Vue.jsとは?
Vue.js(ビュージェイエス)は、2014年2月にリリースされたJavaScriptフレームワークです。ユーザーインタフェースを構築するためのフレームワークにあたります。
JavaScriptのフレームワークは数多く、それぞれに特徴があります。その中でVue.jsは、シンプルさや学習の手軽さなどに強みのあるフレームワークです。
詳しくは後述しますが、比較的簡易的なフレームワークを使いたい、機能の豊富さよりも手軽な開発で軽量なフレームワークが欲しい、といった場合に選ばれることが多いです。また、ほかのJavaScriptライブラリと組み合わせて利用しやすいなどの理由から採用される場合もあります。
JavaScriptフレームワークとは?
JavaScriptフレームワークは、JavaScriptでの開発において、Webアプリケーションの土台となる部分を指します。完成品のWebアプリケーションに対して、フレームワークはWebアプリケーションのひな形です。
フレームワークを使うと、提供されたアプリケーション設計を再利用でき、開発効率を上げられます。また、使用頻度の高い処理はフレームワークの中にあらかじめ作られていて、さらに機能の追加や拡張が可能です。
関連記事:JavaScriptとは?基本の書き方を初心者にわかりやすく解説
Vue.jsでできること
Vue.jsでできることとして、以下が挙げられます。
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1. リアクティブ機能による応答ができる
2. コンポーネント指向による機能追加ができる
3. トランジション機能によるアニメーション効果の実装ができる
4. データの同期ができる
5. 開発環境の拡張がしやすい
上記以外にもVue.jsでできることは数多いのですが、代表的な5つの機能に絞って紹介します。
関連記事:Vue.jsでできることは?メリットやデメリットについても解説
1.リアクティブ機能による応答ができる
リアクティブ機能とは、ユーザーの入力に対して即時に反応する機能です。たとえば、ブラウザの検索ボックスに文字を入力すると検索キーワードの候補が表示され、1文字入力するたびに、キーワードの候補が変化します。これがリアクティブ機能が働いている状態です。このように、Vue.jsのリアクティブ機能によってユーザーの利便性が向上します。
2. コンポーネント指向による機能追加ができる
コンポーネントは「部品」という意味です。たとえばオーディオ・コンポーネント(コンポ)では、チューナーやアンプ、プレーヤー、スピーカーなどの独立した機器を部品として組み合わせることによってオーディオシステムを構成します。
プログラミングも、既存のプログラムを部品として再利用することが可能です。すべてのコードを1から書くと膨大な工数がかかりますが、コンポーネントを利用して部品化すると手間が省けます。
3. トランジション機能によるアニメーション効果の実装ができる
トランジションは「移り変わり」「移行」を意味し、ページが切り替わるときにアニメーションを表示させるなどの効果があります。CSSだけでもアニメーションを設定すること自体は可能です。しかし、Vue.jsのトランジション機能を使うと、動的に表示が変わる要素についても比較的簡単な記述でアニメーションを設定することが可能です。
4. データの同期ができる
Vue.jsは、フレームワークの内部で管理しているデータとWebブラウザ上の表示に利用するDOMのデータを同期する機能を持ちます。管理しているデータの書き換えにより、スムーズに画面の表示を反映させることが可能です。具体的にはHTML上での属性付与により同期が実現できます。
5. 開発環境の拡張がしやすい
Vue.jsの開発環境としては、Microsoft社の提供するエディタ「Visuai Studio Code(VSCode)」が使用されます。このVSCode上でさまざまな拡張機能を活用すると、より効率的な開発環境を整えることが可能です。具体的には、エディタ上でのVue.jsコンポーネントの認識やコードのフォーマット、静的解析などが実現できます。
また、Google Chromeの拡張機能「Vue.js Devtools」を利用すればブラウザ上でのデバッグも実行可能です。
実際にVue.jsが導入されている企業・サービス
Vue.jsを採用している企業のWebサイトやサービスは少なくありません。Vue.jsのシンプルさや拡張性を踏まえ、企業のオウンドメディアや人材募集サイト、教育関連サービスなど、さまざまなサービス・アプリケーションに導入されています。本項では、その導入事例として、Vue.jsを利用しているWebサイトやサービスを紹介します。
