ITコンサルタントへの転職は未経験でも可能!
ITコンサルタントへの転職は、未経験からでも可能です。同じITコンサルタントでも転職でアピールする強みは人によって異なります。たとえば開発経験で培った知見を武器にしている人もいれば、語学力を武器にしている人もいます。幅広いスキルや経験があった方が有利ですが、自分のスキルや経験に合わせて戦略を考えられる職種です。
またITコンサルタントにもポテンシャル採用があります。第二新卒までであれば、ポテンシャル採用枠を狙えるでしょう。それ以降の年齢では、未経験であっても何らかのビジネス分野における、業務知識・経験が必須です。
未経験者が知っておきたいITコンサルタントの基礎知識
ITコンサルタントとは、企業の要望に応じてシステムのコンサルティングを行い、ITを通じて経営や業務の改善につながるシステムの立案・提案をして課題の解決を図る職業です。ほかのコンサルタント職との違いは、どのようなシステムを構築すれば課題解決を図れるのかについて考える必要があるため、IT全般にわたる幅広い知識が求められる点です。
ITコンサルタントの仕事内容は、クライアントの経営課題を解決するために、ITを活用した経営戦略やシステムの導入などを提案をすることです。実際の業務では経営戦略の策定やシステムの提案、システム設計から開発・導入支援までの一連の業務を請け負うケースまたは、その一部を請け負うケースがあります。
ITコンサルタントの1日の業務の流れ
ITコンサルタントの業務内容は参画しているプロジェクトによって異なります。そのためすべてのITコンサルタントが同じような業務を行っているわけではないですが、よくあるITコンサルタントの1日の業務の流れを紹介します。
始業直後:基本的にクライアントの就業時間に合わせて始業します。始業直後はメールのチェックや返信、タスクの確認・準備をします。
午前中:自社内の打ち合わせに参加します。午前中の打ち合わせではプロジェクトの進捗確認が行われることが多いです。打ち合わせが終わり次第、クライアント業務に従事したり、午後の打ち合わせに向けて資料作成を行ったりします。
昼休み:昼休みは業務時間ではないため人によって異なりますが、プロジェクトメンバーやクライアントとのコミュニケーションを兼ねて、ランチに出かける人が多いです。人によっては情報収集を行ったり、午後の準備時間に充てる場合もあります。
午後:クライアントとの打ち合わせを行い、業務課題の確認や改善案の提案などを行います。既にプロジェクトが発足している場合には進捗状況の報告や課題の共有なども行います。打ち合わせ以外の時間では顧客業務に関わる情報の調査や翌日に使用する資料の作成などです。退勤前に進捗状況をチェックし、問題がないことを確認してから退勤します。
退勤後:ITコンサルタントは対応するクライアントの業務内容理解やプロジェクトを進める上で必要となる技術的知識などを身につける必要があるため、退勤後にクライアント業務の勉強や技術的スキルの学習をする人も多いです。また社内で有志による勉強会も多々実施されているため、スキルアップのために参加する人も少なくありません。
ITコンサルタントとSEとの違い
システムエンジニアは、主にシステム要件定義から基本設計、詳細設計、テスト設計などの工程を担当する職種です。システム要件定義よりも上流の「業務プロセス分析」や「Fit-Gap分析」「経営課題のヒアリング」などは行いません。
一方、ITコンサルタントはシステム要件定義より上流の、これらの工程を担当します。
未経験からITコンサルタントに転職するために
未経験からITコンサルタントに転職するには、選考対策が必要です。主な選考対策は、書類選考や面接でアピールすべきポイントの理解や、転職理由・志望動機の適切な作成などが挙げられます。
また、キャリアパスに関しても把握しておくと良いでしょう。ここでは、未経験からITコンサルタントに転職するためにアピールすべきポイント、キャリアアップのルートなどをご紹介します。
関連記事:ITコンサルタントになるには?役立つ資格や向いている人の特徴とは
書類選考でアピールすべきポイント
未経験からITコンサルタントに転職するには、書類選考で落とされないようにしなくてはいけません。未経験者の場合は、語学力やIT関連の知識・資格などをこれまでの業務経歴とあわせたアピールが重要です。以下では、書類選考でアピールすべきポイントを解説します。重要なポイントを抑えることで、採用担当者の目に留まりやすくなるでしょう。
語学力
