アルゴリズムの効率的な勉強法は?おすすめのサイトや本、アプリも紹介

最終更新日:2024年7月10日

アルゴリズムとは「問題を解くための手順や、特定の処理の手順を定型化したもの」です。効率良く処理を行う手順として確立されているため、プログラミングにおいて活用されています。たとえば、ランダムに並ぶ数字をルールに沿って並び替える手順もその一つです。

アルゴリズムは効率的なプログラミングに不可欠なため、初心者からステップアップするための学習では必須です。一方で複雑な手順も存在し、難しく感じてプログラミング学習でのハードルとなる場合もあります。

本記事では、スキルアップのためにアルゴリズムを学習したいITエンジニアに向けて、アルゴリズムの概要や学習のメリット、タイミング、勉強方法や関連する資格について紹介します。

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この記事のまとめ

  • アルゴリズムとは、問題を解くための手順や、特定の処理の手順を定型化したもの
  • 学習タイミングは、プログラミングの初心者から中級者へステップアップするタイミングがおすすめ
  • アルゴリズムの学習にとって、知識のインプット後、動作のトレースやプログラムによる動作検証といったアウトプットが重要

アルゴリズムとは

アルゴリズムの概要と代表的な種類について解説します。

アルゴリズムと聞くと難しく、自分とは関係のないものだと思いがちですが、実は身近なところでも使われています。その事例についても紹介しますので、アルゴリズムについて知る取り掛かりとしてみましょう。

アルゴリズムの概要

アルゴリズムとは「問題を解くための手順や、特定の処理の手順を定型化したもの」です。

コンピューター上の処理を行うプログラムは命令の組み合わせで構成されています。プログラムに記載する一定の命令の組み合わせ(手順)を利用することで、特定の問題を解決する方法が確立されているものをアルゴリズムと呼びます。また、既に確立されたものだけでなく、これから作成するプログラムの処理手順として組み立てるものもアルゴリズムと呼ぶこともあります。

一つの問題を解決できるアルゴリズムは、実は一つではなく複数存在することも多いです。その場合、手順の少なさやコンピュータ上のメモリ使用量の少なさ、プログラムの記述の簡易さを勘案してアルゴリズムの選択を行います。これらの点で優れたアルゴリズムを利用することで、効率的に処理を行うプログラムが作成可能です。

また、既に確立したアルゴリズムを問題の解決に流用する場合も多くあります。確立したアルゴリズムを使うことで、バグを防ぐ・処理速度の向上といったソフトウェアの品質を高めることが可能です。確立したアルゴリズムの流用は、プログラムの再利用にあたりコスト削減にも繋がります。

アルゴリズムをプログラムや文章以外で表現する方法として、フローチャートや疑似コードなどの表現手法がよく利用されます。プログラムの設計者として他者とアルゴリズムを共有することを考えた場合、表現方法も習得が必要です。文章などの言葉による表現では冗長になり伝わりづらい内容も、各種の表現方法を利用することで他者との共有が可能となります。

プログラムの設計者や作成者は優れたアルゴリズムを知り、応用が効くように理解する必要があります。アルゴリズムを活用することで効率的でバグの少ないプログラム作成に活かせるためです。

フローチャートとは

フローチャートは手順やプログラム上の処理を四角や丸などの記号を使って表し、そのあいだを線でつないで表現する図です。図式化することで視覚的に流れを掴むことができ、アルゴリズムを理解しやすく表現できます。また、頭の中で形成中のアルゴリズムを、フローチャートとして書き出すことで考えを整理するのにも役立つ点もメリットです。他者とのアルゴリズムの共有を図る際にも欠かせません。

記法は複数存在しており、日本国内ではJISX0121で定められた記載などが一般的です。

擬似コードとは

疑似コードとは架空のプログラミング言語によって処理を記述する、アルゴリズムの表現方法の一つです。名前の通り特定のプログラミング言語ではなく、簡略化した疑似的なプログラミング言語のような記述により処理の流れや手順を表します。書き方や、記法には規格などもありますが、設計書とプログラムの中間のような記述をする事により、他者とアルゴリズムを共有できる表現となります。

