や開発計画を立て、プロジェクトチームを管理するのはPMの仕事となります。ITコンサルタントは顧客に提案を行い、課題解決の方向性を見出し、PMは解決のためのプロジェクトを管理するという違いがあります。
PMO(プロジェクトマネジメントオフィス)との違い
PMO(プロジェクトマネジメントオフィス)とは、プロジェクトの進捗状況などをPMに報告したり、プロジェクトメンバーに対して連絡事項を周知したりといった役割を行う職種です。大規模な開発案件ともなれば、数十名、または数十名以上の開発担当者が携わることになります。プロジェクトメンバーが大人数の場合、PMだけではチームをまとめ上げるのが困難です。そのため、PMOがサポート役として必要になります。
プロジェクトにおける意思決定は、PMの仕事です。PMOにはPMを補佐する役割として明確な線引きがあり、意思決定の権限はありません。
ITコンサルタントとPMOの違いは、プロジェクトの運営に直接的に関わるか否かという点にあります。しかし、実際の開発現場では、ITコンサルタントがPMOの役割を兼任することもあります。
職位別に見るITコンサルタントの役割
ITコンサルタントの役割は、職位によってどれほどの違いがあるのでしょうか。ITコンサルタントの職位は、大まかには「アナリスト」「コンサルタント」「マネージャー」の3つに分けられます。本章では、職位別に見るITコンサルタントの役割を「アナリスト」「コンサルタント」「マネージャー」の3つの職位別に具体的に解説していきます。
関連記事:ITコンサルタントのキャリアパスとは?キャリアプラン・キャリアアップの具体例
アナリスト
アナリストは、顧客企業と深くコミュニケーションを取り、ヒアリングの中で浮かび上がる課題を精緻に分析します。そして、課題を解決するための最適な提案を行う役割を担っています。
最適な提案をする役割を果たすためには、コミュニケーション能力はもちろん、設計や開発、タスク管理といった技術的なスキル、そして事務処理能力も必要です。自分のスキルを総合的に活用し、顧客企業の課題解決に向けた道筋を示すのがアナリストの重要な役割です。
コンサルタント
コンサルタントは、顧客企業との要件整理やプロジェクト調整などをメインで行う職位です。顧客やエンジニアとのコミュニケーションが多いポジションであるため、論理的思考力とコミュニケーション能力が求められます。どのような提案が最適か、どうすればプロジェクトが円滑に進行するか、といったことを検討して実行につなげます。
マネージャー
マネージャーはアナリストとコンサルタントの成果を確認し、調整する役割を担います。またプロジェクトが発足した後は、プロジェクトの統括役にもなります。
ITコンサルタントの現場業務よりも、コミュニケーションを取って全体をまとめるポジションになります。すなわち、マネージャーはアナリスト、コンサルタントよりも上位のまとめ役です。
ITコンサルタント業界が注目している領域
ITコーディネータ協会が2023年12月に発表した「2023年度実務活動報告 集計データ」では、現役のITコンサルタント(ITコーディネータ資格保有者)が注目しているテーマとして、AIやDX、クラウド、セキュリティなどが挙げられています(※2)。
ここでは、ITコンサルタント業界が注目している領域について解説します。
※2 引用元:「2023年度実務活動報告 集計データ」ITコーディネータ協会
AI
機械学習やディープラーニングといった技術の進歩により、AI(人工知能)を使ったサービスの実用化が急速に進んでいます。企業では業務の自動化などによる省力化のニーズが高い状況です。
また、AIによるデータ分析から、新たな事業ニーズの発掘も期待されています。AIを利用したシステムの導入では、利用目的や対象、必要な学習用データの選定・準備といった企画・設計が重要で、多くの企業でITコンサルタントが求められています。
IoT
IoTを活用した業務の抜本的な改善が、近年企業では進められています。たとえば、ゴミ箱にIoTを組み込む事で、収集量に至ったゴミのみを回収できるサービスなど、さまざまな業界で活用が進んでいます。