ITコンサルタントには英語などの語学力が求められることがあります。特に英語の使用機会が多い外資系企業では、業務を円滑に進められるだけの英語力が必要です。TOEICのスコアや英検などの資格に合格していれば、積極的にアピールしましょう。
IT関連の知識・資格
ITコンサルタントにはITの知識が必要です。今までSEやプログラマーなどの仕事をしてきた方は、ITの知識を積極的にアピールしましょう。未経験ながらもITに関する資格を所有している方に対しては、ITコンサルタントになろうとする意欲を評価してくれる企業もあるでしょう。
面接対策でアピールすべきポイント
面接対策は十分に準備を行い、採用担当へアピールポイントが伝わるようにしましょう。ITコンサルタントとして未経験の場合、質問に対する受け答えの仕方で印象も大きく変わります。
面接でアピールすべきポイントは、論理的思考力やコミュニケーション力です。また、体力や精神力、向上心が高いこともアピールできると効果的です。以下では、面接対策でアピールすべきポイントについて解説します。
関連記事:ITコンサルタントからの転職!辞めたい理由やおすすめ転職先を紹介
論理的思考力
ITコンサルタントには論理的思考力が欠かせません。ITコンサルタントに必要なさまざまなスキルを身につけるためのベースとしてのスキルが、論理的思考力だからです。仕事だけでなく日常生活においても、物事を構造化して論理的に考える習慣を身につけておくと良いでしょう。
面接対策としては、面接官に聞かれた質問のポイントを押さえて適確に結論を述べることが重要です。聞き取りやすい言葉ではっきり話すことも大切です。
コミュニケーション力
クライアントはもちろんのこと、チームメンバーと協力しながらプロジェクトを進めていく仕事になるため、ITコンサルタントはコミュニケーション力も必要です。面接時には「この人なら一緒に仕事がやりやすそうだ」と思われるように、質問に対して回答するようにしましょう。
体力・精神力
コンサルタントという職種はときに体力や精神的な負荷が掛かります。そのためIT系のイメージとは少し異なりますが、体力や精神力が評価される企業も多いです。面接時には、過去に直面した苦難に対して、どのように乗り越えてきたのかアピールできると効果的でしょう。
向上心
ITコンサルタントには、自己研鑽と成長への意欲は欠かせません。採用面接でも「成長するために現在どのような学習をしているか」や「ITコンサルタントとしての自身のスキルに何が足りないと感じており、そのギャップを埋めるためにどのような努力をしているか」といった質問に対する回答が求められます。このような場面では、向上心があることをアピールしましょう。
IT全般の知識
ITコンサルタントにはIT全般の知識が必要です。ITコンサルタントはクライアントの課題解決に役立つITシステムを提案するのが仕事です。十分なIT知識を持っていないと、技術を活用してどのようなことを実現できるのかが分からず、提案するのが難しくなってしまいます。そのためプログラミングやハードウェア・ソフトウェア・ネットワーク・セキュリティといったITの知識を幅広く身につけていることがアピールできると効果的です。
またIT技術は日々進歩しており、既存の技術よりも新しい技術の使用により実現できることが増えたり、より良いシステム開発を行えたりする場合があります。最新技術の利用は開発工数の削減や品質の向上に繋がるケースもあるので、最新技術を抑えている点もアピールの材料になるでしょう。
マネジメントスキル
プロジェクトが発足したら、ITコンサルタントはマネージャーとしてさまざまなプロジェクト業務に携わります。最初は予算の見積もりから必要な人員を調達、プロジェクトのスケジュール策定などが主な仕事です。プロジェクトが本格的に動き始めたらスケジュールの管理や品質管理、場合によってはメンバーのサポートを担う場合もあります。また予想外のトラブルが発生したときは、対応内容の変更やスケジュールの延伸などクライアントへの交渉も必要です。
上記の業務をスムーズにこなすには、トラブルやリスクに対応できるような課題解決力やプロジェクトメンバーをまとめられるリーダーシップといったマネジメントスキルが求められるため、過去の経験でトラブルを解決したエピソードやリーダーシップを発揮した場面などを伝えられると高評価に繋がります。
情報収集力
ITコンサルタントには情報収集力も必要です。IT技術は日々進歩しており、新しいコンサルティング手法が次々と生まれています。古い技術や手法しか持たないITコンサルタントは、そのタイミングに合わせた最適なITシステムの提案が難しくなります。そのため常にIT知識や技術、コンサルティング手法などについて情報を収集し続けることが必要です。