データ構造とは

アルゴリズムと関連深い概念として、データ構造があります。

処理や手順の中で一時的に覚えておきたい内容(データ)は、プログラムでは変数などに格納して利用します。しかし、処理の内容によっては覚えておきたいデータにルールがある場合や、場合によって必要なデータの数が変わることなどもあり得ます。このような複雑なアルゴリズムを考える際には、データをどのように格納、配置するかが重要です。データの格納方法によって、アルゴリズムの処理効率が変わるため、データをどのような構造で保持するかは重要なポイントになります。

身近なアルゴリズムの例

特に意識していなくとも、身近なところでもアルゴリズムは利用されています。その事例として、Google検索、カーナビの経路検索について紹介します。

Google検索

検索サイトGoogleにて、キーワードを入力してGoogle検索の実行をすると、キーワードと関連する情報を持つWebサイト(URL)がランキングされて表示されます。この表示するWebサイトを探し、ランキング付けを行う際には、Googleの持つ独自のアルゴリズムが利用されています。

GoogleによるWeb検索のアルゴリズムの詳細な仕様は公開されておらず、また日々アップデートが加えられていると想定されています。キーワードとの関連性やコンテンツとの関連性、コンテンツの品質などの200以上の要素によりWebサイトを評価し、検索エンジン(プログラム)上で自動的に順位付けとデータの表示を行っているとされています。

カーナビの経路検索

カーナビは内部に道路の情報を持ち、入力された出発地点、到着地点までの経路をアルゴリズムにより探索して、表示します。最短距離や最短の到達時間、渋滞情報、有料道路の有無などにより経路選択のルールが変わるアルゴリズムが、カーナビ上のプログラムには実装されているのです。

アルゴリズムの種類

アルゴリズムにはさまざまな種類があり、対処する問題によって使用すべきアルゴリズムが異なります。中でも代表的なのが「探索アルゴリズム」「ソートアルゴリズム(並び替え)」「暗号化アルゴリズム」です。

探索アルゴリズムは、大量のデータの中から、特定のデータを探す際に使用されるアルゴリズムです。欲しいデータを効率的に特定できます。ソートアルゴリズム(並び替え)は文字通り、並び替えを行うアルゴリズムです。探索アルゴリズムとは異なり、特定のデータ抽出ではなく、大量のデータの並び替えを行う際に使用されます。暗号化アルゴリズムは、暗号化・復号化を行う際に使用されるアルゴリズムです。データに対してセキュリティをかける際に利用されます。

以下ではこれらのアルゴリズムについて、さらに詳しく解説します。

探索アルゴリズム

プログラムで自動化するような処理では、大量のデータを扱うことが多々あります。大量のデータのなかから、必要とするデータ、条件に合うデータを探すためのアルゴリズムが探索アルゴリズムです。探索アルゴリズムを使うことで、効率的に必要なデータを検索できます。探索アルゴリズムには、「線形探索」や「二分探索」といった方法などがあります。

ソートアルゴリズム(並べ替え)

大量のデータを扱う処理においては、その並び順も処理効率をあげるために考慮が必要です。データの並び順を整えるためのアルゴリズムが、ソートアルゴリズムです。並び替えに使うアルゴリズムは、「バブルソート」「クイックソート」「マージソート」などがあります。

暗号化アルゴリズム

セキュリティを考慮する場合に必要となるのがデータの暗号化です。この暗号化および復号化を行う際に利用するのが暗号化アルゴリズムです。大きくは公開鍵暗号方式と共通鍵暗号方式に分かれており、前者の代表的なものには「RSA」「ElGamal」、後者には「AES」「DES」などが挙げられます。