Vue.jsによって構築されているWebサイト
実際にVue.jsを用いて構築されている企業のWebサイトやサービスとして、下記が挙げられます。
・mercan
C2CのECサイトを運営するメルカリのオウンドメディアです。
・みんなの銀行
スマホで完結するデジタルバンクです。
・Schoo
オンライン教育サービスです。
・Ado Official Shop
ミュージシャンAdoのオフィシャルWebショップです。
・menu
デリバリーアプリmenuのオフィシャルサイトです。
・タニタ
健康総合企業のオフィシャルサイトです。
・にんべん
食品メーカーのオフィシャルサイトです。
Vue.jsを用いたプロジェクトやWebサービスを探せるWebサイト
Vue.jsを用いて作られたプロジェクトやサービスを集めたWebサイトを紹介します。開発者やVue.jsに興味を持つ人にとっては、より多くの企業やサービスを知るために役立つでしょう。
・Vue.js Projects and Examples Showcase
Vue.jsを使って作られたプロジェクトを紹介するWebサイトです。
・what we use
what we useは企業の技術スタック情報を集めたデータベースサービスです。2024年9月20日時点でVue.jsを採用した69社を掲載しています。
・Check Web Tech
採用技術にフォーカスしたWebサイトリンク集で、2024年9月25日時点において133の事例を掲載しています。
また、各種のWebサイトでVue.jsが利用されているかを調べるためには、Google Chromeの拡張機能Vue.js devtoolsを使うのがおすすめです。
Vue.jsの特徴・メリット
JavaScriptのフレームワークは、Vue.jsやReact、React Native、AngularJS、jQueryなど複数ありますが、1つのフレームワークが市場を独占しているわけではありません。それぞれに特徴、メリットがあるからこそ、複数のフレームワークが生き残っています。それではその中で、Vue.jsにはどのような特徴、メリットがあるのか以下で解説していきます。
新しく覚えることが少なく学習コストが低い
Vue.jsの設計はシンプルなため、ほかのフレームワークより理解しやすいメリットがあります。また、HTMLに似た記述のため、HTMLをすでにマスターしている人には分かりやすいでしょう。国内ではVue.jsが広く採用されているため、ドキュメントも豊富で学習しやすい環境が整っているといえます。
シンプルな設計で拡張性が高い
Vue.jsはシンプルに設計されたフレームワークなので、ほかのライブラリなどと組み合わせられる拡張性の高さがあります。たとえば、Vue.jsを使ったプロジェクトにほかのフレームワークを追加したり、Webサイトの一部のみをVue.jsで制御したりすることも可能です。
SPAで開発しやすい
Vue.jsは、SPAの開発に向いているフレームワークといえます。SPA(シングルページアプリケーション)とは、単一のページにおいてコンテンツの切り替えを行うWebアプリケーションのことです。Webブラウザ側でページの移動をすることなく、最初に読み込んだWebページ上のスクリプトがサーバ側との通信や表示内容の更新を行う方式です。
コードの可読性が高い
HTMLやVue.js(JavaScript)、CSS(SASSなど)を1つのファイルにまとめて記述することができます。Vue.jsのコンポーネントは機能別のファイルに分けて保存されているため、関連するコードをすぐに探せて問題が発生した時の調査・解析も容易です。
Vue.jsでは、HTML要素とJavaScript側の値(変数)やイベントの紐づけを自動的に行えるため、DOMの操作のコードを簡略化でき、コードがシンプルになります。コードがシンプルになれば、読みやすく保守しやすいメリットが生まれます。
関連記事:HTMLとは?CSSとの違いや代表的なタグなどをわかりやすく解説
機能別にファイルを分けられる
Vue.jsは、機能ごとに別々のファイルに分割して管理することも可能です。複数人での開発においては、作業の分担のためにファイルを分けられることも重要となります。ファイルを担当者ごとに分けられれば各々がスムーズに作業できるので開発効率の向上につながるでしょう。
コンポーネントを再利用できる
Vue.jsは一度作ったコンポーネント(部品)を簡単な記述で呼び出せます。つまり、処理をプログラムで記述し、これをコンポーネントという形でまとめておいて、必要なときに呼び出して使うことが可能です。