またITコンサルタントは参画するプロジェクトのクライアント業務知識も身につける必要があります。クライアント業務を理解していないと、業務改善案の提案やシステムを構築する上での必要となるフローを適切にシステムに盛り込めないからです。そのためクライアントの業務領域についても常に情報を収集する必要があります。
以上のことからITコンサルタントはITの技術・知識やコンサルティングの知識、クライアントの業務知識など多くのことを身につける必要があるため、IT知識であれば最新技術を追っているなど情報収集力をアピールできると効果的です。また転職者の場合には、現職の業務内容に精通していれば配属先で即戦力となると期待される場合もあるため、現職の業務内容を詳しく理解している点もアピールに繋がります。
ケース面接への対策もしておくべき
ITコンサルタントの転職においては、ケース面接が実施されることがあります。主にコンサルティングファームで用いられる採用手法で、時事問題や社会問題などをテーマにお題が出され、その場で解決策や打ち手を面接官に提示する必要があります。
企業ごとにテーマの傾向などは異なりますが、共通しているのは答えの正誤よりも答えに至った過程(論理的思考力)が重要であるという点です。最初は難しく感じても、場数を踏むことで徐々に思考が鋭くなるでしょう。
転職理由・志望動機の作り方
採用面接時には、ITコンサルタントへの転職理由や志望動機について、ほぼ確実に質問されるでしょう。基本的には、自分自身の意見を率直に伝えれば問題ありません。特にITコンサルタントは高収入な仕事なので、収入を上げるためという動機でも、十分に説得力があります。ただしどのような理由であれ、論理的に分かりやすく伝えられるためのコミュニケーション能力が求められます。
また現在、SEの仕事をしている方にとって、ITコンサルタントへの転職は上流工程に携われる仕事として、非常に魅力的です。これまでのSEとしての経験を活かして、さらにステップアップするためにITコンサルタントになりたい、という理由も効果的です。もちろんITコンサルタントとして、顧客へ貢献しようとする意思を明確に持っていることが前提となります。
関連記事:ITコンサルタントの志望動機の書き方!経歴や業界別の例文も紹介
プライベートと両立したい
人材不足が原因で業務量が増加することは、IT業界では珍しくありません。特にSEの仕事では、予期せぬ仕様変更や追加機能の要求が多く、厳しい納期も相まって、ときには過密なスケジュールになる場合があります。
このような状況から、仕事とプライベートのバランスを求めて、ITコンサルタントへの転職を検討する人もいます。そのような場合は、転職理由や志望動機に「プライベートと両立したい」ことを明確に伝えるようにしましょう。
より見聞を広めたい
ITコンサルタントの役割には、企業が直面する問題を解決するためのシステムソリューションを提案する業務が含まれています。また、ITコンサルタントはプロジェクト全体を包括的に把握し、高い視点からの業務遂行が可能です。
この大局的な視野を持って仕事をすることに魅力を感じる人は、「より見聞を広めたい」という点を転職理由や志望動機として強調すると良いでしょう。
経営戦略に携わりたい
ITコンサルタントの主な仕事は、クライアントのビジネス上の課題を克服するためにITを活用した解決策の提案です。経営層の意思決定に貢献し、戦略立案に積極的に関与したいと望む人にとって、ITコンサルタントは適職といえます。このような動機を持つ人は、転職理由や志望動機に「経営戦略に携わりたい」と明確に伝えるようにしましょう。
ITコンサルタントへのキャリアパス
ITコンサルタントへキャリアアップを目指す職種としては、プログラマーやSEなどが中心です。プログラマーやSEの場合、まずはシステム開発の下流工程から担当して、徐々に要件定義などの上流工程を経験し、プロジェクトマネージャーなどを経てからITコンサルタントを目指すケースが多いでしょう。
また非IT業界出身者の場合、経営企画やシステム企画、事業企画などの経験を活かしてITコンサルタントへのキャリアアップを図るケースがあります。非IT業界出身だと、以前に関わっていた業界の知識を活かしたITコンサルタントになれるため、同業種の顧客からの業務に対して、具体的で的確な提案ができる点が大きなメリットです。