アルゴリズムを勉強するメリット

アルゴリズムを勉強するメリットとして、「プログラムの品質向上」や「問題解決力の向上」などが挙げられます。適切なアルゴリズムを利用することで処理速度が上がったり、少ないメモリ使用量で開発できたりプログラム自体の品質を上げられます。またアルゴリズムは複雑な問題を分解し、効率的な手順を設計するための道具のため、アルゴリズムを学ぶことで問題解決のスキルが向上し課題に対処する能力が高まります。

以下では、アルゴリズムを学習するメリットについて、さらに詳しく解説します。

作成するプログラムの品質向上と作業効率向上

プログラムを作成した場合、処理結果は同じでも、品質的な良し悪しが存在します。その判断基準となるのが、「処理速度」「メモリなどのリソース使用量」「開発効率」などです。そして、これらを高いレベルで実現するためには効率的なアルゴリズムの選択が必要となります。

アルゴリズムを身につけていれば、最適化したプログラムの作成が可能です。アルゴリズムを知らなければ、一から考えてプログラムを作らなければならず、品質も作業効率も低下してしまいます。

プログラミングスキルの向上

先人の作った品質の高いプログラムからアルゴリズムを学ぶことで、プログラミングスキルなどの自己の成長にも繋がっています。アルゴリズムをプログラムから学ぶことは、論理的な思考と効率的で可読性の高いプログラムの作り方を学ぶよい機会となります。

プログラムの設計を行う立場であれば、アルゴリズムを学習するメリットはさらに増します。プログラマーにどのようなアルゴリズムを適用するかを指示できれば、品質と開発効率を確保することが可能となるからです。

問題発生時の解決スピードが上がる

アルゴリズムを知ることはプログラムやシステム開発で発生する問題の解決にも一役買います。プログラムを詳細に追わなくとも、アルゴリズムを理解できていれば問題の発生した処理を想定することが可能なケースがあります。処理・手順を一般化したアルゴリズムを使ったプログラムであれば、ソースコードを読まなくともある程度内容の想像が可能です。

結果的に問題個所の特定と解決速度の向上に貢献するため、アルゴリズムを学んで損はないのです。

コードについての理解が深まる

プログラミングのスキル向上のために重要な学習方法の一つが、他者の書いたプログラムを読むことです。自分以外の人がどのように考えてプログラムを書いているかを読み取り、良い点を吸収していくことで自己の成長の糧にできます。

しかし、初心者にとって他人の書いたプログラムを読み取ることは簡単ではありません。プログラムが実現している内容に加えて、なぜこのような記述をしているのかという深い洞察まで行うには、多くの優良なプログラムとアルゴリズムに触れてその例を知ることが学習の近道です。プログラムへの深い理解につながるというメリットも、アルゴリズムを学習する目的の一つとなります。

プログラミングスキルが向上し、業務で利用するようになり、他者のプログラムを評価する立場となった際にも、アルゴリズムを学習した経験は活きてきます。プログラム上のアルゴリズムを読み取り、その意図や効率性を評価することは、プログラムの評価にも繋がるためです。

アルゴリズムの勉強を始めるタイミング

基本文法などを身につけるプログラミングの初心者のあいだは、アルゴリズムを使うほどの複雑な処理を記述する機会がありません。また、初心者のうちにアルゴリズムを学んだとしても、理解が難しいです。

アルゴリズムを学ぶタイミングとしては、基本的なプログラミングの記述ができるようになり、初心者から中級者を目指すときが一つの目安です。基本的な記述については理解しており、その上で自分で何らかの処理を作り上げる立場になったときにアルゴリズムの必要性、重要性に気づけるようになります。

アルゴリズムを学び、プログラム上で活かせるようになるのも初心者を脱したころです。アルゴリズムは自由にプログラムを動かせる環境を持った状態で学ぶほうが効率がよく、そういった理由でも初級者より中級者が学習するのに向いています。

