- ブリッジSEとは
- 中国語を使えるブリッジSEが得られるメリット
- ブリッジSEとして活躍するのに必要な中国語レベル
- 中国語の学習方法
- 語学力以外でブリッジSEに求められるスキル
- ブリッジSEに関するよくある質問
- まとめ
ブリッジSEとは
ブリッジSEは、オフショア開発において海外と日本の橋渡しになる役割を担っています。オフショア開発とは、システム開発を海外に委託する開発方法のことです。ブリッジSEは業務内容が一般的なSEとは異なり、海外のチームと開発プロジェクトを行う際間に入って調整や取りまとめを行う業務があります。では、ブリッジSEにはどのようなスキルが求められるのでしょうか。
関連記事:ブリッジSEとは?仕事内容や役割、必要なスキルを紹介
ブリッジSEが求められる語学力
ブリッジSEは海外の人とコミュニケーションを取るので、日本語以外の言語も扱える必要があります。なかでも英語圏はもとより、中国はオフショア開発の委託先として選択されることが多いので、中国語を習得しているブリッジSEには大きな需要があります。ここでは英語と中国語について詳しくみていきましょう。
英語
英語は世界の共通言語と言われ、エンジニアの世界ではよりその傾向が強いです。プログラミング言語は英語をベースに構成されており、技術情報は最初に英語で発信されることが多いからです。
特に国際的なプロジェクトでは英語が公用語になっていることが多いので、英語が扱えるとブリッジSEとして活躍しやすいでしょう。
このように世界共通言語とされることからIT業界が国際的に事業展開しやすく、技術と英語の関係性からもエンジニアの中には英語を扱える人が多くなっています。
中国語
中国は人口が多く、中国人は世界中に点在しています。エンジニアの人口も多いため、中国語が扱えるとブリッジSEとしての強みになります。オフショア開発の委託先が中国企業になる場合はもちろん、そうでない場合でも中国語は世界一多くの人に話されている言語のため、多くの優秀なエンジニアとコミュニケーションを図ることができ、役に立つ場合があります。
その他の言語
英語、中国語以外にもブリッジSEとして働くのに役立つ言語が複数あります。具体的には、ベトナム語やヒンドゥー語が挙げられます。なぜこれらの言語かというと、オフショア先として人気の国の言語だからです。
現地のエンジニアは英語を扱える可能性が高いですが、英語よりもベトナム語やヒンドゥー語の方が得意、英語を扱えない、といった場合もあります。日本のブリッジSEが扱える言語が多いと、それだけ多くのエンジニアとコミュニケーションが取れ、ブリッジSEとして活躍できる機会が増えます。
中国語を使うブリッジSEの役割
中国語を使うブリッジSEは、主に中国へのオフショア開発で活躍します。中国以外の国へのオフショア開発でも中国語を使える機会はありますが、英語が共通語です。そのため、中国語が扱えることが大きな強みになるのは中国へのオフショア開発ということです。
中国に滞在して働く場合もありますが、日本に滞在していても需要があります。オフショア開発では基本的に両国にブリッジSEが配置されているので、ブリッジSE間で調整を行うことも多いです。
ブリッジSEの仕事内容
ブリッジSEの仕事は、業務を依頼する先のメンバーのサポートやプロジェクト全体の管理を行なうなど、業務範囲の広い仕事です。「プロジェクトの全容を正確に理解してエンジニアに伝える」「設計書の翻訳」「現地の進捗状況の管理・報告」「納品物のチェック」以上4つの仕事内容に絞って解説します。
プロジェクトの概要を理解して海外のエンジニアに正確に伝える
ブリッジSEは、業務委託先の企業やエンジニアに対し、プロジェクトについての説明を行います。日本側の要件や要望をしっかり理解して伝えなければなりません。
文化の違いで認識の差が生まれないように説明し、時差なども配慮してミーティングを調整する必要があるとても重要な仕事です。
設計書の翻訳
現地のエンジニアへ説明するために、日本語から現地の言葉への翻訳をします。ここで大切なのは、文章をそのまま翻訳しないことです。日本と現地では、言葉以外にも文化や風習などが違う面があるため、直訳すると情報が正確に伝わらない恐れがあります。
そのため、日本企業の意図を現地エンジニアが確実に理解できるように、文章の補足や表現の変更により、正確に情報が伝わるようにすることもブリッジSEの重要な仕事です。
日本では「マニュアルに記載されていなくてもやることが前提」とされているなどのように、当たり前で省略してしまう内容でも他の国では通じないことが多々ある点にも注意です。
現地の進捗状況の管理・報告
開発状況の進捗管理やプロジェクトマネージャーへの報告も、ブリッジSEの仕事です。