関連記事:ITコンサルタントのキャリアパスの描き方は?年齢別の転職市場価値
そもそもITコンサルタントとは
ITコンサルタントは、「ITを使って企業の経営課題を解決する」ことが仕事です。論理的思考能力はもちろんのこと、広範で深い専門知識や俯瞰的な視点、コミュニケーション能力が求められます。
ここでは、改めてITコンサルタントの仕事内容やITコンサルタントの業種・職種、SEとの違いについてご紹介します。
ITコンサルタントの仕事内容
ITコンサルタントの業務内容は非常に幅が広く、勤めている企業や部署によって大きく異なります。基本的にはITを活用したIT戦略コンサルティングやITデューデリジェンス、マネジメント支援、ERPやCRMなどのパッケージの導入、RPAやAIなどの最先端技術の開発支援などです。次からはITコンサルタントの職種別の仕事内容をご紹介します。
関連記事:ITコンサルタントとは?仕事内容や必要なスキル・年収を紹介
未経験入社からの研修・仕事内容の例
未経験で入社すると、まずはコンサルティング全般の基本的なスキルや、ロジカルシンキング、仮設思考などのさまざまな知識を身につけるための研修を受けます。それらの研修と並行して、OJTとして実際のITコンサルティング業務も行います。
ITコンサルタントの業種
ITコンサルタントは、その専門分野によって業種を分けられます。ITコンサルタントの業種には、ビジネスアナリストやパッケージ導入コンサルタント、PMOなどがあります。以下では、ITコンサルタントの業種を解説します。それぞれの業種で求められる能力も併せて紹介するので、ご自分に合った求人を探してみてください。
ビジネスアナリスト
「ビジネスアナリスト」は、ビジネス上の問題が起きたとき、経営戦略を分析し、問題解決のための改善案を提示します。顧客と向き合って要望を聞き出すため、コミュニケーション能力の高さが求められます。また、会社の数字や状況をもとに問題点の仮説を立てていく、論理的思考力も必要です。
パッケージ導入コンサルタント
「パッケージ導入コンサルタント」は、ERP、SCM、CRMなどのソフトウェアパッケージを提案し、システムの設計・構築・導入までを担当します。新しいパッケージの導入は、多くの部門や人に納得してもらう必要があり、粘り強い交渉ができる人が向いています。
PMO(プロジェクトマネジメントオフィス)
「PMO」は「Project Management Office」の略で、プロジェクトの進捗管理など、マネジメント業務を行い、プロジェクトを円滑に進めるためには欠かせない存在です。プロジェクトの全体像を俯瞰的に見ることのできる人が向いています。また、プロジェクトチームだけでなく、ほかの企業と関わる機会が多いです。
ITコンサルタントの職種
ITコンサルタントは、より細かな職種に分けられます。具体的な仕事内容を紹介します。
関連記事:ITコンサルタントに必要なスキルを基礎・領域別に紹介
IT戦略コンサルティング
IT戦略コンサルティングでは、企業の経営層から経営戦略をヒアリングし、その実現に必要なIT投資計画の策定をサポートします。このIT投資は業界・業態を問わず重要課題として位置付けられています。
経営戦略の実現に対して、「既存システムの刷新(リプレイス)」「新技術を導入した新規構築」「既存システムの一部流用と改修」など、打ち手のパターンを提案し、同時にそれぞれのパターンの費用対効果や、具体的な実行スケジュールの策定も支援します。また、業務プロセスや組織の変革についても、改善案を提示することになるでしょう。
名称が似ている職種として「戦略コンサルタント」があり、こちらは「ITを含めた経営戦略全般」に関わる仕事です。
ERPコンサルティング
ERPとは、Enterprise Resources Planningの略語であり、日本語では基幹系情報システムを指します。経営資源である「人・モノ・カネ・情報」を適切に活用するためのシステムであり、ERPコンサルティングとは、ERPをパッケージソフトとして導入して、顧客の課題を解決する仕事です。
CRMコンサルティング
CRMとは、Customer Relationship Managementの略語であり、日本語では顧客関係管理を指します。業務における顧客との適切な関係の構築と維持をしていくことであり、コミュニケーション戦略やチャネルの最適化などが主な業務です。CRMコンサルティングとは、ERPコンサルティングと同様に、CRMをパッケージソフトとして導入して、顧客の課題を解決します。