初心者向けアルゴリズムの学習ステップ

初心者向けアルゴリズムの学習ステップ


プログラミング初心者が中級者になるタイミングでアルゴリズムを習得すると良いと紹介しましたが、実際にどのようなステップでアルゴリズムの学習を進めれば良いか分からないエンジニアも多いでしょう。やみくもに勉強を始めても、理解が進まず挫折してしまう可能性が高まります。以下では、アルゴリズムを段階を踏んで学習する際のステップについて説明します。

アルゴリズムの構造やルールをインプット

最初のステップはアルゴリズムを知ることです。Webサイトや書籍などを用いて、アルゴリズムについての説明をインプットしてみましょう。

文章だけの説明だとイメージが湧かず理解しづらいかも知れません。そのような場合には、アルゴリズムを表現した図や動画のついているコンテンツを使うことをおすすめします。視覚的なイメージによる理解の補助は、概要を掴む上で有効です。

アルゴリズムは手順なので、特定の構造やルールに従っています。まずは各アルゴリズムの構造、ルールを理解し覚えます。

アルゴリズムの構造やルールをインプットしてみたら、今度は頭の中や紙の上で実際にアルゴリズムに沿って処理をしてみるとより理解が深まります。ソートであれば並べ替えの処理をコンピュータに代わって1ステップずつ実行することで、アルゴリズムの有用性を実感できます。

プログラムを実際に作成

アルゴリズムを知った次のステップが、アルゴリズムを用いたプログラムを実装することです。プログラミング言語を用いてアルゴリズムを実装し、正しく動作することを検証します。

アルゴリズムという手順をプログラミング言語で書き換え、実際に動くプログラムとすることで、その有用性を実感できアルゴリズムへの理解も深まります。さらには、プログラミングの開発効率や品質の向上にも役立つことも理解できるでしょう。

一つのアルゴリズムをプログラムで実装できれば、類似するアルゴリズムの習得はスムーズになります。応用したアルゴリズムを考える際にも役立ちます。

一からプログラムの記述することが難しいようであれば、Web上のサンプルコードなどを参照してもよいです。この場合には、ただプログラムをコピーしてもスキルは身につきません。参照するプログラムの意味を理解して、実際に自分でプログラムを書き出すという利用の仕方をおすすめします。

資格試験でアルゴリズムの習熟度を確認

アルゴリズムについての学習をすすめたら、習得度合いを資格試験を用いて確認してみると、現状の分析につながり、さらなる学習を効果的に実施できます。定番のアルゴリズムの理解からその応用スキルまでが身についていることを確認しましょう。

資格試験に向けた学習により何度もアルゴリズムに触れられる点も理解度を深めるためには有用です。繰り返し取り組むことで、アルゴリズムを自分の一部のように使いこなせるようにしましょう。

具体的な資格試験については、本稿内の「アルゴリズムの勉強に役立つ資格」にて詳しく説明しています。

アルゴリズムの勉強方法

アルゴリズムを学習するには、さまざまな方法が用意されています。テキストや口頭だけでは理解がしづらいため、学習サイト、書籍、アプリケーションからそれぞれのよいところを利用して学ぶのがよいでしょう。各学習方法のメリットについて説明します。

なお、いずれの学習方法もインプットの手段として利用できますが、それだけでは学習は不十分です。頭の中や紙の上でアルゴリズムを動かしてみたり、プログラムとしてアウトプットする学習と組み合わせてご利用ください。

また、各学習方法において利用できる具体的なサイト、書籍、アプリケーションについては、おすすめの学習サイト、おすすめの書籍、おすすめのアプリケーションとして別項にまとめていますので、そちらを参照ください。

学習サイトを利用する

学習サイトを利用してアルゴリズムを学ぶメリットとして、自分のペースで学べること、ビジュアル情報が充実しており理解しやすいこと、サイトに接続できる環境ならどこからでも学べること、無料のサービスも多くコストを抑えられることなどがあります。