ITコンサルタントは、コスト削減や売上向上といった戦略テーマに沿って、IoTの利活用方法を企画・提案します。
セキュリティ
情報セキュリティは、企業が社会的責任を果たす上で欠かせない要素です。しかし、セキュリティの導入はコストや管理負担の増大を伴うため、適切な範囲と規模での実施が求められます。
セキュリティの導入で重要な役割を果たすのが、セキュリティ領域に精通したITコンサルタントです。ITコンサルタントは、組織のセキュリティ状況を的確に分析・評価し、最適な解決策を提案することで、情報セキュリティの適切な管理と効率的な運用を実現します。
RPA
RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)は、ソフトウェアロボットの利用によって、業務プロセスを自動化する試みのことをいいます。RPA導入の鍵は、自動化の対象となる業務の選定と、RPAを活用したプロセスの再構築、そして投資対効果です。
ITコンサルタントは、業務分析とToBeフローの構築、投資対効果の試算、RPAの選定、RPAの導入支援などを担います。
クラウド
サーバーからCPU、データベース、ミドルウェア、さらにはシステム開発ツールといったプラットフォームまで、幅広い領域のサービスがクラウドで提供されています。
クラウドサービスは、業務の効率化やコスト削減といったビジネスの目標達成に対して重要な役割を果たします。ITコンサルタントは、クラウドサービスを適切に活用することで、企業の事業戦略に沿った解決策を企画・提案します。結果として、ビジネスの成長が実現し、競争力が強化されます。
ビッグデータ
ビッグデータとは、従来は扱えなかった大容量かつ多様なデータを意味します。企業は、購買データやWeb行動データなどを蓄積し、AIで分析するなどして商品の企画や改善などに活かしています。
ITコンサルタントは、取得すべきデータの決定、データを蓄積し分析するためのプラットフォームの選定や導入、ビックデータを活用した業務プロセスの立案などを行います。
テレワーク
政府が働き方改革に力を入れていることから、テレワークの導入が盛んです。テレワークを実現するには、社内規則の改定やセキュリティ対策、ITツールの導入など、多くのハードルがあります。
ITコンサルタントは、業務プロセスの設計やセキュリティ対策、テレワークを実現する上で必要となるシステムの導入支援などを提案・実施します。
DX
デジタルトランスフォーメーション(DX)の波は、業界を問わず、イノベーション、競争力、生産性の向上を求めるビジネスの世界に広がっています。ITの力を借りて業務改革を進めるDXの動きは、高度なIT知識を持つITコンサルタントの役割を一段と重要なものにしています。
ITコンサルタントは、DXの推進役として、企業のイノベーションを牽引し、新たな価値を創造するための道筋を示す存在として期待されています。
SaaS
SaaS(Software as a Service)は、クラウドサーバー上でソフトウェアを提供し、ユーザーがインターネットを介してアクセスして利用するサービスのことです。
SaaSは、Googleのスプレッドシートやドキュメントなど、日常生活で頻繁に利用されるアプリケーションを含みます。SaaSは、インストールやメンテナンスの手間を省き、どこからでもアクセスできる利便性を提供します。また、コスト効率も高く、企業は必要なソフトウェアを必要な期間だけ利用できます。
ITコンサルタントの活躍の場
ITコンサルタントが活躍できる企業とは、どのようなところがあるのでしょうか。ITコンサルタントが在籍する企業は、いくつかの業種の種類があります。
具体的には、コンサルタント企業やSIerなどが当てはまります。本章では、コンサルタント企業やSIerといったITコンサルタントの活躍の場について、それぞれを具体的に解説します。
コンサルタント企業
ITコンサルタントが在籍する企業として、想像しやすいのはコンサルタント企業かと思います。コンサルタント企業は、コンサルティングサービスを提供しており、クライアント企業に対してさまざまな提案を行います。