SCMコンサルティング
SCMとは、Supply Chain Managementの略語であり、日本語では供給連鎖管理を指します。主に製品の仕入から販売までの流れをサプライチェーンと呼び、そのプロセスを最適化することが、SCMです。SCMコンサルティングとは、サプライチェーンの最適化を提案し、ITの導入により課題の解決と収益の改善を推進する職種です。
RPAコンサルティング
RPAコンサルティングとは、Robotic Process Automationの略語であり、日本語では作業の自動化を指しています。近年注目を集めている分野であり、さまざまな自動化ツールを導入して、顧客のビジネスの効率化を推進させる仕事がRPAコンサルティングです。
AIコンサルティング
AIコンサルティングは、AI(人工知能)を活用したコンサルティング職です。顧客業務への深い理解に加えて、最先端のAIやITの知識や技術が求められる、高度なコンサルティング業務です。AI分野は、今後発展が見込まれる分野であるため、将来性もある職種といえます。そのため、AIに関連する学習や情報収集が日常的に欠かせません。
ITコンサルタントの年収相場
ITコンサルタントの年収は、勤める会社、担当するプロジェクト、そして業務の成果に応じて、個々の給与に大きな差が生じることがあります。厚生労働省による職業情報提供サイト(日本版O-NET)によると、2024年6月26日時点のITコンサルタントの平均年収は684.9万円です。
IT業界全体を見ても、高い水準であり、年収アップを狙う転職としては、非常に魅力的といえるでしょう。
関連記事:ITコンサルタントの年収が高い理由や転職活動のポイントを徹底解説
外資系ITコンサルと日系ITコンサルの違い
ITコンサルティング会社は、外資系と日系の2つに分類されます。外資系ITコンサルは、基本的に成果主義が採用されています。これはITコンサルタントとしての生産性や実績を基に評価される人事制度であり、常に効率を探求して業務にあたることが重要です。
一方、日系ITコンサルでは、基本的に年功序列を採用しています。これは日系ITコンサル会社がITコンサルタントの長期育成を目的としているためです。人材育成を目的とした社内研修やOJTも充実しています。
ただしこれらの外資系ITコンサルと日系ITコンサルの違いは、あくまでも傾向といえるレベルであり、実際には会社ごとによって詳細な制度は異なります。ITコンサルティング会社への転職の前に、希望する会社の風土や評価制度をしっかりと調査しておきましょう。
未経験でのITコンサルタントの年収
2024年6月時点でレバテックキャリアにて公開中の求人・転職情報のうち、職種「ITコンサルタント」・キーワード「未経験」で検索して表示されたデータ30件をもとにして、未経験でのITコンサルタントの想定平均年収を算出しました。未経験でのITコンサルタントの平均年収は約562万円です。下限300万円、上限は1,500万円を超すような求人例もありました。
ただし、一般的に未経験で1,500万円の求人に内定をもらえる可能性は非常に低いです。特殊なスキルを持っていない方は、500万円前後になる可能性が高いことをおさえておきましょう。
ITコンサルタントの未経験可求人の例
レバテックキャリアのITコンサルタント求人データより、未経験可のITコンサルタント求人の例を紹介します。基本的に他エンジニア職の経験者や他分野のコンサル経験者(ITコンサルタントは未経験)向けです。
品質保証コンサルタント/品質保証リーダー
【業界】
・IT・通信
・通信/ソフトウェア/インターネット
【業務内容】
・お客さまのシステム開発/運用で、品質を保証するための計画立案や助言、コンサルティング
※エンドユーザが利用する際にスムーズに利用できるということを念頭に置き、さまざまな業務を行います。プロジェクトのフェーズや規模により、参画方法や立場はさまざまです。
・テスターやQAエンジニアの統括
・実際の検証方法の検討
※実現可能なコンサルティング提案や計画の提案ができます。
【応募要件】
・経営一般に関する知識
・ITが経営にもたらす影響に関する知識
・ITの最新技術動向(IoT、ビッグデータ、AI)に関する知識
・特定の業務に関する知識(金融、物流、製造など)
・導入対象パッケージ、ソリューションに対する知識
<マインド>
・社内外問わず、積極的にコミュニケーションを図れる方
・チームで働くことに抵抗のない方
・長く安心してキャリアを築ける会社を探している方
・仕事とプライベートを両立させたい方