本・書籍で勉強する

書籍は持ち歩きが可能で、いつでもどこでも自分のペースで学ぶことができることがメリットです。コンテンツの選択肢も多く、自分のレベルや学びたいアルゴリズムによって選ぶことができることもポイントとなります。また、アルゴリズムを体系的に学習できる点も書籍での学習の特徴です。

アプリケーションを活用する

アプリケーションでアルゴリズムを学ぶ大きなメリットは、スマートフォンやタブレットがあればすぐに学べるところです。場所と時間を選ばず、隙間時間を有効活用して学習できます。アプリ化されていることで、楽しく飽きずに続けることができる点もメリットの一つです。また、動的なビジュアルで理解がしやすいこともアルゴリズムの学習と相性がよいといえます。

アルゴリズムの勉強におすすめの学習サイト

アルゴリズムの学習におすすめのWebサイトを紹介します。無料で利用できるものが多いため、気軽に学習に取り組んでみてください。

VISUALGO

VISUALGOアニメーションで視覚的にアルゴリズムを学習できるサイトです。英語圏(シンガポール国立大学の学生向けとして作成された)サイトではありますが、日本語にも対応しています。ソースコードとデータの動きを追うことができ、アルゴリズムの理解を深めることが可能です。無料で公開されています。

アルゴロジック

アルゴロジックは一般社団法人電子情報技術産業協会JEITAにより作成された、プログラミング学習のためのゲームソフトです。座学的な学習ではなく、体験ゲームという形で遊びながらアルゴリズムを学ぶことができます。楽しみながらアルゴリズムへの取り掛かりとして学習したい人におすすめのサイトです。

Coursera「アルゴリズム専門講座」

Coursera米スタンフォード大学の教授が始めたオンライン学習サービスです。提携する多くの大学の講義のオンライン配信を受けられます。英語圏の講義が多いですが、字幕も用意されています。その中にアルゴリズム学習のためのコンテンツも含まれています。たとえば、スタンフォード大学のアルゴリズム専門講座を受講可能です。

アルゴリズム入門

アルゴリズム入門はecb氏による個人のホームページ「目指せプログラマー」の一コンテンツで、アルゴリズムを図を用いて分かりやすく説明しています。この内容は後に『アルゴリズム入門―プログラミングの考え方がわかる』(工学社、石橋 亨)として書籍化されているのですが、現在もWeb上では無料で参照することが可能です。アルゴリズムとフローチャートを基礎的な部分から段階的に説明しているため、アルゴリズムの入門として取り組むのに適しています。

一週間で身につくアルゴリズムとデータ構造

一週間で身につくアルゴリズムとデータ構造はシフトシステム株式会社が公開しているWebサイトでテキストと図、コード(C言語)によりアルゴリズムについての学習ができるコンテンツです。入門編、基本編、発展とステップが分けられており、各ステップ内を1週間で学習できるようにコンテンツが分割されています。学習量もコントロールできるため、段階を追って一定のペースで学習したい方におすすめです。

AtCoder

AtCoder(アットコーダー)は「競技プログラミング」のコンテストを開催しているWebサイトです。「競技プログラミング」と聞くと初心者にはハードルが高いように感じますが、コンテストには初心者から中級者向けのものもあるので参加しやすいです。コンテストに参加することで現時点でのスキルレベルを確認できるので、今後の学習方針を定められます。またコンテストで出題された問題はコンテスト終了後に解説スライドの公開と解説放送が行われるため、すぐに復習できます。コンテストの開催時間は決まっているため参加が難しい方や過去の問題を見てから参加を決めたい方には過去問も公開されているため、過去問を使った学習も可能です。