コンサルタント企業に在籍するITコンサルタントの役割は、クライアント企業の経営課題をITを用いて解決することです。ITコンサルタントが提案業務を行い、実際の開発はエンジニアが担当します。
SIer
SIerは、ITコンサルタントが在籍する業界としては、大きな市場になります。SIerは、クライアント企業から依頼を受けてシステム開発を請け負います。
しかし、クライアント企業からの依頼内容だけでは、システム開発プロジェクトの発足は困難といえます。理由としては、解決すべき課題が多く、開発規模も大きくなるためです。
そのため、ITコンサルタントがクライアント企業の依頼を元に、最適な提案を行います。提案からまとめた内容をPMやSEに連携します。ITコンサルタントは、プロジェクト発足後も定期的に状況を確認し、必要に応じて軌道修正を促す役割も担います。
長く活躍するためにITコンサルタントが身につけるべきスキル
ITコンサルタントとして就職できたとしても、決してそれがゴールではありません。テクノロジーの進歩が目まぐるしいIT業界において、長く活躍し続けるためにはどのようなスキルを身につけるべきなのでしょうか。
ITコンサルタントが身につけるべきスキルとしては、論理的思考能力や課題解決能力、情報収集・提供力などがあります。本章では、長く活躍するためにITコンサルタントが身につけるべきスキルを紹介します。
関連記事:
ITコンサルタントに必要なスキル
ITコンサルタントに必要なスキルを基礎・領域別に紹介
論理的思考能力
論理的思考能力は、ITコンサルタントが身につけるべきスキルです。クライアントから経営課題をヒアリングした際に、課題が抽象的で分かりにくく、解決すべきポイントがわからなくなるケースがあります。そのようなときに、話の内容を整理しつつ、冷静かつ客観的に分析できる思考力が求められます。
論理的思考能力の有無で、その後のプロジェクトの結果は変わるともいえます。そのため、論理的思考能力はITコンサルタントにとって、重要なスキルです。
課題解決能力
課題解決能力とは、問題や課題に直面したときに、原因を分析し、適切な解決策を見つけ出し、実行する能力のことを指します。課題解決能力は、クライアントの経営課題に対して、改善や対策を提案するために必要なスキルです。
課題解決能力を身につけるためには、問題や課題を明確に認識し、原因を分析することが重要です。また、自分自身の思考を客観的に見つめ直すことも重要で、自分がどのように問題を解決しているのかを理解することで、より効果的な問題解決の方法を見つけ出すことができます。クライアントに的確に提案をするためにも、課題解決能力を身につけるようにしましょう。
情報収集・提供力
情報収集・提供力も、ITコンサルタントが身につけるべきスキルです。ITコンサルタントは、直接的に開発に携わることはほとんどありません。
ですが、業界の最新動向や技術トレンドなどは、積極的に情報収集できる力は求められます。クライアントにとって、価値ある提案をするためにも、情報収集力を高めましょう。また、集めた情報を適切に提供する能力も求められます。
コミュニケーション能力
ITコンサルタントが提案し、実際にクライアントからの依頼を勝ち取るためには、信頼関係の構築が不可欠です。そのためには、クライアントの話に真摯に耳を傾けることが大切といえます。理由としては、クライアントの話の中に有効な提案につながるヒントが隠されていることも多いからです。
クライアントに対して、独りよがりな提案をするITコンサルタントもいます。独りよがりな提案では、クライアントの心を開くことができず、仮に最適な提案であっても契約に至らないケースもあります。
英語力
ビジネスで通用する英語力があるITコンサルタントは、今後も長く活躍できるでしょう。長く活躍できる理由は、海外ベンダーや外国の人材が開発プロジェクトに関わるケースが、今後増加すると予測されているからです。
グローバル化は年々加速しており、日本のIT業界もグローバル化の対応に迫られています。そのため、ITコンサルタントとして長く活躍をするには、英語力が必要です。
管理能力
ITコンサルタントには、管理能力も必要です。ITコンサルタントは需要の増加に伴い、業務も激務になることが多くあります。