開発自体は現地のエンジニアが行うとしても、丸投げにすると失敗してしまう可能性もあります。委託先や日本のプロダクトマネージャーとこまめに連絡・連携をとり、計画通りに業務が進んでいるかの確認や進捗状況の報告をする必要があります。
報連相がとても重要とされている業務です。
納品物のチェック
納品物にミスがないか、品質はクライアントの要望に沿っているかなどもブリッジSEの仕事です。修正が必要な場合は、原因究明を行い委託先に指示をします。内容を正確に伝えるスキルはとても重要です。
関連記事:ローカライズエンジニアとは?仕事内容や必要なスキルを紹介
中国語を使えるブリッジSEが得られるメリット
オフショア開発の主な目的は、開発コストの削減やリソースの確保です。そのため、国内IT企業の多くは中国をオフショア開発の委託先としており、中国語を話せるブリッジSEは非常に貴重な存在となっています。ブリッジSEが中国語を話せると、以下のようなメリットが得られます。
-
・リアルタイムでプロジェクトを進められる・中国には日本で経験を積んだSEが多く、信頼を構築しやすい
・より多くの企業に求められる人材になれる
リアルタイムでプロジェクトを進められる
中国では、沿岸部を中心にオフショア開発企業が集まっています。この地域ではインフラ整備が進んでいるため、日本との連絡も円滑に行えます。さらに、地理的に近いため大きな時差も少なく、リアルタイムで日本企業とのやり取りを行うことが可能です。
仮に中国サイドでトラブルが発生した場合でも、時差がある国に比べて、比較的スムーズに連絡を取り合うことができ、コミュニケーションに支障をきたす可能性が低いです。時差が少ないことは、プロジェクトの業務効率向上に繋がります。
中国と日本の両国間に立ち、プロジェクト成功をサポートするブリッジSEにとって、中国語が話せることはプロジェクト進行の上で大きなアドバンテージになるといえるでしょう。
中国には日本で経験を積んだSEが多く、信頼を構築しやすい
中国人SEの特徴として挙げられるのが、日本で実務経験を積んだ人や、留学して日本で技術を身につけた人が多く活躍していることです。
個人差はあるものの、日本語や日本の商習慣を把握している技術者が比較的多いため、日本のビジネスの進め方や考え方を理解しているようです。互いを認めた上で、ともにビジネスを遂行できる可能性が高いといえるでしょう。
さらに中国語を話せることでより深く、信頼関係を築くことが可能です。ブリッジSEに求められるスキルの一つである、マネジメント力を発揮しやすい環境があります。
より多くの企業に求められる人材になれる
ブリッジSEは、技術力に加え言語力やコミュニケーション力、マネジメント力など多くのスキルが求められます。オフショア開発における、ブリッジSEの人材ニーズが高まっている一方で、中国語を話せるブリッジSEは不足しており、人材確保は難しいようです。
このことが理由で、日本の企業は日本語を話せる中国人のブリッジSEを確保することがあります。しかし、母国語が日本語ではないため、会議やドキュメントを作成する際、うまく意思疎通をするための工夫が必要です。
中国語を話せる日本人ブリッジSEがいることは、企業にとっての強みであり、貴重な人材として重宝される傾向にあります。
ブリッジSEとして活躍するのに必要な中国語レベル
中国語を駆使するブリッジSEとして活躍するには、日常会話ができる程度の中国語レベルが必要です。中国語検定では、3~2級程度のレベルに該当します。
中国人のエンジニアも英語や日本語を扱える場合が多いので、ネイティブレベルまでは求められないものの、スムーズなコミュニケーションを取るのなら中国語で日常会話ができるレベルに達している必要があります。
中国語の学習方法
中国語の学習方法は、「中国語検定合格を目指しながら学習する」「書籍やWebサイトで文法を学習する」「書籍やWebサイトで文法を学習する」の3つがおすすめです。
ここでは、学習方法をもっと詳しく説明しますので参考にしてみてください。
中国語検定合格を目指しながら学習するのがおすすめ
おすすめの学習方法は、中国語検定合格を目指して学習することです。中国語検定は中国語でコミュニケーションを取るのに必要な内容が網羅されていて、学習内容として効率的です。また中国語検定に合格することで、就職・転職活動の場などで目に見える形でアピールしやすくなります。
書籍やWebサイトで文法を学習する
中国語の学習では、役立つ書籍やWebサイトが充実しています。中国語検定とは関係ない書籍やWebサイトで学習しても問題ありません。もちろん、中国語検定合格を目標として設定している書籍やWebサイトで学習すれば一石二鳥といえるでしょう。
特に最初のうちは単語、文法、発音の基礎などを学習する必要があります。
スクールに通う