・まじめにコツコツ努力ができる方
・新しい技術を積極的に学びたい方
【想定年収】
450~650万円
SAP ERP導入コンサルティング
【業界】
・IT/通信
・ソフトウェア
・サービス
・コンサルティング
【業務内容】
・ERPプライム案件の獲得に向けたシステム提案活動
・SAP ERP導入と保守の実施
フレキシブルな発想でクライアント企業のイノベーションを支え、システム価値の最大化を目指していただきます。
【応募要件】
・SAP ERP導入プロジェクトリーダー経験(PP/MMモジュール)
・SAP ERP導入コンサルティング経験(PP/MMモジュール)
・上流工程にチャレンジしたい方
・大きな目標に向かって、地道に努力し続けられる方
・豊かな創造力と柔軟性を備えている方
・良好な人間関係を築けるオープンマインドの方
・物事を最後までやり抜く強い責任感をお持ちの方
・強い学習意欲と上昇志向をお持ちの方
【想定年収】
350~800万円
BI・ERPアプリの技術支援
【業界】
・IT/通信
・ソフトウェア
・サービス
・コンサルティング
【業務内容】
・SAP BW/SAP BusinessObjects/QlikViewなど、まざまなビジネスインテリジェンス(BI)/アプリケーションによる意思決定/情報活用基盤の構築
・BIアプリケーションの技術支援ならびに製品コンサルティング
・情報系システムの基盤となるデータウェアハウスの構築
・BIアプリケーションのインフラ構築
【応募要件】
経験
・業務システムの構築(目安:2年前後)
・SQL言語もしくは何かしらの開発言語による開発
マインド
・責任をもって業務を完遂できる方
・IT業界で更なるキャリアを積んでいきたいという意欲をお持ちの方
・傾聴力もしくは表現力が高い方
・協調性のある方
・将来的にチームリードを経験していかれたい方
【想定年収】
350~800万円
ITコンサルタントに求められる知識とスキル
IPA(独立行政法人 情報処理推進機構)によると、ITコンサルタントに求められる知識やスキルは以下のとおりです。
ITコンサルタントに求められる知識
・経営一般に関する知識
・ITが経営にもたらす影響に関する知識
・ITの最新技術動向(IoT、ビッグデータ、AI)に関する知識
・特定の業務に関する知識(金融、物流、製造など)
・導入対象パッケージ、ソリューションに対する知識
ITコンサルタントに求められるスキル
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・顧客要求を認識し、IT投資戦略やシステム企画に反映させるスキル
・顧客のビジネス、業務、情報システムを抽象化し、そこから機能モデルへ落とし込む能力
・現状のシステムを調査し、分かりやすく文書化する能力
・プロジェクトチームを編成とマネジメントする能力
・業務プロセスやデータを分析し、モデル化(型としてまとめる)する能力
ITコンサルタントは、SEやPGのように手を動かし、設計・実装を行うわけではありません。一方で「どうすれば経営課題を解決できるか?」「顧客要求をクリアするには何が必要か?」を常に考え、周囲に伝えていく必要があります。
そのためには「経営とITに関する知識」「企画力」「創造力」「文書化スキル」「モデル化スキル」はもとより、「マネジメントスキル」や「コミュニケーションスキル」も必須といえるでしょう。
関連記事:ITコンサルタントに必要なスキル
大規模Webサービス開発のスキルもあると良し
大規模なWebサービスやアプリケーションサイトの開発や支援は、ITコンサルティングの業務として高い需要があります。近年ではクラウドの普及なども相まって、Webサービスの技術面の支援に加えて、戦略面や活用面でのコンサルティングができることは、ITコンサルタントとしての必須条件ともいえるでしょう。そのようなスキルのベースになるのが、Webサービスやアプリケーションサイトの開発スキルです。
関連記事:ITコンサルタントにプログラミングスキルは必要?具体例から解説
ITコンサルタントに役立つ資格
ITコンサルタントに求められる知識やスキルは、広く深いものです。そのため資格取得を目指して勉強を進めることで効率よく業務に必要な知識を身につけられます。
また資格を保有することで、客観的なスキルの証明となるため時間に余裕のある方は積極的に取得をめざしてみてはいかがでしょうか?ここでは、ITコンサルタントに役立つ資格を紹介します。
関連記事:ITコンサルタントの資格16選をスキル別に紹介します