これらの業務を適切に管理ができないと、全体の業務に支障が出てきます。もちろん、自身の健康もしっかりと管理しなくてはいけません。活躍の場が増えたときこそ、これらの管理能力が問われます。
ビジネス知識
ITコンサルタントには、幅広いビジネス知識が必要です。ITコンサルタントの役割は、クライアント企業のビジネス構造やニーズを理解して、最適なITソリューションを提案することにあります。
そのため、さまざまな産業分野や市場についてのビジネス知識が求められます。さらに、豊富なビジネス知識は、ITコンサルタントが市場価値を向上させるためにも重要です。
ITコンサルタントの仕事に役立つ資格
ITコンサルタントになるために、必須の資格はありません。しかし、ITコンサルタントの仕事に役立つ資格はいくつかあります。
ITコンサルタントの仕事に役立つ資格の具体例としては、ITストラテジストやITコーディネータ、中小企業診断士などが挙げられます。本章では、ITストラテジストやITコーディネータ、中小企業診断士について解説していきます。
関連記事:ITコンサルタントの資格16選をスキル別に紹介します
ITストラテジスト
ITストラテジスト試験は、情報処理推進機構(IPA)が実施する国家試験の一つで、春期に実施されます。この試験は、ITを活用した事業戦略の策定から提案、推進までを担う人材を対象としています。
試験に合格することで、その能力が証明され、企業のIT戦略をリードする重要な役割を果たすことが期待されます。試験の難易度は高く、ITスキル標準のレベル4に該当します。
関連記事:ITコンサルタントにプログラミングスキルは必要?具体例から解説
ITコーディネータ
ITコーディネータ試験は、特定非営利活動法人ITコーディネータ協会が実施する資格試験で、経済産業省の推進資格として位置づけられています。この試験は、企業のIT化を推進し、その支援を行う能力を証明するもので、合格率は50%から70%程度とされています。
ITコーディネータとして認定されることは、ITの専門家としての信頼性とスキルを証明する重要なステップとなります。
中小企業診断士
中小企業診断士は、中小企業の経営課題を解決するための専門家として、高い専門性とスキルが求められます。国家資格であるこの試験は難易度が高く、経営コンサルタントを目指す人の間で人気があります。
合格者は、企業の経営課題の改善提案や助言を行う能力を証明し、その結果としてコンサルタント業務における信頼性と信用性を高められます。この資格は、経営の専門知識を深め、中小企業の経営改善に貢献したいと考える人にとって、非常に価値のあるものとなっています。
ITコンサルタントになるには
ITコンサルタントになるには、どのような方法があるのでしょうか。ITコンサルタントになる方法としては、SEから目指す方法やITコンサルタントのいる企業に就職することが一般的です。
本章では、ITコンサルタントになる方法として、SEから目指す方法やITコンサルタントのいる企業に就職することを詳しく解説していきます。
関連記事:ITコンサルタントになるには?役立つ資格や向いている人の特徴とは
SEから目指す
SEからキャリアをスタートさせて、知識や経験を積んだ後にITコンサルタントを目指す方法もあります。SEからITコンサルタントへ転職する際には、面接で業務知識や過去のプロジェクトマネジメント経験などが問われるでしょう。
また、面接時のやり取りで、プレゼンテーション能力やコミュニケーション能力もチェックされると考えられます。これらのスキルを求める基準は、企業によって異なります。
関連記事:未経験からITコンサルタントになるには?書類選考・面接対策も解説
ITコンサルタントのいる企業に就職する
ITコンサルタントのいる企業に就職することは、ITコンサルタントになる近道ともいえます。ITコンサルタントが所属する企業は、上述したようにコンサルタント企業やSIerなどがあります。
大規模なプロジェクトを担当するようなコンサルタント企業では、ITコンサルタントとして必要なさまざまな経験を積むこともできるでしょう。
ITコンサルタントの年収