オブジェクト指向プログラミングの経験がある方は、クラスを呼び出す過程をイメージすると分かりやすいでしょう。もしくは、関数を呼び出すのも考え方としては似ています。
DOM操作を自動化できる
DOMとは、Document Object Modelの略で、HTMLデータを呼び出して使用する技術です。Vue.jsには仮想DOMが用意されており、自動的にHTMLデータをJavaScriptに反映させます。仮想DOMによって、JavaScriptの処理が高速化されます。
データの同期がしやすい
Vue.jsはHTMLとJavaScriptが自動的に紐づけられ、更新のたびに差分のみ取得して同期する仕様になっているため、メンテナンスがしやすいです。詳細な仕組みとしては、Vue.jsはMVVMというモデルを採用しています。それぞれ、「Model」「View」「ViewModel」の3つの機能の大文字を取ったものです。
ModelとViewに関しては一般的なMVCモデルと同じで、Controllerの代わりにModelとViewを監視するViewModelが含まれています。ViewModelがあることで、自動更新が可能になっています。
Vue.jsのデメリット
Vue.jsには複数のメリットがありますが、「大規模開発に向かない」、「リソースが限られている」といったほかのフレームワークと比較した際のデメリットもあります。フレームワーク選択の際には、このようなデメリットを押さえた上で、開発プロジェクトの要件に応じて検討することが大切です。ここでは、Vue.jsのデメリットについて、1つずつ解説します。
大規模開発に向かない
Vue.jsが得意としているSPAは1つのページ内で情報が変化していくものなので、大規模開発にはあまり向いていません。大規模なWebアプリケーションでは複数のページに遷移する構成となり、そのような場合には、同じJavaScriptのフレームワークである「AngularJS」や「React」が向いています。
リソースが限られている
Vue.jsは機能を絞ったシンプルなフレームワークです。そのため、たとえば対応するプラグインの数が少ないといったデメリットがあります。Vue.jsはここ数年で著しく成長しましたが、対応するプラグインの数は従来のフレームワークには及ばないのが実情です。とはいえ、今後の発展に伴って使用できるプラグインの数も増えていくでしょう。
Vue.jsが使われる理由
Vue.jsはReactやAngularJSのように仮想DOMやコンポーネントの機能を持っています。それにもかかわらず学習コストはそれほど高くないため、多くのエンジニアから支持されるようになりました。特に、TypeScriptとVue.jsを使用した開発が増えています。Vue.jsはJavaScriptとTypeScriptの両方に対応しているため、その互換性の高さも使用される理由の1つといえるでしょう。
TypeScript+Vue.jsを使用する現場が増加傾向
最近のWebアプリケーションのフロントエンド開発ではTypeScriptとVue.jsで開発をしている現場が増加中です。Vue.jsとTypeScriptで開発をする方法は大きく分けると下記の2つがあります。
-
・「Vue.extend()」を用いた書き方(Object Style)
・「class MyComponent extends Vue」とする書き方(Class Style)
どちらの方法にも対応できるようにしておくことは、フロントエンジニアの活動範囲を広げる上で有利に働くでしょう。
Object Styleの特徴
大枠はほぼJavaScriptのコードと同様なので、JavaScriptからの移行は、TypeScriptの基本的な型注釈を適切に使用できれば問題ありません。JavaScript + Vue.jsで開発をした経験がある方は馴染みのあるスタイルでしょう。
Class Styleの特徴
クラス構文を使用するので、簡潔なコードになります。JavaScript + Vue.jsでの記述方法とは大きく異なり、よりTypeScript寄りの書き方といえます。利用者が多いため、その分資料が豊富なのがメリットです。
Vue.jsのインストール方法
Vue.jsの公式サイトが提供するクイックスタートに従って、Vue.jsをインストールする方法を詳しく紹介します。
紹介する手順に沿っていくことで、コマンドラインからの入力を用いて、Vue.jsアプリケーションのビルドを行う一連の流れを体験できます。Viteに基づいたビルド設定とパッケージ管理にはnpmを利用するのが前提です。2024年9月20日時点の情報に基づいています。