ITストラテジスト試験
ITストラテジスト試験は、IPAが提供する情報処理技術者試験の中でも、ITコンサルタント育成を主眼とした制度です。「経営戦略に基づいたIT戦略策定」「IT活用による事業革新、業務改革」「製品・サービスの企画・推進」などを学べます。
中小企業診断士試験
中小企業診断士試験は、中小企業の経営課題に対応するための診断・助言を行う「経営コンサルタント」の育成を目的とした国家資格です。ITに関する要素はないものの、財務・労務・事務・生産など、経営に関する一般的な知識を身につけられます。
経営士、経営士補
経営士・経営士補は、中小企業診断士と並び、経営コンサルタントとしての知識が獲得できる資格です。また、経営コンサルティングに関する資格としては、日本で最も古い資格でもあります。民間資格ですが、経営に関する知識を身につけられるという点では中小企業診断士にも引けを取らないでしょう。
ITコーディネータ
ITコーディネータ試験は、経営とITを結びつけにより経営戦略実現を目指す「ITコーディネータ(ITC)」としての認定を受けるための制度です。民間資格でありながら、IPAの「ITスキル標準」では「レベル4」に位置付けられており、IT関連資格試験として最高ランクに位置します。経営とIT両方の知識が学べることから、ITコンサルタントの業務に直結した資格です。
プロジェクトマネージャ試験
プロジェクトマネージャ試験は、IPAが提供する情報処理技術者試験の中でも、プロジェクトマネジメントに特化した資格試験です。対象者は主にプロジェクトマネージャーですが、ITコンサルタントにとっても役立つ資格です。プロジェクト全体を考えて提案や進行を行うという点ではプロジェクトマネージャーとITコンサルタントは共通しているからです。
ITコンサルタントの勉強・独学方法
ITコンサルタントの業務は多岐に渡るため、幅広い知識やスキルの習得が求められる職種です。ITコンサルタントの業務に必要な知識を独学で学ぼうとすると、どこから手を出して良いのか悩んでしまうことも多いでしょう。
具体的な勉強方法としては、ITコンサルタントに必要な知識やスキルを学べるスクールやeラーニングの活用がおすすめです。ここでは、ITコンサルタントの効率のよい勉強・独学方法について解説します。
ITコンサルタントに必要な知識・スキルを学べるスクール
ITコンサルタントとしての知識・スキル獲得には、スクールに通うことも効果的です。ITコンサルタントに役立つスクールとしては、ITコーディネータケース研修や専門企業が行うITコンサルタントの養成講座などがあります。ここでは、ITコンサルタントに必要な知識・スキルを学べるスクールについて紹介します。
ITコーディネータケース研修
ITコーディネータケース研修は、ITコーディネータ試験合格者のみ受講できる実技研修ですが、実技を学べます。この研修では、架空の企業のケーススタディをもとにグループディスカッションやロールプレイングを行いながら、ITに基づく経営理解から戦略策定、ITサービスの適用に至るまでのプロセスを実践的に学びます。
ITコーディネータケース研修を通じて問題解決のための体系的な能力を養い、ITコンサルタントにとって必要なスキルを学べます。
ITコンサルタントの養成(基礎)
人材育成の専門企業であるトレノケートが実施している養成講座です。主にITコンサルタントを目指す人向けに、ITコンサルタントとして必要な「現状分析力」「課題設定力」「実行管理力」「達成評価力」の4つをオンラインで学習できます(※)。
(※)2024年6月現在、オンライン受講は一部日程のみ
ITコンサルタントに必要な知識・スキルを学べるeラーニング
ITコンサルタントに必要な知識・スキルをスクールに通う以外の方法では、eラーニングで学ぶ方法があります。eラーニングは、通学の必要がないため、仕事が忙しくスクールに通学する時間が確保できない方におすすめです。
ITコンサルタントを目指す人向けのeラーニングは、富士通ラーニングメディアが提供している講座が有名です。
富士通ラーニングメディア
富士通ラーニングメディアは、国内最大規模の企業向けのeラーニングサービスです。個人向けのサービスもあり、ビジネスコミュニケーションからITの基礎知識、システム開発や情報セキュリティなど、ITコンサルタントに関連する講座が多数あります。富士通ラーニングメディアでは、eラーニングだけでなく、集合研修も行われています。
ITコンサルタントの将来性