また初学者を対象に学習サービスや練習問題も用意されているため、先にこちらを学習してある程度の知識を身につけてきたら、コンテストを受けてみるのも良いでしょう。

AtCoderは上記すべてが無料で利用できるため、初心者から上級者までおすすめのサイトです。

アルゴリズムの勉強におすすめの本・書籍

アルゴリズムの学習におすすめの書籍について紹介します。アルゴリズムの説明に特化した書籍とプログラミング言語を前提とした書籍を紹介していますので、自分の学習スタイルに合わせて選択してください。

『アルゴリズム図鑑 増補改訂版 絵で見てわかる33のアルゴリズム』

『アルゴリズム図鑑 増補改訂版 絵で見てわかる33のアルゴリズム』(翔泳社、石田 保輝、 宮崎 修一)はアルゴリズム学習のためのアプリアルゴリズム図鑑を書籍化したものの改訂版です。

独学でアルゴリズムを学ぶ人に向けて作られており、イラストとフルカラーにより視覚的にアルゴリズムを理解できます。視覚的にイメージすることで、はじめてのときは覚えやすく、思い出すときにもその取り掛かりとできます。

『Pythonで学ぶアルゴリズムの教科書 一生モノの知識と技術を身につける』

『Pythonで学ぶアルゴリズムの教科書 一生モノの知識と技術を身につける』(インプレス、廣瀬豪)はITエンジニアの必須知識である王道のアルゴリズムを学べる書籍です。

プログラミング言語Pythonを用いて各種のアルゴリズムを、サンプルプログラムを動かしながら学習することができます。人気と需要のある言語と、言語を問わず共通なアルゴリズムの両者が学べるため、Pythonでプログラミングを学んだ初心者から中級者となるレベルの人に特におすすめです。

アルゴリズムの勉強におすすめのアプリケーション

スマートフォンやタブレット向けのアプリケーションから、アルゴリズム学習におすすめできるものを紹介します。対応環境については、GooglePlayとAppstore、Amazonの2024年4月時点の配信状況より記載しています。

Lightbot

Lightbotはロボットの操縦パズルゲームによりアルゴリズムを学べるアプリです。無料版の一時間程度で遊べる「LightBot : Code Hour」と有料版の「Lightbot : Programming Puzzles」があります。レーティングは3歳以上となっていますが、子供から大人まで楽しめる歯ごたえのある難易度で、プログラミングに必要なアルゴリズム、ロジックへの理解を深めることができます。

2024年4月時点ではAmazonでLightbot : Programming Puzzlesのみ販売されているようです。

アルゴリズム図鑑

アルゴリズム図鑑はアニメーションによりアルゴリズムを解説してくれるアプリです。学習モードではアルゴリズムを解説してくれ、実験モードではアルゴリズムの動きを確かめることができ、両面からアルゴリズムに関する理解を深めてくれます。アニメーションで視覚的にアルゴリズムを捉えられる点が特徴となります。

2024年4月時点ではGooglePlay、Appstoreより配信が行われており、無料で利用開始できます。一部コンテンツはアプリ内課金がある形式です。書籍のアルゴリズム図鑑もこちらのアプリが元となって発行されたものです。

アルゴリズムの勉強に役立つ資格

アルゴリズムを勉強するにあたって、資格取得を目指すと学習のモチベーションになります。ITエンジニア関連の資格は、出題範囲にアルゴリズムの範囲を含んでいるものも多いです。

アルゴリズムの学習に特におすすめの資格が「基本情報技術者試験」「応用情報技術者」「アルゴリズム実技検定(PAST)」です。以下ではこれらの資格について、詳しく説明していきます。

基本情報技術者試験

基本情報技術者試験は独立行政法人情報処理推進機構(IPA)によって実施されている国家資格試験で、若手IT技術者にとって取得が推奨されている資格の一つです。システム開発の基礎的な知識を全般的に取り上げており、アルゴリズムについても幅広く出題されます。エンジニアを目指す人が、最初に取得すべき資格といえます。