なお、PlaygroundでのVue.jsの体験、ビルドステップのないVue.jsの利用、カスタマイズしたビルドなどについては、Vue.jsのドキュメントを参照ください。
Node.js公式サイトからNode.jsをインストールする
Vue.jsのビルド環境にはNode.jsが必要となります。Node.jsの公式サイトよりインストールモジュールをダウンロードしてインストールを行ってください。最新版と安定版(LTS)が提供されていますが、Node.jsのバージョン18.0以降であればどちらでもかまいません。
Node.jsのインストールが完了したら、コマンドラインから下記のコマンドを実行してNode.jsのインストールバージョンを確認しておきましょう。
$ >node --version
v20.11.0
※バージョンは環境により異なります。
npmを使ったプロジェクト作成、依存パッケージのインストール、プロジェクト起動
コマンドラインでプロジェクト作成先のディレクトリに移動し、下記のコマンドを実行します。
$> npm create vue@latest
下記メッセージ出力後、プロジェクトの情報の入力を求められます。
Vue.js - The Progressive JavaScript Framework
プロジェクト名には任意の名称を付けてください。下記ではVueTestとしています。
? Project name: » VueTest
? Package name: ... vuetest
? Add TypeScript? ... No / Yes
? Add JSX Support? ... No / Yes
? Add Vue Router for Single Page Application development? ... No / Yes
? Add Pinia for state management? ... No / Yes
? Add Vitest for Unit Testing? ... No / Yes
? Add an End-to-End Testing Solution? » No
? Add ESLint for code quality? ... No / Yes
最初のプロジェクト名の入力以外はオプションの設定です。初めての環境構築の場合にはすべてEnterを押してプロジェクトを作成しても問題ありません。
下記のメッセージが表示されたらプロジェクトの作成は完了です。(XXXXXについては、ディレクトリ名のため作業環境によって異なります。)
Scaffolding project in XXXXXXXX...
Done. Now run:
cd VueTest
npm install
npm run dev
プロジェクトの作成ができたら、プロジェクトのフォルダに移動し、下記のコマンドでプロジェクトを起動してください。cdコマンドではフォルダの移動(ディレクトリ名は作成したプロジェクト名に合わせてください)、npm installにて依存モジュールのインストール、npm run devでプロジェクトの起動を行っています。なお、パッケージ数、実行処理時間などは環境によって変わります。
$>cd VueTest
$>npm install
added 27 packages, and audited 28 packages in 12s
4 packages are looking for funding
run `npm fund` for details
found 0 vulnerabilities
$>npm run dev
> vuetest@0.0.0 dev
> vite
VITE v5.0.11 ready in 594 ms
➜ Local: http://localhost:5173/
➜ Network: use --host to expose
➜ press h + enter to show help
コマンドラインに出力されたポートでプロジェクトが起動しています(上記では5173)。ブラウザからアクセスして動作を確認します。
プロジェクトのビルド
アプリケーションの構築後、ビルドを行う場合には下記のコマンドを実行してください。プロジェクトの「./dist」ディレクトリにプロダクション向けビルドが作成されます。数値などは環境によって異なりますが、下記のようなメッセージが出力されればビルドに成功しています。
$>npm run build
> vuetest@0.0.0 build
> vite build
vite v5.0.11 building for production...