DXやAIなどの高度なIT活用の需要の高まりに伴い、企業における業務を抜本的に変えようという動きが進みつつあります。このような動きへの支援者として、ITコンサルタントの活躍の舞台は広がっています。
たとえば、2021年ごろから急速に普及したテレワークはその一例です。テレワークの導入はITと、対象となる企業の業務の両方に対する深い理解が必要です。このようにITに加えて顧客企業の業務に深く精通しているITコンサルタントは、今後も高い将来性があるでしょう。
またグローバル化に伴い、国内企業が世界と対等に渡り歩くためには、さらなる業務の効率化と自動化の実現が必要です。そのためのITツールやサービスをどのように活用していくのか、最適なITツールやサービスの選定の見極めにも、ITコンサルタントは非常に頼りになる存在となるでしょう。
関連記事:ITコンサルタントの将来性とは?仕事内容や年収も紹介
ITコンサルタントへの転職で後悔しないために
コンサルタントは派手で華やかな仕事のように考えている方もいますが、実際のITコンサルタントの仕事では、単純作業が続いたり、面倒な人間関係に疲弊したりすることもあります。
また、収入の高さから「とりあえずコンサルタント」を選ぶ方も少なくありません。実際にITコンサルタントの収入はIT業界の中では高めですが、具体的な仕事の内容を知らずに転職してしまうと、理想と現実との違いに戸惑い「こんなはずじゃなかった」と後悔してしまうこともあります。
ITコンサルタントに限らずコンサルタントの仕事は、ハードワークで何よりも成果が求められます。年功序列式で勤続年数を重ねるだけで収入が増えていくような仕事ではありません。30代になってから未経験で転職してしまうと、年下の上司の元で働かなければならないことも十分にありえます。
過去にどのような経験や実績がある方でも、未経験でITコンサルタントへの転職を目指す場合、後悔しないためにもこれらのことは十分に理解しておきましょう。
ITコンサルタントの未経験転職に関するよくある質問
未経験からITコンサルタントを目指す方にとって、ITコンサルタントへの転職活動に関する不安や疑問が多くあるでしょう。ITコンサルタントの未経験転職に関するよくある質問には、ITコンサルタントに必須な資格や開発経験の必要性などがあります。以下では、ITコンサルタントの未経験転職に関するよくある質問をまとめました。
Q1. ITコンサルタントになるには資格は必須ですか?
ITコンサルタントになるのに資格は必要ありません。中小企業診断士やITコーディネータの資格は、ITコンサルタントの業務に役立ちますが、それらの資格を持っていなくても活躍しているITコンサルタントは大勢います。資格があれば転職時に多少有利になりますが、なによりも評価されるのは、これまでの実務経験です。
Q2. ITコンサルタントになるには開発経験が必要ですか?
プログラマーやSEのような開発経験があった方が、転職に有利になるのは確かです。一方で実際には未経験者OKの求人もあり、全くの異業種からITコンサルタントへ転職した方もいます。
マネジメントスキルや論理的思考力など必要なスキルがあれば、ITコンサルタントへの転職は十分に視野に入るでしょう。
Q3. 外資系コンサルの場合は英語は必須ですか?
英語はできた方が強みになりますが、必須ではありません。一方で入社後に英語力が求められるのは間違いないでしょう。転職活動では、英語を積極的に勉強しようとする意欲を見せましょう。多くの外資系コンサル企業では、社員の英語力向上のための支援体制が整っているので、それらを積極的に活用して英語力を高めます。
Q4. ITコンサルタントは激務って本当ですか?
知識が不足しているITコンサルは次から次へと知らないワードが出てきて、毎日が調査時間との闘いで、激務になりがちです。 ITコンサルとして経験を積み、知識・スキルが累積していくにつれて、激務は避けられるようになります。常に顧客と同じか、それ以上に知識をアップデートしておく必要があります。
まとめ
本記事ではITコンサルタントの概要や必要な知識、スキル、学習方法、未経験可の求人例を解説しました。ITコンサルタントは未経験でも目指せる職種です。特にRPAやAIなどの分野では、未経験者OKの条件の募集もあります。
一方で、幅広い知識とスキルを求められる職種で、しっかり準備することが大切です。この記事で紹介した資格やスクールなどを活用してみてください。
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