スクールに通って学習を進めるのも一つの手段です。スクールでは会話の練習もできるので、より実践的な学習ができます。また、スクールだと通う手間がありますが、最近はオンラインスクールも充実しています。
オンラインスクールなら自宅にいながらオンラインで中国語会話ができるので、効率的かつ手軽です。ただし、スクールを利用していても並行して独学を行う必要はあります。独学の方法に関してもスクールの講師が方法を教えてくれるので、その点でもスクールは便利でしょう。
語学力以外でブリッジSEに求められるスキル
これまでの記事で、語学力がブリッジSEにとって重要だということがわかりました。
では、語学力以外で求められるスキルには何があるのでしょうか。
以下4つのスキルを挙げましたので詳しく見ていきましょう。
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・技術知識・開発スキル
・コミュニケーションスキル
・マネジメントスキル
・両国の商習慣や文化への理解
技術知識・開発スキル
ブリッジSEの業務内容には、基本的に開発は含まれていません。そのため、自分自身が直接的に手を動かして開発することは少ないでしょう。しかし、開発を行うプログラマーやエンジニアのマネジメント業務、成果物の品質管理業務が必要です。
間接的に技術を扱うことになるので、技術知識や開発スキルは必要です。技術知識、開発スキルのないブリッジSEは、開発者や成果物への理解がないので最適な動きができません。
コミュニケーションスキル
ブリッジSEの業務では、コミュニケーションが欠かせません。ブリッジSEは他国の人とコミュニケーションを取りますが、言語や文化、生活習慣、仕事に対する考え方が違うことを念頭に置いて接する必要があります。日本人の感覚では当たり前のことも、外国の人にとってはそうではありません。その都度コミュニケーションを取って認識をすり合わせ、業務に支障が出ないように調整するスキルはブリッジSEに必須です。
マネジメントスキル
ブリッジSEは、プロジェクトを適切な方向に導く必要があります。そのためには、マネジメントスキルが必要です。プロジェクト内の各担当者への作業の割り振り、スケジュール管理、成果物の確認、クライアントへの業務報告などを行います。
マネジメントの方法としては、資料作成・共有、メッセージツールでのコミュニケーション、通話、直接対面してのコミュニケーションなどがあります。プロジェクト内のメンバーに適切に情報を共有しながら、プロジェクトをコントロールしていくスキルが欠かせません。
両国の商習慣や文化への理解
ブリッジSEもIT業界内のマネジメント職種の一つですが、ブリッジSEならではの要素があります。それは日本人だけでなく異文化の人とも協力して働くということです。日本人同士であれば商習慣や文化は共通していますが、他国の人はそうではありません。
商習慣や文化をすり合わせながら協力する必要がありますが、そのためには相手の商習慣や文化への理解が必須です。相手の商習慣や文化を理解し、何が異なるのかを把握したうえで協力をあおぐためのコミュニケーションを取っていきます。
ブリッジSEに関するよくある質問
ブリッジSEに関するよくある質問を紹介します。
Q1. ブリッジSEとはどんな仕事ですか?
ブリッジSEは、オフショア開発(システム開発を海外に委託する開発方法)において海外と日本の橋渡しになる役割を担う職種です。言語、文化の違いで認識の差が生まれないよう、調整や管理、プロジェクトマネージャーへの進捗報告などを行うのが主な仕事です。
Q2. ブリッジSEが主に用いる言語はなんですか?
日本で活躍するブリッジSEが用いる言語は、英語か日本語が多いです。フィリピンやインドなど英語が公用語の国とのオフショア開発において、英語が用いられやすいからです。また、中国も人口の多さやオフショア開発の安さ、距離の近さなどから取引先となる事が多く、中国語を使用して開発を行う場合もあります。
Q3. ブリッジSEを英語で何といいますか?
ブリッジSEは英語に直すと、Bridge software engineer(BrSE)です。プロジェクトを進めるにあたって顧客側とオフショア開発側の架け橋となり、言語と技術の橋渡しを行う人のことを言います。
まとめ
ブリッジSEが中国語を使えると、中国へのオフショア開発はもちろん、中国人が在籍しているプロジェクトで役立ちます。エンジニアの公用語と言えば一般的に英語ですが、中国語はその次に学習することでメリットを得やすい言語と言えるでしょう。
英語がすでに問題なく使える方や、中国を中心に活動していこうと考えている方は早めに学習することをおすすめします。今は学習環境も充実しているので、自分の状況や好みに合わせて学習方法を選択できます。
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