✓ 23 modules transformed.
dist/index.html 0.43 kB │ gzip: 0.28 kB
dist/assets/index-WjEyzLJD.css 3.71 kB │ gzip: 1.19 kB
dist/assets/index-avtuWnnn.js 63.15 kB │ gzip: 25.00 kB
✓ built in 879ms
他フレームワークやライブラリとの違い
JavaScriptには複数のフレームワーク、ライブラリがあります。また、プロジェクトでは、要件やチームのスキルセットに応じて、扱う技術などが異なるケースは珍しくありません。そのため、なるべく多くのフレームワーク、ライブラリを使いこなせるようにしておくのが望ましいでしょう。本項ではVue.jsと各種のフレームワークを比較し、それぞれの違いを紹介します。
Vue.jsとReactの比較・違い
Vue.jsがReactと大きく類似している点は以下の2つです。
-
・仮想DOM (Virtual DOM)を実装している
・コンポーネントの機能を有している
Vue.jsもReactも軽量で高速なパフォーマンスを実現する点では甲乙つけがたいです。とはいえ、学習コストの面で比較すると、Vue.jsはシンプルなコードで実装可能であるため、Reactよりも取り組みやすいといえるでしょう。
また、Vue.jsとReactは同じUI構築のために開発されましたが、Vue.jsはフレームワーク、Reactはライブラリに分類されます。フレームワークがモデルハウスだとしたら、ライブラリは家具のようなもので、全体の枠組みと部分的なパーツというそもそもの概念としての違いがあります。
Vue.jsのコンポーネントはReactに似ているため、Reactからの乗り換えはしやすいでしょう。
Vue.jsとAngularJSの比較・違い
Vue.jsはAngularJSの影響を受けて開発されたフレームワークです。そのため、構文が似ている部分がありますが、AngularJS・Angularと比較すると、Vue.jsはシンプルで学びやすい特徴があります。Angularはルーティングやユニットテストなどの機能も含まれた「Webアプリケーション開発におけるフルスタックのフレームワーク」といわれ、その分学習難易度が高いとされています。
なお、Angular(Angular 2)はAngularJS(Angular 1)から大きく仕様変更されたため、別物と捉えておきましょう。Angular(Angular 2)では、主要な開発言語がJavaScriptからTypeScriptに変更されています。
TypeScriptベースであるAngular(Angular 2)と比べて、Vue.jsはTypeScriptへの統合性は低いといわれていました。しかし、Vue2からVue3へのメジャーアップデートに伴いTypeScriptがはじめからサポートされるようになり、Vue3ではTypeScriptの使用がより簡単になりました。
Vue.jsとjQueryの比較・違い
jQueryはJavaScriptの定番ライブラリで、JavaScriptの開発で重宝されてきました。Vue.jsとの違いを一言で表すと、「Vue.jsはフレームワークで、jQueryはライブラリ」です。
つまり、フレームワークであるVue.jsはWebアプリケーションの土台部分で、それに対してライブラリであるjQueryは自由に使用できる部品といえます。
jQueryを使ってJavaScriptの記述を簡素化できますが、データ構造やUIの設計がきちんとできていないと、可読性、拡張性に難があるプログラムになる可能性があります。
関連記事:Vue.jsとは?特徴やできること、メリット、注意点などを解説
Vue.jsとRiot.jsの比較・違い
Vue.jsがフレームワークであるのに対し、Riot.jsはライブラリです。Riot.jsはVue.js同様、軽量かつ学習コストが低い特徴が挙げられます。また、Riot.jsはライブラリにしては機能性が豊富です。
Vue.jsとHyperappの比較・違い
HyperappもVue.js同様、軽量かつスピーディーに動く特徴があります。小規模開発には向いており大規模開発には向かない点も共通しています。違いとしては、Hyperappは2017年に作られた新しいフレームワークで、Vue.jsよりも日本語の情報が少ないことといえるでしょう。
Vue.jsとEmber.jsの比較・違い