厚生労働省の職業情報提供サイト「jobtag(日本版O-NET)」によると、ITコンサルタントの平均年収は660.4万円(※3)となっています。
また、2024年3月19日時点でレバテックキャリアにて公開中の求人・転職情報のうち、ITコンサルタントで検索して表示されたデータ30件をもとにして、ITコンサルタントの想定平均年収を算出したところ約842万円でした。下限は300万円から上限は2000万円台の求人情報もありました。
以下では、ITコンサルタントの求人例をご紹介します。
【業界】
ITコンサルタント
【業務内容】
コンサルタントクラス
・業務ヒアリング(As-IS、To-BE業務フロー)、要件定義、設計、開発
・顧客対応、ミーティング資料作成/ファシリテーション
・最新技術の習得、チームメンバーへの情報共有
マネージャークラス
・アカウント/クライアントリード
・大手企業を顧客とするプライム案件のプロジェクトマネージメント
・次世代リーダ(ITコンサルタント、PM)の育成
【求められるスキル・経験】
コンサルタントクラス
・コンサルティング会社またはシステム開発におけるプロジェクトアサイン経験(2年以上)
・プログラミング能力、課題解決力
マネージャークラス
・コンサルティング会社またはシステム開発におけるリーダ経験(2年以上)
・コミュニケーション力、リーダーシップ力
【想定年収】
500~1,200万円
【福利厚生】
健康保険 / 厚生年金 / 雇用保険 / 労災保険 / 通勤手当 / 慶弔休暇 / 年末年始 / 有給休暇
【勤務地】
兵庫県
※3 引用元:「jobtag(日本版O-NET)」厚生労働省
関連記事:ITコンサルタントの年収が高い理由や転職活動のポイントを徹底解説
ITコンサルタントに関するよくある質問
ITコンサルタントの職業に関心がある方や、転職を考えている方は、ITコンサルタントについてのさまざまな疑問や質問を持つことがあります。よくある質問としては、ITコンサルタントの将来性やITコンサルタントに向いている人、ITコンサルタントはやめとけといわれる理由などがあります。本章では、ITコンサルタントに関するよくある質問について解説していきます。
Q1. ITコンサルタントの将来性は高いですか?
ITコンサルタントの将来性は明るく、企業のIT化推進に伴い需要は増加すると予想されます。IT人材不足により、貴重な職種ともされています。DXの高まりや企業の海外移転、業務自動化により、更なる需要の拡大が見込まれます。
Q2. ITコンサルタントに向いている人はどのような人ですか?
ITコンサルタントに向いている人は、論理的思考力と問題解決能力を持ち、新しいテクノロジーに対する好奇心が強い人などです。また、コミュニケーション能力も重要で、クライアントのニーズを理解し、ニーズを具体的なITソリューションに変換する能力が求められます。
関連記事:ITコンサルタントからの転職|転職先例や面接のポイント
Q3. ITコンサルタントはやめとけといわれる理由を教えてください
ITコンサルタントはやめとけといわれる理由としては、長時間の労働や新しい知識や技術を学び続けなくてはいけないことなどが挙げられます。その一方で、年収が高いことや幅広い知識やスキルを習得できるメリットもあります。
まとめ
本記事では、ITコンサルタントに興味があるエンジニアの方に向け、ITコンサルタントの将来性や業界が注目する領域、仕事内容や年収、求められるスキルについて解説しました。ITコンサルタントの将来性は、企業のIT化が推進されることで、需要が増加傾向にあり、大いに期待できる状況です。
ITコンサルタントは、最新のITサービスに関する知識や経営知識がある事が前提となるため、ITコンサルタントとして長く働いていくためには、常にトレンドを把握して知識をアップデートし続ける必要があります。
ITコンサルタントに興味がある方は、本記事を参考にITコンサルタントを目指してみてはいかがでしょうか。
関連記事:ITコンサルタントの志望動機の書き方|経歴や業界別の例文も紹介
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