アルゴリズムについては、疑似言語によるプログラミングの問題で出題されるため、プログラミングスキルと合わせて習得していることが求められます。

応用情報技術者試験

応用情報技術者試験は、こちらもIPAにより運営される国家資格試験で、基本情報技術者試験の上位試験にあたります。応用情報技術者試験の出題範囲にもアルゴリズムが含まれており、資格の勉強をしながらアルゴリズムについての理解を深めることができます。また、システム開発に関するより高度な知識を問われますので、基本情報技術者試験を取得した後に挑戦すると良いでしょう。

アルゴリズム実技検定(PAST)

アルゴリズム実技検定は、世界最高峰の競技プログラミングコンテストサイト AtCoderを運営するAtCoder株式会社が運営する実技検定です。その特徴は、ほかの試験とは違い選択式の問題ではなく、実際にプログラムを記述してその実行結果が能力の判定基準となることです。アルゴリズムの知識と論理的な思考力、プログラミングスキルが必要な高度IT人材向けの資格です。

アルゴリズムに関するよくある質問

アルゴリズムに興味がある人や習得を検討している人は、「アルゴリズムとは何か」や「アルゴリズムを勉強するメリット」などについて気になりがちです。また、アルゴリズムを学習するにあたって、おすすめの学習サイトなどを知りたいことが多いです。以下では、アルゴリズムに関するよくある質問と回答をまとめました。アルゴリズムを学習する参考としてご活用ください。

Q1. アルゴリズムとは何ですか?

アルゴリズムとは「問題を解くための手順や、特定の処理の手順を定型化したもの」です。たとえば、ランダムに並んだ数字を大きい順に並べ替える際の手順もアルゴリズムといえます。

アルゴリズムの考え方はプログラム設計、作成で活用されるため、プログラミング学習に欠かせない要素の一つです。

Q2. アルゴリズムを勉強するメリットは何ですか?

アルゴリズムを学習することで、プログラミングスキルを高められます。結果として得られるメリットには、下記があげられます。

  • ・作成するプログラムの品質向上と作業効率向上

    ・プログラミングスキルの向上

    ・問題発生時の解決スピードが上がる

    ・コードについての理解が深まる

Q3. アルゴリズムの学習におすすめのサイトはありますか?

おすすめのサイトとして、下記があげられます。詳しくは本記事内で紹介しているため、そちらを参照してください。

Q4. アルゴリズムを考えるにあたって必要なことは何ですか?

アルゴリズムを考える際には、下記を整理・把握して考えることが必要です。

  • ・何をやりたいのか

    ・どのような情報が必要なのか

    ・情報はどのように保存するのか

    ・何ができるのか

    ・どのような順番で行うのか

これらの要素を論理的思考を持って組み合わせることで、さまざまな問題を解決するアルゴリズムを考えられます。

まとめ

プログラミングにおいて、問題解決のための手順であるアルゴリズムを使う機会は少なくありません。プログラムの設計や製造を行うエンジニアにとって、効率的かつ高品質なプログラム作成に向けて、アルゴリズムは重要な知識です。プログラミングの初心者を脱し、次のレベルに進むために必要なステップとも言えます。

アルゴリズムは複雑な手順や処理であることが多く、理解につまづく人もいるでしょう。学習には視覚的な情報を利用することで、理解と知識の浸透が図りやすくなります。書籍、学習サイト、アプリなどを活用して、実際に活かせる知識として習得しましょう。

また、インプットだけでなくアウトプットを行うことで知識を深め、定着が図れます。頭の中や紙の上でアルゴリズムに沿った処理を行ってみたり、実際にプログラムを作成し、動作検証も合わせて行ったりすることをおすすめします。

さらには、合わせてフローチャートや疑似コードによるアルゴリズムの表現方法も身につけておくと良いでしょう。アルゴリズムを整理することができ、プログラム設計に役立てられます。プログラムを作成するプログラマーや各種ITエンジニアが業務で設計書を作成する際にも活用する表現です。

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