Ember.jsの特徴として、機能性が高い分学習コストが高く、柔軟性には乏しいことが挙げられます。また、Vue.jsは大規模なシステム開発に向いていませんが、Ember.jsは使用されるケースがあります。
Vue.jsとKnockoutの比較・違い
KnockoutはVue.js同様、MVVMを採用しているフレームワークです。JavaScriptのフレームワークの中では、かつて人気を博していましたが、現状としてはVue.jsに代替されてきているケースが多いでしょう。学習コストや自由度から考えると、Vue.jsはKnockoutの上位互換といえます。
Vue.jsの学習・勉強方法
Vue.jsの具体的な学習方法として、Vue.jsの公式ドキュメントや入門者向けの書籍、動画、コミュニティなどを活用する手段が挙げられますが、1つの方法にこだわる必要はありません。場所や勉強に割ける時間に応じて選んだり、座学と実践のバランスを考慮して複数の方法を組み合わせたりして、効率的に学習することが大切です。ここでは、Vue.jsの学習方法について1つずつ紹介します。
関連記事:Vue.js関連の資格を一挙公開!転職に役立つ情報もチェック
公式ドキュメントで学ぶ
Vue.jsには、日本語で書かれた公式ドキュメントがあります。公式ドキュメントには基本的な使い方から内部の詳細な仕様まで開発に必要な情報が載っているため、開発エンジニアにとっては必読の資料といえるでしょう。
書籍で学習する
初心者にとっては、公式ドキュメントを読むのはやや難しく感じる場合があるため、書籍を活用するのも1つの手段です。Vue.jsについて入門者向けの書籍が多く出版されています。以下のような本を参考にして、概要をつかんだり実践してみたりしたあとで公式ドキュメントを読むと理解が深まるでしょう。
おすすめの書籍
Vue.jsを学習するのにおすすめの書籍を紹介します。
・『Vue.jsのツボとコツがゼッタイにわかる本[第2版]』(秀和システム、中田亨)
Vue.jsに初めて触れる人に向けて、Vue.jsの基本的な機能やVue.jsをローカルPCで使うための環境構築について解説している本です。「ECサイトの商品一覧ページ」「ムービー制作サービス自動見積もりページ」など具体的なサンプルを使い、JavaScriptで作ったページをVue.jsを使ったページに作り替えていく流れを解説しています。
・『動かして学ぶ!Vue.js開発入門』(翔泳社、森巧尚)
「Vue.js」でのWebアプリケーションの開発について、実際に手を動かして学ぶ書籍です。フロントエンド開発の現場でよく使われるテクニックや実装方法を詳しく丁寧に説明しています。具体的には、データの表示やユーザー入力、ユーザー操作と表示の連携、アニメーションなどを学ぶことが可能です。またシングルページアプリケーション(SPA)についての開発に役立つ情報も盛り込まれています。
・『Vue.js3超入門』(秀和システム、掌田津耶乃)
対象読者はJavaScriptの入門書を読み終えたばかりで、Vue.jsの経験がない人を想定しています。そのような初心者に向けてJavaScriptベースで解説している書籍です。既存の入門書などでつまづいた人に寄り添うような丁寧な説明になっています。
動画で学習する
動画を使った学習は、インターネット環境さえ整っていれば場所を選ばないためおすすめです。プログラミングに関する情報を視覚的に補助してくれるので、活字に比べて理解しやすいと感じる方もいるでしょう。動画を参照する場合には対象となる数が多いため、自分の知識・スキルと学びたいことに合致した動画を探すのがポイントです。
おすすめの動画サイト
Vue.jsのコンテンツのある動画サイトには下記が挙げられます。
・Youtube
Youtubeは動画プラットフォームサービスです。コンテンツ数が非常に多く、無料で利用できる点がメリットです。コンテンツの品質や信頼度は自身で精査する必要があるため、再生数などを基準に学習する動画を選ぶと良いでしょう。
・Proglus
Proglusはプログラミング学習サイトで、開発環境を整えるところから実際にプロダクトを作る過程を体験できます。Vue.jsに関するコースだけでなく、JavaScriptやTypeScriptなど目的別のさまざまなカリキュラムが提供されています。
・Udemy
オンライン学習サービスであるUdemyでは、Vue.jsに関するものを含め250,000以上の動画コースが提供されています。コンテンツの対象レベルや価格はそれぞれ違うので、確認してからコースを選択しましょう。
実際に手を動かしてアプリを作成してみる
書籍や動画、学習サイトなどを利用してVue.jsの学習を行う場合に共通して重要なのは、実際にプログラムを記載して動作させながら理解を深めることです。環境構築は、PCとインターネットへの接続が可能であれば利用できるため、本記事の「Vue.jsのインストール方法」を参考に実践してみてください。
最初はサンプルどおりのプログラミングから理解を深め、徐々にオリジナルの要素を組み込んだアプリを作成するのがおすすめです。
不明な点があればQiitaなどのコミュニティも活用する
「Qiita」(キータ)は、エンジニアのための技術情報共有サイトです。自分の知っている情報を公開して誰かの役に立つことができるというコンセプトとなっています。
Veu.jsについての記事も多く投稿されているので、興味のある記事を読むだけでも知識を広げ、理解を深めるのに役立ちます。また、質問を投稿することができるので、回答が得られれば困ったときの問題解決の助けになるでしょう。
関連記事:JavaScriptの勉強方法は?初級~中級者向けサイト14選
プログラミング初心者はまずはJavaScriptの習得から
プログラミング初心者がVue.jsを勉強する場合、まずはJavaScriptをしっかりと習得するのが無難でしょう。なぜなら、Vue.jsはJavaScriptの文法を使うからです。
また、「Vue.jsの学習コストが低い」のはJavaScriptを理解している前提のメリットです。Vue.jsのコードは一見すると簡単に見えますが、JavaScriptの知識がないと理解が難しい機能があるので、JavaScriptを先に学んでおくことをおすすめします。
Vue.jsに関するよくある質問
Vue.jsに関するよくある質問と回答をまとめました。Vue.jsに興味・関心のある方の疑問の中でも特に多い内容として、Vue.jsを使う理由やReactと比較した際の難易度の違い、 「Vue」の読み方の3点について以下で回答します。Vue.jsに興味がある方や習得を検討している方は参考情報としてお役立てください。
Q1. Vue.jsを使う理由は何ですか?
JavaScriptのフレームワークの中でも「シンプルで学習コストが低い」、「自由度が高い」、「ほかのライブラリと組み合わせて利用するのが容易である」などがVue.jsを使う理由として挙げられます。インターネットなどから開発に関する情報を取得しやすく、課題解決がしやすい点もメリットです。
Q2. ReactとVue.jsはどちらが難しい?
Reactのほうが覚えなければならないライブラリの選定などの情報が多く、Vue.jsに比べて習得が難しいとされています。また、日本語の書籍やインターネット上の情報もVue.jsのほうが入手しやすく、こちらも学習難易度の差につながる要因です。
Q3. Vueはなんと読みますか?
Vueは発音記号で「vjuː」、カタカナで表現すると「ビュー」と読みます。つづりは異なりますが、英単語Viewと同じ読み方です。一般的には「.js」までを含めて、ビュージェイエス(Vue.js)と呼ばれる場合が多いです。
まとめ
本記事では、Vue.jsがどのような特徴を持つのか、TypeScriptやReactなどのJavaScriptフレームワーク・ライブラリと比べた場合の違い、具体的なスキル習得の方法を解説しました。Vue.jsは、操作性や必要な知識、コスト面など幅広い意味で初心者に優しい仕様となっており、JavaScriptフレームワークに慣れていなくても心配はありません。
Vue.jsに興味はあるけど習得するかどうか悩んでいる方は、ぜひVue.jsを学んでみてはいかがでしょうか。
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レバテックキャリアはIT・Web業界のエンジニア職を専門とする転職エージェントです。最新の技術情報や業界動向に精通しており、現状は転職のご意思がない場合でも、ご相談いただければ客観的な市場価値や市場動向をお伝えし、あなたの「選択肢」を広げるお手伝いをいたします。
「将来に向けた漠然とした不安がある」「特定のエンジニア職に興味がある」など、ご自身のキャリアに何らかの悩みを抱えている方は、ぜひ無料のオンライン個別相談会にお申し込みください。業界知識が豊富なキャリアアドバイザーが、一対一でさまざまなご質問に対応させていただきます。
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